その他 ゆっくりが不幸な理由

緑髪って本当に素敵ですよね。だから幻視したのかも。
あと、ゆっくり殆ど出ないですよ。これ。

ゆっくり分が少なめなのでその辺を踏まえたうえで見るか見ないか判断してください。








ここ最近、幻想卿に生物が増えすぎた。生物が増える事は喜ばしい事だ。私のお仕事も増えるし、自分自身の存在意義を再確認できる。
だけれどね、増えすぎてしまったみたい。それとも、私が未熟だっただけなのかな。…ふふ、未熟な神様なんておかしいね。

「…横になって、今日はお仕事しちゃだめだからね!」おぼろげな意識に響くのは、私の元気なお友達の声。きっと私の手を握っている。だめ、だよ。私の傍に寄っちゃダメ。いつも言っているでしょう?貴女が不幸になっちゃうよ?だから、傍に寄っちゃダメ。私はね、貴女が不幸になるが嫌なのよ?

「…で、病気なんですか?素人の私でも異常だって…これは酷いって…」どうしたの?聞き取り難いよ、もうちょっとだけ大きく話して、いつもみたいに元気に話して?
「病気とは違うわね。そうね、強いて病名を挙げるとするならば、『許容量オーバー』かしら。私の薬でも無理ね。」天才が言う。
「…そんな!!どうにかならないの?永琳さん!!」きょようりょう??…そんな大声出しちゃダメだよ、にとり。永琳さん困ってしまうよ?
「私には無理だけど、治せる心当たりはあr「誰ですか!?今すぐ教えてください!!」もう、貴女、落ち着きなさい。」そうだよ、永琳さんの言うとおり。落ち着かなきゃダメだよ。

「あまり頼るのは良くないんだけどね、ああ見えて凄く忙しいから。彼女。」ふぅ、というなり、私ではない誰かに話し始めた。
「…ごほん。最近、いいお酒手に入ったのよねぇ。…この『私』ですら『酔う』事が出来るくらいの最高の一品なんだけど。これで頼まれてくれないかしら。ね、聞いているのでしょう?」一瞬、何事かと思った。空間が割れて中から
「貴女、ゆかりんの好きな物わかってるわねぇ。…でも今回だけよ。」セリフの一部が痛いけど、凄いのが出てきた。確かにこの妖怪ならばどんな困難なことでもやってのけそうだ。

「ふむ、これは確かに薬じゃ無理かもねぇ。」そういうなり、さらに隙間。中から現れたのはいずれも大妖怪クラスの存在。私がこの場にいるのは場違いなんじゃないのかなコレ。

「…ねー早苗、お茶菓子どこ~?…?あーうー。ココ何処~?」秘神。諏訪子様。今日もお元気そう。
「よーむー、お団子足りないわ~。あ、紫~、今日も急ね~。」亡霊。幽々子さん。この前作ったゆっくりメカ食べちゃったから覚えてますよ。
「そうよ、向日葵はキクの仲間なの…、…紫、いい加減にしなさいよね?」花の主。幽香さん。この前昼夜六日間、空を照らしたマスタースパークの研究させて欲しかったです。新兵器的な意味で。

三者三様の反応が妙に滑稽だったけれども、ココで噴出しでもしたら後が怖いわ。我慢よ、にとり。

「あー、はいはい、皆を呼びだしたのはね、この子の厄を肩代わりして欲しいのよ。あと、宴会のご案内。」早速、報酬の使い道を示すと永琳が苦笑しつつも、私からもお願い、と付け加えた。
「宴会は…まあいいけど、どうしてかしら?自分の能力で潰れるなんて弱者、ほおって置きなさいよ。」辛辣に。
「あー!雛ちゃんは頑張っているんだよ!?そういう言い方は良くないよ!あと、宴会大歓迎!神奈子と早苗も呼んでいいよね。」嬉しそうに。
「私はなんでもいいわ~、死んだ身に厄なんて。それより、紫が主催の宴会なんて楽しみだわ~。」楽しみに。

「本当に、幽香ちゃんは協調性のない子ねぇ。ココは友情パワーを見せる所じゃないの。それに、雛ちゃんには貴女とてお世話になってるのよ。大妖怪らしく懐を大きく持ちなさいな。器が知れるわよ。」最後の一文が聞いたらしく花の主は、解ったわよ、とだけ言ってそっぽを向いてしまった。
その後、紫さんが雛の厄を五等分にするとその場にいた私以外の妖怪に分配した。エンジニアとしては、原理とか知りたいけど、雛が元気になればいいか。

