美鈴×ゆっくり系16 美鈴と森のゆっくり_後編_全年齢_2


「ふふっ、やっぱり可愛いわよねぇ……今度からは3Pも出来るなぁ」
 れみりゃ専用ルームとしてる奥の地下室から出たと同時に、美鈴は含み笑いを漏らした。
「そう言えば、あいつらはどうしてるかしら?」
 プレイに没頭して完全に忘れていた、三匹の事を思い出す。
 室内をざっと見渡すと、部屋の隅でゆっくりしているのが目に入った。
「あら? あんたたち、どうしたの? そんなところで」
 ありすとゆっちゅりーの二匹は密着するぐらい近くに身を寄せ合って、そこから1メー
トルほどの距離を置き、まりさが佇んでいた。
 三匹とも、もとから締まりのない顔を、さらに惚けさせている。
「ゆっ! ゆっ……ぼ、ぼーっとしてたんだぜっ!」
「あっ、あ、ありすは……その、あの……」
「むきゅー……ぱちぇはちょっとぐあいわるいの……」
 話しかけられて、はっとした顔で三匹は答えた。

「あぁ、そう。見てたのね、あんたたち?」
 質問ではなく確認である。
「ゆ゛っ! ぞ……そっ、そ゛う゛な゛ん゛だぜぇぇぇぇっ! ゆっ、ゆゆ゛る゛じでぐ
だざい゛だぜぇぇぇぇぇぇっ!」
「ご、ごべん゛な゛ざい゛ぃぃぃぃっ! み゛っみ゛でま゛じだぁぁぁぁっ!」
「む゛ぎゅっ! み゛、み゛るべぎじゃな゛いどおぼっだげど……みでまじだぁぁぁっ!
お゛っお゛ね゛え゛ざん゛ゆ゛る゛じでぇぇぇぇっ!」
 三匹は正直に答えた。
 答えながら取り乱して謝り泣き叫ぶ。
「あははっ、別に責めてるんじゃないわよ。見るななんて言わなかったでしょ?」
 本当に臆病ねぇあんたたち、と続けて言うと美鈴はけらけら笑いながら、
「あれが人間の交尾よ。初めて見たでしょ? どうだった?」
 感想を述べる事を要求した。

 泣きやんだ三匹は、しばし答えを探すように押し黙ってから、
「……ゆっ! すっ、すごかったんだぜぇ……ちょっと、こわかったぜ……ご、ごめんな
さいだぜ!」
「いっ、いじめてるように……み、みえました……あ、ありすにはしげきがっ、そ、そう
しげきがつよすぎまじだぁぁぁっ」
「むきゅ……むぅ~きゅ~……よ、よくわからなかったわ……ごめんなさい……」
 三者三様の感想を躊躇いがちに述べた。
「もう、そんな怯えてばっかりだと傷つくわね。ま、身体のないあんたたちには、わから
ない、虐めみたいな、怖い事に見えるかもね」
 傷つくと言った途端に三匹が青ざめたので、美鈴は笑顔を浮かべて言った。
 怯えられていたら、話がしづらい。

「あぁ、そうだ! また今度あんたたちに見せるから、その時は協力してね」
 美鈴はプレイのバリエーションを広げられると思った。
「ゆっ!?」
「きょ、協力?」
「むきゅ……ぱちぇたちが?」
 あまり見たくはないが美鈴の言葉は絶対である。
 それ以上に、四肢のない自分たちが協力できる事があるのか疑問だった。

「簡単よ。ただじっくり見てるだけでいいわよ、最初は」
 公開調教、と言う単語が美鈴の頭の中に浮かんでいる。
「見てる間は叫んだり泣いたりは禁止ね。集中できないから。どうしても怖い時は、後ろ
向いてもいいわ」
 三匹が見る事に慣れるまで、少し時間がかかるだろう。
「慣れてきたら、ちょっと高度な、難しい事もして貰うわ……あぁ、難しいって言っても、
喋るだけよ」
 この三匹ならば、喋らせるタイミングさえ覚え込ませれば問題無さそうだ。
「何を喋ればいいかは今後教えるわ。内容を暗記する必要はないわ。どんな事を言えばい
いかだけ、覚えてくれれば」
 プレイは水物である。その時そのときで展開が異なるのだから、セリフの暗記ではなく
アドリブで喋らせるしかない。

