H3・636

結城友奈は勇者である@wiki内検索 / 「H3・636」で検索した結果

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  • H3・636
     東郷さんとのお出かけの途中。ふと目についた露店で、鏡を売ってた。 お店のおばあちゃんが、「これは平行世界と繋がってる魔法の鏡」だなんて、可愛らしい売り文句をつけてた鏡。 私には似合わないかもしれないけど、そういうロマンチックなお話は好きだ。 でも私はその売り文句より、鏡の造形の方が気に入っていた。淡いピンク色の縁取りに、控えめな花の装飾が施された卓上ミラー。 だから、お小遣いをはたいてその鏡を買って、満足顔で机に置いた。ただそれだけだったんだ。 ただそれだけなのに、翌朝目が覚めると、目の前には私がもう1人居た。 ――東郷視点  朝の自室。私は普段通りの時間に朝食を食べ終えてから、友奈ちゃんを起こしに行く準備をする。 今は夏休みで、部活の予定も入っていない。しかし、だからといって不規則な生活をしていては友奈ちゃんのためにも...
  • カップリング別
    ...郷さんは時々怖い】 H3・636 【ゆうみもゆう前】 H3・655 【ゆうみもゆう後】 H4・233 【二人の勇者の誕生】 H4・476 【ある日の冬】 H4・529-530 【結城友奈は勇者であるハードモード 第一話 Aパート】 1・243-244 2・313 2・342-343 3・13 3・604 4・140 4・244 4・296 改変ネタ 4・379 4・668 4・676 4・741 4・761 4・779 4・798 4・815 4・825 4・857 4・955-958 4・966 4・989 5・54 5・105 5・147-149 5・166 ユリ熊嵐ネタ 5・178-179 5・186-187 5・225-226 5・235 12話ネタ 5・263 5・267-268 5・313-315 5・362-36...
  • 投下日時順
    ...郷さんは時々怖い】 H3・636 友奈×東郷 【ゆうみもゆう前】 H3・655 友奈×東郷 【ゆうみもゆう後】 H3・716 夏凜×風×樹 【退院の日】 H3・776 複数(?) 【友奈←東郷さん←樹←風先輩←夏凜←友奈SS(前半戦)】 H3・790 複数(?) 【友奈←東郷さん←樹←風先輩←夏凜←友奈SS(後半戦)】 避難所スレ#4 H4・36 友奈→東郷、東郷→園子 【次はその公式を使いたかっただけ】 H4・41 若葉×ひなた 【いつかその手を:前編】 H4・160 若葉×ひなた 【いつかその手を:後篇】 H4・173 銀×鷲尾 H4・233 友奈×東郷 【二人の勇者の誕生】 H4・238 園子×東郷 【仕○の流儀~プロそのっち愛好家~】 H4・476 友奈×東郷 【ある日の冬】 H4・519 園子×東郷 【神世紀299年、叶わなかった夢】そのわし→そのみも H...
  • H3・655
     あの後はみんなで朝ごはんを食べて、しばらくはゆっくりした。 2人の私が東郷さんにべったりで離れられないのは相変わらずだったけど、 そうやって東郷さんにくっついてたおかげでさっきよりはいくらか気が楽になってた。 皆でトランプしたり、おしゃべりしたりと、ごく普通のお泊り会みたいに遊んで しばらくのんびりと過ごした後に、風先輩が皆に今日の分担を告げる。 「さて。今日の役割分担だけど、私と2人の友奈でまた露店を探そうと思うの。  あとの3人は、鏡の方を調べて貰えないかしら。」 『わかった』 「了解しました。」 「東郷と樹はともかく、私も調べ物なのね……図書館でも行けば良いのかしら。  まあ良いわ。引き受けたわよ。だから風。そっちの事は頼んだわよ。」 「任せなさい。それじゃ、行くわよ友奈。」 「はーい。...
  • 3・604
    友奈「全部聞こえてたよ」 東郷「え・・・?ぜ、全部?」 友奈「うん、全部」 東郷「じゃ、じゃあ、あの時の声も・・・?」 友奈「あの時の声ってなんのこと?」ニッコリ 東郷「い、いえ、なんでも、ないです・・・」 友奈「あとね~、全部見えてたんだよね、わたし」 東郷「見えてたって・・・あ、あれも見えてたの?」 友奈「なんのこと?」ニコニコ その日の夜 東郷「私のあんな声も、んっ、私のあんな姿も友奈ちゃんに見られてた、あっ、はぁはぁ、どうしよう、友奈ちゃんに軽蔑されちゃうぅッ、あんっ」
  • H3・90
    風「はい。あたしたちからの誕生日プレゼント」 夏凜「養命酒?」 樹「はい。夏凜さん いつもサプリと煮干しばっかりだからこういうのもいいかなって 」 風「あんた天然のものもしっかり摂りなさい」 東郷「それアルコール入ってますよね?未成年が飲んでいいんですか?」 風「これは医薬品だから法律的には問題ないのよ。用法・容量を守ればね。ただメーカーはあまり推奨していないみたいだけど」 東郷「えっ」 夏凜「これ甘味があって美味しいわね」 ゴクゴク 風「って言ってるそばからガブ飲みするなー!」 夏凜 プハー ウトウト 夏凜「ねえ…風。もう一つは?」 風「もう一つ?」 夏凜「もう一つのプレゼント!あるんでしょ!」 風「ごめん。一つしか用意していないわ」 夏凜「そこにあるじゃない」...