呼ばれた三人は用が済むなり、すき間送還、帰宅された。お礼すら言わないから凄いね、このすき間妖怪さん。

「見事な応急処置で助かるわ。医者として患者が良くなるのは喜ばしいもの。…で、宴会の会場はココなんでしょ?そういうのも、たまにはいいかしらね。姫やうどんげにも伝えておかなきゃね。」クスクスと微笑む。
「天才は話が早いわ。…それじゃ私は睡眠欲の充足に勤めるから。起きたら根本的な解決の方法でも考えるわ。おやすみ~。」手をひらひらさせながらすき間に入り、消えた。
「さて、今日は貴女もとまっていきなさい。明日になればこの子も目覚めると思うわ。」お言葉に甘えることにした。いつもは寄る事も許されない雛の傍に居たかったから。…雛の手、あったかいね。


翌朝、雛は元気になった。嬉しい。…本当に良かったよ。
「にとり、ごめんなさい。そして、ありがとう。貴女が着てくれなかったら、私…。」
「お礼なんていいよ、雛が元気ならそれでいい。それに、私は殆ど何もしていないんだ。」
経緯を説明すると、雛は私が未熟だったせいで、と永琳に何度も謝りだした。
「謝ることじゃないわ。今まではうまく回っていたじゃない。…ああ、それと再発防止の為に説明すると、貴女が厄に飲まれた理由は…」一旦言葉を止めた。
「招かれざる生命が爆発的に増えたから。」続けるのは何処からか現れたすき間妖怪。

「まあ、詳しく説明するのも面倒だし。ひなりん、おまじないしてあげるからコッチにきなさい。」すき間妖怪がおいでおいでと雛の事?を呼ぶ。
「目を瞑りなさい。」雛に言う。「(り、りん?)…わかりました。」素直に答える。
膨大な妖力が働いたのを感じ、雛の安否を気遣ったが、特に外傷も無くいたって普通だった。
「余分な物からの厄は『利子』をつけて返しなさい。…矛盾している気もするけど、貴女はもう少し他の妖怪と関わりを持ってもばちは当たらないと思うのよね。閻魔辺りは五月蝿そうだけど。それに貴女もそこの子と、もっと一緒にいたいように見えるわ。」
言葉の最初の部分は良く解らないが、後半は本当だったら嬉しいと思う。私も雛ともっと一緒に居たかったから。
「返す?ダメです、厄を再び他者に行かないようにするのも私の仕事で…」
「細かい事は気にしないの。貴女が倒れるって事がどれだけ幻想卿全体の損失になるか考えて御覧なさい。…それと、もう普段どおりにお仕事しても平気よ。ゆかりんの再発防止のおまじないは効くわ。じゃ、えーりん。宴会は明後日ね。よろしく~。」そういうと、もう居なくなっていた。
「まったく、こっちの都合なんてお構いなしね。」やれやれといった感じの永琳。
「あの、お仕事に戻って平気ですか?」雛の一言。仕事に戻ったらまた距離が出来ちゃう。…もう雛の手を握る機会はないかなぁ。
「ま、気まぐれなお医者様が大丈夫って言っているし問題ないと思うわ。でも、何か不調と感じたり違和感を感じたらすぐにいらっしゃいな。」笑顔の永琳さん。本当に素敵な人だよこのお医者様は。

それから雛は普段どおり、厄を集める仕事に戻った。私は暇が出来れば厄の届かない範囲で雛と会話する。いつもの関係に戻った。
でも、2日たった昼、雛が不調?を訴えだした、曰く、念じると溜めた厄が消えてしまうと。しかし、人間や妖怪に厄が戻ったようでもないし、『普段どおり仕事をしても平気』と大妖怪のお墨付きだったので気にしないことにした。

「…ねえ雛。何で厄が消えて欲しいと念じたの?」
「…だって、にとりが、傍に居てくれると、安心、するから…。もっと、傍に来て欲しかったの。」

おかげで二度と触れられないと思った雛と手をつないで散歩も出来るようになった。

「雛、今日の永遠亭の宴会、一緒に行こ?」私の一言。
「うん、でも、いいのかな、私、皆が集まるところ初めて行くから…。」ちょっと照れ気味の雛。
「いいんだよ皆と居ても。厄を霧消させれるんだから。せっかくだし皆と仲良くするべきだよ。私の友達も紹介するからね。」

