ゆっくりいじめ系1155 じっくり虐待・2

じっくりと虐待・2









「そう、これが最後のゆっくりになるとも知らずに……ナレーションを入れるとするとさしずめこんな感じか?」

ゆっくり達の”おいわい”から数時間後。お値段以上の光学迷彩スーツを着こんだお兄さんは、”おいわい”が終わって静まり返ったゆっくり達の洞窟を歩いていた。
ゆっくり達に気づかれないように依頼をこなすため依頼主から貸し出されたものだが、ここのゆっくりたちは見張りも立てずに眠りこけているため、
ほとんど意味のない物に思える。
だが、お兄さんはそれでもスーツを展開し姿を消しながら行動していた。

「まあ、用心に越したことはないからな。 俺の虐待方法も考えれば尚更だ」

そう小声でつぶやいたお兄さんは、妊娠したゆっくり達がいる出産室の前に立っていた。
出産室をはじめとする重要な部屋はドスが眠る巣の中心となっている広場に面して作られているため、ドスを起こすことだけは避けなければならない。

(ドスは……寝てるな)

広場の真ん中で眠りこけているドスと側近のぱちゅりーを見ながら、お兄さんは出産室に入っていった。
そこには、プチトマト程の赤ちゃんを茂らせた数十匹のゆっくりと、顎を膨らませた十匹ほどのゆっくりがいた。

「ゆ~……ゆ~……あかちゃんゆっくり~……」

「寝言までイラつかせるのかよ……本当にふざけたナマモノだぜ」

すべての母ゆっくりが寝ているのを確認すると、お兄さんはおもむろに懐からナイフと小瓶を取り出した。

「さて……これよりゆっくりへの介入行動を開始する……」

少しかっこつけた口調でお兄さんはつぶやくと、細かい何かを持ち、一匹の母れいむの茎に茂った赤ゆっくりに近づけていった。
ぷっくりとした体に浮かべたその表情は生まれた後の幸せを思い浮かべているのか、希望に満ちていた。

「ゆ~、ゆ~……」

だが、そんなゆっくりとした生活を送らせてやるつもりなど毛頭ない。
お兄さんは一匹の赤れいむを慎重につかむと、瞼をめくり裏側に小さな針を付け始めた。
母ゆっくりも、そして当の赤ゆっくりにすら気づかれることなく、職人のような手つきで赤ゆっくり達の瞼の裏側に針を取り付けていく。
数分もするとその茎についていた赤れいむ達すべての瞼に針が取り付けられた。
これでこの赤ゆっくり達は、希望に満ちた誕生の直後、喜びに沸く仲間たちの笑顔を見ることなくその光を失うだろう。
無事に生まれた赤ゆっくりが目を開くその瞬間、絶望するゆっくり達を思い浮かべるとお兄さんは小さく笑みを浮かべた。

「さ~て、まだまだ行くぞ……」

そうして赤ゆっくりへの工作を開始するお兄さん。
あるまりさの茎の赤ん坊たちは、にとり製の高熱になる鉄の棒で口の中を焼かれた。
これでこの赤ゆっくり達は口を動かすことが出来ず、液状のものを流し込まれない限り栄養を摂取できない体になった。
あるぱちゅりーの茎には、細かなガラス片を仕込んでおいた。
赤ゆっくり自体には何もしていないため、このぱちゅりーは一時安堵した後絶望することだろう。
その後もお兄さんの赤ゆっくりへの改造は続いた。
目を抉り、歯を抜き、足を焼き、髪を削いだ。
これらの工作をゆっくり達を起こすことなく、プチトマトサイズの赤ゆっくり達に行っていることからも、このお兄さんの技術の高さが伺える。

