ゆっくりいじめ系2017 合ゆ

合コンに来たらゆっくりがいた。

「ゆっくりしていってね!」

バスケットボール並に大きいゆっくり霊夢だった。
人間の女の子に聞かれないよう穏便に、幹事の首をつまみながら尋ねる。

「おい糞幹事。どういうことか説明しろや」
「いや、予定してた子が一人来られなくなっちゃってさ。頭数合わせに・・・その、近くでうろついてたアレを・・・」

しかも野良か。
確かに頭数だけ見れば男女3対3の合コンなのだが。
ふざけるのもいい加減にしてもらいたいものだ。

「お前、責任とってあの生ゴミ引き取れよな」




「おにいさん、れいむとゆっくりしていってね」
「・・・」

席に座ったら、れいむが前にいた。
最悪だ。

「えぇー!チョーマジゆっくりとかチョベリグー!」

れいむの隣にいる女(ブス)がそんなことを言っていた。
さっき自己紹介していたがタイプじゃないので名前は覚えてない。

「ゆー!チョベリグはとってもゆっくりできるんだよ!」

うぜえ・・・。
俺は隣に座った幹事の左足を蹴りまくった。

「おにいさん、れいむとゆっくりしていってね」
「・・・」

ジョッキに入ったビールを一気に飲む。
もう飲んで目の前のものを忘れたい。

「ゆゆ。そのアワアワはゆっくりできるもの?」

れいむが俺のビールに興味を示した。
よく見れば、れいむにはビールが渡されていなかった。
代わりに牛乳が置いてある。

そういえば、俺から一番遠い位置にいる女の子(可愛い)が店員にれいむ用になんか注文していた。
やっぱ可愛い子は性格がよくなるもんなんだね。
ちなみに俺はテーブルの左端に座っている。

「ああ、すごーくゆっくりできるぞ」

ゆっくりなんか相手にするだけ無駄なので適当にあしらう。
が、あしらい方が不味かった。

「ゆ!れいむもアワアワでゆっくりしたいよ!ゆっくりちょうだいね!」

牛乳はカラッポだった。
野良乞食ゆっくりだから食欲旺盛なのだろう。

「・・・ふむ」

女の子(可愛い)は、別の男との話に夢中でこちらを見ていない。
今ならビール飲ませてもわからないだろう。

「ほれ、口開けろ」
「ゆーん」

パカッと口を開けたので、そこにビールを注ぐ。

「ゆびげぇゃ――ッ!? んぐぅうぅぅぅ!!!」

大絶叫しそうだったので、無理やり口を押さえてシェイクする。
30秒ほど揺さぶると、すっかり口の中のビールは消えていた。

さすが甘味生命ゆっくりだけに、ビールは苦かったらしい。

「わぁ!ゆっくりも超酒飲めるんじゃーん!チョベリグー!」

女の子(ブス)がれいむの頬をなでる。

「こっちのも飲んでみてよー!あまあまよー!」

あまあまという言葉に惹かれたのか、れいむはカクテル的なものを求めて口を開けた。



1時間後。
女の子(可愛い)は用事があるとか言って先に帰ってしまった。
残された男3人と女1人はすっかりデキ上がっていた。酒的に。

「アハッ!れいむってば、マジありえなくなーい?ヒヒ!超酒豪なんだけどぉー!アハハヒヒヒィ!」
「ゆゆっ!れいむはゆっくりできるよ!」

そんな中、れいむ1匹だけがシラフだった。
誰よりも酒を飲んでいるはずなのに。

れいむの目の前には、カクテルっぽいものが入っていたコップが山のように置いてある。
飲み放題とはいえ、これは飲み過ぎだ。
店員のコップ回収が間に合ってない。
定期的に便所でしーしー、要するに水分は捨てているが、よくもまあそんなにアルコールを処理できるものだ。
しーしーからアルコール臭がしなかったので、全部体内に残っているはずだろうに。

