Aerial World内検索 / 「鏡合わせの少女―夢の国より―:6」で検索した結果

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  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:1
    カードの表と裏。 一枚一枚違う模様が描かれているのが表で、すべて同じ模様で統一されている裏。 カードを利用したゲームは、裏面からは区別がつけられないことこそがその肝であり、裏面の模様が違っていては意味がない。 トランプの神経衰弱などがいい例だろう。 ……人というものも、案外そんなカードの表と裏のようなものなのかもしれない。 外見的には同じ双子でも、性格が全く違うことはよくあることで、外面だけ見てもその内側というのはなかなか分からないものである。 鏡合わせの少女 ―夢の国より― 町の中を、歩く。 変わらないようでいて、毎日、誰も気づかないようなゆるやかな速度で、様相を変えていくのが人の町。 変わったと気付いたころには、以前の姿など忘れ去っていることも珍しくはない。 「もう、復興も終わっちゃってるんだね」 北部の首都、リックテール。 大陸の南北...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:6
    南北の首都にどれだけの違いがあるかと問われ、明確に答えられる者はいるだろうか。 実際の街の様相はどちらも大差なく、細かな違いはいくらでもあるが、全体としての雰囲気や形式は似たようなものである。 ……強いて言うなら、平均気温と南北の名産品の集まり具合くらいのものだろう。 「…………でかい………」 北にも支援士のギルドというものはいくつか点在しており、それに関しても大小様々な規模のものがあるのは南北で変わらない。 今目の前にあるギルドは、メンバー個々の知名度の高さもあって名声こそ高いが、実際の人数は十人にも満たず、比較的規模の小さいものと言える。 ……が、今目の前にある彼女達の本拠地は、ベティが予想していた以上に大きかった。 「元々宿屋だった建物を改装した家じゃからな、空き部屋もいくつかあるから寛いでくれ」 「まだローンの支払い終わって無いけどな」どことなく自慢気に話し...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:5
    「ベルレフォートの黒陽姫か、噂には聞いていたが、まさかここまで瓜二つとはのぉ」 不幸中の幸いというか悲哀の中の幸いというか、フローナで話しかけてきたのはLittle Legendギルドのサブマスター、エミリア・エルクリオ、その人だった。 銀雪の姫君(スノーリージュ)、伝説の探求者(レアハンター)の二つの異名を持つマージナル…… ギルドの知名度に間違いなく一役買っている、それなりに有名な支援士の一人だ。 「光栄ですが……黒陽姫の名は私にはまだ荷が重く……」 「む、そうか? 14の身空でBランクは大したものと思うのじゃが」 「……自分で名乗るのは、もう少し力をつけてから考えます……」 この力も、人より幼い頃から武芸の指南を受けてきた積み重ねに過ぎない。 かつての時代の王宮騎士あがりの貴族として、武芸は半ば義務のようなものだから。 ――リエステール行きの馬車に揺られながら...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:2
    「何事かと思ったよ……」 ベルレフォート家の屋敷の一室。 ベティはあの後どうにか興奮する少女をなだめ、とりあえず話を聞くことにした。 手近なカフェで話をすることも考えたが、夕食も近い中途半端な時間のため、ひとまず自宅に招待することに。 「ごめんなさい。お姉さまに、よくにてたから……」 「ううん、まぁ事情は聞いたし、わりといつものことだし」 あはは、と笑いながら、ベティは落ち込む少女をなだめるようにそう口にした。 ……この少女――アリスというらしいが、ある人物を探して旅をしているという。 後ろについているメイドの二人は、護衛と世話係を兼ねているようだが、それを聞くと『従者でもあるかもしれないけど、私にとっては家族だよ』と返ってきた。 常に抱きかかえているか、頭の上に乗せているウサギについても、少々気になるところではある。 「アリス様、お待たせ致しました」 「...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:9
    ブレイブ・チャリオット。 全体重を乗せた突撃と、全身を駆ける炎の力を重ねた一撃。 ティールにとっては、彼女が”あのひと”と呼ぶ男性が使うブラスト・チャリオットという技を自分なりの力で再現したものに過ぎないのだが…… 直撃を受けたベティは猛スピードで突進する馬車にでも跳ねられたように吹っ飛び、そのままその直線上にあった大木に激突して倒れていた。 「容赦ないわねぇ。 木槍とはいえ、アレは運が悪かったらただじゃすまない威力よ」 もはや続ける力はないと判断したエルナは、即座に駆け寄り彼女の治癒を始める。 「あれは手加減する空気じゃないよ」 自ら切ったものといえ、気にはなるのか髪の先をいじりながらそう答えるティール。 しかしその態度は平静そのもので、特に悪いことをしたなどという感情は感じ取れなかった。 ……むしろ手加減は失礼に値するというのは、横で見ていたエミリアも理解はしていた。...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:3
    船旅――と言っても、一般人ができるものは南北を行き来する定期船くらいのもので、沖に出ていくのは漁師だけというのが現状。 かの黒船の一件以降、海の向こう側にあると言う別の大陸の探索に向けて、長期航行といざと言うときの為の武装も施された、超大型船の建造が南北協同で行われているのは有名な話だ。 まあ、その参考の為に回収された黒船は、破損は激しいものの、今の大陸の技術力では解明が難しい領域が殆んどで、マシンナリーやら造船技術者やらは目を輝かせていたり、逆にノイローゼになっているのもいたりと大変らしいのだが。 「…………こんなのんびりした船旅、初めて……」 そんなことは一般人には、興味は出ても知ったことではなく―― 定期船は、今日ものどかに南北の港を往復していた。 「海上に居るのは半日足らずだけどね」 甲板に出て、何やら感激した様子で船の舳先に立ち、気持ち良さげに両手...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:11
