※最初で最後の
ゆっくり虐待に挑戦中です。
※どくそ長いです。(十回超の予定)
※うんうん、まむまむ描写あり。
※標的は全員ゲスです。
※最初の数回は読者様のストレスをマッハにすることに腐心しています。虐待パートは5からの予定。
※虐待レベルはベリーハードを目指します。
※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『永遠のゆっくり』3
「ゆっ!まりさ、ゆっくりおかえりなさぞいづはいっだいなんなのおおおおおおお!!!?」
この世の終わりのような絶叫が室内に轟く。実にやかましい。
まりさと連れだって家の中に入ってきたありすを見て、れいむは激怒した。
ありすの頭には茎が生えており、生っている赤ゆっくりはまりさとありすのものだ。
状況は一目瞭然だった。
「ばりざあああああ!!!なにがんがえでるのおおおおおお!!?
ばりざにはでいぶがいるでじょおおおおおおおおお!!!
ぞんなぐぞあでぃずはゆっぐりでぎないがらででいげえええええ!!!」
目をまん丸に見開いて唾をあちこちに飛ばし、ヒステリックにきんきん喚く。
「ゆっ!」
まりさは伴侶の顔を見ようともせず、俺たちに向かって顎でしゃくっただけだった。
「なんとかしろ」とのお達しらしい。
「あの、まりさちゃん、その子はなあに?」
留守番をしていた由美が戸惑いながらまりさに聞く。
「まりささまのすっきりようゆっくりなんだぜ!!」
妻の前で堂々と、妾を自宅に囲う宣言をするまりさ。
ちょっとは悪びれてほしい。
「ばりざあああーーーーっ!!」
「ええと、あの、おちついて話し合いましょ?」
無駄とは知りつつ、なんとかたしなめようと試みるも、
れいむは壊れたラジオのようにわめき続ける。
「ばりざばりざばりざばりざああああーーーーーーっ!!
でいぶとのあいはどうじだのおおおおおーーーーっ!?あれはうぞだっだのおおおおおおお!!?」
当のありすはわめくれいむを薄笑いを浮かべながら眺めていたが、
やがてまりさの側に近付いて色目を使いはじめた。
「ゆふんっ、とってもとかいはなゆっくりぷれいすねぇ?
ありすがすんであげてもいいのよ?」
「ゆっ!あたりまえなんだぜ!!おまえはここでまりささまをすっきりさせるんだぜ!!」
「うふふ、まりさったらつんでれさんねえ……」
そう言うと、ありすはまたもまりさのぺにぺにに舌を這わせ、
あろうことか相手の妻の前で堂々と寝取る様を見せつけはじめた。
「ゆほっ」とか言いながらぺにぺにを屹立させよがり始めるまりさ。
「ぐぞありずううううううなにじでるうううううーーーーーーーーーっ!!!
でいぶのまりざがらばなれろおおおおおおおおおーーーーーーーーっ」
ここを先途と喉を震わせ、青筋立てて絶叫するれいむ。
血管はないはずなのになんで青筋が浮き上がるんだろうか?
「うるさいんだぜ!!」
まりさは一喝をくれただけで、あとはありすの舌技に身を委ねていた。
「ゆがあああああああ!!あがあああああああああーーーっ!!!」
ありすの意図は明確だった。
飼い主に捨てられ、野良になる覚悟もなく途方にくれていたところに、
人間を奴隷として従えている強いまりさが現れた。
このまりさを自分の体で籠絡し取り入れば、ゆっくりぷれいすが手に入る。
それも人間に飼われるのではなく、自らが人間を従えるゆっくりぷれいすだ。
茎を生やして子を宿し、今れいむを挑発して醜く激昂させているのも、自分が正妻におさまる為の術策だろう。
俺たちはうろたえていた。うかつだった、まさかこんな事になるとは。
俺たちが試みていたのはこの二匹をゆっくりさせることだ。
この状態では、まりさはいいがれいむは全くゆっくりできていない。
二匹が仲睦まじい関係を保っていることが前提条件の計画だったということに今更ながら気づいた。
気づいてみれば、ゲスの夫婦はそれだけでトラブルの種を大量に抱えた爆弾のようなものだったのだ。
「あの、ねえ、まりさちゃん……」
「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」
「その、とってもゆっくりしたゆっくりは、奥さんもゆっくりさせるものよ?」
「くそどれいは、だまっ、ゆほ、てるん、んっほ、だぜすっきりいいいいーーーーっ!!」
まりさは悪態をつきながら、すっきりする瞬間に由美の方を向いて精子餡を飛び散らせた。
べとつく精子餡を膝にひっかけられた由美は、怒りもせずに説得を続けた。
「でも、本当のゆっくりは家族みんなで仲良く……」
「おい……ごみくずがいちゆっくりまえのくちをきくんじゃないんだぜ」
射精直後の虚脱状態で息をつきながら、まりさが気だるげに罵ってきた。
「しらないようだからおしえておくんだぜ?
