幽香×ゆっくり系1

ゆっくりって蝶を食べてるんですね。だから幻視したかも。


蝶を追いかけ回してた仲の良い複数のゆっくりが太陽の畑に迷い込む。


蝶々花々、見渡す限りのご馳走に思わずどっきり。
「新しいゆっくりポイント発見だね!!」
思わぬ収穫に仲間達と向かい合って皆でにっこり。
向日葵に蝶が止まった所を狙い定めてダイビング捕食。向日葵は重さに耐えれずにぽっきり。

「おいしいね!!」「もっといっぱい食べようね!!」「ゆっくり食べようね!!」

折れた花に群がるゆっくり達。皆が満足するだけの花を折って食べ、跳ねて蝶を食べお腹がぽっこり。
広大な向日葵畑。花のと葉の砦は自分達の隠れ家にはうってつけだと考え、皆でにっこり。
畑の中に移動し食後の運動を兼ねて隠れ家作り。心行くまでゆっくりできるスペースを確保するため円形に向日葵をばっさり。
沢山の食料が見つかり満足。太陽もポカポカで気持ちがよくゆっくり達は自然とまったり。
満腹で暖かな日差しに包まれて、皆で輪になりぐっすり。

良い場所を見つけて幸せを感じ、皆の寝顔はにっこり。


「…ゆ゛っぐり゛ぃ!!??」
体に何か入ってきたような感覚に襲われた紅白のゆっくりの突然の悲鳴にみんなびっくり。

「どうしたの!!」「びっくりさせないでね!!」「しっかりしてね!!」
苦しむ紅白の周りに心配になったほかのゆっくり達が見守るように囲んでひっそり。

パチン。ゆっくり達の後方で何かを弾く音がしたと同時に周りを格子状のつたに囲まれてどっきり。

「むきゅー!!」「これじゃゆっくりできないよ!!」「ゆっくりどかすよ!!」
3匹のゆっくりがポヨンポヨンと勢いをつけてつたに体当たりしたらざっくり。

「ゆ゛っぐりぃぃぃ!!」「いだい!!いだいよぉぉ!!」「むぎゅーぅ!!」
つたを除けようとしたゆっくりの悲鳴。よく見るとつたには鋸の様に細かい無数の刃がびっしり。
2匹は全身に無数の裂傷を負って地面にばったり。1匹がつたに絡まり絶命してぽっくり。

「もっどゆっぐりじだがっだよぉぉぉ!!」皆が叫ぶも返事はさっぱり。

理不尽だよ、ゆっくり皆でのんびりしていたのに。程なくして最初に悲鳴をあげたゆっくりがむっくり。
「痛かったけど大丈夫!!」「良かった!!」「元気になったね!!」

しかし1匹は絶命し2匹は瀕死、仲間を助けたくてここから出る方法を皆で考えても思いつかなくてがっくり。


「…あらあら。今日はお客さんがいっぱいね。」
突然、ゆっくり達の後ろから女性の声。振り返ると緑の髪をした綺麗なお姉さんが日傘をさしてにっこり。

救いの手が来たと歓喜。ピョンピョンと飛びはねながらお姉さんに助けを求めるゆっくり。
「おねえさん!ココからだして!!」「友達が危ないの!!」「わかるよー!!このままじゃ死んじゃうよ!!」

お姉さんはつたの檻の中で突っ伏す2匹と、つたに絡まって中身をむき出しにし絶命した1匹を見てにっこり。
「あらあら…。お友達が2人も死んじゃって可愛そう。」と言ってにっこり。

2人?聞き間違ったのかなと皆で首をこっくり。しかしそんな疑問よりも仲間が苦しんでいるのににっこりしているお姉さんに憤りを見せる。
「おねえさん!友達が大変なのにひどいよ!!」「ゆっくり謝っていってね!!」
それでもニコニコしているお姉さん。おもむろに綺麗な指を弾いてパチンと弾いた。

「「「???」」」
ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆでゅでゅ…、ゆっくり達の近くからぐぐもったような変な音がした。
最初に苦しんだゆっくりが出していることに気づいて驚愕した。うめき声を上げ痙攣しながら苦しみだした。
「どうしたの!!」「ゆっくり元気になってね!!」

小刻みに震え体表に何かが浮かんでくる。何かが脈動し醜く変形するゆっくり。恐怖から他のゆっくりは震えながら固唾を呑んで見守った。

断末魔。

「ゆ----------!!!」
…ブチィ!!と何かが引き千切れる音。苦しんでいたゆっくりの側面…頬辺りから植物のつぼみが突き出した。つぼみは外気に触れるとビクビクと小さく脈動した後に紅白の花を咲かせた。

「ひぃぃぃぃ!!」「わからないよ!?わからないよ!!」「ちーんぽ!!」
恐怖が他のゆっくりに伝染する。2匹目の仲間が目の前で花を咲かせ絶命した。虚空を見つめ、側面に花を咲かせている図は滑稽で理解不能で更なる恐怖を煽った。怖くて逃げ出そうとしたゆっくりが小石に躓き、つたで傷つき突っ伏していたゆっくりの上に勢いよくつっこんだ。傷から中身をひり出しながら痙攣し、絶命した。ゆっくりたちがまた絶叫する。転んだゆっくりの顔は後悔と混乱で蒼白、餡を浴びて汚れた。