「てゆーかぁー。れいむってもっとオシャレしないとダメだよぉーウヒヒ」
「くひひっ!そうなのらっ!れいむちゃんはぁー!もっとプリチッ!にならないとっ!」

「ゆゆ!れいむもっとかわいくなりたいよ!」

みんなかなり酔っているようだ。

「へっへっへぇー!そういうと思ってたよぉーん」

女(ブス)がにやけると、ゴテゴテしたポーチから変な道具を取り出した。

「こーれーわぁ!ピアスを開けるパッチンなのぉ!ちょーナウくなぁい?」
「ナウいっ!ミヨコちゃんナウいよぉおっ!」
「よおっ!待ってましたぁっ!」

女(ブス)の名前はミヨコだったらしい。
俺を置いて、どこまでも盛り上がる3人と1匹。

「じゃぁ、パッチンするよぉ〜」
「ゆ?」

そのパッチンはふらふらとれいむの周囲を彷徨う。

「てゆーかー!れいむってば耳無いんですけどぉ〜!!チョーうけるぅー!!」
「ゆゆ?」
「アハハ!そんじゃ、リボンに開けちゃえ!そーれパッチン!」

パッチン。
れいむのリボンに穴が空いた。
穴といってもピアス穴なので遠くからでは全く分からない。
多分、近くで見ても穴を確認することは難しいだろう。

「ゆ・・・・!?れ、れいむのリボンになにをしたの!?ぱっちんってなんなの!?」

不安げな顔でミヨコさんを見つめるれいむ。
ゆっくりにとって、装飾品は命ほど大切なのだという。

「パッチンっていうのはぁ〜穴をあけることっていうか〜」
「ゆ゙ゆっ!?あな゙!?れいむのおリボンにぱっちんしたのぉ!?どぼじでぞんなごとずるのおおっ!?」

泣いたような怒ったような顔をしながら、れいむはミヨコさんに跳ね寄る。
明らかに空気が変わった。妙に冷めた、嫌な空気に。

「はぁ?てゆーかマジホワイトキックだしぃ!そんなリボンいくらでも売ってるからぁ!チョベリバ!」
「ごっ!ごのリボンはおがあざんにもらっだだいぜづなリボンなのぉぉ!!うっでないのぉお!!」

どうにかしてリボンの穴を確認しようと身をよじるれいむ。
しかし後頭部が見えるはずもなく、れいむはただ涙を流してミヨコさんを責め続ける。

「がえじでっ!!れいぶのぎれいなおリボンがえじでぇえっ!!」

やかましくなってきたれいむの口を閉じようと、俺が動きかけた次の瞬間。

「うっせぇぞ!こんな小汚いリボンなんかなぁっ!!こうしてやるっ!!チェキラッ!」

ナウでヤングな3人目の男が、れいむのリボンを無理やり引きちぎった。
ついでに髪の毛もごっそりと抜け、れいむの後頭部はウチの課長みたいな見事なカッパ型ハゲになっていた。