「こんなもんでいいだろう……」

お兄さんがすべての植物型妊娠をしているゆっくりに工作を終えた時には、巣に侵入した時から数時間が経過していた。
すでに夜は明け、外は明るくなり始めている。
とはいえ、プチトマトサイズの赤ゆっくり数百匹への工作を数時間で終えたと考えれば、驚異的と言える。
このお兄さんの技術、実は昔はゆっくり好きのゆっくり医だった経験の賜物なのだ。
ゆっくりというものは基本的に単純な生物である。
餡子の詰まった饅頭にすぎないゆっくり達は、コツさえつかめれば饅頭と同様、痛みなど感じさせることなくいじることが可能なのである。
もっともそのコツをつかむためには並大抵ではない修練が必要であるし、そもそも虐待目的でこの技術を身につける者などいない。
虐待お兄さんでこの技能を身につけているのは元愛護派という異色の経歴のこのお兄さんくらいなものであった。
そしてこの経歴こそが、この虐待計画の実行要因にこのお兄さんが選ばれた理由でもある。

「ん~っ! これで作業は終わりだな。あとはこいつをこうして……さて、帰るか」

長時間中腰で曲げっぱなしだった腰を伸ばし、小瓶に入った液体を動物型妊娠したゆっくりの餌に撒くと、お兄さんは静かに出産室を出た。
その表情には今日この群れに訪れるであろう素晴らしい絶望に対する期待に満ちあふれていた。

「監視を始めて一週間、今日でフラストレーション生活ともおさらば……ん?」

そんな意気揚々と歩くお兄さんの前で、一匹のまりさが家族用の部屋からのそのそと這い出ていた。

「ゆ~……おみずのみすぎちゃったよ。 ゆっくりちーちーするよ……」

言葉からするとどうも夜中に催して起きだしたようだ。

「何がちーちーだ……イラつくし……前祝いといくか……」

お兄さんはちーちーなどと腹の立つ言葉を吐いた饅頭を本番前の前祝いとして虐待することにした。
そう決めるとまりさが出てきた巣穴の中からつがいであろうれいむを起こさないように持ち出し、まりさの後をつけていった。
まりさは”といれ”と書かれたゆっくりたちの排泄のための部屋に入っていった。
お兄さんも続けて入ると、そこはゆっくり達の尿である砂糖水の甘ったるい匂いであふれ、べたべたとしていた。
そんな気持ち悪い部屋の一角で、まりさが汚らしい排泄口を下あごに作り、腹の立つ表情でプルプルと震えていた。

「ゆゆゆ! もうがまんできないよ! ちーちーするよ! すっき……」

まりさがそういったところで、すかさずまりさの前にれいむを置く。
光学迷彩のせいで、まりさにはれいむがいきなり飛び出してきたように見えただろう。

「ゆっ! れいむ! はやくどかないと……が、がまんできないよ!」

いきなりのことに驚き、我慢しようとしたまりさだが、ゆっくりの体の構造上排泄口が開いてしまえば我慢することは不可能である。
勢いよく放出されたまりさのちーちーは、眠りこけたれいむに降り注ぐ。

「ゆ~……なんだかあまくてなまあたたかいよ……ゆゆ? まりさ……?」

降り注ぐ生暖かい砂糖水に気がついたのだろう。目を覚ましたれいむの目の前には、恥ずかしそうにちーちをする愛するまりさの姿。

「ゆ! ゆ"げえ"え"え"え"え"! ぎだな"い"よ"お"お"お"! ば"り"さ"! ゆ"っ"く"り"や"め"て"ね"え"え"え"え"え"!」

まりさが自分にちーちーをかけていることに気がついたれいむは悲鳴を上げた。
いくら愛おしいつがいでもさすがに嫌なのだろう。

「でいぶがいきなりきだんでじょおおおおお! はやくどいてね! ちーちーはとめられないよ!」

「がぼがぼ! ゆっくりわかったよ……ゆゆゆ! うごけないよおおおおお! どぼじでええええええええええ!」

理由は簡単、お兄さんがれいむを押さえつけているからだ。
汚い砂糖水を浴びているれいむには透明な何かに押さえつけられていることなど気が付きようもなく、必死に飛び跳ねようと体を震わせながら、ちーちーを浴びている。

