ウォー○ー○ォーキーってチョコレート知ってるか?
簡単に説明すると歩きながらでも食べやすい入れ物に入ったただのチョコだ。
まあ、味はそこそこだと思うんだが、70g程度でお値段170円。
正直、あまり買いたいとは思わない代物だと言わざるを得ない。
しかし、それでもチョコレートである限りは可愛げがあるってものだ。
あらかじめ言っておく、俺は反対した。断固反対した。
にも関わらず一部のお偉い方々が売れるうちに売ってしまおうと言わんばかりに押し通したんだ。
うんうん加工所驚愕の新製品。その名は・・・・・・“うんうんうんうん”。
まず、名前の語幹からパクリくささがにじみ出ていやがる。
加えて、何処でも歩きながら食べられると言うコンセプトが被りまくり。
そもそも、何処でも美味しく食べれるゆっくりのうんうんって何なんだよ?!
スカトロなんぞ自宅か専門店で誰にもばれないようにこっそりやるもんだろうが!
その新製品のCMを見ているうちに忌々しい気分になった俺はテレビを消して散歩に出かけた。
幸い天気は良い。こういう時はのんびりと風に当たりながら頭を冷やすのが一番だろう。
季節は秋。絶好の散歩日和だった。
唯一つ、外には俺のストレスを爆発させるものが氾濫していたことを除いては。
「まっりっさ!がっんっばっれ!」
「まりさちゃん!カッコイイとこ見せてね!」
「が~んばれっ!」
「ゆぐっ!ゆっくりぢでいっでね!?」
お気に入りの散歩コースの途中にある公園で4人の若者がゆっくりを囲んでなにやら叫んでいた。
良く見てみると4人のうち3人はゆっくりを抱き抱えており、彼らの中心には1匹のまりさがでんっ!と鎮座している。
ゆっくりの数と人間の数が釣り合うところを見ると大学か何かのゆっくり愛好サークルだろう。
良く見てみると真ん中のまりさは人間で言うところの力んでいるような表情をしていた。
俺の知る限り、ゆっくりが敵のいない場所であのような表情をする理由は2つ。
一つは哺乳類型のにんっしんっをした個体が出産をするとき。
そして、もうひとつは・・・・・・
「やった! まりさ、凄く大きいぞ!」
「きゃ~! なんて素敵なうんうんなの!?」
「ねばっとしていて、それでいてタフで・・・さすがまりさちゃんだな!」
「ゆぅ・・・ゆっぐりしてよー」
愛好家にしてみれば凄くうれしいものなんだろう。可愛いペットがとっても美味しい餡子をひり出してくれるんだから。
ペットをゆっくりさせて、自分も美味しい餡子でゆっくりさせて貰って・・・持ちつ持たれつの一体感を感じていることだろう。
でも、今ばかりは白けた目で飼い主を見ているゆっくり達の頭を撫でてやりたい気分だよ。
はしゃげばはしゃぐほどにゆっくり共の心はお前らから離れていくことに気づけよな、気色悪い。
って言うか、同じゆっくりから「何この脱糞野郎」みたい目を向けられているまりさが可哀想だろうが。
そんな異様なものを見せ付けられて非常に幸先の悪いスタートになった時点で引き返すべきだったんだ。
さっきのものを見なかったことにして散歩を続けている俺の視界に、またしてもトチ狂ったものが飛び込んできやがった。
「フヒッ、れいむちゃ~ん・・・ご飯の時間でちゅよー♪」
「ゆっぐち! ゆっくちー!?」
ベンチに腰掛ける一人の男。彼のひざの上には1匹のゆっくりれいむの子どもが乗っかっている。
いや、正確には押さえつけられている。
そして、その子れいむは男に無理矢理何かを食べさせられていた。
しかもゆっくりにとっては汚くて臭くてゆっくりできないもの・・・つまりうんうんだ。
「ゆっぎ・・・! ゆっぐぢでよー!?」
「好き嫌いはだめでちゅよー♪」
子れいむは必死に嫌々をするように首を振ったり、口を閉じたりして抵抗しているが人間にかなうはずがない。
男は餡子を掬ったスプーンを左手に持ち替えると、右手で子れいむの頬を押さえて強引に口をあけ、うんうんをねじ込んだ。