    人の縁とは奇妙なもので、なんということのない出会いから、時に思わぬ関係性に発展することも珍しくはない。 自分も人の中で生きる支援士の一人であるからには、そういった事も無かったわけではないのだが…… 多少は予想外なこともあるだろうと考えていた今回の出会いで、ここまで自分の事を考えさせられることになるとは思わなかった。 「ベティお嬢様、お帰りなさいませ」 見慣れた自宅の門を潜ると、必ず聞こえてくるメイド達の声。 これは、自分――“ベティ・ベルレフォート”にとってはなんということのない日常の一つだ。 「ただいま。フォルツェは何処に?」 しかし、“もうひとり”であるティールは、きっと知らない世界だろう。 貴族として産まれなかった自分……そんなifの存在。 しかしifであるということは、自分とは既に違う存在であるということでもある。 しかし、哀しくも揺るぎ無い強さを秘め...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:8
    「それでこんな流れになるなんて、青いわねぇ」 リエステール東海道。 街からそれほど離れていないこともあって、魔物や賊の接近も殆んど無いと言ってもいい箇所で、立ち会いとして呼び出されたエルナはそう口にしていた。 ……なんの立ち会いかと言えば、いわゆる決闘とでも言うべきだろうか? と言っても、互いに殺傷能力の低い木槍に持ち変えているし、いざというときの為の治癒要員としてエルナを呼んでいるので、どちらかといえば組手と言う方がしっくりとくる雰囲気なのだが…… 申し出たのは、ベティの方だった。 対する事で感じさせられた劣等感や、意地。 また以前から感じていた色々な感情。 それら全てが絡み合った末の行動だったのだが…… 「ぁああ!」 気合一閃。 ベティの繰り出す一撃が、ティールの身体を僅かに掠めた。 対するティールは、攻撃を放ったベティの隙をつき、カウン...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:7
    貴族家の会食に使われるものほどではないが、十人くらいは席につけそうな広いテーブル。 多人数が同じ家屋で暮らしているがゆえに必要となる、大型の家具だ。 「…………」 その内の一席に腰かけ、出されたお茶と菓子を口にするベティ。 そして対面する席に座るのは、このギルドの長、ティール・エインフィード。 外見的には鏡でもそこにあるかのように瓜二つな二人だが、それぞれがとっている態度には、大きな違いがあった。 「もうちょっと肩の力抜いたらどうかな。せっかくのお茶もおいしくないよ」 「あ、はい……」 きわめて自然体なティールと、言い知れぬ緊張感に包まれているベティ。 目の前の、自分によく似た少女を警戒しているわけではない。 ただ、本能よりも深いどこかで、この相手と自分の間に何かを感じていた。 「……ティール、あなたの噂はよく聞いてるけど……」 二人の横ではアリスとイリスが、二人の...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:4
    客船でのシップイーター騒動、あれは大陸外周部に張り巡らされている大型の魔物避けの仕掛けが一部破損していた為に起こった出来事らしく、あの船が南部にたどり着いた後の二、三日は、修復と補強のため定期船が休みになったのは、当然のことかもしれない。 魔物避けの点検は定期的に行われている筈なのだが、たまの報告ミスが引き起こす事態は大きい。 ――が、まあひとまず目的地に着いてしまえばそんなことはあまり関係なく、元々数日は滞在する予定だったので、問題は無いだろう。 ……貴族家の一人娘としては、家の事業に影響がでないか心配なところではあるのだが。 「私、船と相性悪いのかな……」 フローナについた後、アリスがそんな事をぶつぶつと口にしているのが耳に入った。 船に乗るたびに何かあるのでは困ったものだが、とりあえずただの偶然だとフォローを入れておく。 ……しかし、これほど無力感を感じ...
  • 鏡合わせの少女―夢の国より―:10
    「はあ、メイド長……ってまた大袈裟な」 ギルドに帰ると、マナを真ん中にしてアルとワルツの三人がそこに立ち、今後の自分達の扱いについてティールに申し出ていた。 マナは一応何でもない風を装ってはいるようだが、なにやら居心地が悪いような恥ずかしいような、微妙な表情を浮かべているが…… 「このギルドについては、マナさんが一番詳しいので適任かと思いますが」 「いやその……三人しかいないのに長とかつけられましても……」 あははは……と乾ききった笑いをもらすマナ。 自分達が出てる間に何を話してるのかと思えば、まさか自分のギルドで使用人の序列のような話を耳にすることになるとは思わなかった。 とでも言いたげに苦笑するティール。 それでも口にしないのはどういった意思の表れだろうか。 とりあえず、ティールは好きにしていい、と一言投げ掛け、マナの立場はほぼ確定したと言ってもいい結果となった...
  • イラスト
    ttp //briefcase.yahoo.co.jp/erial_world に一時的に保存されています。 立ち絵 ※固有キャラクター ディン エミリア エミリア(クラウン) ディン・エミリア ティール ティール(鏡合わせの少女以降) シア・ユキ・銀牙 ほたる 空也 ソール マーニ・ヒミン アリス ティール・アリス アル ユキ(アリスキュア) ハルカ アリン&マリン レア・リズリッド ギン(神月) リーゼ&カノン リオナ カネモリ ジュリア エンリケ エミリア(Jolly版) ディン(Jolly版) エルナ(Jolly版) ※汎用キャラクター アリスキュア その他 アルカナトランプ アルカナクロック ラフ画もしくは線画 ヴァイ リスティ エルナ カネモリ ジュリア エンリケ アリス...
  • 作品
    作品一覧 Tale of Vai 【著・神無月カイ】 ToV1.青年と少女 ToV2.聖女の器 ToV3.決別 ToV4.エンディング SS1.その意味 SS2.リスティ支援士認定試験 SS3.図書館の一角にて Frolia -ある晴れた旅立ちの日の午後のお茶- 絆~Tale of Vai アフターシナリオ Tale of Listy~ 横槍なお話- 吟遊詩人と子龍 【著・龍獅】 フリージア 【著・龍獅】 TOVキャラ紹介 『セレスティアガーデン』 【著・イルフィート】 第1話『ギルド・セレスティアガーデン』 1 2 3 4 あとがき キャラ紹介 第2話『買い出しの果てに』 1 2 3 4 5 6 Ending 1 2 3 第3話『堕ちた聖女』 1 2 3 小話集『なにこの依頼』 1 2 深淵の白石 【著・...