「ゆ゙ぎゅぅ゙ぅあ゙ああ゙あっ!!!いぢゃいょ゙おお゙っ!?!?」

個室とは言え、あまり叫ばれても困る。
激痛にのたうちまわるれいむの口に、俺は人数分のオシボリを詰め込んだ。

「静かにしろっ!!おとなしくしていろ!!」

言っててなんだが、まるで輪姦する時のセリフみたいだ。
幸いなことに俺は超自由なアレではない。

「てゆーかマジやっちぇえって感じ?みたいなぁ〜ヒヒヒ!!」

悪酔いした人達というのは恐ろしいものだ。
きっとシラフのれいむにとって、突如豹変した人間たちはさぞかし不気味に写るだろう。

「んごぉぉっ!!?ゆ゙ぼぉぉっ!?!!ゃべぇえれ゙えぇ゙ぇっ!!!」

れいむが再び大絶叫を始める。
一体何事かと思えば、幹事のボケ野郎がれいむにリボンを見せつけていた。

「れいむちゃんのぉ〜リボンは〜」

のったりまったりと、緩やかな話し方だった。
両手でリボンを掴み、ゆっくりとれいむの眼前に近づけていく。

「こうなっちゃいますっ!!」

ビリリっと、良い音を立てながられいむのリボンが真っ二つに切断された。

「・・・・ッ!!!・・・ッ!?!?ッ!!ッ・・・!?」

俺は、力いっぱいにオシボリをれいむの喉に突っ込んでいた。
店員にバレたら追い出されること必至だ。

とめどなく涙があふれ、それが俺の手に伝わってくる。
生温かくて気色悪い。

「うひひ・・・!着火っていうかぁ〜?」

ミナコさんが、100円ライターでリボンに火を放つ。
空になった皿の上で燃えるリボン。

オシボリの逆流してくる力に負けないよう、俺はしっかりとれいむを拘束する。

「消し炭ってまじチョベリグだしぃ〜」

カスになったリボンをつまむと、ボロリと崩れてしまう。

「・・・」

れいむの目はどこか遠くを捉えていた。
リボンがなくなったことが、それほど悲しかったらしい。

もう叫び声もあげられないだろう。
そう判断した俺は、れいむの口からオシボリを取り出した。




「れいむの・・・おリボン・・・おがっ、おがあざんに・・・もらっだおリボンなのにぃ・・・・」

10分かかって、ようやくれいむは声を発するまでに回復した。
相変わらず俺以外の人間は酒を飲み続けている。

「どぼじで・・・どぼじでごんなごどにぃ・・・」

床にれいむの涙がこぼれていく。

「ごんなんじゃ、もうばりざにあえ゙ないぃい・・・・」

コイツ、恋人持ちの癖に合コンきやがったのか。
俺は幹事の太ももを万力をこめてひねった。

だが、俺の考えは間違いであったことがすぐに明らかになる。

「・・・・ゆっ!」

れいむの目がカッと見開く。

「れ、れいむのっ!れいむのかわいいあかちゃんがうばれるうぅううっ!!!」

なんと、れいむは妊娠していた。
胎生型妊娠なので、気がつかなかったのだ。

子持ちの癖に合コン来るとか、全くもってナンセンスだよ。

「はぁっ!?まじチョベリバ!」
「あかちゃんだとぉ?マッジきもちわりぃ!」
「んだ、てんめぇ!結婚してる癖に合コンきやがったかゴラァッ!!」

みっちみちと産道が開いていく。
それを見て悪酔い3人組がやんややんやと文句を言い始める。

「オラッ!出てきたら生ゴミにしてやんよっ!!ひひひっ!」
「オラオラッ!とっとと出て来いやっ!チェキラッ!オーセンキューメーン!」
「妊娠とかまぢ最悪だしぃ!」

「おでがいだがらゆっぐりざぜでねえぇええっ!!あがぢゃんにいじわるじないでぇえっ!!」

ミチコさんがお箸を産道の前に突き立てている。
ぽーんと飛び出してきたら串刺しになるような、絶妙な位置だ。
素人とは思えない・・・。

「ゆ゙っゆ゙っゆ゙っゆ゙っ!!あがぢゃんっ!!でいぶのあがぢゃんっ!!」

とにかく赤ちゃんをゆっくりさせてあげたい。
そんな気持ちでれいむは埋め尽くされているようだった。

だが、産道が開いてから3分弱ほど過ぎても中身が出てこない。
それどころか産道には顔すら見えてない。

「どぼじだのぉおおっ!?あがぢゃんはやぐででぎでねぇええ!!」

「んだ、こんなん逆さまにしたらえかんべよっ!」

幹事のアホ野郎が、産道が下に来るようにれいむを宙づりにした。
そんなことで赤ちゃんゆっくりは出てこない。
これだから素人は困る・・・・と思いきや、ズルッと丸いものが産道から落ちてきた。

「うげっ!フヒッ!なんだこれぁ!茹でダコかよ!」
「うっわ!トマトじゃん!アッハハハハハハ!!」
「トマトとかマジありえなくなぁ〜い!?」

出てきたのは、文字通り赤ゆっくりだった。
赤い。
トマト並に赤かった。
しぼんだ紙風船のように、力無くぐったりとしている。
れいむ種の赤ゆっくりだ。

「ゆへぁっひぃふふぇえっふぇえ・・・?」

多分、ゆっくりしていってね、と言っているのだと思う。

「う・・・アルコール臭ぇ・・・」

臭いを嗅ぐと、ものすごいアルコール臭がした。

「ゆ゙っ・・・・!?れ、れいむの・・・あかちゃ・・・ん・・・?」

親れいむの飲んだアルコールは、すべて胎内の赤ゆっくりに渡っていたようだ。
その結果が、この泥酔赤ゆっくり。

装飾品を失い、大切な赤ちゃんはこの有様。
哀れな親れいむは、再び目から光を失ってしまった。
妊娠中の飲酒は控えた方が良いね。



生きる希望を失った親れいむは店に処分を頼むことになり、アルコール度数の高すぎる酒饅頭は帰り道にゴミに出した。
今度、胎生妊娠ゆっくりを買ってきて、適度な風味の酒饅頭でも産ませてみようと思う。




おわり。

作:ユユー

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最終更新:2022年01月31日 03:32
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