「がら"だがどけ"じゃ"う"よ"お"お"お"お"! だずけてばりざあああああ!」

「どめ"ら"れ"な"い"よ"お"お"お"お"! はやくどいでえええええ!」

すでに全体がふやけてアメーバのような輪郭になっているれいむはまりさに必死に訴えるが、まりさのちーちーは止まる様子はない。
向きを変えればいいようなものだが、それもお兄さんが押さえているためかなわない。

「ゆ"げげ……ぼっどゆっぐりじだかっだよおぉぉ……」

「でいぶううううううううううううううううううううううううううう!!!」

やがて限界を超えたれいむはでろでろとした小麦粉と餡子の塊へと姿を変え、息絶えた。
足もとに排泄されていたほかのゆっくりの砂糖水があったことと、ちーちーが生暖かいことが短時間での死につながったようだ。

「ゆうううううううううううううう! でいぶううううううう! どお"お"お"じでごんな"ごどに"い"い"い"い"い"い"い"い"!」

皮肉なことにまりさのちーちーはれいむが死んだ直後にとまった。
ついさっきまでドスを中心に楽しいおいわいをして、愛しいれいむと頬を寄せ合って眠っていたのだろうに、そのれいむを自分のちーちーで殺してしまうとは、
本当に間抜けな生き物である。
何はともあれ、馬鹿なゆっくりを久しぶりに虐待出来た。
お兄さんは満足すると、泣き叫ぶまりさとれいむの死体をトイレの奥にある砂糖水の尿を貯めておく穴に投げ込んだ。

「ぎゅべええええええええええ! ぎだないよおおおおおおお! だずけででいぶうううううう!」

「お前が殺したんだろうが……とりあえず前祝いの虐待終了。 すっきりー」

砂糖水に沈んでいくまりさを見たお兄さんは静かに呟くと、今日から起こるであろう素晴らしき日々に思いをはせ、小屋へと帰って行った。










お兄さんが洞窟を出た一時間ほど後、出産室から突然大きな叫び声が聞こえた。

「ゆゆゆ! みんなー! あかちゃんがうまれるよー! はやくきてー!!!」

ドスの朝の挨拶よりも早く聞こえてきたその声に、洞窟中のゆっくりが起きだした。
余談だがこの時の起床のごたごたにより、お兄さんがトイレで殺した夫婦がいなくなったことに誰も気づかず、そのまま忘れてしまった。
そうしてゆっくり達があわてて起きだしてくる中、いち早く状況を察知したドスとぱちゅりーが出産室に駆け込んできた。

「ゆ! れいむ! うまれるんだね!」

「むきゅ! 周りに草を集めてあげてね!」

「ゆゆ! ゆっくりわかったよ! あかちゃんまっててね!」

少し遅れてやってきたゆっくりたちにぱちゅりーが指示を出すと、ゆらゆらと赤ちゃんが揺れている母ゆっくり達の周りにさらに草が敷き詰められていく。
そうしている間にも、れいむの茎の赤ちゃんたちはぷるぷると揺れながら、生まれ落ちる瞬間を待っていた。

「れいむ! がんばってね! まりさがいるよ!」

「ゆ! まりさのあかちゃんもゆれてるんだぜ!」

「むきゅ! ぱちゅのあかちゃんもよ! あかちゃんゆっくりうまれてね!」

「「「「「あかちゃん! ゆっくりがんばってうまれてね!」」」」」

れいむのつがいであろうまりさが励ます中、他の植物型妊娠のゆっくりたちも騒ぎ出していた。
それを聞いて出産室を取り囲むようにしていたゆっくり達から声援が上がる。
今や巣は一丸となって赤ちゃんの誕生を待ち望んでいた。
そして、ついにその時は訪れた。
ポトリと、最初に声をあげていたれいむの茎から赤れいむが落ちたのだ。

「ゆゆ~! すごくゆっくりしたこだよ~! はやくおめめをあけてね!」

やわらかい草に落ちたその赤れいむにはすでに意識があった。
周りからの声援と両親の感動に震える声が聞こえていた。
れいむがいちばんさいしょにうまれたおねえさんだ。
まわりにはやさしそうなゆっくりがいっぱいいて、おかあさんもおとうさんもよろこんでる。
さあ、めをあけてあいさつをしよう! それからいっぱいほおをすりすりするんだ!