  • 第1話「爆破したいなーって思う・・・でしょ?」
    <リエステール~ミナル街道> 天気のいい昼下がりのある日のこと ???「まったく・・・どーしてこういう事になるかなぁ」  とぼやくのはクリエイターの少女―エリス。 前方に見える橋の近くにはいわゆるトカゲ男―レムリナムの群れ。 文句が出るのも無理もない。 エリス「せっかく北側での仕事終わって、ミナルでのんびりしようと思ったのにぃ・・・・・・」 ???「まぁ、このあたりはたまに群れを成す事があるからね」 エリス「仕事で使い切ってなければ、全部爆破できたのに・・・・・・」 ???「エ、エリス? そういう物騒な方向へ考えるのはやめようよ!?」  なにやら物騒な考えをしているエリスを静めようとするパラディンナイトの青年―アルハイムことアル。 必死になって考えをやめさせようとする姿から、実際に爆弾があれば実行しかねないこと...
  • チャプター3.黒服の少女
    ―3― 「ぐあぁあ!!」 「!?」 その時、横からものすごい勢いで吹き飛んでくる盗賊の一人。 …今自分達が相手をしていた者では無い。 すぐ隣で、黒い服の少女と戦っていたうちの一人だ。 「…完全に気絶しておるの」 つんつん、と杖でつつきながら、エミリアが一言。 「……すごい子供もいたもんだな、5人全員倒したのか」 そして、飛んできたその方向に目を向けてみると、死屍累々と倒れている四人の盗賊と、涼しい顔で槍を肩にかけ、袖で汗をぬぐっている少女の姿があった。 さっきよりも多少傷が増えているようだが、どれもかすり傷程度のもので、盗賊達が善戦すらもゆるされなかったというのは、その姿を見れば容易に想像がつくだろう。 「ありがとう」 そして、二人の方に顔を向けたかと思うと、いきなりお礼の言葉を口にする。 二人は、一瞬なにが起こったのか分からずに、沈黙してしまった。 ...
  • 永久なる幻想の扉
    遥かなる北の雪原 砂上墓所 ……果ては、無限迷宮。 その足で向かえるところは、殆ど行ってしまったようにも感じられる。 残すは中央平原――――そして”天空”くらいなものだろうか? プリズムヒルズでは小さな魔女に、ユグドラシアでは闇を背負った狩人に…… ヒトの姿をした何かとも、幾度となく戦い、時に勝つこともあれば、からがら逃げて来たこともある。 ……気がつけば、自分もSランク支援士などという立場に上り詰めていたが…… 未だに、見ることのかなわない町があった。 その名はソドム。 幻永の町と呼ばれるそこは、すべての望みがかなう場所だという。 ソドムに関する噂はいくつもあるが、その中で自分の気を引いたのは『死者にすら会える』というものだった。 ……自分には、死に別れた大切な人がいる。 本来なら、死者に会うなど輪廻の均衡に触れる行為…… 相応の報い...
  • プロローグ.ずぶ濡れの少女
    ―プロローグ― 日も沈み、月や星の全てが雲に覆われ顔を隠し、その大地を雨が叩く鉱山の町モレク。 いつもならば、酒場はたとえ外が暗くなろうとも人は多く、昼間と変わらぬ喧騒を見せるのが常だったが、雨天の夜ということもあるのかほとんど客らしい客はおらず、マスターがコップを磨く音だけが妙に大きく響いていた。 比較的荒っぽい人間が多いこのモレクで、ここまで酒場が静まりかえるのはむしろ珍しい。 だが、ただ一人で静かに飲む客と、静寂の中でグラスを磨く自分……これはこれで味のある空間かもしれないな、と、マスターは時々考えていた。 「……ん…?」 そんな時、ふと誰かの足音が耳に入り、外と内をつなぐ扉へと目を向ける。 間もなくしてその扉は、キィ…と言う音と共にゆっくりと開いていった。 その向こうから現れたのは、一人の小柄な少女。 雨に打たれて全身くまなく水浸しで、ぽたぽたと床に水...
  • 古よりの民
    古よりの民 『……………』 リックテールのとあるオープンカフェ『ブルーフェザー』。 そこはいつもカップルやら息抜きにコーヒーを飲む人やらで賑わう、ちょっと人気の店。―――なのだが……今日、この時は何やら奇妙な空気に包まれていた。 「二人とも何か話したらどうだ? 女はもう少し騒がしいくらいで普通だろう」 その内のテーブルの一つ。 置かれている椅子の数から四人掛けの席だと察することができるが、そこに座っているのは背の高い青年とやや背の低い少女が二人の三人組。 「……それは偏見だ」 「まあおしとやかとは言いがたいのは認めるが」 青年の言葉に、彼女達らしい態度で返答する二人。 端から見るに、仲がいいとも悪いとも言い難い、どこにでもいそうな三人組だが、今このカフェを包んでいる異様な空気は間違いなく彼らから発せられていた。 ―――近づいてはいけない。 殺気や怒...
  • 子鬼の愚痴と少女の気遣い
    子鬼の愚痴と少女の気遣い 「涼蘭の人間好きは承知しているが……」 雪原に続く町、クロッセル。 十六夜程ではないが寒さが身に染みるこの町の宿の一室で、いぶかしげな表情で自分に出された御膳を口にする見た目は14歳程度の少女が一人……と、彼女に向かい合う位置に座り、半ば苦笑いを浮かべつつ同じ食事に箸をつけるもう一人。 そちらは先の少女よりも多少歳は上……17、8といったところだろう。 ちなみに涼蘭というのは、今は温泉にいってこの場にはいないが、二人の友人の一人である。 「……椿は、やっぱり人間が嫌い?」 湯飲みのお茶を一口すすり、愚痴を続ける少女――椿にそう語りかける。 「…………人の全てを嫌だと言っているわけじゃない。 でなければ、晴華、お前とこうして寝食共にするということもないだろう」 「それは分かるけど」 晴華は少し複雑な表情で椿の言葉に答え、また彼女の次の...