  • H3・97
     あの戦いから10年がたった。  わたし、三好夏凜は24歳になり、妻と2人の子に恵まれていた。  妻は9年前からお付き合いを始めた結城友奈(現、三好友奈)。  子供は今年で5歳になる長女・千秋、4歳になる次女・深冬。  親バカなどと言われそうだが、二人ともとても愛らしく利発な子だ。  我が家では仕事に出るのがわたしで、家事は友奈と分担している。  もちろん休日などはわたしも家事を手伝っている。  友奈と料理を作ったり、子供たちと遊ぶひと時は本当に幸せを感じる。  仕事は大赦のとある部署で働いている。定時で帰れる超ホワイトだ。  おそらくは兄貴が裏で定時に帰れる部署にわたしを入れてくれたのだと思う。  幼いころから家族とのふれあいの時間が少なかったわたしへの、兄貴なりの配慮なのだろう。  おかげでわたしは一般的なサラリーマンたちよりも少しは多くの時間を家族と共に過ごせる...
  • H3・45
    まだ私の脚が動かなかったころ 夏に皆で海に行く事になって 新しい水着を買いに行った 友奈ちゃんが勧めてくれた水着は布地が少なくて 人前で着るのは少し恥ずかしかったけど 「大丈夫だよ東郷さん。私、海の中でずっと抱っこしててあげる」 その言葉で私は買うことを決めた ただ車椅子の私は試着が難しかったから 家に帰ってから着てみる事になった そして今、ベッドに横になって下半身に何も着けていない私と 水着の下の方だけ持って真剣な目をしている友奈ちゃんという 他人が見たらきっと勘違いされるような状況になっていた 「ごめんね友奈ちゃん……この水着、腰のところが紐で一人だと上手く着けれなくて……」 胸の方はいつも通りブラの感覚で着けれたけど 下の方がどうしても手間取ってしまう 「大丈夫、私が穿かせてあげるから」 「う、うん」 ...
  • H3・254
    シスターウインドの懺悔室。 今日も迷える子羊が、シスターウインドの元を訪れます。 「お名前は?」 「東郷美森と申します」 今回シスターウインドに懺悔にやって来たのは中学2年生の東郷美森さん。 聞けば彼女は2年前に記憶喪失となり、一部の記憶を失っていたとか。 しかし最近失っていた記憶も徐々に戻りつつあり、今回ここに来たのもその記憶のことなのだそう。 「シスターウインド、私は2年前に窃盗をしてしまったことを懺悔に来ました」 「窃盗……穏やかではありませんね」 「はい……つい最近記憶が戻ってきて思い出したのです」 「何を盗んでしまったのですか?」 「……その前にこの本を見てもらえますか?」 彼女が差し出したのは、『鷲尾須美は勇者である』と書かれた小説だった。 「この本の109ページ。この子をどう思われま――」 「――かわいい!」 ...
  • 3・603
    夏「樹を妹に欲しいわ…」チラッ 風「むむっ?それは樹の姉であるこの犬吠埼風に対する挑戦と見た!受けて立とう!」ガタッ 夏「本当に立つんじゃないわよ!あと、そういうんじゃないから」 風「おやこの子ってばノリ悪いわー…あのぅあたしのこの勢いはどーしたら…」 夏「知らないわよ…はぁ、どうしたら樹を妹に出来るかしら…」チラッ という超遠回しな告白を繰り返す夏凜ちゃん
  • H3・306
    「わっしー分が足りない」 私の部屋で2年ぶりの再会を喜んでいた乃木園子が、唐突にそう言った。 なんのことやらさっぱり分からず、私はぽかんとしてしまった。 だがそのっちはいたって真剣な眼差しで、私をじっと見つめていた。 「……そのっち、そのわっしー分とは一体なに?」 「わっしー分……それは、……なんだろうね~。説明するのは難しいかな。とにかく私の心と身体はわっしー分を求めてるんだよ~」 「そのっちがいくら求めても、それが何なのか。分からないものを出すことはできないわ」 「私はね、わっしー分がないと死んじゃうんだよ~」 「わっしー分と言うからには、私に関する何かなのよね?2年間離れていたけど大丈夫だったじゃない。ダウトよ」 「死んでたよ~」 「えっ?」 「心が、死んでた」 「……」 そんな大袈裟な、と思った。 死んでいた、なんて。 たった2年離れ...
  • H3・776
    「――う~ん、う~ん、どうしよう……」  放課後の勇者部部室にて、結城友奈はひとり、悩んでいた。  テーブルに向かって腰かける彼女の目の前には、ぺらりと広げられた紙が一枚。  薄い花柄をあしらったその便箋には、ただ一言。  『私は、あなたの事が好きです。』  とだけ書かれていた。  「部室に来てみたら落ちてたから拾っちゃったけど……大変なものを見つけちゃったかも」  困ったようにつぶやく友奈。それもそのはず、彼女が拾ってしまったものは、どこからどう見ても間違いなくラブレターである。 他人の手紙をのぞいてしまった、という罪悪感もちょっぴりあるにはあるが、それ以上に彼女を悩ませている事柄がある。それは、  「……いったい、誰から誰にあてられたものなんだろう……?」  という事だった。  便箋には、表にも裏にも署名はなく、また宛先さえも書かれて...
  • H3・478
    ――放課後、讃州中学校  学校の授業が終わって、放課後。私、結城友奈を含む勇者部の5人は、勇者部の活動のために空き教室に集合してる。 空き教室とはいっても、雑多な荷物がこんもりと積み重なっててまるで物置にしか見えないけどね。 今日のお仕事は物置にされてる空き教室の整理。 「とりあえずこの部屋に積んでおこう」って、書類とか、使ってない机や椅子、その他諸々の 色々な荷物を放り込まれてた空き教室をしっかり掃除してから、保存されてる物の記録。そして、荷物を種類ごとに整理整頓する作業だ。 もちろん、学校の先生からの依頼。 「久しぶりの勇者部のお仕事!がんばるぞー!」 そう言って私は腕をぶんぶん振るって気合を入れる。 退院して学校に通えるようになってからしばらくは、人のためになる事をするどころか自分の事すら満足に出来なくて皆の...
