第三競技【パン食い競争】
次のパン食い競争もまた全員参加である。
一斉にスタートしてグラウンドを一周(約400m)すればゴールだ。
だがパン食い競争というからにはパンを食べねばならない。
コース中間地点にパンが大量にぶら下がっているので一口食べてから先へ進む。
もちろん食べずにゴールしてもいいが、その場合お仕置きルームに直行となる。
スタート直前のゆっくり達の視線の先にはぶら下がっているパンがあった。
刑務所に来てから美味しいものなんてほとんど食べたことがないゆっくり達にとってはまさにご馳走である。
中にはもちもちした食感のパンの味を思い浮かべて涎を垂らしているものすらいる。
そんなゆっくり達に審判係の所員が確認の意味も込めてこのパン食い競争の説明を始めた。
「みんな分かってると思うけど、このパン食い競争はただこのグラウンドを一周するだけじゃなくて
途中にあるパンを食べないといけない。食べずにゴールしたら反則になるからね。
それで最初にグラウンドを一周したゆっくりの属する組が勝ちだ。
だから誰か一匹でも先にゴールすればいいんだ。分かった?」
「ゆっくりりかいしたよ!!!」
「それと10分以内に誰もゴールしてなかったら全員罰だからね」
「ゆっくりだいじょうぶ!!」
ゆっくり達はとてもいい顔で返事した。
きっと大半のゆっくりはこう考えているだろう。
(ひとくちだけなんてゆっくりできないよ! おなかいっぱいになるまでたべるよ!!)
(だれかがごーるすればいいならじぶんはゆっくりするね!)
誰も口にはそう出さないが、にやけるその表情からそんな考えが見て取れた。
結局この刑務所に送られてくるようなゆっくりはみんな根底は同じ。自己中心的なのだ。
「よし、それじゃあスタートだ!」
「ゆー!!!」
審判の合図と共にゆっくり達は我先にと駆けて行く。
中にはコースを外れてパンへ直進しようとしたり、前のゆっくりを踏み台にして進もうとするゆっくりもいたが、
もれなくお仕置きルームへと連れて行かれた。
「ゆ"ーっ!! せめでっ、せめでひとぐぢだけでもだべざぜでぇぇぇ!!!」
連れて行かれるゆっくりは泣きながら最後の我侭をしていたが、無言で却下されてそのまま会場から姿を消した。
だがそんな他ゆっくりのことを気にするゆっくりなどいない。
何よりもパン、パン、パンである。
現在先頭を走るのは赤組と白組のリーダーの巨大れいむと巨大まりさだ。巨体にまかせて突っ走っている。
続いて巨大ゆっくりの髪に勝手にしがみつく子ゆっくり数匹。
その後に成体のちぇん、みょん、そしてまりさが続く形だ。
逆に一番遅いのは白組の赤ちゃんゆっくりである。
大人ゆっくりと喧嘩したままのその赤ちゃん達は置いていかれていたのだ。
そうなると自力で跳ねて行かねばならないが、その小さな体は相応に体力も少ない。
2mも進まないうちに疲れて休んでしまっていた。
「ゅぅ、ゅぅ…ちゅかれたよぉ」
「だれかたしゅけてょ…」
この赤ちゃん達はきっとこのままパンまで辿り着けないだろう。
万が一辿り着けたとしても赤ちゃんゆっくりのジャンプ力じゃパンには届かない。
今も必死に這って進もうとしているが、無駄な努力お疲れ様。
さて、先頭グループはパンの所まで辿り着いたようだ。
「ゆっくりたべるよ!!」
「まりさはこっちをたべるよ!!」
「ちぽーん! みょんはふとくてながいぱんがいいみょん!!」
「こっちのがおいしそうだよ!」
「それよりもあっちのがおいしそうだね、わかるよー」
凄まじい喜びようである。
どれもこれも美味しそうなパンばかりでどれから食べようかキョロキョロと品定めしている。
パンはどれも1m程度の高さにぶら下げられていて、子ゆっくりでもジャンプ力が平均より少しあれば取れる高さだ。
しかし中には地面近くの低い位置までぶら下がっているパンもいくつかあった。
ゆっくり達からすればわざわざジャンプしなくても取れる低い位置のパンを狙うのは当然だ。
「これならかんたんにとれるね。わかるよー」
この一匹のちぇんもそう考えて低い位置にあるパンを一口で頬張った。
「むーしゃ、む"……わ"、わ"がら"な"い"ぃ"ぃ"ぃ"……げぼっ」
ちぇんがそのパンを口に含むとすぐに苦しそうな濁った声で叫んだ。
そしてその後すぐに中身を吐き出し、二度と動かなくなった。
「ちぇぇぇぇぇぇん!!?」
「ゆっ!? どういうこと!!」
「説明しよう!
