ゆっくりいじめ系132 ゆっくりのこい

ゆっくり霊夢の親子が現れた!
しかし親子はおどろきとまどっている。

その間に捕獲した。

「ゆ!ゆっくりできないよ!なにしてるの!?」
「おかーさーん」
「ゆっくりだしてね!」

網の中でぽよんぽよんと跳ねて抗議しているが、毛程も脅威を感じさせないとは、たいした奴だ。
親も含めて4匹。まぁまぁかな。

林を抜けると、やがて空気が湿り気を帯び、水の匂いと涼しげな風を感じるようになってくる。
湖だ。
里の人間には紅魔館が近くにあることで有名か。
あと豆腐屋がよく、紅魔館の門番は寝てばかりいて大丈夫なのか?たまに裾から覗く太ももがまぶしいとか言ってたかな。
一度拝んでみたいものだ。
メイド長の脚線は里でたまに見たことがあるのだけどねぇ。
紅魔館が誇る二大脚線美!とかやって大々的に売り出さんものか。

話を戻すと、この湖は若者の逢引場のようなものになっているので、桟橋も作られていて小舟もあったりする。

「さぁ、ついた!ここで思う存分ゆっくりさせてやるぞ!」
「ゆっくり!」
「おにーさんゆっくりさせてくれるの!うれしい!」

口々にそういうゆっくり霊夢たちを網から出してやる。
桟橋の上は適度に涼しく、日も当たっているのでなかなかに過ごしやすい。
元気に飛び跳ねているゆっくりたちに、パンくずをばら撒くとすぐに群がってくる。

「はうはうはう。おいしい!おいしいよ!」
「もっとちょうだい!もっと!」
「こんなんじゃたりないよ!もっともっと!」
「おねがいおにーさん!」

ただのパンくずを美味しいだなんて、どんな貧しい食生活だったんだ?
すこしほろりと来た。

「まぁ、待て。すぐに魚を用意するから」
「さかな?さかなってなに?」
「うめぇもんだ」
「うめぇもん!ゆっくりしたい!」

二度ほど手を打ってからパンくずを投げ入れると、見えてくる魚影。
紅と白に染められた鯉だ。
ばしゃばしゃと音をたてて餌をむさぼっている。
我先にと争っているようにしか見えない。

「ゆっ!?ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりすればいいのに!」
「どおしてゆっくりしないのぉっ!!!」

里で鯉を育ててる人間がたまにこの湖に放しているのか、浅瀬で生活している鯉がことのほか多い。
最初は三匹ほどだったものが続々と集まっている。
よく見ると浮上してくる多くの魚影がわかるだろう。
どんなのが集まってきたかを腰を下ろしてじっくりと見据える。
紅白に五色、浅黄や九紋竜が多いかな。山吹黄金が異様な美しさで浮かんできた。
おっ、銀松葉なんて全身深紅の綺麗なのもいるじゃないか。ひょっとして紅魔館でも育ててたりするのか?
さまざまな鯉に目を奪われていると小さな一匹が無用心にも近づいてくる。
つぶらなおめめをぱっちりあけて、興奮しているのか顔がやや赤い。

「これがおさかな?」
「そうだ。うまいぞ」
「ゆっ!たべたいよ!たべさせて!!」
「自分の餌は自分でとってこいよ」

ぴんと指で弾いて、そいつをいまだ喧騒冷めやらぬ湖面へと投じた。

「ゆ?」

何をされたのか理解してない表情。
惚けていると言うか、呆気にとられているというか、とにかくそんな間の抜けた顔だ。
たまらない。
ぽちゃりと音がした。悲鳴は聞こえない。
あの体格だ。鯉に噛まれて即座に絶命したとしても不思議ではない。

「ゆぅうぅぅぅうううぅうっぅぅぅぅっっ!!!」
「れーむのごどもがーーーーーっ!!!」
「ひどいよぉぉぉおぉっぉおおおおお!!」
「そんなことより、あのちびがどうなったか見たほうがいいんじゃないか?おかーさん」