すべてのゆっくりは、まりささまにつかえるのがいちばんゆっくりできるんだぜ。
よくおぼえとくのぜ!!」
「ゆっふん、だーりん、わいるどですてきよぉ」
まりさはそう言い捨ててからありすと舌をからませ始めた。
まりさの餡子脳内では恐ろしいヒエラルキーができあがりつつあるようだ。
ゆっくりのつけ上がりかたというのは、どうやら人間の想像力の斜め上をいっているのではないか。
「ゆがあああああああ!!ごっぢをむげえええばりざあああああああ!!!」
「でもその、れいむちゃんはゆっくりできてないみたいだけど……」
「れいむはばかだからじぶんのほんとうのしあわせがわかってないのぜ。
ほっとけばいずれはしんじつにきづくのぜ!」
「づれでごい!!ぐぞどれいはゆっぐりじないでばりざをづれでごいいいいーーーーっ」
呼びつけられて振り向いた由美が、声をあげた。
「れいむちゃん、待って!」
そう言い、タオルケットの上でばんばん跳ねているれいむを手で押さえる。
「ゆがっ、ざわるなあああああ!!ばなぜええええ!!!
でいぶのいうごどがぎげないのおおおおおおおお!!?」
「赤ちゃんが生まれるわよ!!」
「ゆっ?」
魔法のように、れいむの動きがぴたりと止んだ。
よく見てみると、確かに茎に生っている小さい赤ゆっくりがぷるぷると震えはじめている。
茎が生えてから九日を経て、少しばかり早めの出産が行われつつあるようだ。
れいむが激昂して暴れたのも無関係ではあるまい。
「ゆぅぅ!!れいむのかわいいかわいいあかちゃんがうまれるよおぉぉ!!」
打って変っておとなしくなり、満面の笑みを浮かべて赤ゆっくりを見つめるれいむ。
「恵一、新しいタオルケットお願い!受け止めて!」
由美の指示で、俺は赤ゆっくりを受け止めるためのタオルケットを茎の下の床に敷いた。
このフローリングの床では、直接落してしまうとつぶれかねなかった。
「ゆゆゆぅ~♪ゆっくりしないでうまれてねぇ~♪」
慈母の表情で目を細め、いまかいまかと待ち構えるれいむの前で、
茎の一番先の赤れいむがその震えをさらに早めていた。
「ゆっ…ゆっ…」というか細い声も聞こえてくる。いよいよだ。
一同の注視の中、ついに一匹目のれいむがこの世に生を受けた。
タオルケットの上に着地し、ぷるぷると頭を振ってから周囲を見回し、
れいむの姿を認めると、母親に向かっておさげを振り上げて叫んだ。
「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!!」
この世のあらゆる光を前にしたような眩しげな笑みをたたえ、感極まったれいむが叫び返した。
「ゆっくりしていってねぇぇ!!!」
すぐに二匹目が誕生する。
「ゆっきゅちちていっちぇにぇ!!!」
「ゆっくりしていってね!!」
母親と姉が、新しい家族に挨拶を返す。
そして三匹目、四匹目、最後に五匹目が生まれるまで、この挨拶は五度繰り返された。
五匹のうち三匹がれいむ種で、二匹がまりさ種だった。
「ゆゆぅぅ!!とってもゆっくりしたあかちゃんだよぉぉ!!」
「みゃみゃ、ゆっくりしゅーりしゅーりちてにぇ!!」
「ゆっ!!おねーちゃんじゅるいよ!!まりしゃもしゅーりしゅーりちてにぇ!!」
「ゆゆっ、おちびちゃんたちなかよくしてね!!みんなでおかあさんとしゅーりしゅーりしようね!!」
「しゅーり、しゅーり!」
「しゅーり、しゅーり!」
「ゆゆゆゆぅ~!!おちびちゃんたち、ほんとに、ほんとにゆっくりしてるよおぉぉ~!!」
正直、悪くないかな、と一瞬思ってしまった。
交尾はひどいものだが出産の様子は、なんというか、心温まるものがなくもないかもしれない。
あのれいむがこんな表情を見せるとは思わなかった。
それでも可愛さ2、ウザさ8といったところではあるが。あひる口がウザい。
「ゆっ!まりさ!!」
さすがに好奇心にかられて近づいていたまりさに向かってれいむが叫ぶ。
「れいむとまりさのゆっくりしたあかちゃんだよ!!