  • Wonderland of Alice
    ―Wonderland of Alice― 「なっ…!?」 床に降り立った4枚のトランプが突如光を放ち、次の瞬間には手足と兜を被った頭のようなものが現れ、丁度人間と同じサイズにまで巨大化。 スペードのAは刀身にスペードのマークが刻印されたロングソードを、クローバーのJはクローバーマークが刻印された長槍を、ハートのQは先端がハートの形をした杖を……そしてダイヤのKは、ダイヤマークが刻印された戦斧を構え、アリスを守るような布陣でティール達の前に立ちはばかった。 「武器から察するに、Aがブレイブマスター、Jはパラディンナイト、Qがマージナル、Kがベルセルクといったところですか」 周囲が驚く中、カネモリは冷静に現れた敵のいでたちを分析する。 「……しかし、チェスボードの舞台にハンプティ・ダンプティの椅子、そしてウサギとにやついたネコ、トランプの兵士……『不思議の国』に迷い込んだ...
  • フェアリーローズ:4
    ―4― ――ああ、くだらない事に巻き込まれた。 その少女は、もう何度目かわからないため息をついていた。 奥には綿や糸に縫い針、フェルトやベルベットの生地が詰め込まれ、また口からは真新しいうさぎのぬいぐるみが顔を出している紙袋を抱きながら走るその様は、少女の姿をより幼い印象にさせている。 ゴシック調のやや短めのスカートのドレスは、彼女が足を動かすたびに揺れ、遠目にも急いでいる様子が見てとれた。 こう急いでいる理由はと言えば、これもつまらないことだ。 ――話は少し前にさかのぼる 「お嬢ちゃん、裁縫でもするのかい?」 湊町ルナータ。 港と言えば海、海と言えば海産物と連想が繋がりそうなものだが、実際はそれに限らず南北を繋ぐ唯一の窓口のためか、あらゆるものがこの町に集う。 日用品でも、南北の町の特産品――シュヴァルの絹糸や木製品なども例外ではなく、ものによっては...
  • アルとチェシャ猫
    ブラック・シップの一室。 見るものの目を奪う繊細さと美しさを兼ね備えた黄金色の髪と、こどもならでは可愛さと愛らしさをもった顔立ちの少女―アリスが、こっくりこっくりと椅子の上で眠っていた。 『ごきげんよう、よく眠っているかな?』 そんな中で、部屋の隅のクローゼットの上に、一匹のネコがスーっと空気から溶け出すように現れ、開口一番そんな一言を口にする。 「チェシャ、こんな時に何をしていた」 その言葉に答えるのは、眠りこけているアリス本人ではなく、トランプ模様のメイド服を着た少女、アル。 チェシャ、と呼ばれたネコは、変わらずニヤニヤとした笑顔を浮かべたまま、再び口を開く。 『この世界、なかなか面白い人間がそろっていたね。 向こうの兵士の中にも異世界の人間が何人かいたよ』 「―何?」 『どの世界の住人かまではわからないけどね、一人は世界にはない力を振るって、別の一人はこの世界には無...
  • プロローグ.氷昌の館
    プロローグ ――夢の中 今自分は、自分が夢の中にいるという事をはっきりと認識していた。 足を進めると、コツンと床と靴が鳴り、その音は廊下全体に響くかのように広がっていく。 まるで水晶のような輝きを放つ床と、同じ素材で作られた壁、天井…… さらに周囲をよく見渡してみれば、時計などと言った調度品もすべて、同じ水晶のような素材で作り出されているように見える。 「……水晶の館……?」 それは、自分が子どもの頃から夢見ていた場所。 なにもかもが水晶で作られ、見る者の目を……そして心を奪うような美しい輝きを放つ幻想の館。 現実に、とある書物にその場所の記述がなされていたのは知っているが、実際にそこに辿りつけた者はいないという。 そこにたどり着くためには、その者自信が氷雪系の能力の極みに近付かなければならないとも言われているが、実際どうなのかまでは定かでは無い。 ...
  • 彼方よりの来訪者
     「…おい、ありゃナンだ!? 船か?」 「あぁ。でもなぁ、あんな形の船、しかもあんなにたくさん! 俺ぁ長年漁師やってるが、今まで一度も見たことねぇぞ!?」 大陸北部の港町・ルナータ。 その東に開ける洋上に姿を見せたのは、黒い船体の大艦隊。 不気味な威圧感を漂わせる船の建造様式は、この世界で普及している いずれのタイプのものにも符合しない。 〈ザワザワザワザワ…〉 いつの間にか野次馬連中でごった返しとなった岸壁に向かって、大艦隊から 上陸用の小舟が次々と送り出されてゆく。 …黒船から降り立つ異国の民とは、どのような人々なのだろうか? 「物共よ、小癪(こしゃく)な奴等を殲滅するのだ!」 『キシャァァーーーッッッ!!!』 なんと! 小舟から降りてきたのは、褐色の肌の異人に統率された おぞましい魔物どもの軍勢ではないか!? 〈ドン! ヒューッ…… ドグワッ!!〉 異...
  • 吟遊詩人と子龍
    -吟遊詩人と子龍- 「よいしょっと」 白いボブキャップに白系の服を身につけた少女が、そのへんの店でパンとコーヒーを買い、教会近くにある広場のベンチに腰かける。 この”紙コップ”という食器は使い捨てではあるが、使い捨てであるがゆえに、本来の陶器の食器のように”飲食店から外には持ち出せない”というデメリットは解消されている。 まぁ要するに、使い捨てなりだからこそ持ち歩けるという便利さがあるのである。 「……様子見に来たつもりだったけど……この様子だと、”人攫い”でもしたのかな」 なにやら遠目に見ても妙な騒がしさを見せているが、確か今日はアリスキュア達の昇格の儀式の日。 ……と思って眺めていたが、どうやら儀式に対する慌しさとはまた違った様相を見せていた。 ”アルティア様はどこだ!”などという声が飛んできている事から、大体なにが起こったのかは想像がつく。 「あら、テ...
