6・90-91

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銀の墓参り ・・・・・・ 銀……ごめんなさい。貴方は私たちや世界を守る為に最期まで戦ったというに私は……未来に絶望して壁を破壊してしまった。それも貴方の名を付けた武器で。 貴方なら笑って許してくれるから大丈夫だってそのっちは言ってくれたけど……。それでも貴方に申し訳が立たない。 戦いはまだ終わっていない。きっと私たちはまた戦うことになる。だから次は貴方が護ってくれたこの世界の為と皆の為に戦い抜いて見せる。それこそ命を捨ててでも 「そんなことさせないわよ」 突然の声で驚いて振り向くとそこには夏凜ちゃんがいた。 「どうしてここに?」 「園子に言われて来たのよ。東郷が自分を追い詰めすぎてないか心配だから慰めてあげてってね」 「それにそこの娘に私が言うこともあったから……」 そう告げると墓石に近づいてきて話し出す 「初めまして、私は三好夏凜。あんたの端末を受け継いで戦っていた勇者よ。あんたの端末があったから皆と一緒に戦えた、一緒に守ることができたの。だから……ありがとう」 「それと……まだ戦いは終わらないみたいだからその時はまた力を貸して欲しいの。東郷を守る為に」 「え……?」 予想していなかった言葉に驚いているとこちらに顔を向けて彼女は言う 「命を捨てるなんて許さないわよ。それこそ私だけじゃなく勇者部の皆がそう思ってる」 「でも、それだと私は銀にも皆にも守られてばっかりで「だったら!」 「東郷が私のこと守ってよ。私が死なないように。」 「私が……夏凜ちゃんを?」 「そうよ、私だって勇者部の皆だって1人じゃ戦えない。守りたい誰かが、守ってくれる誰かが居るから戦える。勇者部の皆や誰かの為の力になれる。東郷も本当はわかってるんでしょ?」 「……っ」 「だから、1人で抱え込むなっての」 そう言って彼女は私のことを優しく抱きしめてくれた。身長差のせいで抱きしめるというより抱きつくような感じになったからか「いまいちカッコつかないわね」と彼女は呟いたが私は「そんなことない、ありがとう」と言って目を濡らしながらギュッと抱きしめ続けた。 ・・・・・・ 帰り道、私たちは手を繋いで歩いていた。お願いした時、彼女は照れ臭がってはいたがちゃんと私に手を差し出してくれたのだ 「ねぇ夏凜ちゃん」 「何よ?」 「最近は友奈ちゃんがお泊まりに来てるみたいだけど今日もそうだったりする?」 「今日はその予定はないわね。まぁ呼んでなくても勝手に来ることもあるけど」 「そう、なら今日は私が夏凜ちゃんのところに泊まらせてもらうわ」 「……勿論いいけど出せる夕食はもうカップ麺くらいしかなかったような」 「ならこのまま買い物に行きましょう。私が夕食をつくってあげるからね」 「わかった。東郷は料理上手いからそれはありがたいわね」 「それから……」 「うん?」 「私ね、夏凜ちゃんのこと好きだから」 「なっ!?えぇぇっと……私も東郷のこと好きよ。ってそういえば前にその言葉そっくりそのまま友奈から言われたような」 (それはちょっと妬けちゃうな。夏凜ちゃんにも……友奈ちゃんにもね) 私はそんなことを考えながら、彼女の手が離れないようにしっかりと握りしめていた それがまた大切な人を失ってしまうかもしれない不安からなのか彼女に対する好意からなのか この時の私にはまだわからなかった 終わり
銀の墓参り ---------------------------------------------------- 銀……ごめんなさい。貴方は私たちや世界を守る為に最期まで戦ったというに私は……未来に絶望して壁を破壊してしまった。それも貴方の名を付けた武器で。 貴方なら笑って許してくれるから大丈夫だってそのっちは言ってくれたけど……。それでも貴方に申し訳が立たない。 戦いはまだ終わっていない。きっと私たちはまた戦うことになる。だから次は貴方が護ってくれたこの世界の為と皆の為に戦い抜いて見せる。それこそ命を捨ててでも 「そんなことさせないわよ」 突然の声で驚いて振り向くとそこには夏凜ちゃんがいた。 「どうしてここに?」 「園子に言われて来たのよ。東郷が自分を追い詰めすぎてないか心配だから慰めてあげてってね」 「それにそこの娘に私が言うこともあったから……」 そう告げると墓石に近づいてきて話し出す 「初めまして、私は三好夏凜。あんたの端末を受け継いで戦っていた勇者よ。あんたの端末があったから皆と一緒に戦えた、一緒に守ることができたの。だから……ありがとう」 「それと……まだ戦いは終わらないみたいだからその時はまた力を貸して欲しいの。東郷を守る為に」 「え……?」 予想していなかった言葉に驚いているとこちらに顔を向けて彼女は言う 「命を捨てるなんて許さないわよ。それこそ私だけじゃなく勇者部の皆がそう思ってる」 「でも、それだと私は銀にも皆にも守られてばっかりで「だったら!」 「東郷が私のこと守ってよ。私が死なないように。」 「私が……夏凜ちゃんを?」 「そうよ、私だって勇者部の皆だって1人じゃ戦えない。守りたい誰かが、守ってくれる誰かが居るから戦える。勇者部の皆や誰かの為の力になれる。東郷も本当はわかってるんでしょ?」 「……っ」 「だから、1人で抱え込むなっての」 そう言って彼女は私のことを優しく抱きしめてくれた。身長差のせいで抱きしめるというより抱きつくような感じになったからか「いまいちカッコつかないわね」と彼女は呟いたが私は「そんなことない、ありがとう」と言って目を濡らしながらギュッと抱きしめ続けた。 ---------------------------------------------------- 帰り道、私たちは手を繋いで歩いていた。お願いした時、彼女は照れ臭がってはいたがちゃんと私に手を差し出してくれたのだ 「ねぇ夏凜ちゃん」 「何よ?」 「最近は友奈ちゃんがお泊まりに来てるみたいだけど今日もそうだったりする?」 「今日はその予定はないわね。まぁ呼んでなくても勝手に来ることもあるけど」 「そう、なら今日は私が夏凜ちゃんのところに泊まらせてもらうわ」 「……勿論いいけど出せる夕食はもうカップ麺くらいしかなかったような」 「ならこのまま買い物に行きましょう。私が夕食をつくってあげるからね」 「わかった。東郷は料理上手いからそれはありがたいわね」 「それから……」 「うん?」 「私ね、夏凜ちゃんのこと好きだから」 「なっ!?えぇぇっと……私も東郷のこと好きよ。ってそういえば前にその言葉そっくりそのまま友奈から言われたような」 (それはちょっと妬けちゃうな。夏凜ちゃんにも……友奈ちゃんにもね) 私はそんなことを考えながら、彼女の手が離れないようにしっかりと握りしめていた それがまた大切な人を失ってしまうかもしれない不安からなのか彼女に対する好意からなのか この時の私にはまだわからなかった 終わり

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