そういわれて慌てて桟橋の端に寄って、湖面を見下ろす親子。
しかし数多の鯉による乱舞でちびの姿は見えやしない。

「ゆ?いないよ!」
「たすかったのかな?」
「ゆっくりにげられたんだね!」

なぜか前向きに考える饅頭。

「馬鹿か。食われたに決まってんだろ、こんな風によ」
「いゆ゛っ!」

背中をちょいとつつくだけでこぼれるように落ちた小ゆっくり霊夢。

「れいむーーーー!」
「れいむのいもーとがおちちゃった!」

ばしゃばしゃとその小ゆっくり霊夢にむらがる鯉鯉鯉。
鯉は何でも食う。
水草はもちろんのこと、貝や虫、さらには甲殻類まで食うという。
そんな鯉に、ただの饅頭と同じつくりをしているゆっくりが抵抗できるわけもなく、徐々に食いちぎられていく。
発情したゆっくりアリスなど比較にならないほどの怒涛の攻勢。近づいては噛み、近づいては噛んでいく。
皮はふやける間もなく次々とついばまれ、ぼろぼろと欠けていき、餡子は露出したかと思うともう鯉の中だ。

「だじげてっ!おがあぁぁさぁんっ!だじげてぶっ!ここはやだよ!ゆっぐりできないぃぃいぃぃ!!!あびゅいっ!」
「うわぁぁぁっやめて!たべないで!れ゛い゛む゛のごども゛だべないでぇぇえぇぇぇぇぇっっ!!」
「いやだよっ!やめてよ!れいむのいもーとなんだよっ!どうしてたべちゃうのぉぉおお!」

凄い表情で涙や鼻水を垂れ流しながら口角泡を飛ばす残った二匹。

「なぁ、なんで助けに行かないんだ?」
「ゆっ!おにーさんがやったんだからおにーさんがたすけてよ!」
「親は子を助けるもんだろうに、この駄目親」
「ゆっ!れーむはだめなおやなんかじゃないよっ!いいおやだよ!!ゆっくりあやまってね!ついでにこどもをたすけてねっ!」
「おがーーざんっ!おがーざんっ!」
「ああ、それは無理だ。もう食われちまって死んでる」

視線の先にはボロクズになった皮と餡子らしきものが浮かんでいた。
しかもその遺品も鯉にぱくぱくと食われてしまっている。健啖だね。

「ゆっびゅぅぅううんっ!!!う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!」
「お゛に゛ぃざん゛っ、な゛ん゛でれ゛い゛む゛だぢに゛ごん゛な゛びどい゛ごどずるのぉ!!!」
「面白いからに決まってんだろ、この馬鹿饅頭どもめ」
「お゛も゛じろ゛ぐな゛い゛っ!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛じ、わ゛ら゛え゛な゛い゛よ゛ぅっ!!」
「れ゛い゛む゛の゛ごどもがびどり゛に゛な゛っぢゃっだの゛ぉおぉぉおおぉっ!」
「俺は笑えるんだって、今のお前らの顔が最高に最低で笑っちゃうぜ、ぷっ馬鹿丸出しっははははははは」
「う゛わ゛ぁぁあ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁぁん!!」
「それにお前の子供を一匹だけ残すわけないだろ、ほれ、親なんだから今度はさっさと助けに行けよな」
「や゛べでっ!お゛ね゛がい゛じまずっ!!や゛め゛でぐだぢい゛っだずげでぐだざい゛っ!!!」
「死にたくない?」
「じに゛だぐな゛い゛でずっ!!」
「饅頭でも死にたくないとかあるんだ。偉そうでむかつく。自分は生き物ですよ~みたいなこと言うなよ気持ち悪い」
「ぅゆ゛っ!!」
「い゛や゛ぁあ゛ぁぁぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