  • AS00.離反の狼煙
    …黒き船の暗き部屋で―――室内には多くのディスプレイに映像が表示されている―――研究者風の男が一人、誰にでも、と言うわけなく呟く。 「いよいよか…」 その男の名は『アイン・アシム』、彼が今目を向けているのはその中の一部の画面だ。その画面内に映されているのは――― ―――時は一月前に戻る。ある男と、少女と、メイド服の女性の間では、 『本当にそれは成功するの?』 『ああ、奴の話だとそこまではほぼ確実だ、って言ってたぜ』 『…貴方はどうするのですか』 『当然だろ、こんなところにはもういたくねぇからな、そっちはそれからどうするんだ?』 『私達は…』 金髪の少女と、橙色の髪の女性の間では、 『―――ということだけど、製作は順調?』 『こっちの方はもうすぐなんだけど、もうひとつの方は…』 『間に合う…の?』 『絶対に間に合わせてみせるよ』 彼らが話していたこと、それは。 ...
  • チャプター1.浮き足立って
    ―1― 河川の町ミナル―『河の上に建つ町』とも呼ばれるこの町は、いたるところに河が流れ、町の中の交通手段といえば、あらゆる場所に河がつながっているという地形から、渡し舟が主要なものとして扱われている。 まだ太陽も低い朝、一日の始まりを告げる明るみを帯び始めたばかりのその町は、河のせせらぎだけをBGMに、静かな時間を刻んでいた― 「起きろディン!! 鉱山に行くぞ!!」 ……とある宿屋の一室を除いて、の話ではあるが。 「……エミィか……また唐突だな。 もう少し寝かせろよ」 部屋中に響き渡るかのような勢いのその声に叩き起こされた青年―ディンは、一度引っぺがされた布団を、めんどくさそうに被りなおした。 しかし、エミィと呼ばれた少女―エミリアは、相手のその行為にも一切引かず、さらに勢いづけてもう一度それをひっぺがし、さっき以上に叫びたてるような声を張り上げる。 「何...
  • エピローグ「・・・・・・・・・ちょっと間違った、かも」
    <ミナル街外れ―雑貨工房『MAOH堂』> 『MAOH堂』―知る人ぞ知る・知らない人はぜんぜん知らないミナルの街外れに立っている工房兼雑貨屋。 もともと宿屋だった建物を改装しており、四階建てという大きな建物である。 一階の一部を店舗とし、その残りと二階から四階を住居スペースに使っており、エリスたちもその部屋を間借りして拠点にしている。 そんなMAOH堂の二階のリビングにて ???「ハハハ、そりゃとんだ災難だったねぇエリス」 エリス「そんなに笑わないでよ師匠ーー!」 無事に帰ってこれたエリス達の土産話を聞いて面白おかしく笑う女性―マリエルことマリー。 彼女はMAOH堂の店主の一人であり、エリスのクリエイターとしての師匠でもある。 ちなみにキョウも店主の一人だったりする。 マリー「それで、助けられちゃった上にキョウちゃんからお灸すえら...
  • チャプター4.七色の鳥
    ―4― その後、足早にモレクまで帰還したティールは自警団の駐屯騎士に事のあらましを告げた。 ……ただ、今の自分は事の大きさを理解しきれていないと考え、”ダンジョンから出たところを、荷物を狙われた”とだけ伝え、小鳥の存在についてはまだ隠しておく。 珍しい存在というものは、あらゆる方向から狙われる要因となり、加えて今自分がおかれている状況から考えると、騒ぎを大きくせずに、相手の出方を見る方が得策……そう考えての行動でもあった。 「……とはいえ、どうしたものかな」 自警団が岩礁洞窟方面に調査に出たのを見送ると、ティールは再びモレクの町を歩き出す。 とりあえず酒場に依頼されていた岩塩を届けるのは確定として…… 「ピィ~……」 「……あ、お腹すいた?」 コートのポケットからちょこんと顔を出し、なにやら切なげに鳴く小鳥。 思い返せば、たまごから孵ってからここまで何も...
  • 翼をつけた少女
    今現在、ルインを含む分隊は大広間へ向かって進軍している道中だ。 が、 「ルイン…あまりにも雑魚が多いと思うのだが…」 レオンが反ば呆れたように言う。 「…私もそう思う…」 「それにしても異常な数だな…」 道中に先程閉じ込めた異人や魔物がアイズを追いこの通路に来て、 こちらの進行を塞がるように密集している。あくまで偶然だと思われるが。 相当な距離が離れているので向こうは今の所感づいてはいないようだ。 (…時間が無いのに、これ以上時間を食われる訳には…) 彼女が思案をしているまさにその時、 『ルインちゃんとその他大勢の皆さん、お困りみたいね?』 と、何処からともなく少女の声がした。 「この声は…!」 『彼女か…』 流石に皆、状況が分からないようだ。ルインとチェシェ猫を除いて、だが。 「だ…誰だ、いや何処から声が…!」 『上だよ上』 皆が上を...
  • —プロローグ—
     風をもとめて —プロローグ—  〈カタン…バタム!〉 ここは大陸南部に開けた大きく平和な都・リエステール。 生活用品、武器防具、魔法道具、宝飾品、薬。 ありとあらゆる道具の店が大通りに面して並ぶ、人呼んで「道具屋通り」。 もう夜も遅くほとんどの店が看板を仕舞っている中、まだ窓に明かりを灯している一軒に ひとりの少年が入ってゆく。 その玄関に掲げられた真新しい白木の看板には、黒い墨で鮮やかに筆書きされていた。 『各種くすり調合いたします 錬金術師カネモリの工房』  〈コポコポコポ……〉 奥の方から聞こえる湯の沸くような音がかえって静けさを際立たせる店内を、少年は周囲を 見回しながら無人のカウンターに向かって駆け寄る。 「…………。」 〈チリン! チリリン!! チリリンリリンッ!!!〉 『御用の方はチャイムを鳴らしてお待ち下さい』 との注意書き通り、...