そんな希望に満ちた想像の中、赤れいむは素晴らしい世界を見るべく、やさしいお母さんにあいさつをするべく目を開いた。
その瞬間、メチャリ。という鈍い音が聞こえた。
まるで寒天を爪でひっかいたようなその小さな音を、瞼の裏についていた針が目を引っ掻いたその音を、赤れいむは確かに聞いた。

「ゆ"ぎゃ"あ"あ"あ"あ"あ"あ! お"みぇ"みぇ"があああああああああああああ!」

突然出産室に響き渡った絶叫に赤れいむの母親はもちろん、洞窟のゆっくり達全員が凍りついた。
だが、その悲痛な声は始まりに過ぎなかった。
絶叫をきっかけとするように次々と生まれていく赤ちゃん達。
植物型妊娠したゆっくり達の茎から、二百近い赤ゆっくり達が希望に満ちた誕生を思い描きながら草に着地し、目を開く。
瞬間、響き渡るおびただしい絶叫。

「「「「「ゆううううううううううう! にゃにもみえにゃいよおおおおおおおおお! おきゃあああしゃあああんんん!!!」」」」」

「「「「「ぼおおおびべびゃびびぇびゃびびょおおおおおおおおおおお!」」」」」

「「「「「んー! んー!………んんんんんん!!!」」」」」

「「「「「ゆぎゃああああああああああああああああ! いぢゃいよおおおおおおおお!」」」」」

「「「「「「たちゅけておきゃああしゃああああああああああああん!」」」」」」

やさしい母親と柔らかい草に囲まれた、赤ちゃんにとってのゆっくりプレイスだったはずのその場所は今や地獄絵図と化していた。
どの赤ゆっくりも、生まれた瞬間に訪れた身体の異常と痛みに悲鳴をあげている。
もちろんそれはお兄さんによる工作による物であり、痛みが生まれた瞬間に訪れる用にお兄さんの技術で調節されていたのだ。
赤ゆっくりは非常に脆弱な存在だが、それは何も肉体に限ったことではない。
精神事態も非常に弱いため、茎についている状態で過度の振動や痛みを感じると、たとえ無事に生まれ落ちたとしても精神に異常を起こしてしまうのだ。
そのため、茎についている状態の赤ゆっくりは外部刺激に対する感覚が多少鈍くなっている。
お兄さんはその鈍くなっている間隔を見極め、茎についている状態ではぎりぎり痛みを感じないように工作していた。
その結果がこれである。出産室にあふれる様々な赤ゆっくり達。
本来目があるはずの場所から、諾々と黒い餡子交じりの涙を流す目のない赤ちゃん。
激痛とともに歯がないことに気が付き、ふがふがと聞き取れない悲鳴を上げる赤ちゃん。
火傷で口が固まり喋れない赤ちゃん。
焼かれた足の痛みに泣く赤ちゃん。

そして誕生とともに訪れた激痛に泣き叫ぶ、すべての赤ゆっくり達。
そして、赤ゆっくり達の悲鳴に、我に帰った母ゆっくりや群れのゆっくり達の絶叫が混じり始める。

「あがぢゃんがあああああああああああ!!」

「どおじでええええええぇぇぇぇぇ!! 」

「ゆぎゃ"ぁ"ぁぁ"!!! あ"がぢゃんが!! いぎゃ"ぁ"ぁ"!! 」

「ゆ、ゆゆ! みんなおちついてね!」

ドスが必死になだめるが、混乱は全く収まる様子はない。
そうしている間にも、母親や出産室を取り囲むゆっくりの中にショックを受けて餡子を吐き出してしまうものが現れる。
群れは完全に混乱の中にあった。
そんな様子を、お兄さんは小屋の中でモニター越しに眺めていた。