  • 7・638
    「風先輩、笑ってください。はい、チーズ」  パシャリと携帯のカメラのシャッターがきられる。  咄嗟のこととはいえ、ばっちり笑顔を決められる辺りは流石の勇者部部長、とアタシは自画自賛する。 「なになに、急に写真なんて撮っちゃって。ホームページに載せるとか?可愛く撮れてる奴にしてね」 「いえ、そうではなくて…!?」  写真を確認した東郷の顔が急に凍り付く。何だろう、手ぶれでも酷かったんだろうか。 「…風先輩、これを」 「な、何よ、マジ顔してからに。大丈夫よ、ちょっと失敗してもアタシはビッグハートで受け入れて―――」  振り向きざまに笑顔を決めるアタシの背後。部員以外は誰もいないはずのそこに、白装束の女が立っていた。 「ふぎゃあああああああああああ!?」 「お、お姉ちゃんどうしたの!?むぐぐ…くるひい…」 「何よいきなり大声出して…って、...
  • 7・635
    始まりは、あたし――犬吠埼風の提案からだった。 「勇者部も6人になったことだし、そろそろ誰が最強なのかはっきりさせようじゃない」 「最強……でありますか、風先輩」 「わ~、なんだかわくわくしてくる単語だね~『最強』~!」 「そのっち、それは中二病の予兆よ。気をつけておかないと5年後、10年後に枕に顔をうずめて足をバタバタさせるはめになるから気をつけて」 「最強って、風……そんなの完成型勇者であるわたしに決まってるじゃないのよ!」 「夏凜さんノリノリですね。でも最強って言っても色々な分野があるけど……お姉ちゃんは何の最強を言ってるの?」 最強――字を書いて如く『最』も『強』い者。 しかし、一言で最強と言っても『何をもって』ということになる。 神様のように全知全能であれば分野に関わらず『最強』といえるのだろうが、人間にはどうしても得手不得手がある。 「ふふ...
  • 3・678
    13話後にまた夏凜ちゃんと友奈とのお泊まり会があればもっと親密になれるだろうなー、と 消灯後ーー 「…ねぇ。夏凜ちゃん」 「なに?眠れないの?」 「うん。なんだか真っ暗闇の中で夏凜ちゃんと二人きりだと、あの時の事思い出しちゃって…」 「あぁ。私が大活躍した時ね!」 「あの後、夏凜ちゃん地面に落ちて…。目も、耳も…」 「やめてよ、恥ずかしい」 「私も入院して少しわかった。真っ暗ですごく、寂しかった…」 「………」 「だけど、あの時夏凜ちゃんそれでも私の事応援してくれた。自分の事よりも私の事なんか心配してくれた」 「……」 「ありがとう、夏凜ちゃん。お礼遅くなっちゃったけど」 「いいわよ。そんな、お礼なんて…」 「夏凜ちゃん。私、夏凜ちゃんの事大好きだよ!」 「!! わ、私だって友奈の事、すッ好き、だから!」 「ほんとっ!嬉...
  • 4・637
    「よっしーはいい匂いするね~(ハスハス」 「っ!?…またアンタは気配もなく…それとよっしー言うな」 乃木園子。文化祭から少し経って転入してきたこの娘は、東郷の知り合い…いや、一応友人であるらしい。 それ以上のことは二人して曖昧に笑うだけで、詳しく語ろうとはしない。 「…あ~、ふーちゃん先輩もいい匂いだよね~。よく干したお布団みたいな~」 「あ、そ…」 私はこの娘が少し苦手だ。 私達にだけ妙なあだ名を付けて呼んだり、たまに会話が一方通行だったり、それはまぁ、いい。 いつもの呆けた言動に混じって、全く予想外の方向から槍を突いてくるような鋭さが私は苦手だった。 そしてその槍はすんでの所でぴたりと止まり、私の心を脅かす。不快、とは少し違う、嫌な感覚。 私はそれを─友奈と東郷への嫌な気持ちを─見ないようにしているのに。嫌でも意識されられる。向...
  • 4・631
    歌のオーディションを明日に控えてちょっと緊張ぎみの樹 学校の部室では友奈、東郷さん、夏凜がいつもの調子で明るく力強く激励する横で、 風は妹の成長を嬉しくもあり寂しくもあるというちょっと複雑そうな顔でそれを見守っていた 樹「お姉ちゃん?」 風「よし!今日の晩ご飯は腕によりをかけてごちそうを作るぞ~」 樹「やったあ!」 その夜、豪勢な夕食を終えた犬吠埼家では、明日に備えて樹を早めに寝かしつけたあと 風も就寝しようとしていた 風「……眠れない」 自分のオーディションでもないのに緊張してる自分が可笑しくて、 さてどうしようと思っていると―― ガチャ 樹「お姉ちゃん」風「樹!?まだ寝てなかったの?」 驚く声にも動じず、決意を秘めた眼差しで姉を見つめながら妹は言った 樹「お姉ちゃん……私に勇気をください」
  • H3・790
     「――さて、今日の議題はコイツよ」  そう言うと風は、そばの棚の上に置いてあるレターケース(空になったお菓子箱を利用したものだ)を取り上げると、 どさ、とテーブルの真ん中に置いた。  「これって……勇者部あてのお手紙ですか?」  たくさんの手紙が入れられている箱の中をのぞきこむ友奈。  「そうよ。ホラ、学校のあっちこっちに、お悩み相談ポストを設置したじゃない? あそこから定期的に回収しては突っ込んでおいたんだけど、   最近仕分け作業サボってたせいでたまっちゃってねー。確認がてらみんなで一通り、目を通していきましょ」、  そう言うと風は、箱からごそっと一掴みの手紙を取り出すと、適当にそれぞれの目の前へと配って行った。  「はい友奈、ほい東郷。……はぁい♪ これはい・つ・き・の分よ……ほーら、夏凜も。いつまで寝てんの、さっさと起きなさい」  「ひっ!?」  ゆさゆ...