ちぇんの食べたパンには君達の大嫌いなとっても辛いものが入っていたのさ!」
「ゆぇぇ? そんなのゆっくりできないぃ!!」
「なぁに、高いところにぶら下がっているパンなら安全さ。
このちぇんは楽して低いところのパンを食べたからこうなったんだよ」
「だったらたかいところのぱんをたべるよ!! ゆぎぃぃぃぃぃ!!?」
と、今度はぶら下がったパンを一気に頬張ったゆっくりだったが、どういうことかパンの代わりに紐にぶら下がっていた。
パンは元々釣り針でぶら下げられていた。
それを一口で食べたものだから今度はそのゆっくりの頬の内側に釣り針が刺さってしまったのだ。
「ひだひ! とっふぇよ!!」
泣きながら体をよじって逃げようとする。
だがぶら下がった状態で出来ることはなく、口を動かすことが精一杯だった。
「ゆっ、ばかだね! ちょっとずつたべるよ!!」
「よくばったけっかだね、わかるよー」
その失敗を見たゆっくり達はパンの高さと釣り針に注意しながらパンに食いついて噛み千切る。
そして地面に再び降り立つと柔らかく甘いパンを咀嚼する。
「むーしゃ、むーしゃ、ししししししししっあわせ~ぃ!!!」
「こんなゆっくりしたたべものはじめてえぇぇぇぇぇ!!!」
「しあわせすぎてゆっくりしちゃう! いっちゃう!!」
まさにヘブン状態。
体を震わせ涎を垂らし、涙も流して一口ごとに絶頂に達しているかのようだった。
ジャンプが届かないゆっくりも大きいゆっくりのおこぼれを貰っている。
中にはカラシクリーム入りのパンを食べて倒れるものも数匹いたが、
ほとんどのゆっくり達がこの上なくゆっくりしていた。
しかし食事に夢中である。中には満足して眠り出すものすらいた。
やはり「誰かがゴールに向かうだろうから自分はゆっくりしよう」とでも考えてるのだろう。
「残り1分だ。ゆっくりしてていいのかな?」
突然の審判の言葉に何のことだろうと首をかしげるゆっくり達だったが、
言われてやっと制限時間のことを思い出したらしい。
「りーだー! がんばってね!」
「かってねりーだー!」
「ゆっくりしないでいそいでね!!」
両組のゆっくり達はリーダーに走るよう頼み出した。
リーダーなら走ってくれて同然だよねと言わんばかりである。
しかしリーダーも一匹のゆっくりだ。
体が大きいからという理由で人間に各組のリーダーになるよう命じられただけで元々リーダーというわけじゃない。
よってリーダーとしての責任感も当然なかった。
「ゆっ、れいむはゆっくりしたいよ! じぶんがはしってきてね!!」
「まりさはまだおなかいっぱいじゃないよ! だからかわりにいってきてね!!」
「ゆぅぅ!! りーだーでしょ!! しっかりしてよね!!」
「そんなりーだーじゃゆっくりできないよ!!」
「だったらおまえがいってよね! りーだーとしてのめいれいだよ!!」
「そうだよね! りーだーのめいれいだよ!