「うふふ…。意外と綺麗なお花ね。それと、お友達またへっちゃったね。」お姉さんは日傘をいじりながら事も無げに言い放ってにっこり。

「早くここから出して!!」「うー!!うー!!」
ゆっくりたちは早くこの恐怖から開放されたかった。この場所にいたら自分も花になってしまうのでは?逃げたい。半狂乱状態でお姉さんに懇願する。ここから逃げ出せるなら、救いの手が差し伸べられるのならばどんな事でもしてみせれる気さえした。

「いいわよ。一人だけなら。」目を細めながら言った。…お姉さんはとてもにこやかだ。


お姉さんがパチンと指をならした。…ただ指を鳴らしただけだった。新たな『つた』も『花』も生えない。だが、トリガーは弾かれた。

呆然とするゆっくりを尻目に黒大福が2匹目の裂傷しているゆっくりをふみつけた。何度も何度も体全体を使ってトランポリンのように跳ね続けた。吹き出る中身。
「ゆっくりあっちに逝ってね!!」「むぎゅぅぅん!!」
飛び散る餡。絶叫するほかのゆっくり。もう動かなくなっているのに狂ったかのように跳ね続けている。黒大福は本気だった。仲間のために知らなかったとはいえ命を張った仲間を、友を踏みつぶしている。

その光景が、今度は狂気が伝染する。このままおとなしくしてたらゆっくりできない体になる。嫌だ。自分だけがゆっくりするんだ!
1匹堕ちれば後は総崩れ。この中にいるのは全員敵。排除しないとゆっくりできない。

「ゆっくり死んでね!!」「早くゆっくりさせてね!!」
自分だけが助かりたい。ここから逃げ出したい。ゆっくりたちが体全体を使い相手をつたのほうへ弾き飛ばそうとする。踏み潰そうとする。餡が飛び散る。狂気が、殺意が加速する。

日傘を揺らしながら、その光景をにっこりと見つめるお姉さん。

「ぢーんぼぉぉ!!」「痛いんだね!!わかるよー!!」
断末魔。白髪ゆっくりがつたに絡まった。何を理解したのか尻尾のついたゆっくりはわかるよー、と白髪ゆっくりを押し付け、傷を確実に広げていく。痛みで気絶したら後は軽い圧力だけで死に至る。止めのために踏みつける。

あちらこちらで悲鳴とブルュブリュと止めを刺す音が聞こえる。絶命の度にお姉さんはにっこりした。


「ゆっく…しっかり死んでね!!」「いだい!!わ゛がらないよぉー!!」
決着がつきそうだ。黒大福が尻尾を咥え自分を中心に尻尾ゆっくりをくるくると回転させて、十分に勢いをつけたところで、
「ぷはっ、ゆっくり飛んで死んでいってね!!」
口を離した。十分に加速したゆっくりはつたに押し付けられ二つに崩れた。

餡がつたの先にボトリとおち、周りをキョロキョロとみわたしたあと
「ゆっくり!これで、私は、私だけがゆっくりできるよ!!」
たった一人、生き残った黒大福は勝利の余韻に浸って、返り餡を落とすことなく檻の中心でふかく目を瞑ってゆっくりしていた。


「…さ、約束ね。」お姉さんが指を鳴らすとつたが消えた。

「ゆっくりできる!!おうちかえる!!」
黒大福はお姉さんに一礼するとさっさと、そこら中に散らばった餡や皮を踏みつけながら鼻歌交じりでその場から去って行った。
もう、かつての友など気にもせずに。

黒大福を笑顔で見送って
「…向日葵達が殺され理不尽に土に還らされた。家畜のような存在のエゴの為に。だからそいつらを理不尽な手段で土に還した。」
残されたお姉さんが言った。


数分後に…パチンと指をならした。笑ってはいなかった。



それから数日して、天狗が向日葵畑の上空を通過しようとした際に何かに気がついた。この前までは確かに一面の黄色だったはず。だが、今は違う。畑の一部が人為的に円形に空いており薄い青色の月見草や紅白の薔薇、水芭蕉、鬼灯など場違いな花が仲良く並んでいた。
ここの管理者らしくない対応だったが、近くでそれらをみて、確かに取り除くのには惜しい、見事に綺麗な草花だと思った。

主曰く「花びらが散って土に還るまでこのままよ。それにこの子達は今はもう元通りで仲良しよ。咲く時期も近いもの。」
女である私でも惚れ惚れするぐらい綺麗に微笑んだ。……こっそり写真も撮った。

そう言われてみれば、『仲良し』確かにそんな気もする。だが、『今はもう?』『元通り?』イマイチ意味が解らない。
これらは異変の前触れ?実は既に異変発生?わずかばかりそういう事を期待したがどうやら空振りだったようだ。

だが、滅多に取材できない相手だけに天狗はチャンスとあれこれ聞こうと考えた。が、珍しく上機嫌な太陽の主と仕事抜きでのんびりするのも悪くは無い気がした。今日だけは主も拒まないだろう。

…不思議とこの場所はなんだかゆっくりできる気がした。


さらに数ヶ月が過ぎた。太陽の畑から数分歩いた森の中にボロボロに汚れた黒い繊維質のゴミクズが転がっていた。ゴミクズのそばには白くて可愛らしいクロッカスが孤独に咲いていた。
クロッカスの花言葉は「信頼」「裏切らぬ事」。

裏切り者の嘘つきは最後まで嘘つきだった。

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最終更新:2008年09月14日 11:29
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