  • H3・292
    ―――寝る前の話 病室のベッドの上で、友奈と東郷は両手をつないで向き合った形で静かに横になっていた。 秋の夜の涼しい気温のおかげもあって、さっきまでの火照った空気は完全に消え去っている。 今居る病室は、消灯時間を過ぎているにも関わらずまだ明るかった。それこそ、お互いの表情まではっきり見えるほどに。 電気をつけているわけではない。友奈のベッドのすぐ隣には大きな窓があり、そこから月の光が柔らかく室内を照らしてくれているのだ。 (綺麗な光……。  私は、友奈ちゃんの病室に差し込む夕日が嫌いだった。  夕日の時間は友奈ちゃんとの別れの時間になるから。  でも……その後には、こんな景色が待っていたのね。) 正面を見る。 (友奈ちゃんの顔もよく見える。昨日までとは違う。起きて、こっちを見返してくれてる。それがとても嬉しい……  でも、どうしたのかし...
  • H3・248
    ――――導入 「一緒に居るよ、ずっと。」 「友奈ちゃん!」  とある病院の中庭。そこで2人の少女がお互いの存在を確かめるかのように、きつく手を握りあっていた。 ―――1人は心をすり減らしながらも最愛の人の帰りを待ち続け ―――1人は帰還不能かと思われた状態から、最愛の人の涙を止めるために帰還を果たし そして今、とうとう2人は再会し、そこには余人の入り難い神聖な空間が形成されている。 「おかえり、友奈ちゃん」 「――ただいま」 涙を流しながらお互いの手を握りしめ――直後にカシャン!と、まるで手錠をかける時のような音が東郷の耳に届く。 「あら?今の音って」 「音?」 「うん。なんだかカシャッって金属みたいな」 「私には聞こえなかったけど、車椅子が軋んだのかな?」 辺りを見渡すも、この場には友奈と東郷の2人以外には存在しておらず。音...
  • H3・716
    あの戦いからしばらく時が過ぎ、ようやく私、三好夏凜にも退院の日がやってきた。 出迎えは犬吠埼姉妹。 ただでさえ目立っているのに、姉のほうが大きく手を振ってアピールしていた。 東郷も友奈と一緒に見送りに来ていた。 風の方に3人、松葉杖と車椅子で移動しながら話をする。 「クラスのみんなも夏凜ちゃんのこと待ってたわ。仲良くしてあげてね。」 東郷にそう言われて、私は頭をかかえた。 クラスでの会話はほとんど友奈と東郷だけだったから、どうすればよいかわからない。 いや、そもそも私はそんなことを気にする人間ではなかったのだ。 大赦の命令で讃州中学に入り、バーテックスを倒すことに全てをささげる。 そんな私が今はすっかり変わっていた。 この変化は勇者部に入ってからのことだ。 勇者部に入り、他の4人の勇者に感化された。 そして、あの戦いのとき。大赦の勇者を辞めると宣言した...
  • H3・5-85
    「ちゃんと付けたから大丈夫だと思うけど……」 友奈ちゃんは凄く不安そうに呟いて 自分の下腹部を優しく撫でる 夕方、私の家に来てから早くも数時間 外は暗く、早く寝ろと言わんばかりに風が窓を叩く 「友奈ちゃん、20回よ」 唐突に出した数字に 友奈ちゃんはきょとんとした可愛らしい表情で首を傾げる 数えてるわけないよね 自分が何回御手洗いに行ったのか。なんて 「友奈ちゃんが私の家に来てから御手洗い行った回数よ」 衝撃的だったのか 友奈ちゃんは暫く呆然としていたけれど すぐに顔を真っ赤に染め上げて、目を反らす 「そ、そんなの数えないでよぉ………」 普段明るく元気な友奈ちゃんの 弱気で、恥ずかしさを感じる今の姿は 私の心を昂らせる そもそも 数えないでとは言われても 来てから何度も何度も離席されて居たのだから 数えられ...
  • 6・63-70
    9月17日(火) 天気:晴れ 記入者:東郷美森  友奈ちゃんは今日も目を醒まさない。  私たち勇者部とバーテックスとの、最後の決戦から10日あまりが過ぎた。  あの戦いにおいて、私たちは全ての力を出し切り、幾度も満開を繰り返した。その甲斐もあり、バーテックスの 神樹到達は阻止する事に成功したが、私たちの身体機能は著しく損なわれた――はずだった。  どういう具合によるものかは未だ不明だが、私たちは大赦から勇者の任を解かれ、それと同時に、散華により 失った身体機能が徐々に復調のきざしを見せ始めていた。  風先輩は左目の視力、樹ちゃんは発声機能。そして――私の場合は、片耳の聴力と、さらには過去に失った両足の 機能までもを取り戻した。歩行のためのリハビリは進んでおり、あと数日で、完全に歩けるようになる見通しだ。  それなのに。  いっ...
  • 7・6
     「……ふぅ…っ、はぁん……」  狭いトイレの個室の中で、私は夢中で友奈ちゃんの唇をむさぼっている。  むにゅり、と柔らかく、瑞々しさを備えたそれは、この世のどんな果実にも勝る甘さを帯びており、どれだけ 舐め続けていても飽きることはなかった、  「……とっ、東郷さん……んむっ……ちゅぅっ……もっ、もう少し、優しく……」  私の背中に手を回してぎゅっと抱きついたまま、友奈ちゃんがそう訴えかけてきた。私はキスを中断し、友奈ちゃんに応える。  「優しく……? どうして? 友奈ちゃん、こんなに気持ちよさそうなのに……」  「でっ、でも……ここ、学校のお手洗いだし……もし、誰かに気づかれちゃったら、大変だよ……」  「ふふ、要するに、気持ち良すぎて声が出ちゃうのを、抑えきれないってことなのね?」  「そっ、そういう事じゃなくて………んぷっ」  顔を真っ赤にする友奈ちゃんがか...