「先にざっと言っておくと、基本的にはお嬢様を罵倒、悪口言ってくれればいいの。情け
ないとか、醜いとか、ブサイクとか」
 ゆっくりに言葉責めをやらせる気である。
 捕食対象に罵倒されて、れみりゃがどう反応するかが楽しみだ。
「いきなり完全を求めたりはしないから、ゆっくり理解してね。あんたたちが役に立つな
ら、もっと良い待遇……もっとまともなご飯あげるし、外で散歩もさせてあげる」
 飴を提示してみせる。
「でも、覚えが悪かったらお仕置き。役に立たないようなら、虐めるから」
 次は鞭をちらつかせる。
「ふふっ、せっかく三匹とも生かしてあげてるんだから、ちゃんと頑張るのよ」
 言うだけ言うと、美鈴は三匹の反応も待たず地下室を後にした。

 後には暗澹たる表情を浮かべる三匹が残る。
「……ねぇ、ぱちゅりー……おねえさんのいったこと、わかった?」
「むきゅ……だいたい……」
 美鈴の姿が消えたので、早速ありすとゆっちゅりーは会話を始める。
「……ゅ……」
 まりさは話の輪に加わりたそうな目で二匹を見て、まごまごしている。
 二匹との間には1メートルの物理的距離が存在するが、これはそのまま心の距離であっ
た。
 人間にとっては、せいぜい二歩の距離。
 ゆっくりにとっても数回跳ねれば埋められる距離。
 しかし、まりさにとってその距離は途方もなく長かった。

「ちゃんとできるかしら……ありす、おしおきいや……」
「むきゅぅ~だいじょうぶよ、ありすにはぱちぇがついてるわ……ぱちぇがおしえるから、
ありすはきっとうまくやれるわ」
「ぱちゅりー……ありがと……だいすき……」
「むきゅ! ぱちぇもありすが、だいすきよ……いっしょにがんばって、ゆっくりできる
ようになろうね!」
「うん! ありがと、ぱちゅりー! ありす、がんばるわ!」
「むきゅきゅきゅっ! そのいきよ、ありす! おねえさん、うそはつかないから、がん
ばればきっとたいぐうはかいぜんされるわ!」
「そうね! がんばって、おねえさんのいうことききましょ! ありす、ぱちぇとまたお
そとおさんぽしたいしっ!」
「むきゅ~ありすはあるくのはやいわ……おさんぽするときは、ぱちぇのはやさにあわせ
てほしいわ」
「ご、ごめんね……それも、がんばるわ!」
「むきゅ! それはがんばらなくてもできるでしょ? もぅ、ありすったら、おばかさん
だわ」
 ──れみりゃへの食事を持った美鈴が戻ってくるまで、二匹はゆっくりと歓談した。

 一方、まりさは──
「……ゅ……ぐじゅ……」
 じっと見つめていても、視線すら合わせて貰えず、
「……ゆっ! ………………」
 思い切って声を出すと、すごく冷たい目で見られ、
「……ゅ……ゅぅ……」
 その目に圧倒されて押し黙り、
「………………」
 いつしか二匹に背を向けて、とぼとぼと室内を這い回っていた。
「……ゅ……つ、つらくなんか、ないぜ……ぐしゅ……ぐすんっ……」
 楽しげに会話する二匹に聞こえないような小声で、独り言を漏らす。
「……でも……さびしいぜ……」
 二匹はいつになったら自分を許してくれるのだろうか。
「……まりさは……うっ、ぐじゅ、えっぐ……」
 れみりゃが犯されていた木箱の陰で歩を止め、一人孤独に泣いた。
 そして、あの時の事を思い出す──。