そのうんうんは別の個体からひり出されたものらしく、ベンチの近くに子れいむの姉妹と思しきゆっくりが転がっている。
もっと正確に表現するならば子れいむの姉妹だったと思しき、中身を失った子ゆっくりと赤ゆっくりの死体が転がっていた。
更に目を凝らして男の足元を見てみると死角になっていて見えにくいがありすが彼女の親を強姦しているのが見える。
恐らく、ありすの方はあの男の飼いゆっくりだろう。
なんと言うか・・・休日まで関わりたくない世界なので見ないことにして、近くのコンビニに向かった。
コンビニでさえも俺の心が休まることはなかった。
というのも、うんうん加工所製商品が相当数売られていたからだ。
“うんうんうんうん”だの“あにゃえるあす”だのと、本当に気が狂っているとしか思えない。
挙句の果てにはひり出しうんうんの店頭販売までやっていると来たもんだ。
何が悲しくて饅頭の公開脱糞と糞なんぞに金を払わにゃならんのだか。
帰り道、さっき子れいむにうんうんを食わせていた男が数名の男と一緒に空を見上げている。
かと思うと、彼らはおもむろに子ゆっくりを取り出し、あにゃるに自分の口を押し当ててうんうんを吸い始めた。
「「「「「「ゆっ! ゆっぐちー!?」」」」」」
チュー・・・チュー・・・
「「「「「「ゆっくちぢでよー!ゆっぐぢー!?」」」」」」
チュー・・・チュー・・・
「「「「「「ゆ゛・・・ゆ゛っ・・・ゆぐ・・・」」」」」」
チュー・・・チュー・・・
「「「「「「ゆ、ゆっぐぢできないよ・・・」」」」」」
どうやらこいつら全員うんうん友の会の連中らしい。
うんうんを吸い終えた男達は、もはやゆっくりに興味はないと言った様子で衰弱した子ゆっくりを放り捨てて、どこかに行ってしまった。
捨てられたゆっくり達はうんうんと餡子を吸い出された苦痛のせいで涙と脂汗にまみれ、悲惨な表情を晒して這いずり回っていた。
更に先ほどうんうん如きに大喜びしていた学生連中がいた場所を通ると、一人の中年男性が無数のゆっくりの死体の前に佇んでいる。
そのゆっくり達はあにゃるのある部分を食いちぎられているが、全員息はあるようだった。
「ゆぐぅ! ゆっぐりー!?」
「ゆっぎぢでぎないよー」
「うるせぇ!なんでうんうんがないんだよ!くそったれが!?」
「ゆっくぢさせてよ!」
「ゆっくりしだいよー」
「せっかく久し振りのご馳走にありつけると思ったのに!!」
ゆっくり達は一匹の例外もなく逆さ向きの格好で並べられており、苦痛と恐怖に涙を流していた。
男の愚痴から察するに、あにゃるのない個体だったのだろう。
そして、あにゃるがないからあにゃるっぽい居場所を食ってみたが普通の餡子の味しかしなかったのだろう。
一般には知られていないがゆっくりは物凄い速さで進化する。勿論、ゆっくりするために。
うんうんとは言ってしまえば古い(しかし断じて痛んでいない)餡子を捨てることでお腹を空かせるための機能だ。
いっぱい美味しいものを食べてゆっくりするためにゆっくりが習得した機能であり、相応の環境がなければあにゃるは形成されない。
相応の環境、というのは言うまでもないが、美味しいものをいっぱい食べられる環境のことである。
ゆえに食べ物が無くて困っていることの多い野良ゆっくりにあにゃるがあることなんて滅多に無いのだ。
しかし、そんなことを教えるつもりは微塵も無い。関わりたくないからな。
猫も杓子もうんうん、うんうん。饅頭の穴から出るものをご馳走と呼ぶ馬鹿ども。
果たして世界は何時からこれほどまでに狂ってしまったのだろうか。
そんなことを考えながら、そそくさと家に帰った。
数ヵ月後・・・ゆっくりのうんうんブームは去った。
それと同時に人々は人間として大事なものを失い、俺は職を失った。
完
‐‐‐あとがき‐‐‐
うん・・・きめぇ。凄くきめぇよ
こういう時こそこの言葉を使うべきなんだろう
終われ
byゆっくりボールマン
最終更新:2008年11月11日 20:18