ぴんと弾いて投下。
何匹かは餌をせっつく雛鳥のように口をぱくぱくと開けて待ち構えているようにも見える。
しかし落ち行くゆっくり霊夢からは、地獄で手招きしている死者の群れにしか見えないだろう。
捕まれば死あるのみ。しかもゆっくりには逃げる術は無い。
ばしゃばしゃという音がいっそう強くなった。
まるで自分の身が引きちぎられたかのような悲痛な叫びをあげる母。
いいね、うん、いいよ。

「ほら、助けに行けよ。あいつはそれなりに大きいし、今なら助かるぜ。絶対だ。なんなら手伝ってもいい」
「お゛がぁあ゛ぁあ゛あ゛ぢゃぁぁあ゛ぁあ゛あ゛んっ!だずげでえ゛ぇえ゛え゛え゛ぇえ゛ぇぇぇっ!!!」

体を揺らすと言う、抵抗にもなっていない無駄な行動をやめずに橋を見上げ、母に助けを求める。
その愛娘の声にびくんっと震える母。いまだ涙を流しているが、その顔にはやや決意めいたものが見えた。

「ゆ゛っ!まっ゛ででねっ!いま、だずける゛よ!!!」

飛んだ。下には鯉が暴れまわっているので、それが受け止める形になって水に落ちはしなかった。
そのまま噛み跡も痛々しい子ゆっくり霊夢を舌でうまく捕まえ、口のなかに保護すると、集まってくる鯉の上を上手く跳ねてこちらに近づいてくる。
なかなかの跳躍。これが経験を積んだ生き物の成せる業か。

「ほにぃいさんっ!はやふたふへへねっ!!ここはゆっぷりでひないよっ!」

ひとところにじっとしていないで、鯉の頭上をせわしなく飛び跳ねながら叫ぶ。
舌の上に置いている子を刺激しないためか舌足らずな喋り方になっている。
そのまなざしは熱く燃えているようだ。
なかなかやるじゃないか。ふふっ。

「お前、ゆっくりのくせに恰好良いぞ。やるなぁおかあさん」
「ひひからっ!ゆっふりひへはいへ、はふへへっ!!」
「あ~助けたいのはやまやまだけどちょっと急用が入ってね。お隣のおきぬちゃんが、妖怪枕返しに枕を返されたらしい。一大事なんだ。じゃ」
「ゆ゛っ!?」

言い残して走り去る。ざんざんざんとわずかに揺れる桟橋。

「まままっまっでぇえええええっ!!おいでがないでぇえぇぇぇっ!!はふへへ!はふへてほぅっ!!!てふだうっでいっだのにぃいいぃいっ」

絶望に染まる母ゆっくり霊夢の顔。
さらに襲い掛かる鯉。まるで獲物を返せと抗議しているようだ。いや、実際にそうだったに違いない。

「い゛い゛だい゛っ!ばめ゛べっ!!ぶぇっ!!」

衝撃でせっかくとりもどした子供を吐き出してしまう。
ぽちゃんと水音がするかしないかのうちにばしゃばしゃと祭りのような騒ぎになる。
やがてその小さな餌からもあぶれた鯉が大物のほうへ寄ってくる。

「ゆっ!やめてねっ!!こっちこっちこないでねぇっ!!やべぇっ!」
「だめだよっ!こっちはあぶないよっ!!そこでゆっくりしててね!いやだっていってるのに!」
「どおしてこっぢぐるのぉっほぉぉおおおぉぉんっっ!」

背後にそんな悲鳴を聞いた気がしたけど、歩みを止めることはしない。
あんなふうに餌をやってれば、そのうち龍になる鯉とか出てこないかなぁ。

終わり。

鯉の種類はwikiより。
なんとなく幻想郷には、人間の生活に根ざしている妖怪はいない感じがあります。
垢嘗めとか家鳴りとか。

著:Hey!胡乱

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最終更新:2008年09月14日 05:19
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