「うひょっはああああああああああああああ!!! 饅頭どもざまあ! 最高だぜ!」

ハイになり思わず叫んでしまうお兄さん。
うろたえるばかりで何もできないドスまりさと母ゆっくり達がお兄さんのテンションをさらに高めるのだった。

「お! あのぱちゅりー茎を食べさせるぞ!」

そうこうしているうちに、お兄さんは映像の中に茎にガラス片を仕込んでいたぱちゅりーを見つけた。
どうやら周りの赤ちゃんと違い、自分の赤ちゃん達に異常がないのに気がついて落ち着き始めているようだ。
その様子を見ながら、お兄さんは満面の笑みを浮かべて洞窟に仕掛けられた集音マイクをぱちゅりー親子に向けた。

「おきゃあしゃん! みんながゆっくちできてないよ!」

「むきゅぅ、こわいよお!」

「おかあしゃん、ゆっくちできないよおおお!」

「むきゅ! みんなあんしんしてね! だいじょうぶだからこのくきをたべておちついてね!」

「ゆ! しょういえびゃおにゃかしゅいたにぇ!」

「ゆっくちたびぇりゅよ!」

そう言って茎に群がる赤ゆっくり達。

「ぱちゅ! ぱちゅのあかちゃんはだいじょうぶなんだね!」

「むきゅう、とてもゆっくりしたかわいいあかちゃんなのよ」

無事に生まれ、茎を食べ始めた赤ちゃんがいることにドスも気がついたようだ。
混乱そっちのけでそれを見つめるドスの顔は、リーダーとしての素質はともかくゆっくりとしいた。
一瞬だけは。

「「「むーちゃむ……い、いちゃいよおおおおおおお!」」」

「「「ゆっくちできないよおおおおおおおお!」」」

「ど、どぼじだのおおおおおおおお!」

「む、むきゅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅ! ぱちゅりーのかわいいあかちゃんがあああああ!」

無事だと思っていた赤ゆっくり達が茎に仕込まれたガラス片で口の中を傷だらけにしているのを見て、ドスと母ぱちゅりーの表情が絶望に歪む。
非常に痛快だったがドスがここまで無能だと思っていなかったお兄さんは、少し焦っていた。

「おなじみのゆっくり光線でも使えばいいものを……言葉がたどたどしいし……このドスは頭悪いのか?」

もし、このままこの群れが混乱したままでいると、お兄さんが受けた依頼的には少々まずいことになる。
なぜならばこの群れのゆっくりは、ゆっくりした状態とゆっくりしていない状態を交互に与えるように虐めなければならないためだ。
お兄さんは依頼主の仲介人だという兎に出された条件通り、虐めた後に再びゆっくりとさせる必要がある。
今回は混乱した群れをドスが立て直してくれると期待していたのだが……。

「そういや、やたらとぱちゅりーに頼ってたし……まずい! 頼む! 持ち直せ!」

虐待したのにゆっくり達を応援するという妙な事をするはめになったお兄さんだが、祈りが通じたのか側近のぱちゅりーが指示を出し始めた。

「むきゅ! ドス! 早くゆっくり光線でみんなを落ち着かせてね!」

「ゆ! わかったよ! ゆーっ!」

掛け声とともにドスの体からキラキラとしたキノコの胞子が飛び散る。
すると、胞子を浴びたゆっくり達が次第に落ち着き始めた。

「ゆぎゃああああああああ……ゆー、ゆー……あ。あかちゃんたちがあああ……」

「どぼじでええええええええ……ゆ! は、はやくたすけてあげてね!」

「むきゅ! 赤ちゃんを生んだお母さん達は赤ちゃんを口の中に入れて新しい育児室に行ってね!」

「「「「「ゆっ! ゆっくりわかったよ!」」」」」

「ドスは他ののみんなを広場に集めて事情を説明してね!」

「ゆゆ! わかったよぱちぇ! みんな、ゆっくりあつまってね!」

お兄さんの見込み通りドスはおろおろするばかりで何もできず、結局この非常事態に指示を出したのはぱちゅりーだった。
そのパチュリーの指示は的確で、群れのゆっくり達は瞬く間に統制を取り戻していた。
傷ついた赤ゆっくり達も、母親に口の中に入れられ、かねてから作られていた育児室に運ばれていった。
だが、だからと言って赤ちゃん達の苦しみが終わるわけではない。
やわらかい草ときれいな石、ドングリや松ぼっくりで作られたおもちゃが置かれた赤ちゃんのゆっくりプレイスである飼育室でも、痛みまで消してくれるわけではない。