  • 7・68
    「お姉ちゃん、朝も言ったけど今日はお仕事でご飯いらないから先に食べててね」 「あたしもパスで。剣道部の打ち上げに出てくれないかって言われてるから」  ここ最近は夏凜を加えた3人での食事が当たり前になっていたので、1人の食事は久しぶりだった。  こういう時、私は思いっきりズボラにぐーたらしようと決めている。  そもそも私の料理は樹の母親代わりを務める為に始めたもので、1人で居る時は凝るのが面倒で仕方ないのだ。 「適当にコンビニで買ってー、東郷から貰ったぼた餅をデザートにー♪」  無理にテンションをあげて買い物は何とか終えたけど、家が近づく毎に段々テンションが落ち込んで行く。  マンションの階段を登る頃にはすっかり足が重たくなって、全力疾走の後みたいに部屋に辿り着くのに苦労した。  食べても、休んでも、眠っても、消えない疲労。まるで泥のようなそれが急に溜まるこ...
  • 3・13
    ちゅっ 友奈「……あ」 東郷「……んっ」 友奈「ご、ごめんねっ。 その、演技に熱が入っちゃって!」 東郷「……しちゃったね」 友奈「そう、だね……」 東郷「私の唇……どう、だった?」 友奈「えと……」 友奈「なんか……何となく、甘かった、ような……」 東郷「……///」 友奈「わ、わかってるけどっ」 友奈「きっと気のせいなんだろうけどっ、でも!」 友奈「そう思っちゃったのは本当っていうかっ」 東郷「友奈ちゃん顔赤いよ」クスクス 友奈「あぅ……」 東郷「……もう一回」 友奈「え?」 東郷「もう一回……確かめてみる?」 友奈「」 東郷「友奈ちゃ 樹『見せられないよ!』
  • 5・692
    それは朝のほんの僅かな時間にだけ訪れる特別な時間。  私は友奈ちゃんの腕枕から体を起こして、時間を確認する。  そろそろ“一度目に”起こす時間だ、私は友奈ちゃんの肩を優しく揺する。 「ん…」  友奈ちゃんの目がゆるゆると開いて、けれどまだ完全に目覚め切れずに夢との境を迷っている。  この瞬間にだけ、他の誰も知らない、知ることのできない友奈ちゃんが姿を現す。 「東郷、さん…東郷さんだよね…?」 「ええ、私は私よ、友奈ちゃん。貴女の東郷美森よ」 「東郷さん…何処にもいかないでね…ずっと一緒にいてね…」  いつもの溌剌とした様子からは想像できないほど弱々しく私にすがる友奈ちゃん。  なんて力なく、なんて痛ましく―――なんて可愛いのだろう 「んっ…」  まるで赤ちゃんがするように、友奈ちゃんは私の乳房を口に咥えて再...
  • 5・693
    保健室では静かに。中学生にもなれば誰でも知っているルールを破りながら私はばたばたと駆け込む。  白いベッドの脇で東郷と友奈が心配そうに、眠る樹を見詰めている。  顔色は悪くない、目立った怪我もなさそうだ、あたしはようやく胸を撫で下ろす。 「馬鹿…どうして倒れるまで無理なんてするのよ…」  卒業文集の作成委員という大役を任されて、あたしは勇者部と二足のわらじ状態になった。  幸い東郷も実働員になってくれたので依頼をこなす分にはそこまで問題ない…はずだったのだけど。 「お姉ちゃんの分の仕事、全部私に回して下さい!」  樹が突然そんなことを言い出したのは予想外だった。  けれど、いつまでも一緒に居られないなんて感傷的になっていた私にはそれが嬉しくて。  ついつい周りの反対を押し切って、“頑張れ”なんて言って樹の意思を優先してしまった。 ...
  • 6・661
    「友奈ちゃ~ん!」 「わっ!?」  その子は唐突に友奈ちゃんに抱き着くと、ぐしぐしと涙を制服で拭い始めた。  咄嗟のことで私もどうすればいいか混乱する。けどそのお陰で、冷静に彼女を観察する余裕ができた。  年齢は私たちと同じか少し年下くらい。ふわふわとした髪質の女の子で、頭には2本の角が生えている。  2本の、角? 「こらっ!牛鬼!慎重に行動なさいと言っているのにあなたと来たら!」 「ギュウキ?」 「あ、し、しまった!?」  向こうから駆けて来たもう1人の女の子が、慌てて自分の口を塞ぐ。  青みがかかった髪と真っ白な服、一見すれば凛とした絵本に出て来る女騎士を思わせる少女。  でも、口を滑らしてしまう辺りは少し脇が甘いようだ。  そう言えば、私は“彼女”の行動で重要な事実を確かめたっけ、そう思いながら自分の予想を吐き出す。 「もしかして、貴...
  • 4・668
    それは私たちが満開して体の機能を一つ、私は左の聴力を供物として捧げてからの事だった 私の乗る車椅子を友奈ちゃんが押す、そんな日常で、時折、私の頭の左側に顔を寄せてくるようになった いつものじゃれあいかなとも思ったし、聞こえなくなった私の左耳を気にしてくれているのかもしれなかった その行為に気付いて、友奈ちゃんに問いかけても珍しくはぐらかしてくるし かといって、特別何かを思い悩んでる様子にも見えなかったものだから 何より、その後の情勢がその事を気にするだけの余裕を奪っていって 今のようにみんな揃ってまた笑いあえる頃にはすっかり 記憶の端から抜け落ちてしまっていた たまたま、私が脚を怪我してしまって、大した怪我ではなかったのに大げさにも 車椅子をひっぱり出してきた友奈ちゃんに押され帰路に着いている最中の出来事 今となっては懐かしささえ覚えるゆっ...