したがわないならもうなかまじゃないよ!!!」
「なにいってるのぉぉぉ!!」
「りーだーがわからないよー!!」
「みんなをまもるのがりーだーでしょぉぉぉ!!!」
ゆっくり達は一秒でもゆっくりしたいと面倒な事を押し付けあった。
さっさと誰かが走れば良かったのに、誰もが楽しようと考えたばかりに制限時間の10分が過ぎてしまった。
「おまえのせいだよ!!」
「りーだーがわるいんだよ!!」
「まりさはわるくないよ! ゆっくりしてたからしょうがないよ!!」
と、今度は負けた原因を押し付けあっていた。
誰かが悪いんじゃなく誰もが悪いのだが、ゆっくり達は自分を善だと信じてやまないのだから性質が悪い。
だがそんなゆっくり達だからこそ虐めがいがあるというもの。
そろそろ観客の皆さんも自分でゆっくりを虐めたいと思っている頃だ。
当初の予定通りの罰が開始される。
「さて皆さん! ゴール出来なかったゆっくり達への罰を開始しようと思います。
これのルールはたった一つ。 ゆっくりをゆっくりさせないことです!!」
「ウオォォォォォォォォォッ!!!」
人間たちの咆哮が会場を包む。
ゆっくり達は知らされていないが、運動会裏のメインイベント「ゆっくり触れ合い体験」だ。
ゆっくりと触れあうことで日ごろの疲れを癒す、そういう素敵なイベントである。
男も女も年寄りも子供も喜んでゆっくり達の元へと突っ込んでいく。
「ゆっ?」
「なに? なんなの!? こっちこないでね!!」
「やめてね! なんだかゆっくりできないきがするよ!!!」
「ヒャッハー!! ゆっくりさせてやるよぉ!!!」
「おらぁっ、さっき食べてたパンを吐き出させてやんよ!」
一人の男が適当なれいむを捕まえて喉奥に三本指を突き立てる。
「ゆごぉっ!?」
「さっきのパン美味しかったかぁ?
今度は俺が甘いお菓子を食わせてやんぜ。オラー!!!」
掛け声とともに突き立てた指先でれいむの喉奥をかき混ぜる。
「おご、おごぐぼっ…おぅげぇぅおおぉ」
口の中から体をグチャグチャにかき回される。
何度も何度も中身を吐き出しそうになるが、男はその中身をかき混ぜ続けるので吐くには至らない。
吐く寸前の苦しみ、口内を蹂躙される痛みがれいむを襲う。
このれいむも刑務所にいた以上お仕置きという名の拷問を受けたことはある。
だが容量の少ない餡子脳はその時の苦痛そのものは三日も経てば忘れてしまう。
それでも人間への恐怖。痛みや苦しみを与えられる恐怖は確実にれいむの心を蝕んでいる。
「ゆごっ、ゆごっおおぉぉぉお!!!」
「怯えきったその眼、たまんねぇなぁ!!」
記憶の奥底に沈んでいた拷問の記憶。
その強い恐怖によるストレスはれいむの体を変化をもたらす。
「あ~? なんだこいつ、髪が抜けやがった! きめぇなオイ」
過剰なストレスが体にも作用し、髪を抜け落ちさせた。
見る見るうちにれいむはハゲ饅頭になってしまう。
「うっわ、急に禿げるとか興ざめだわー。さっさと餡子吐いて死んじゃえよ」
「うごぉっ!? うっ、ゆげろげろげろ……」
男はれいむを地面に投げ捨てる。
投げ捨てられたれいむは蓋代わりの指が取れたことでようやく中身を吐き出すことが出来た。
微かな開放感と共にれいむの意識は闇へと沈んでいった。
「あ、さっきパンを食べられなかった赤ちゃんでしょ。
私と遊びましょうよ」
「ゅっ、おねーしゃんあしょんでくれりゅの!?」
「ゆっくちあしょぼうよ!!」
こちらは先ほどのパン食い競争で置いてけぼりにされた白組の赤ちゃん達だ。
未だにパンの方へ向かって這っている最中だった。
しかし人間の女が遊んでくれるのが嬉しくて、その女が呼ぶままに赤ちゃんからすれば大きな手に飛び乗った。
「お腹減ったでしょ? いっぱい食べさせてあげるからね」