  • 第3話「しっかりと覚えておくように」
    <リエステール~ミナル街道―橋付近> ―ガゥン!!! 爆発にも似た轟音と同時に巨大レムリナムの体が大きく揺らいだ。 空砲弾―専用の弾倉内で空気を圧縮して生成した弾丸を打ち出す物である。 ドレッドノートの弾種では短射程であり威力も最も低いものであるが、それでもなお十二分の威力を誇るものであった。 しかし、それを受けてなお巨大レムリナムは踏みとどまる。 ショコラ「まだ、終わりじゃないですよっ!」 即座にショコラは撃鉄を起こし、弾倉に残っている二発も連続して発射した。 二発目は体勢を立て直そうとしている巨大レムリナムの左肩に、三発目は二発目で体勢を完全に崩した状態の胴体へ叩き込まれた。 それにより巨大レムリナムは仰向けに倒れこんだ所へ、アルが飛び掛る。 アル「これで、終わりだ!」 大剣で胴体の急所を貫くのと同時に、巨大...
  • -あ-
    【アーリー】 動物・固有名 モレクに住む純白の毛並みを持つノラネコ。 その身体能力は普通のネコでは考えられないほど高く、また頭もいいために速度に重点をおいたジョブの者でも早々は捕まえる事が出来ないという。 モレクの酒場のマスターとは仲がいいらしく、彼に時々エサを貰っている風景が見られる。 彼はその身体能力を生かし、速度系のジョブを目指す者の支援士昇格試験(ランクC)に彼を捕まえるコト、というものがあるほどである。 が、その時の彼が本気を出しているかどうかは不明 ※支援士昇格試験・モレク・酒場のマスター(モレク) 【アイリス】 生物 虹の魔鳥。霊鳥。虹の精霊王と呼ばれている七色能力を持った存在 自らが死ぬ刹那にその身を卵と化し、次の親が現れるのを待つ生物としては特殊な生態系を持つ 自らの身を守る為に保護色的な意味で周囲に準ずる...
  • 従者二人
    ―Alice in Wonderland― 「すぅ……くぅ………」 艦隊を指揮するブラック・シップの一室。 それほど広くもなく、ベッドと小さなクローゼット……他は、最低限の家具だけが配置されたその部屋のベッドの上で、一人の少女が寝息をたてていた。 そして、その傍らの椅子に、スペード・クラブ・ハート・ダイヤと、4つのトランプマークがあしらわれたエプロンドレスを身につけた、メイドと思わしき人物が佇んでいる。 「……お静かに願います、カリフ」 そのメイドが小声でそう口にすると、がちゃり、と外から鍵が開けられる音が聞こえ、その向こうから、両手で抱える程のジルコンを手にした一人の女性―カリフが、部屋の中へと入りこんできた。 「アル、貴方は私に命令できる立場なの?」 「私はあなた方の部下ではありません。 私の主はただ一人、アリス様だけです」 すくっと立ち上がり、厳しい目...
  • チャプター7.思考凍結
    ―7― さすがに宿の中まで銀牙を連れて歩くというわけにはいかず、一度彼を宿の裏に隠れさせて宿の中へと入る。 ……ヴァイ達はどの部屋に目的の少女がいるのか分からずに、ここにきて少しまよっていたが、ふと受付に目を向けると、シアが従業員に”宿泊客の友人です”と言い、目的の少女が泊まっている部屋の場所を教えて貰っていた。 「……堂々としてりゃ普通に教えて貰えるものなのか?」 バードの僧服を見に着けたままなので、教会の人間であるという影響もあるかもしれないが……実際のところは、シアの名前はモレクでも多少いい意味での評判が広まっている、という理由が主である。 「203号室だそうですよ。 行きましょうか」 もっとも、本人にその自覚があるかどうかは定かではなく、シアは特になんでもないような表情のまま、後ろに立っていたヴァイ達に呼びかけていた。 「で、来てみたもの...
  • チャプター5.笑顔の誘い
    ―5― ――夜。 月も昇り、数々の支援士や住民達で賑わっていたモレクの町も静まりを見せ、町の賑わいは民家や酒場、宿屋の中へと移っていた。 今外にいる者達と言えば、遅めの帰宅の町人か、鉱山帰りの冒険者くらいのものだろう。 「あー……今日は空ぶりじゃったのぉ……」 ディンとエミリアの二人もその例にもれず、鉱山側の町の出口から、宿へと向かってほてほてと歩いていた。 エミリアは、目当てのものを見つけることが出来ずに意気消沈気味ではあるが…… 「バッグの1/3の鉄鉱石に、宝石の原石が数個。 昼過ぎからなら上出来だろう」 それ以外で手に入った鉱石類は、酒場のアイテム捜索依頼を漁れば使った時間に見合う報酬は出る収穫。 ディンは、まぁこんなものか、という感じでこの日の行動を振り返っていた。 「何を言うか。 目的のものが手に入らなければ、何を見つけようと空振りなのじゃー」 ...
  • 終幕:夢の終わりと…
    終幕     夢の終わりと… あの翌日、朝の間に二人と分かれ、一人で家へと戻った。 ルディとベルも別れる瞬間まで”北(リックテール)に急ぎの用事がある”、なんて言ってあっさりと行ってしまってなんだか少し寂しくなったけれど、それは仕方のないことだな、と今は思う。 だって、二人はわがままに付き合ってくれていただけだから…… ……そして家へと戻り、お父様とお母様と顔を会わせた時に怒られるかと思って覚悟していたけれど、二人とも涙を流して抱きついてきてくれて、思わず自分も涙が出て……自分のした事の大きさを、改めて知らされたかのようだった。 「……ふぅ……」 それからまた数日が経ち、今日は婚約相手であるルークさんと顔を合わせる事になっている。 お父様が言うには、むこうに何か事情があるらしく、5年ほど彼の姿を見ていないということだったけれど、それでも予定の日が近い...
  • チャプター18.血濡れの少女
    ―18― それは、ほんの少し前……まだ半年も経っていない、ある日のできごと。 しかし彼女の中では、未だ昨日の―いや、数分前の出来事のように、鮮明に記憶の中に残っている。 「随分前に、私の能力―『ブレイブハート』は目覚めていた。 だから、その時は皆の力になれると思っていた」 何でもないような表情でその記憶を語り始めるティール。 「……その日、ある魔物の討伐の依頼が、私の仲間達に届いた。 それは凄く強くて、この世界なら、間違いなくSランクに分類される相手だったと思う」 しかしその声の中には、聞くものに彼女の怒りや恐怖、そして絶望といったものを否応なく感じさせる何かが潜み、口を挟むと言う行為すらも封じ込める。 「今の私なら大丈夫、戦える……そう思った私は、無理矢理みんなの後をついて行った。 みんな、これだけは駄目だと言っていたのも無視してね」 ……ここまで、彼...