「しぶといわね……楽にして欲しい?」
 あの怖いお姉さんが話しかけてきた。
 答えたが、聞こえなかったようで、お姉さんは怪訝そうな顔をして近寄ってきた。
「痛いでしょ? 楽になりたい? もう殺してあげてもいいわよ」
「……ゆ゛ぐっ……も゛、もう゛、お゛ね゛がい゛……ご、ごろじでぇぇぇっ……」
 死にたく無かったが、早くこの痛みから逃れたかった。
 殺されるのは怖いし嫌だ──でも、早く楽になりたかった。
「……ん? ……うん……そう、わかったわ。ゆっくり、おやすみなさい」
 お姉さんの手が触れる。温かい。
 こんなに優しくて温かい手なのに、まりさに酷い事をした手。
 その手が鈍く光る──ああ、死ぬんだと思うと、自然と口から言葉が出て来た。
「も゛、も゙っど……ゆ゛、ゆ゙っぐり゙じだがっだよ゙ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 痛みが遠のき、眠くなってきた。
 今度生まれてきた時は、もっとゆっくりできると良いな──そう思いながら目を閉じた。

 何かねばねばした物を塗られている感触がした。
 それで目が覚めた。
 死んでいない。まだ生きている。
 目の前には、あのお姉さん。
 壷から白いどろっとした物を手に取って、まりさに塗りつけてくる。
「ゆっ!?」
 何が起きたのか、何をされているのか、何で死んでいないのか、わからない。
「あら、起きたの? じっとしててね」
 動こうにも身体は動かなかった。
 痛みはほとんど消えているが、やけに身体が重い。
「不思議そうな顔してるわね」
 にっこりとお姉さんは笑った。

「もうすぐ治療終わるわよ。ゆっくり感謝しなさいね」
 殺してと頼んだのに、助けられてしまったらしい。
「ちゃんと私の言う事聞くなら、もっとゆっくりできるわよ」
 言う事聞く……どう言う事だろう。
「わからないって顔ね。あんた言ったでしょ、もっとゆっくりしたかった、って」
 言った気がする。
「だから助けてあげたの。ここでずっとゆっくりさせてあげようと思って」
 ここが森ではなく、人間の家だと言う事に気付いた。
「治療が終わったら、お友達に会わせてあげるわ。ここでゆっくりするにはどうすればい
いか、そのとき教えるからゆっくり理解するのよ」
 お姉さんは笑った。

 治療が終わると、お姉さんに抱きかかえられて、どこかに連れて行かれた。
 薄暗い坂道を降りた、どこかの部屋に。
「ありす、ゆっちゅりー! お友達が起きたわよ」
 部屋に入ると、お姉さんが言った。
 見ると、ありすとぱちゅりーが居る。
「ほら、あんたはここよ」
 床の上に置かれた、斜めに二人と向き合うような位置に。
 二人は冷たい目でまりさを見て、すぐ視線を逸らした。

「あんたたちは悪いゆっくりよ」
 お姉さんは、まりさたちを見下ろしていった。
「ここで自己批判をして貰うわ」
 意味が良くわからない。
「私が出かけてから帰ってくるまで、まりさは『まりさはごみくずだぜ。ありすはうそつ
きだぜ。ぱちゅりーもうそつきだぜ』と言い続けなさい」
 酷い命令をされた。
「ありすは『ありすはうそつきです。ぱちゅりーもうそつきです。まりさといっしょです』
で、ゆっちゅりーは『ぱちぇはうそつきです。ありすもうそつきです。まりさとどうれべ
るです』だからね。しっかり覚えなさい」
 まりさとありすは、お姉さんに抗議した。