「わーぃ!」
「ゆっくちー!!」
「おねーしゃんゆっくちできるよ!」
さらにお腹まで満たしてくれるというのだ。
赤ちゃん達にとってお母さん以外にこんなに優しくされるのは初めてだった。
「じゃああのパンの所まで行こうね」
そう言うと女はパンのぶら下がっている所まで歩いていく。
赤ちゃん達は着くまでの間、その女の掌の上でお空体験をしていた。
「すごいよ! おそらをとんでるみちゃい!!」
「たかいんだね。わかりゅよー」
「とってもゆっきゅりできるよ!!」
女はそんな無邪気に喜ぶ赤ちゃん達に優しく微笑みかけた。
そしてぶら下がったパンの所では何人かの人間がゆっくりを殴っていた。
殴られるゆっくりは、パン食い競争の時にパンの代わりにぶら下がってしまったゆっくり達である。
「おらおらおらぁっ!!」
「ゆひ、やべ…やふぇでぇぇぇ!!!」
それはさながら電灯の紐先のツマミを殴るようだった。
殴られるゆっくりは振り子運動をし、戻ってきた所をまた殴られる。
どれだけ殴られたのだろうか。その顔は所々膨れ、元の顔が判別できなかった。
それを見た赤ちゃんゆっくり達はその人間がゆっくりを殴るいつもの光景に怯えだした。
「ゅ、ゅっくりできないの?」
「きょ、きょわいよ!」
「大丈夫。あれは人間とゆっくりとで遊んでるの」
「でもいちゅもあんなのばきゃりだよ!」
「おかーしゃんはゆっくちできないっていっちぇたよ!!」
「あ、そう…」
この女は刑務所の中でゆっくりがどんな生活をしているのかは知らない。
赤ちゃんを騙せなかったことに心の中で舌打ちしつつも気を取り直して赤ちゃんをパンの元へ連れていった。
そして地面スレスレにぶら下がっているパンを選び、赤ちゃん達の目の前に置く。
「ほら、美味しいパンだよ」
「ゅー! おいちしょうだよ!!」
「もちもちしてるよ! わきゃるよー!!」
人間に殴られてゆっくり出来ない仲間など頭から消えたらしい。
それよりも目の前にある美味しそうなパンに釘付けだった。
「ゆただきましゅ!!」
「いっぱいたべゆよ!!」
赤ちゃん達はパンに噛みついて食べ始めた。
「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!!」
「おくににゃにかありゅよ! こっちもたべる…よ"っ!?」
パンの中には激辛クリームが入っている。
それを食べた赤ちゃんは感想を言う間もなくショック死してしまった。
「ゆゅ? どうちたの??」
急に喋るのを止めて動きも無くなった仲間を見た他の赤ちゃんが心配していた。
「大丈夫。幸せすぎてゆっくりしたの」
「しょうなんだー!」
「うれしいんだにぇ! わきゃる、わかりゅよー」
「だから皆もこのクリームを舐めようね」
「ゆっくちー!!」
赤ちゃん達は女の言葉に従ってそのクリームを顔を突っ込んで舐めはじめた。
そして辛味が毒となるゆっくり、それも赤ちゃんが激辛クリームに触れればどうなるか考えるまでもなかった。
「いぢゃいいぃぃぃぃ!!!」
「おねーじゃん、ごれどぐばいっでりゅよ"…!!」
「あぢゅいよ"! じぬうぅぅ!!!」
度が過ぎる辛味は痛みとなって赤ちゃん達を襲った。
激辛クリームに顔を埋めた赤ちゃんゆっくりなどは、顔全面に激痛が走り、同時に目の機能も一瞬で失われてしまっていた。
舌先だけでクリームを舐めた赤ちゃんも舌先が真っ赤になってプルプル痛みに震えていた。
「あははっ、おもしろーい」
女はまだ無事だった赤ちゃんを捕まえて激辛クリームの中に押し込む。
「ゅぎぃぃぃぃぃぃ!!??」
体が完全にクリームに埋もれてしまった赤ちゃんは呼吸しづらい云々よりもまず、全身の激痛に悲痛な叫びをあげた。