  • 4・676
    友奈ちゃんが歩けるようになった と言っても松葉杖はまだ必要で、今までのように歩けるようになるにはまだまだ時間がかかるそうだ それでも私は、比喩では無く涙を流してそのことを喜んだ 風先輩の目が見えた時も、樹ちゃんの声が出た時も、夏凛ちゃんの耳が聞こえるようになった時も 酷く痛々しい姿だった“親友”が取り戻した記憶の中の“彼女”と一致した時も 何より自分が再び歩けるようになった時も、勿論とても嬉しかった けれど友奈ちゃんが車椅子から立ち上がって、少しだけ進んで傾ぐその体を受け止めた時――― あの喜びは最後の戦いの時に友奈ちゃんが「ずっと一緒に居る」と約束してくれた時に匹敵すると思う 「東郷さんだけズルイなあ」 その事を正直に告げたら、友奈ちゃんからちょっと意外な反応が返って来た 「だって私は東郷さんが歩けるようになった瞬間を見てないんだよ! ...
  • 6・607
     「――よっ、ほいっ、いよっと、ほいさっ」  宙に浮かぶ、無数の岩塊を足場代わりにして、ボクは軽快な動きで縦横無尽に跳ね回る。自慢の脚の調子を確かめるための デモンストレーションのつもりだったが、想像以上に復調しているので、ついつい上機嫌になってしまうのが、自分でもわかっていた。  「……いっち、にーの、さんっ!」  最後にキメ技、とばかり、ボクは思い切り高く跳びあがり、空中でくるくるくる、と三連続前方宙返りを繰り出し、すたっ、と 新たな岩塊の上に見事に着地する。  「……ふう、やっぱボクって、いつでもサイコーに輝いてるよねー。……そう思わない? レオ姉」  いつも通り、自分自身のパーフェクトな美しさにうっとりとしながら、ボクはちらり、と流し目を送る。  ――神樹の勇者にその身を完全に粉砕され、未だ半身すら修復のおぼつかない、レオ・バーテックスへ向けて。 ...
  • 3・96
    夏凜「友奈ー、友奈いるんでしょー?」 東郷「……」ギュッ 夏凜「あーいたいた。あのさ、今日も…その…して欲しいんだけど…」 東郷「……ん」 夏凜「ちょ、こっちは見えないんだからいきなり舌入れようとすんな!全くあんたはいつも強引なんだから…ん、ちゅ…」 東郷「ん、ぅ……」 夏凜「っぷは!……友奈の味だ、えへへ」 東郷「夏凜ちゃん……」 夏凜「しっかしいつの間にかアンタの胸もほんっと成長したわよねぇ……」 東郷「ごめんね……」 夏凜「べ、別に羨ましくなんてないし!?……まあ友奈が大きいのが好きって言うならそういうサプリも取り寄せたりするかもだけど……」ゴニョゴニョ 東郷「ごめんなさい……」
  • H1・60
    東郷「ねえ友奈ちゃん」 友奈「なになに東郷さん!あっ私も美森ちゃんって呼んでいい?」 東郷「えっ」 友奈「いや……?」 東郷「ううん、嬉しい!でも友奈ちゃんに『東郷さん』って呼ばれるの好きだから……ちょっと寂しいかなって……」 友奈「なーんだそっか!じゃあこれからも東郷さんって呼ぶね!かっこいい苗字で大好きなんだー」 東郷「ふふっありがとう友奈ちゃん」
  • 5・688
    いつもお姉ちゃんにお世話になりっぱなしで、大好きなお姉ちゃんをちょっとでも助けてあげたいといろんなことを頑張ろうとするも 気ばかり逸ってからまわって失敗ばかりしてしまう自分に嫌気がさし 「わたし、お姉ちゃんを助けるどころかお姉ちゃんに迷惑かけてばかり・・・。これじゃあ、お姉ちゃんに何もしてあげられないよ・・・」 と落ち込んでいる姿をいたたまれなくなった勇者部一同が 「なんとか樹に自信をつけてあげることはできないかしら」と相談しあうも良い解決案が出せず そんな樹たちの姿を見た風先輩が 「私にとって、樹が傍にいてくれることがなににも代えがたい幸せなの  でも、樹の気持ちはとっても嬉しいよ・・・。ありがと  あせらないで、少しずつ頑張っていこ?お姉ちゃんと一緒に、少しずつ・・・ね?」 と優しく励ましてあげる そんなほほえまーなハートフル犬吠埼姉妹をください
  • 6・611
     友奈がまだ本調子ではなくて、東郷は彼女に付きっきり。  必然的に部活動中に完成しなかった小道具は私たちが延長で作成することになる。  まあ友奈に貰った恩義を思えばこれ位は大したことないけれど、冬の夕べは冷え込むので帰りが遅くなるのが辛い。 「そうだ、夏凛。良かったら夕飯食べていきなさいよ。遅くまで付き合ってくれたお礼」  温かい夕食の誘惑もあって、結局風に押し切られる形で姉妹に連れられて犬吠埼家にやって来た。  何度か訪れたことがあるが、ここは姉妹の空間だというのがよく伝わって来るので少し居づらい気持ちになる。 「今日はあつあつおでんとカキの炊き込みご飯よ!樹、準備手伝って。夏凛はお客様なんだからそこ座って!」  そういう遠慮する間柄じゃもうないだろうに、風は割と内弁慶のようだ。  結婚する相手は苦労するわね、等と思いながら室内を見回していると、前...