「ゆげえぇぇぇぇぇ……いちゃいよぉ」

「おかぁしゃん……どきょなのぉ……みえにぇいよぉ……」

「ゆっくちできにゃいよぉ……」

そこに広がるのは、母親の口から出された後も変わらずうめき続ける赤ゆっくり達の地獄だった。
監視カメラでその光景を眺めるお兄さんの顔も自然とにやけてくる。

「さあて、ぱちゅりー……お手並み拝見だ」

その地獄にやってきた側近ぱちゅりーは、読んできた数匹のゆっくり達に次々と指示を出していった。

「むきゅ! 落ち着いた子には茎をあげてね! 口が動かない子にはかみかみして口に入れてあげてね! 」

「ゆっ! わかったよ! んーしょ!」

そう言って比較的容態の落ち着いている赤ゆっくりの母親たちは、頭の上の茎をゆらゆらと揺らしながら落としていった。
茎がなかなか落ちない母親は、ついてきた番のゆっくりが手伝っている。

「ゆ~! これをゆっくりたべてね! むーちゃ、むーちゃ……ぺっ!」

「ゆ~……むーちゃ、むーちゃ……ちあわせー」

様々な異常を持った赤ゆっくり達が、徐々にではあるが元気を取り戻してきたようだった。
あの惨状から良くもと、お兄さんも感心するほどの手際だった。
しかし、それに比べてドスまりさの手際は酷いものだった。
広場側の監視カメラに目を移したお兄さんが見たのは、ひたすらゆっくり光線に頼り、何もできないドスまりさの姿だった。

「ゆ~っ! みんなゆっくりおちついてね!」

「ゆ~、ゆっくりできるけどふあんだよ~」

「あかちゃんだいじょうぶなの~」

「せつめいしてほしいんだよ、わかるよ~」

「どす~、おねがいするちーんぽ~」

「ゆ~……、ま、まずはおちついてね! あとでぱちぇがせつめいするからね! ゆっくりしていってね!」

「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」」」」

お兄さんはあきれ果てていた。
依頼を受けてからしばらく監視していたため、このドスまりさが多少頼りないことに気がついてはいたが、まさかここまでとは思わなかったのだ。
これではドスの能力を持ったただのゆっくりまりさに過ぎない。
だが、その一方で側近のぱちゅりーは大したものだった。
知識もさるものだが、何よりも行動力と決断力に優れ、今回の危機に際してもその力をいかんなく発揮していた。

「むきゅ! みんな、赤ちゃんたちはもう大丈夫よ!」

「どぼじでごんなごどになっだのおおおおお!」

「赤ちゃんの中には生まれつきこういう風に生まれてしまう子もいるのよ! 今回はそれが多かったのよ! 悲しいけどゆっくり理解してね!」

「ゆ~……けれどもおめめがみえなかったりぴょんぴょんできないこたちはどうするの? ゆっくりできないよ!」

「むきゅきゅ! 大丈夫よ、みんなで協力すればあの子たちもゆっくりできるわ!」

おろおろするばかりだったドスとは違い、広場のゆっくり達にしっかりと説明をしていくぱちゅりー。
お兄さんの工作を奇形だと考え、対応したのには感心した。
しかしドスまりさまで他のゆっくりと一緒になってほっとしているのにはお兄さんもあきれるしかない。