未熟な赤ちゃんの精神はそのとてつもない激痛に髪を真っ白にして死んでしまう。
「ぁ"、ぁ"ぁ"…」
残る赤ちゃんゆっくりも気付いたのだ。
最初に固まって動かなくなったゆっくりは美味しすぎて固まったんじゃない。
この猛毒を口に入れたから死んだということにやっと気付き、そして怯えだした。
自分たちもこのまま死ぬということにも気付いてしまったのだ。
全身に纏わりつく激辛クリームはゆっくりに対して強い毒性を発揮し、すでにほとんどの体の機能を奪ってしまっている。
「ゅ"、ゅ"ぅ"」
迫りくる死。
生きるとか死ぬとか、そんな難しいことを知りも考えもしなかった赤ちゃんゆっくりだったが、
最後に生きることの出来る喜びと死んでしまうことへの恐怖を知ることが出来た。
「んー、やっぱり虐めるなら赤ちゃんだね。
次はあっちにしよーっと」
女は持ってきた赤ちゃんゆっくりが死んだのを楽しそうに見た後、次の獲物を探すために駆けていった。
どの人間もフリーダムに
ゆっくり虐待を楽しんでいた。
その中でも巨大ゆっくりは人気があり、複数人で虐めるだろうと企画者は考えていた。
しかし赤組リーダーの巨大れいむを見ると一人の男がいるだけだ。
よく見ると周りの人達は誰もが「うわぁ」といった顔をしている。
巨大れいむを虐める男の虐待方法に問題があるようだ。
その男は上も下も何も来ていない真っ裸。
そう――彼はHENTAIだった。
彼はこのふれあい体験スタートと同時に巨大れいむへ向かっていった。
同じ獲物を狙うライバルもいたが、彼が走りながら服を脱いでいくのを見て諦めていった。
残るライバルも彼が彼自身の武器を巨大化した時には諦めるしかなかった。
そうして彼は巨大れいむを独占した。
だが彼には残念だが直接的な性表現を避けるため、以降の虐待描写は省略しつつお送りさせていただく。
「うおぉぉぉぉぉ、れいむぅぅぅううう!!!」
「やめ、やめてね!! おねがいだがらやべでぐだざいいぃぃぃぃ!!!!」
「れいむ可愛いぞ。ハァハァ、俺とすっきりしようなぁ!!」
「い"や"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"!!」
HENTAIの彼は巨大れいむに抱きついて離さない。
元々巨ゆ専だったのか巨大ゆっくりの押さえ方をよく分かっている。
巨大れいむはまったく抵抗できずに男の頬擦りというか体擦りを受けていた。
そうしているうちに彼は心の中の燃え滾る性欲に収まりがつかなくなったのだろう。
「ゆっくりにも、穴はあるんだよな……」
「ゆゆっ!?」
そして彼は、制御出来ているのか出来ていないのか分からない彼の制御棒の先を巨大れいむの産道に向けた。
「さあ俺とフュージョンしようか!!」
はっきり言って彼はテクニシャンだった。
最初は「れいむはゆっくりだよ! もうやべでよぉぉぉぉ!!」と言っていたのだが、
彼のゆっくりを知り尽くしたテクは巨大れいむの官能を満遍なく刺激した。
「すっぎりじだぐないのに…ぐやじぃっ!!」ビクビクッ
そして巨大れいむはすっきりした。頭から何本かの茎が生えてくる。
だがこれは巨大れいむがすっきりしたからであって、子を宿すわけではない。
しかし茎に栄養を奪われて確実に巨大れいむはやつれていた。
巨大れいむはショックだった。
刑務所で受けたお仕置きにもこんなお仕置きは無かった。
ゆっくりにしては長く生き、刑務所での賢い生き方も知っている巨大れいむにとってこんな屈辱は久しぶりだった。
だがこれはこれから始まる性の饗宴のほんの始まり。
一度すっきりした程度で止まる彼では無かった。
「茎を生やしたれいむも可愛いぞ!」
「ゆぴっ!」
「今度はお前の口の中に俺が入るからな?