  • 6・668
    「それで、東郷さん。話があるって一体何なのよ?」 (なんか東郷さん呼びも慣れてきたわね) 「それはね……夏凜ちゃんと友奈ちゃんは結婚式を挙げるべきだと思うの」 「いやいや、結婚式なら2週間前に挙げたばかりじゃない」 「そうね、でもそれは夏凜ちゃんがウエディングドレス着て友奈ちゃんがタキシード着たのだったでしょ?だから次は友奈ちゃんにウエディングドレスを着せるべきなのよ」 「あっ、確かにウエディングドレス着たの私だけだったか。その時は嬉しくてその辺のこと失念してた……」 「ウエディングドレスは女の子の夢だから舞い上がるのも仕方ないわ。だから次は夏凜ちゃんが友奈ちゃんを喜ばせてあげてね」 「もちろんよ、任せなさい!友奈のドレス姿は見てみたいし、間違いなく可愛いと思うしね」 「夏凜ちゃんのドレス姿も可愛かったわよ」 「あ、ありがと...
  • 7・698
    「樹ぃ、アタシはもうダメよ…どうか、次代の勇者部を支えていってちょうだい…」 「おねえちゃーん!?しっかり!傷は浅いよ!」 「…風先輩、どうしたの?」 「ああ、よく行く幼稚園の…ほら、トロ子の所。あそこの子供に声をかけたらギャン泣きされたって。『魔王が出たー!』って」  私たち勇者部は時々幼稚園や老人ホームで劇をしたりするが、勇者を題材にした話の時はほぼ確実に風先輩が魔王役である。  演技力の関係もあるし、何より割とノリノリで悪役を演じる風先輩のハマり役だったのだけど、子供の涙が堪えたらしい。 「と、言う訳で」  復活した風先輩が、お手製の魔王愛用どくろステッキを手にし、そしてそっと床へと置いた。 「わたし、普通の女の子に戻ります!」 「東郷さん、あれなあに?」 「昔、西暦の時代にあんな風にして引退したアイドルがいたのよ」 「ごふっ。滑ったネタ...
  • 4・683
    友夏お泊り第2回「一夜の過ち」 魔が差した。その一言に尽きる。 私たちが勇者を引退して、友奈の容体が回復後しばらくして、約束していた2度目のお泊り会。 トレーニング器具でつい張り合ってしまったり、一緒にお風呂に入ったり、以前と同じく2人で1つのベッドに寝ることになったり。 本当に楽しかった。そう、ここまでは良かったのだ。 ふと深夜に目が覚めて、私の隣には勿論熟睡している友奈の姿があった。 勇者時の凛々しい姿とのギャップに苦笑しながら、なんとなく規則正しい呼吸音で寝入っている友奈を眺めていた。 パジャマからのぞく鎖骨にドキッとして軽く視線を逸らした先には友奈の瑞々しい唇。 思わず生唾を飲み込む。自身の心臓の音、時計の秒針を刻む音がやけに鮮明に感じた。 これはいけないことだ。今自分が抱いている願望に理性が警告をする。 分かっているのに、2人きりの部...
  • 6・686
    「大赦に帰れない?」 「多分、数日くらい~?」 「そこまで大袈裟な事情がある訳ではないのですが」  青みがかった髪の凛とした少女と、ふわふわとした雰囲気の角の生えた少女。  その正体は私と友奈ちゃんが勇者であった頃の精霊、青坊主と牛鬼で今はアオ、ユウと呼んでいる。  彼女たちは勇者時代に自分たちがお役目へと束縛したことを謝罪に現れ、私と和解したのだった。  てっきり目的を果たせば直ぐに戻って来いと言われていると思っていたので、この展開は少し予想外である。 「一応、善輝殿に確認をしてみます」  そう言って私たちが勇者時代に使っていたのと同じ型の携帯を取り出し、どこかにかけるアオ。  彼女が自然に携帯を使っているのにも驚くが、夏凛ちゃんの善輝が携帯を使っている光景を思い浮かべシュールな気持ちになる。 「ふふふ、東郷様が機器を使っているのを見て、色々と...
  • 3・218
    風「樹、今日はクリスマスでしょ?」 樹「うん」 風「クリスマスって、こ、恋人どうしで過ごすものでしょ?」 樹「うん」 風「だから私達もいつの姉妹の関係じゃなくて、今日だけは、恋人になれたらな~、なんて・・・///」 樹「・・・え?」 風「だあぁー!ご、ごめん、変なこと言って!なんかクリスマスの雰囲気に呑まれてどうかしてたわ。忘れて///」 樹「お姉ちゃん・・・」チュッ 風「・・・え?・・・樹・・・?」 樹「私はいつでもどんな時でもお姉ちゃんのことを恋人だと思ってるよ」 その後2人は食べかけのクリスマスケーキもほったらかしてベッドに行くのであった。
  • 3・796
    IN 勇者部室 園子「ここでいつも皆がんばってるんだね。……これなに?」 【友奈表】 日曜・全員まとめて 月曜・友奈の気分しだい 火曜・東郷三森 水曜・三好夏凜 木曜・犬吠埼風 金曜・犬吠埼樹 土曜・全員まとめて 樹「え、えっと……」 夏凜「あ、それは……なんでもないわよ」 風(園子が入るとしたら明確な決まりのない月曜に入ることになるわね。そうなると週3固定になるけど仕方ないか)
  • 3・774
    最後の戦闘を終えて数日後、大赦に呼び出された東郷美森。 覚悟を決め、大赦の使者の車に乗り込んだ美森だったが、車の向かったその先に待っていたのは…… 園子「来てくれてありがとう、わっしー。 さっそくだけど今回のことについては、大赦の中でも意見が分かれてねぇ」 園子「わっしーのやったこと、それを止められなかった監督責任として……讃州中勇者部全員の処遇について」 東郷「み、みんなは関係ないの、私が一人で全部……」 園子「わかってるよぉ、わっしー。 言ったでしょー? 私はどんなことがあってもわっしーの味方だから」 園子「私はもうカミサマみたいなものだからね、だから神樹様に直接お願いをしてきたんだぁ」 園子「まず、讃州中勇者部は勇者のお役目から外れてもらう、これは大赦の決定事項でもあるんだけどねぇ」 園子「そして部員には全員お咎めなし。 これは結果バ...
