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斬鬼伝第7話「祈る者、創り出す者」 - (2007/05/03 (木) 21:01:45) の1つ前との変更点
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<p>時刻も昼時とあり、酒場には依頼を求める冒険者だけでなく昼食をしに訪れる街の人間でごった返していた。 運良く空席を見つけることができたトートは注文をした後、酒場のマスターに話し掛けた。</p>
<p>「おっ、見ない顔だな。新米ながらそれなりに場数を踏んでいるとみた。ランク付けするなればD+かC-って所かね。」</p>
<p>酒場のマスターと支援士の職業斡旋者は同義であることが多い。リックテールの酒場のマスターも例外ではなく、若かりし頃はSクラスのレンジャーナイトとして腕を振るっていたという。 トートは食事を摂りながら何か依頼が無いか訊ねた。マスターは渋い顔をして、</p>
<p>「まぁ、無いこともないんだが・・・、お前さんに回せそうな仕事は殆ど午前中のうちに引き受けられっちまっててな・・・。Eランク程度の店番の依頼くらいしか残ってないんだが、それでもいいか?」</p>
<p>と、1枚の依頼書を出してきた。依頼書には「店番求む。報酬は5000フィズ」と書かれており、店の位置を記したのであろう簡単な地図が描かれていた。もともと金欠で、依頼の選り好み等できないトートは一も二も無く承諾した。</p>
<p>「はぁ・・・、支援士初仕事が店番だなんてカッコつかねぇよなぁ・・・」</p>
<p>地図と睨めっこしながらトートがぼやく。</p>
<p>『元はといえばお前が寝坊なぞするからだ。自業自得だな。』</p>
<p>「うぐ・・・痛いところ突いてくれるぜ・・・。っと、ここだな。」</p>
<p>依頼主の経営する雑貨店はリックテール商店街の一角にあった。外装は他の店と同じくシンプルなものであったが、屋根に飾られた「ランディス雑貨店」の文字がトートの目を惹いた。</p>
<p>「『ランディス雑貨店』・・・?どこかで聞いたような・・・」</p>
<p>訝しみつつ店内に入ると、小ぢんまりとした店内に所狭しとばかりに様々な品物が並べられていた。そして、店のやや奥まったところにはカウンターがあり、20台半ば位の女性が気だるげに座っていた。</p>
<p>「いらっしゃい。何か用かしら?」</p>
<p>鋭い眼光に射竦められながらもトートは店主に店番の依頼の事を話した。</p>
<p>「ああ、あの依頼ね、私はてっきりその腰に吊ってる片刃剣の鑑定を頼みに来たのかと思ったわ。」</p>
<p>「えっ!?この刀のこと、わかるんですか?」</p>
<p>トートは驚きを隠せなかった。一目見ただけでこの刀が特別な物であると見抜いたのだ。特に見せたわけでないにも拘らずだ。</p>
<p>「なんなら鑑定してあげてもいいわよ。どうせ接客するのはあなただし。」</p>
<p>「是非お願いします!」</p>
<p>「ああ、自己紹介がまだだったわね。私はアリシア・ランディス。この雑貨店の店主をしてるわ。従業員を呼んでくるから店番の事はその人に聞いてね。」</p>
<p>アリシアはトートから斬鬼を受け取ると店の奥へと消えた。</p>
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時刻も昼時とあり、酒場には依頼を求める冒険者だけでなく昼食をしに訪れる街の人間でごった返していた。
運良く空席を見つけることができたトートは注文をした後、酒場のマスターに話し掛けた。</p>
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「おっ、見ない顔だな。新米ながらそれなりに場数を踏んでいるとみた。ランク付けするなればD+かC-って所かね。」</p>
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酒場のマスターと支援士の職業斡旋者は同義であることが多い。リックテールの酒場のマスターも例外ではなく、若かりし頃はSクラスのレンジャーナイトとして腕を振るっていたという。
トートは食事を摂りながら何か依頼が無いか訊ねた。マスターは渋い顔をして、</p>
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「まぁ、無いこともないんだが・・・、お前さんに回せそうな仕事は殆ど午前中のうちに引き受けられっちまっててな・・・。Eランク程度の店番の依頼くらいしか残ってないんだが、それでもいいか?」</p>
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と、1枚の依頼書を出してきた。依頼書には「店番求む。報酬は5000フィズ」と書かれており、店の位置を記したのであろう簡単な地図が描かれていた。もともと金欠で、依頼の選り好み等できないトートは一も二も無く承諾した。</p>
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「はぁ・・・、支援士初仕事が店番だなんてカッコつかねぇよなぁ・・・」</p>
<p>地図と睨めっこしながらトートがぼやく。</p>
『元はといえばお前が寝坊なぞするからだ。自業自得だな。』</p>
「うぐ・・・痛いところ突いてくれるぜ・・・。っと、ここだな。」</p>
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依頼主の経営する雑貨店はリックテール商店街の一角にあった。外装は他の店と同じくシンプルなものであったが、屋根に飾られた「ランディス雑貨店」の文字がトートの目を惹いた。</p>
「『ランディス雑貨店』・・・?どこかで聞いたような・・・」</p>
訝しみつつ店内に入ると、小ぢんまりとした店内に所狭しとばかりに様々な品物が並べられていた。そして、店のやや奥まったところにはカウンターがあり、20台半ば位の女性が気だるげに座っていた。</p>
<p>「いらっしゃい。何か用かしら?」</p>
鋭い眼光に射竦められながらもトートは店主に店番の依頼の事を話した。</p>
「ああ、あの依頼ね、私はてっきりその腰に吊ってる片刃剣の鑑定を頼みに来たのかと思ったわ。」</p>
<p>「えっ!?この刀のこと、わかるんですか?」</p>
トートは驚きを隠せなかった。一目見ただけでこの刀が特別な物であると見抜いたのだ。特に見せたわけでないにも拘らずだ。</p>
「なんなら鑑定してあげてもいいわよ。どうせ接客するのはあなただし。」</p>「是非お願いします!」</p>
「ああ、自己紹介がまだだったわね。私はアリシア・ランディス。この雑貨店の店主をしてるわ。従業員を呼んでくるから店番の事はその人に聞いてね。」</p>
アリシアはトートから斬鬼を受け取ると店の奥へと消えた。</p>