  • 『壇上の傍観者:ギャグ』
    『壇上の傍観者:ギャグ』(イルフィート) 「ネタが学園祭モノで1月まで引っ張るってのもどうなのよ!!」  そう愚痴をこぼしながら青い長髪をたなびかせて歩く一人の少女。 しかし、その言葉は今のこの状況とは相反していて、それを聞いた周りの人間の注目を集める。  今日はここ、エリワー学園で行われるお祭り・聖華祭の2日目。 「ほらほら、文句言わないの!! 今日はお祭りなんだから・・・」 「何よ、あんたが余計なことするから、こんな状況になってるんでしょ!!!」  その青髪の少女の少し後ろを歩くのは、これまた同年代ぐらいの少女。 しかし、その振る舞いは、青い髪の少女のそれとは違って落ち着いている。 「あーもう、こんな普通の人間の体なんてダルイ・・・」 「ほとんど消えかけていたあんたをここまで復元してあげたのは誰だと思ってるの?」 「復元ねぇ・...
  • Black Loulette サンドヴィレッジ編 キャラ紹介L№s編
    ルーレット№s(ルーレット ナンバース) 共通 種族:ルーレット№s(ウグイス・カラミティレイドの夢能力"カジノH$H"の一部) 性別:女性 年齢:6歳(召喚時から数えての年齢) 共通能力:赤・黄・黒・精神(夢能力による創造物の為、適正があるという意味で持っている。 要はおまけ) 共通装備:黒服 (気休め程度だが防刃繊維製で普通の服よりかは切れにくい。  重戦士系は中に鱗状の金属板を仕込んでいて、それ以外の職業は重さが気にならない程度に金属糸を仕込んでいる。) 固有能力(ルーレット№s共通)  射撃:メンタルを少し消費して撃つ。 最大有効射程は50mで20mまでが正確に撃てる射程。  メンタルの消費量を弄れば出力を抑えた非殺傷銃にもなる。  ジェノサイド○○:己のメンタルの大半を消費した大型弾を放つ。 詠唱は『△△、想いの弾丸』  ...
  • カラオケに行こう!:その9
    エミリア「やれやれじゃな。 ……さて、次に行こうか?」 ジュリア「♪舞い上がれよ」 兼守&ジュリア『♪この空へと 外の世界へと』 全員『!?!?』 兼守「♪どんな冷たい闇に縛られてても」 ジュリア「♪いつまでも追い続ける」 兼守&ジュリア『♪明日への光を…』 ティール「わっ、弾幕同人系アレンジボーカル曲が続いた!?」 ディン「なになに…、やっぱり『二つの翼』だな。」 マグノリア「知ってるのか、ディン兄も?」 ディン「あぁ、…ディスクはエミィからの借り物だけどな。」 シア「あの…、その辺りの話は分からないのですが、これでハッキリしたことも    ありますね?」 エルナ「そうね。     まず最初に、カネモリ先生もジュリアちゃんも、ホントはお互いに     歌好きで実力者なのを知っていること。」 ヴァイ「それから、あのふたりに共通の持ち...
  • 『お祭りは準備から始まっている:どたばた』龍獅2
    3・練習(個人)編 ヒュン! と風を斬るかのように一本の木刀が空を走る。 どこか荒々しくも速く、勢いのあるその振りは、眼前に立つ者を軽く圧倒するだけの力があるだろう。 「ふぅー……」 青年――ヴァイは、ひととおりの殺陣を終えると深く呼吸をしながら木刀を下ろした。 この演舞の観客は三人だけ。 一人は、この練習のきっかけとなった少女、ティール。 二人目は、彼の幼い頃からの親友であるケルト。 ……そしてもう一人は、学園の近くの剣道場の師範を勤めている、竜泉空也という名の青年。 「飲み込みが速くて逆に教え甲斐が無いな。 世が世なら、歴史に名を残す剣士になっていたかもしれん」 ヴァイの殺陣を一通り見ていた空也は、はははと笑いながらそう口にする。 実際、何かを教え始めて数日もせずにモノにできる相手などそういるものではなく……本当にたったの数日で荒削りながらも剣術をそれ...
  • Stage1:二人の日常
    STAGE 1 旧名、”Bloom Rider s” 十年ほど前から飛行術師達の間でボード型の触媒を使う事が流行り始めてからは、その組織の中でも必然的にボード乗りの割合も増えていく一方だった。 そんなある時、もう”箒乗り(ブルームライダー)”という名前では合わない!! ……という、数年前に新たに就任した社長の鶴の一言により”Sky Rider s”に改名されたという過去がある。 今ではそのボード乗りの増加傾向も落ち着いて、箒とボードの割合は半々。 また、当時何かと騒がれていた”ボードと箒のどちらが優れているか!?”などという議論が行われる事もなくなり、組織内の空気も落ち付きを取り戻していた。 「十六夜まででしたら、依頼料はこのくらいになっております」 ――リックテールの片隅にある建物。 そこは酒場のように酒や料理を取り扱っているということはないが、入り口の...
  • Shiny White
    Shiny White- 煌めき 夢幻に舞う雪の中で この手に 輝く奇跡つかむよ 青い空はね 大好きだけど 白に包まれた 町を夢見る 風にゆらめく 気まぐれな雲 こんな日くらい 願いを聞いて! 街中 虹彩(なないろ)に染める イルミネイションさえ アナタにはかなわない きっと ずっと待っていた プレゼント 銀の鐘 鳴る夜に 包み込んで 私を 煌めき 夢幻に舞う雪の中で この手に 輝く奇跡つかむよ たとえ まばたきする間に消えていても 想い残るよ胸(ココ)に 抱きしめていて 覚えているよ たくさんの想い出 二人で笑った それだけだけど 髪についてた 粉雪たちを はらってくれた 何気ないフリで 夢見た ホワイトクリスマス きらめきに包まれて アナタと歩きたいよ どこまでも 続くよ白い カーペット 聞こえてる? この鼓動 なにもかもが 嬉し...