いっぱいしゃぶってくれよぉ??」
「い、いやだよ! もうやだよぉぉ!!!」
「ツンデれいむか。よく分かってらっしゃる。
ま、心配すんなよ。口の中からでもちゃんとすっきりさせてやれるからな!!!」
まさに外道。
刑務所勤めの長いれいむだったがそれも今日までのようだ。
しかしこんな所で堂々とゆっくりと変態行為を行うとは恐ろしい男だ。
「ンッフォー!! 今日の俺なら16回はイける!!!」
そして彼は宣言通り16回すっきりし、巨大れいむを茎まみれにした。
白くコーディングをされた巨大れいむは最後に赤ちゃんを一匹茎から生やした。
最後の力で作った自分の分身。
せめてこの子だけはゆっくりしてほしい。
そう願った。
「ゆっくちしていっちぇね!!!」
「うおっ! 赤ちゃん産みやがったのか!
せっかくだからたまには赤ちゃん相手にヤってみるか!!!」
そんな声を聞きながら巨大れいむはあの世へと旅立った。
最後に強い不安を感じたまま…
残るゆっくり達もまた、同じように人それぞれの方法で罰を受けていった。
白組リーダーの巨大まりさは複数人によってサンドバックにされた。
「ワンツーワンツー!!」
「ゆべっ、やべっ、やべでね"!! もう、なぐらないでぇぇぇ!!!」
「おーっとここで俺の回し蹴りだぁっ!!」
「ゆぶぼっ!?」
「やるなアンタ。だったら僕は正拳突きぃ!!」
「ゆぎぃぃぃぃ!!!」
「おい知ってるか?
こいつが捕まったのはドスを騙って村を襲おうとしたからだってよ!」
「こんなに弱っちいのに?」
「そ、こんなに弱くて頭も悪いのに」
「い"、いわないでぇぇ」
「あっはははは!! 情けねーの!!」
「ゆぐっ」
そしてまた暴行。
なまじ体力がある分だけこのリンチは長く続くだろう。
「ほれほれ、すっきりーってしてみろよ。ほれほれ」
「ゆっゆゆゆゆゆゆゆゆ」
「もうやだよー! あかじゃんづくりだぐないよ"ー!!」
こちらでは強制的に赤ちゃんを作らされているようだった。
「すっぎりー!!」
何度目かのすっきりだが、顔は全然すっきりしていなかった。
それもそのはず。
「ゆっくりちていってね!!」
「おかーしゃんゆっくちー! ゆぎゃっ!!」
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!」
最初の挨拶と共に潰される赤ちゃん達。
それを何度も何度も繰り返される親。
「も"、も"ううみだぐないよ…!!!」
「そんなこと言いながらもすっきりしたくてたまらないんだろう?
この淫乱饅頭!!」
「い"や"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"…」
そんな感じでゆっくり刑務所のグラウンドは完全にゆっくり虐待場と化していた。
もはや五体満足のゆっくりはいなかった。
所員の手によってまだ動けるゆっくり達をグラウンドの隅の柵の中へ連れていく。
まだ運動会は終わっちゃいない。次の障害物競走のスタート地点へとゆっくり達は運ばれたのだ。
「ゆ、ゆぅ…」
「わからないわからないわからないわからない」
「ちん、ちん、ほーげーい」
息も絶え絶えで次の競技が出来そうもないゆっくり達だったが、所員達はやる気の出る魔法の言葉を知っていた。
次の障害物競走をやらざるを得ないような言葉を。
「辛かっただろうが次の競技でおしまいだ。
それでボロボロになった君たちにグッドニュースだ。
次の障害物競走でゴールまで辿りつけたらその場で外に行かせてあげよう」
その突然の言葉にゆっくり達の体がビクッと跳ねた。
「ゆっ、ほんとう?」
「ごーるしたらそとにかえれるの??」
「ああ、そうさ。
ほら見てみたまえ。あそこがゴールで外に繋がってるだろう?」
説明する所員の指差した先、あれは刑務所の出入り口だった。
柵で区切ったコースの先があそこまで確かに続いている。
そう、あそこまで行けば自由になれるのだ。
ゆっくり達の瞳に生気が戻るのが見てとれる。
「ふ、やる気が出たようだな。
細かいルールを説明したらすぐに始めるとしようか」
「ゆっくりりかいしたよ!!」
体の傷、心の傷は残っていたが元気よく返事をした。
自由になれるという期待。
その期待というものがどれほど脆く、掴み難いものであるか今のゆっくり達に分かりはしなかった。
by ゆっくりしたい人
最終更新:2009年05月09日 04:32