  • 3・733
    「東郷さんも乃木さんも嬉しそうでよかったよ。  二人はずっと前からの親友だったんだねー。  東郷さんが笑ってるのを見ると、私も嬉しいなって」 「よしよし(なでなで)」 「あっ…夏凜ちゃん、どしたの急に」 「別に。ただ何となくよ」 「そっか……えへへ、夏凜ちゃんには敵わないな…」 「(全く…友奈にこんな顔させるんじゃないわよ)」
  • 7・463
    【誰にも渡さない】  カードは残り二枚。その内ジョーカーではない方を東郷に抜き取られる。 「うぅ、また負けた」 「ならまた今度、勝負しなくちゃね」  このようなことを2人でしている理由。それは友奈だ。ずっと友奈と一緒にいる東郷に黙っているのはどうなんだろうと思い、東郷に私は友奈のことが好きだと打ち明けた。  すると東郷は少し思い悩んだ様子の後に「ならどちらの方が友奈ちゃんの隣に相応しいか、私と勝負しましょう」と言って来たのだ。  それからは色んなことで勝負をしているのだが……一度も勝つことができていない。ただ何度負けても東郷はそこで終わりとは言わずに「また勝負しましょう」と言うだけだ。私が勝つまでやり続けるのだろうか?  それにしても最近はそんなことをしているからか、友奈よりも東郷と2人で過ごす時間の方が多くなっているような。今だって東郷の家にお邪魔し...
  • 5・362-364
    私にとって最優先なのは友奈ちゃんと一緒に過ごす時間。 だから友奈ちゃんを待たせたりしてその時間が減るのは耐えがたいことだ。 けれど、今回だけはそんな自分の思考に少しばかり後悔を覚えていた。 車椅子のネジが少し緩んでいる気がしたけれど、友奈ちゃんが迎えに来ていたのでそのまま登校した。 その結果がこれ、右輪が外れた上にシャフトが少し歪んでしまっている。 「う~ん、駄目だー。流石に直せないや」 友奈ちゃんが悪戦苦闘してくれていたけれど、結局無理なものは無理で。 近くの民家に一時的に預かってもらって、サービスの人に取りに来てもらうことになった。 戻れば一応予備の車椅子はあるけれど、確実に遅刻してしまうだろう。 サービスの人を待っていても結果は同じ。私は自業自得だけど友奈ちゃんに申し訳ない。 けれど私1人では一歩も動けない…友奈ちゃんに頼りっぱなしだと何だか泣きたくな...
  • 4・863
    私だけ、声が戻らなければよかったなんて そんなことを言ってしまったら怒られちゃうかな 当たり前だよね きっと、お姉ちゃん、みんな、あの人から 怒られて、そして、悲しませちゃうんだろうな 私だって またみんなとおしゃべりできて また好きな歌を歌うことができて とても嬉しいし、あんな思い二度としたくない、させたくない でも、みんなの供物が返ってきて みんなでの日常が戻ってきて 気付いちゃったの 心の中でしかあなたのことを呼べないままなら なんの、誰への、遠慮もなく、好きなだけあなたを 先輩を使わずに呼び続ける事が出来たんだろうな、って
  • 5・263
    「友奈ちゃん」 背後から美森が友奈の肩を掴んだ。 「貴女に涙は似合わない」 美森の暗い眼差しに友奈の体がピクッと震えた。 「と、東郷さん」 だが、それ以上友奈はなにも言えなかった。美森の口が友奈の唇を塞いでいた。 制服の下に美森の手が入ってくる。 ブラジャーが引き裂かれ、白い乳房があらわになった。 やめて、東郷さん! 友奈のスカートが一気に膝の下まで下ろされる。 友奈は激しく抵抗した。美森の顔に爪を立て、胸を叩いた。 だが、突然自分の体から力が抜けていくのを友奈は感じた。 「助けて、友奈ちゃん」 そう言う美森の囁きが、友奈の体から力を奪った。 大きく足が広げられ、引き裂かれるような痛みが友奈の全身を貫いていく。 友奈は手の中で枯れた花を握りしめた。
  • 7・369
    風「出来たわよ!次の劇の脚本!我ながら最高の出来だと思うわ!」 友奈「さすがです!風先輩!」 夏凜「タイトルは……『ニボシガンダム~星屑の鼓動は愛~』ってなによこれ!?」 樹「お姉ちゃん……この前までZガンダム見てたもので……」 東郷「劇でガンダムはどうかと……」 園子「でも面白そうだよ~。なせば大抵何とかなる!一回セリフ合わせだけでもやってみよ~」 フウーン・カーン「サングラスの方、イツキ様の前に」 ミモリ・バジーナ「……」 フウーン「イツキ様の前に!」 ミモリ「……」トコトコ……サングラスハズシ イツキ・ザビ「は!やはりスミ・アズナブルだ!変わりない様だ。また会えて嬉しい。遊んでくれたの、覚えているよ」 ミモリ「2歳のときのことを、覚えてらっしゃるのか?」 ミモリ「今更なぜとは聞かん」 ユウナ・ロンド「ミモリ、あなたはいつもそうして!い...
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