  • プロローグ:いつもの邂逅
    「待機を駆ける風精、ここに集いて流るる不可視の翼を我に――」 シュヴァルの門の前で、乗馬用の馬につけるような鞍と、足掛けのようなものが取り付けられた箒にまたがり、その目にゴーグルを取り付ける青年が一人。 始めてこの光景を見る人がいれば、”何をしているんだ?”とばかりに一瞬足を止めてしまうだろうが、この町……いや、大陸北部においてその姿はそれほど珍しいものではなく、周囲の人間達は特に関心を示す様子は無かった。 「エアリース・グライド」 詠唱を終えた青年が、最後のその一言を口にした瞬間、周囲の空気の流れが変わる。 彼自身から、いや、彼の足元から吹き上がるような風が巻き起こり、その身体を箒ごと重力の束縛から解放し――地面から数十センチという高さではあるが、確かに彼は宙に浮いていた。 「《始動(イグニッション)》」 そして第二の掛け声と同時に吹き上がる気流がさらにその姿を変え、その場...
  • 記す者・それを伝える者~ユグドラシア編~
    私は過去を記すもの 私は過去を伝えるもの 私は過去を見ているもの 私の名はオル 闇を持つ妖精 妖精族の異端者 永久(なが)きに渡り、 妖精族の身辺を ユグドラシアの成り立ちを 事件を、そしてそのあらましを 膨大な記録として残してきた 私は暗い一室で、最近拾った一つの“記録石”を拾い上げた。 記録石。とはいうけれど、人の子や魔物達にとっては、ただの石ころでしかないだろう 事実、それはただの石ころであり、特別な価値は無い だけどその石は、鮮明に“見ている” 妖精族は、モノの心を読む力がある だからこそ、その石が鮮明に記憶していた事を見る事が出来る その石が記憶していた部分は、とある事件の一幕 私はパズルのピースを埋めるかのように、記録して集めた“その事件”の石達を集めて、 時間軸ごとに記していく いけない。今日はソール...
  • チャプター1.七色のたまご
    ―1― オース海岩礁洞穴。 鉱山の町モレクから更に西に向かった先にある、海に深く密接した事で有名な中級ダンジョン。 その特性から内部には所々に海水の溜まり場があり、季節や時間による潮の満ち干きで進入できる場所などが変わってくるという。 浅い部分であればそういった事も少ないのだが、深い部分になってくるとその変化は顕著に現れ、時には完全に海水に沈んでしまう場所もある。 そんな理由から、これ以上踏み込めば海に呑まれるかと思われる場所に支援士の少女が一人。 岩塩の採取依頼を受けて入りこんだのだが、知らず知らずの内に中腹まで足を伸ばしていたようだ。 「これでもう十分かな。 さすがに水が多くなってきた気もするし」 何事も、引き際が肝心である。 満潮の海に沈んで終わるなどというのは、そういったものをわきまえていない支援士のする事。 まだまだ命を捨てるつもりなどない少女は...
  • その3.代理人
    ―3― エミリアの姿をしたリスティと別れた後、ティールはリエステール市街の”屋根の上”をあますとこなく駆け回っていた。 明らかに何事だという声や注目を浴びていたのは気付いていたが、状況としてあまり気にしてはおれず、かまわず足を動かすことに集中する。 「いたっ……」 そして、その見据えた先にみつけた一つの人影。 半ばティールの推測通り、とある家の屋根の上で佇むのは……足首まで伸ばされた桃色の長い髪を、根本から一本のみつあみにして下げている一人の少女……『代理人』と呼ばれる『創造主』がひとり、流界ひずみ。 『流るる界の歪』の名のごとく、世界そのものを改変する能力者たる彼女ならば、人間二人の精神を入れ替えるくらい造作もないことだろう。 「ティール。 そろそろ来ると思ってたよ」 特に何かを気にした様子もなく、にこりと笑ってティールを迎えるひずみ。 「思ってたじゃ無...
  • —リエステール1—
     風をもとめて —リエステール—  《前回に戻る》  〈カタン…キィ……〉 ここは大陸南部に開けた大きく平和な都・リエステール。 生活用品、武器防具、魔法道具、宝飾品、薬。 ありとあらゆる道具の店が大通りに面して並ぶ、人呼んで「道具屋通り」の一角にある店に、 ひとりの女性が入ってゆく。 その玄関に掲げられた白木の看板には、黒い墨でこう筆書きされていた。 『各種くすり調合いたします 錬金術師カネモリの工房』  〈コポコポコポ……〉 奥の方から聞こえる湯の沸くような音がかえって静けさを際立たせる店内を、女性は 周囲を見回しながら無人のカウンターに向かって歩く。 「…………。」 短めに刈り揃えられた栗色の髪と、深い緑の瞳。 化粧ッ気はないが整った顔立ち。勢いのある目元。 腰に一振りの剣を差しているが、肌に密着した薄手の衣服の上から部分的にプロテクタ...
  • DC4:空間異常
    人 写せ身 理 知る者―――  綺麗な歌声がリエステールの町にやわらかく広がる  私は道の端で耳を傾け、一時の楽しさに身を委ねていた。  待ち合わせはこの場所。やがて、駆け足の音が聞こえてくる。 「歌声。広場だったわよ」 「本当?」 「ええ、一度見てきたから間違いないわ」 伝記の姫が 邪な我欲の者に捕らわれ そして今旅出つ 後の勇者―――― 「ほら、判ったならさっさと行くわよ」 「ま、まってよぉ~!!」 幾千の道と 幾百の敵と されど 彼らの 道は未だ続く  そして、友人に手を引かれ、中央広場に来れば――― 「剣を携え 氷を放ち  だけども 辿るは 時の終わり―――」  ――――水芸。水を小さめにデフォルメされた人形とし、涼やかな人形劇を送りながら、歌を歌い魔力で動かし続ける。 「強い意思も 己が...
  • @wiki全体から「鏡合わせの少女―夢の国より―:6」で調べる

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