「赤ちゃんのお母さんたちは赤ちゃん達のお世話で働けないわ! だから明日からはご飯を多めにとってこないといけないわ!」

ぱちゅりーの言うとおり、二百匹もの赤ちゃんが生まれたのではさすがに餌の豊富なこの森とはいえ、今までのゆっくりとした狩りでは食糧供給が追い付かないだろう。
本来ならば赤ちゃん達を数匹の育児担当に任せ、狩りに出かけるはずだった母ゆっくり達が看病につかなければいけないのも痛手のはずだ。
これからすっきりして身ごもってしまうゆっくりのことも考えれば、群れの食糧事情は厳しいものになるだろう。
だが、側近ぱちゅりーはその危機を乗り切る計画をすでに持っていた。
すでに群れの中の幹部ゆっくりにドスそっちのけで指示を出している。

「むきゅ! 漁をしているまりさ達は明日から一日に二回漁に出てちょうだいね! 大変だけどお願いね!」

「ゆっくりまかせてほしいんだぜ! あかちゃんたちにおいしいおさかなをたべさせてゆっくりさせてあげるんだぜ!」

他のまりさより一回りも大きい、漁を取り仕切るまりさが力強く答えた。
その表情は歴戦の漁師のようにふてぶてしい自身に溢れている。

「むっきゅー! 森担当のれいむ達は赤ちゃんのために柔らかいものを集めてね! 冬のために腐らないものもだよ!」

「ゆっくりまかせてね! ちびちゃんたちもいっしょにがんばるよ!」

「ゆゆ! いっしょうけんめいがんばるよ!」

「あかちゃんたちにゆっくりしてもらうよ!」

二十匹近い子ゆっくりに囲まれた、いかにも肝っ玉母さんといった感じの森での狩りを担当するれいむが子供たちとともに張り切っていた。
今まで狩りの練習をしていた子ゆっくり達も飛び跳ねながら赤ちゃんのために闘志を燃やしているようだった。

「ありすは巣をもっと広げて、狩りの道具をもっともっと増やしてほしいわ! むきゅ! 大変だけど頑張ってね!」

「まかせて! とかいはなおうちにして、みんなにせんれんされたどうぐをいっぱいつくるわ!」

家事や道具作成をしきっていたありすが自信満々に声を張り上げた。
作業部屋に置いてあるまりさのオールや狩りの道具を見ても、このありすが自信通りの技術を持っていることがわかる。

「むきゅ! ドス! 明日から大変だけど頑張りましょうね!」

「ゆー! やっぱりぱちぇはすごいね! みんな! ぱちぇのいうとおりにがんばればゆっくりできるからね! がんばるよ! えいっ、えいっ、ゆーーーーーー!」

「「「「「「「「「「えいっ、えいっ、ゆーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」

かわいそうな赤ちゃん達を助け、ゆっくりするために一致団結するゆっくり達。
そんなゆっくり達を見てお兄さんは三日月のように口を歪め、笑っていた。

「なるほどね~……頼りないドスと四匹の幹部たちかあ~……」

そう呟き、ドスまりさとぱちゅりーをはじめとした四匹の幹部ゆっくりたちを見つめるお兄さんの頭では、すでに次の虐待の計画が出来始めていた。

「うふふふふふふふふふふふふふ……さあがんばってゆっくりしろ~ゆっくりども。そして次の虐待だあ~……うふふふふふふふふ」

ピンチを脱し、再びゆっくりし始めた饅頭どもが絶望に落ちるその瞬間を想像して、再びお兄さんはどこかの魔法使いのように笑うのだった。







※ゆっくりが幸せな状態から一気に不幸な状況に陥る展開が好きで、何も考えずに書き始めたところこのようなssになってしまいました。

 ゆっくりとした生活→ばれないように虐待→ゆっくりする→ばれないように虐待……
 というサイクルを繰り返すためにドスを中心とした賢いゆっくり達になってしまいましたが…もう少し馬鹿だったりゲスだったりしたほうが良かったでしょうか?

 続きは少し先になってしまうと思いますので、ゆっくりと期待せずにお待ち下さい。 




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最終更新:2011年07月28日 00:20
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