鍵山雛は生まれて初めて心から嬉しいと思った。神とて孤独はつらかったのだ。悠久の孤独を強いられていた彼女にとって、この出来事は奇跡であった。

雛、今度は私の家にきてね。凄いの作ったんだよ。
にとり、私の初めてのお友達。これからもよろしくね。



…あるゆっくりは、
雨の夜。森ではある一団が雨宿りをしていた。
「ゆっくりしていってね!!」「ゆっくりしようね!!」雨が止めばゆっくり出来る。そう、毎日がゆっくり出来る日なんだ。
だが、その刹那、雷雲から閃光が放たれ、森の一角に落下した。
「びゅっぐりゃぃぃぃ!!」「おぎゃぁぁぁざぁあぁぁん!!」
雨宿りをしていたゆっくり一団の『背の低い木』にのみ雷が落ちた。灰になった塊が雨に溶け土に還った。

あるゆっくりは、
「むきゅきゅ~ん!」「ゆっくりしようね!!」見晴らしのいい崖の上、3匹が楽しそうにはしゃいでいた。
崖の先端には赤い花。「皆で食べようね!」3匹がガツガツと平らげる。今日も楽しい。また明日もゆっくりできる。
3匹が喜びを表現するジャンプ。パチュリーはやや遅れ気味に。頂点は違えど落下のタイミングは一緒。
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」どすんと同時に落下しいつものセリフ。
お約束と崩れる足場。「「「ゆっくりした結果がこれだよ!!!」」」
崩れ落ちた地面とともに、3匹は仲良く同時に地面にキスし、中身をぶちまけて土に還った。

あるゆっくりは、
「待っててね、チルノちゃん。あと、こいつやっつけたらすぐに戻るからね…。」狂気と嫉妬に支配された大妖精。対し、「ゆっぐりじでね!!」足蹴にされてもなお助けを請う。
一緒に居た仲間は背中もすりおろされてショック死した。自分はどうなってしまうのだろう。
「じゃあ、あなたはコレ食べてね。」石。石石石石、数多の石ころをその目に刻む。
「ゆっぐりは、石゛はだべられまぜん!!おねがいでずがらゆっぐりざぜでぇぇぇ!!」叫ぶために口を開けたのがまずかった。
「うん。いい子だね、自分からあーんしてくれるなんて。」注ぎ込まれた。吐き出すにも量が多すぎる。
「―――!!」叫びも自由も石に潰され、意識だけが残った。たった一つ解ることは、自分は今、この妖精に運ばれている事。
「重いなぁ。コレじゃ湖までもたないよ。」…解ってしまった、自分は何をされるのか。残酷な未来を予見し、
「――――!!――!!」必死に暴れた。このままじゃきっと魚のえさになってしまうから。暴れたかいがあってすぐに自由になった。
「自分から落ちちゃうんだ。そうなんだ。」酷く冷めた言葉をかけると、興の冷めた妖精はそのまま行ってしまった。
逃げれた。やった、これでゆっくり出来る。口に詰まった石を吐き出しきれば。
ゆっくりは気づいていない。自分が自由を得た場所は地上から10M近く離れていたことに。
襲う重力加速になすすべも無く、「ゆ゛っ゛ぐり゛ぃぃぃ!!」地面と激突した。落下の衝撃で中の石が暴れ、皮を突き破って飛び散った。


あるゆっくりはアリスに捕まった。終わた。


そう、鍵山雛の厄は幻想卿を管理する物にとってイレギュラーである存在に移し変えられるようになった。不自然に増えすぎたソレを残さず根絶するならば、自然とそうなるようにするのが望ましい。勝手に死に至る脆弱な存在であるが、人と妖怪の厄を引き受けさせることでそれの後押しをさせよう。厄神が回ればゆっくりが不幸になる。

久しぶりに働いたすき間妖怪は、嬉しそうに皆と楽しむ厄神をみて、子を愛おしむ母のような微笑を浮かべた。

「何、似合わない顔してるのよ。異変かしら?」紅白。
「ご挨拶ね。異変を未然に防いだ功労者に向かって。」
「はいはい。紫が秒で酔ったわ。永琳秘蔵のお酒は流石ね。」
「くぅぅ、ゆかりん悲しい!」



~あとがき~
ゆっくりは、持ち前のウザさとやたらと不幸にあうのが特性みたいなので、理由の一つでもと考えた結果がこれだよ!
5ゆっくり目ですが、毎度の事ながらゆっくりを虐待する描写が足りてないですね。今回に至っては、使い回し混じり。もうね。
コンスタントに虐待できる他の職人さんは凄いです。
しかし緑髪って何で素敵なんでしょうね。困っちゃいます。
                                            Y・Y

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最終更新:2008年09月14日 09:22
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