ゆっくり一家がゆっくりすることなく跳ねていた。
れいむとまりさのつがい。
4匹のれいむ種、5匹のまりさ種の子供が後ろに続いている。どれもトマトほどだ。
赤ちゃんではないが、子供というほど大きくもない。
「もうすぐで、ぎゃくスレからでられるよ!」
「あとすこしでゆっくりプレイスだよ!こどもたち!」
「ゆっくりがんばりゅよ!」
「もうしゅこしでニコニコだよ!」
「ゆっくちがんばりょうね!」
このバカ11匹は、虐待スレからの逃亡を図っていた。
とあるゆっくりから、ゆっくりする世界はいくつもあることを教えてもらったとか。
虐スレにはゆっくりする場所はないのだという。
ゆっくりできてるようだが、それはゆっくりできなくするためのゆっくりであって本当のゆっくりは無いのだと。
そこで、このゆっくり一家は虐スレからニコニコへの移動を開始していた。
「ニコニコのゆっくりはすごくゆっくりしてるんだよ!れいむたちもいっしょにゆっくりしようね!」
本当は愛スレに行きたかったのだが、場所を知っているゆっくりが1匹もいなかった。
そこに行ったゆっくりはみんなそこでゆっくりしてしまって戻ってこないから。
「ぐぉらぁあああっ!糞ゆっくりども!ここから逃げ出すとは何事じゃああぁあぁあ!!!」
突如、背後から爆走してきたのは虐スレに住むお兄さん。
かなり数が多いことで有名だ。
もちろん、お兄さんが逃げようとするゆっくりを見逃すはずもない。
虐待どころか殺す勢いで迫ってくる。
「ゆげえええ!!!ぎゃくスレのおにいさんがきちゃったよおおぉお!!」
「どうずるのまりざあぁああ!!」
「おきゃーちゃん、れいみゅこわいよ!」
「だれかたちゅけちぇー!!」
きったない鼻水やらなんやらをまき散らしながら逃げる11匹。
すると目の前に虐スレの境界が見えてきた。
「ゆゆ!あれがぎゃくスレのでぐちだよ!ゆっくりしないででるよ!」
「ゆっくりりかいしたよ!」
跳ねる速度を上げ、どんどん進む。
だがお兄さんの走る速度は尋常ではなかった。
あっという間に、少し遅れていた子供のゆっくりに追いついた。
「ゆきっ!?たちゅけておかーしゃん!」
それに振り向くことなく、残り10匹ははね続けた。
虐スレ的に考えてアレはだめだろうなーと、10匹は思った。
「ゆぼっ!」
予想通り、その小さなまりさはめちゃくちゃに潰れて死んだ。
「こっから逃がすくらいなら皆殺しにしてやらぁあぁっ!!」
お兄さんの足が、次々と子供達を踏みつぶす。
まりさが潰され、れいむが潰され、またれいむが潰される。
虐スレの境界に来たときには、親2匹と子供のれいむ2匹、まりさが3匹の計7匹にまで減っていた。
「ゆっくりにげるよ!」
まず、虐スレの外に飛び出したのは親まりさ。
続いて親れいむが逃げ、子供達が続く。
「ゆー!あとちょっとでゆっくちなのにいぃいい!!」
まりさ種のガキが1匹、最後の最後で捕まった。
6匹は虐スレの外から、そのウスノロの最期を見届けた。
「ゆゆ!これでまりさたちはゆっくりできるね!」
「そうだね!」
虐スレ側の境界間近で、お兄さんが悔しそうな顔をしている。
「くっそ・・・!虐スレ以外では虐待できん・・・!」
お兄さんはちゃんとテンプレを守る人だった。
これがテンプレ読まないバカだったらすぐさま殺されただろう。
れいむとまりさはテンプレに感謝した。
「それじゃあニコニコを目指すよ!」
「ニコニコについたよ!」
たった空白3行で着いた。
ログインがどうのこうの言ってたが、がんばったら入れた。
たどり着いた6匹は初めて見る光景に感動していた。
「ゆっくりなかまをさがそうね!」
なんとなくゆっくりを感じる方向に跳ねる6匹。
すると、目の前にものすごく大きいゆっくり魔理沙が現れた。
人間の身長くらいあるまりさだ。
「ゆ!ニコニコのまりさはすごくおおきいね!」
親まりさは初めて見るニコニコのまりさの大きさに驚いた。
並ぶと、まるで大便と鼻くそくらい大きさが違う。
「ゆっくり死ね」
なんだか変な声、発音でそんなことを言われた。
親まりさはプンプンする。
「ゆ!いきなりそんなことをいうなんて、まりさたちおこるよ!」
「そうだよ!れいむたちはぎゃくスレからきたんだよ!おいしいごはんをよういしてね!」
無礼な言葉に、2匹と後ろのクソガキ4匹がぷりぷりと怒る。
まりさは空気をふくんで頭の悪さマックスの威嚇をした。
「大盛り魔理沙お待ち」
ニコまりさはそういうと、膨れる素振りすら見せることなく巨大化して突進してきた。
3倍くらいに大きくなったニコまりさは、そのまま親まりさとガキ3匹を轢いてそのまま何処かへ行ってしまった。
残ったのはペチャンコになった元まりさと元子供。
「ゆぅああああああ?!?!?ま、ま、ま、れいぶのまりざがぁああああっ!!!?」
生ゴミを前に泣き崩れるれいむ。
だが、さっきの声と似た不気味な声がれいむの耳に届いた。
「上から来るぞ 気をつけろ」
恐怖から、3匹は真上を見上げた。
するといきなり横から巨大な影が飛んできた。
「ゆぼっふぉお!!?」
「ゆびゅう!!」
さっきの再現だ。
生き残った2匹の子供がつぶれて死んだ。
「い・・・いぎのごっだれいぶのあがぢゃんがぁああっ!!!」
そして目の前には巨大なゆっくり霊夢が。
さっきのニコまりさくらい大きい。
「ゆ・・まけないよ・・・!れいむはおまえなんかにまけないよ!!」
「いでよ、我が眷属達」
どこからともなく、親れいむほどの大きさのれいむ達が何十匹も現れ、跳ねるでも這うでもなくものすごいスピードで突進してきた。
「ゆげ!?」
れいむはその波に飲み込まれ、そこから抜けるころにはズタボロになっていた。
「ゆ・・・なんなの・・・れいむはただ・・・・れいむはただ・・・・・ゆっくりしたかっただけ・・・なのに・・・」
それがれいむの最期の言葉になった。
終わり。
MUGENゆっくりに最初に会わなけりゃ生きていけたかな?
最終更新:2009年01月23日 14:50