「他のルールは、私に逆らったらお仕置き。うそついたらお仕置き。ケンカしたらお仕置
き。この三つよ」
 抗議の声を無視してお姉さんは言うと、
「まりさとありすは、逆らったからお仕置きね」
 そう言って、まりさを殴った。何度も殴った。
 まりさにはわからない言葉を怒鳴りながら。
「日本鬼子! 日本鬼子! 日本鬼子東洋鬼!」
 謝っても許さず、泣いても許さず、叫んでも無視して、何度も何度も殴った。

「ゆっくり反省しない」
 ツバを吐きかけてから、お姉さんは次にありすを殴った。
「洋鬼子! 洋鬼子! 洋鬼子!」
 ありすが泣いても、謝っても、まりさにしたのと同じように何度も殴ってから、
「あんたは大中華を馬鹿にしている」
 と言って、ありすのヘアバンドを奪い取ると、ハサミでありすの髪の毛を刈った。
 きれいだったありすの髪は、耳とおでこが見えるよりも、もっと短く刈り揃えられた。
「洋鬼子には、それがお似合いよ」
 しくしくと泣くありすを見て、鼻で笑った。

「ゆっちゅりーは、わかったわね? しっかりセリフ覚えたわよね?」
 ガタガタ震えながら、ぱちゅりーはうなずいた。
「あなたは本当に良い子ね。この二匹は覚えられてないだろうから、しっかりと覚えさせ
るのよ……三匹ともちゃんと自己批判できなかったら、連帯責任だから」
 そのように言い置くと、お姉さんは部屋から出て行った。

 とても重苦しい空気の中、まりさは二人に話しかける。
「ゆっ! ありすとぱちゅりーもぶじでよかったんだぜ!」
 今はもうこの二人しか、話せる相手が居ないのだから。
「話しかけないでっ!」
「むきゅっ! まりさとはおはなししたくないわ!」
 強く拒絶された。

「ゆっ!? ど、どうしてなんだぜ?」
「ありすは、まだまりさゆるしてないわ! だいっきらい! しねばよかったのに!」
「むきゅ! ぱちぇもゆるしてないわよ! おしおきはいやだから、じこひはんはおぼえ
てもらうけど、それいがいではしゃべらないからっ!」
 ──二人の態度は、とても冷たかった。

 辛く悲しい記憶を振り払うように、まりさは目を瞑った。
 昨日まで、そう昨日の夜にあのお姉さんが巣にやってくるまで、まりさは幸せな日々を
過ごしていたのに、どうしてこうなってしまったのか考えた。

「……ありすとぱちゅりーをいじめたから?」
 考えた事が、口から言葉となって漏れた。
 ゆっくりと、自分があの二人にした事を、思い出してみた。

「……ゆぐっ……ゆ゛っ……う゛ぁぁぁぁぁぁん゛っ!」
 思い返せる限り思い出してみると、自分がどれだけ酷い事をあの二人にしてきたのか、
改めて思い知らされ、まりさは泣いた。
「……ご、ごべんな゛ざい……ありす、ぱちゅりー……」
 この時、おそらく初めて、まりさは心からの謝罪を口にした。
 もっと早くに謝るべきだったと後悔しながら、まりさは泣いた。

 そして──泣きながら眠りに就いた。


                                   ■END■

あとがき

 まずはじめに、ご笑覧いただきありがとうございます。
 名前が無いと微妙かもと思いましたので、今後はA.Hと名乗らせていただきます。
 結局一匹も美鈴は、ゆっくりを殺してませんね……虐殺ではなく虐待ですから。
 成人向けな内容になった後編から、ざっくりと18禁描写を削除して、ちょっとだけ微調
整した全年齢版です。
 成人描写を消すと、ほとんど虐待シーンが消えてしまいましたので、ちょっとだけ付け
足しをしました……温いですけどね。
 個人的に二次創作は勝手に設定作るのが醍醐味と言う思想なので、俺設定が溢れかえっ
ておりますので、合わない人にはまことに申し訳ない限りです。

 wikiへの収録ありがとうございます。40字で改行しているので、右側に余白が大きく出
来る形となるテキストで申し訳ありません。

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最終更新:2008年09月14日 11:20
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