おちびちゃんたち、おとうさんだよ!!ゆっくりあいさつしてね!!」
「ゆゆっ、おちょーしゃん?ゆっきゅちちちぇいっちぇにぇ!」
「おちょーしゃんはゆっきゅりできりゅ?」
「まりしゃとしゅーりしゅーりちてね!!」
「ゆふん、かわいいでしょ!まりさ、
ゆっくりかわいがってね!!」
下顎を突き出し、勝ち誇ったように見下ろして言い放った。
ところが、対するまりさの反応は冷めたものだった。
「めんどくさいんだぜ」
「ゆっ?」
一瞬、事態を把握できない様子で固まるれいむ。
そんなれいむにまりさは続けた。
「こどものめんどうはそっちでちゃんとみるんだぜ。
こもりなんてせせこましいしごと、まりささまにはふさわしくないんだぜ!」
「どどどどどどぼじでぞんなごどいうのおおおおおおおお!!!?」
どうやら、可愛い赤ちゃんを見せればまりさが子供べったりになり、
家庭に根付いてくれると確信していたらしい。
母性愛の強いれいむ種ならではの発想だったが、
まりさ種、それもゲス相手ではそれも効力がなかったようだ。
「こそだてはおんなのしごとよ。
おっとにこどものめんどうをみさせるなんてとかいはじゃないわね!!」
「あでぃずはだまれええええええええ!!!」
横から口を出してきたありすにれいむは激昂する。
「ゆっ、おきゃーしゃんきょわいよ!」
「ゆっきゅりできにゃいよおお!ゆえーん!」
「ゆゆっ!?」
母親の剣幕に怯えて泣き出した子供たちを見て、れいむはなんとか怒りを収めた。
「ゆゆっ、ごめんね!おかあさんこわかったね!
ゆっくりぺーろぺーろしてあげるね!!」
「おきゃーしゃん、ぺーろぺーろ!!」
「ゆっ、ぺーろぺーろきみょちいいにぇ!!」
子供の頬を舌で舐めはじめた。
まりさとありすはそれに背を向け、離れたところでいちゃつきはじめた。
れいむはそちらの方を時々恨めしげに、かつ憎々しげに見やっていたが、
ついにそれきりがなり立てることはせず、子供にかかりっきりになった。
この母性愛は、人間ですらなかなか真似できないのではないか。
母親の望む形とは違ったが、結局赤ゆっくりの存在が状況を丸く収めた形になったようだ。
まりさはありすにすっきりさせてもらい、れいむは可愛い赤ゆっくり達を独占し、
それぞれが一応はゆっくりした状態になった。
俺はというと、頭を痛めていた。
ついに子供が生まれてしまった。ありすの茎の赤ゆっくりもいずれは生まれるだろう。
二匹でも持て余していたのに、合計十匹以上となると、果たしてどういうことになるのか。
俺の不安をよそに、由美は楽しげにれいむの赤ゆっくりを眺めていた。
「ぼさっとみてないであまあまをもってきてね!!
ごみくずはかわいいかわいいあかちゃんをみるけんりなんてないんだよぉ!!」
部屋のゆっくりは、結果としては十三匹になった。
れいむが三匹の赤れいむと二匹の赤まりさ、
ありすが四匹の赤ありすと一匹の赤まりさを生んだ。
れいむとありすは、それぞれが自分の子供の面倒を見ていた。
といっても、自分はその場からほとんど動かず、
食事は俺たちに持ってこさせ、うんうんやしーしーなどの処理も俺たちにさせる。
こいつらが親としてすることといったら、歌を歌うかおしゃべりすることぐらいだ。
要するに遊んでいるだけだが、自分では立派に子育てしているつもりでいるらしい。
子ゆっくり共は、いまでは直径10cmに足りるかどうかのサイズになっている。
れいむやありすの教育の結果、
案の定、子ゆっくり共も俺たちを奴隷と認識していた。
「ゆゆっ!ばきゃなごみくじゅがこっちをみちぇるよ!!」
「かわいいれいみゅのかおをみにゃいでにぇ!!どりぇいにはもっちゃいにゃいよ!!」
「あみゃあみゃをもっちぇきちぇにぇ!!そちちゃらまりしゃのうんうんをたべちゃちぇてあげりゅよ!!」
「ゆふふ、どれいをきょういくしてあげるなんておちびちゃんたちはゆっくりしてるね!!」
「ゆっ!!おきゃーしゃん、ごみくじゅのきょういきゅはれいみゅにまかちぇてにぇ!!」
れいむの子は、面と向かって悪態をついてくる。
いちいちちょっかいをかけられるたびに相手をするのは非常に疲れた。
「ごみくじゅ!!はやきゅあみゃあみゃをもっちぇきちぇにぇ!!」
「ゆっきゅりしにゃいでもっちぇきちぇにぇ!!かけあち!!かけあち!!」
以前にも増してひっきりなしに食事を要求される。
「あちょこのおもちゃをもっちぇきちぇにぇ!!いちびょういにゃいだよ!!」
「いち!まにあわにゃかっちゃにぇ!!ばちゅとしちぇどげじゃしちぇにぇ!!」
部屋の反対側にあるおもちゃを一秒とか二秒で取りに行かされ、間に合わないといっては土下座させられた。
「にゃにしちぇるにょ!?」
「くちょどりぇいにこんにゃにょはひちゅようにゃいよにぇ!!」
「りぇいみゅうんうんしちゃくにゃっちぇきちゃよ!!」
「ゆっ!まりしゃもうんうんしゅるよ!!」
勉強していれば、ノートの上によじ上ってきてその上でわざわざうんうんをしてきた。
こびりついた餡子はティッシュで拭きとってもくっきり跡が残った。
「痛っ!」
「ゆっ!ごみくじゅがいちゃがっちぇるよ!!」
「げらげらげら、おもちろいにぇ!!もっちょやっちぇあげりゅ!!」
「にゃんぼんみぇでちぬかにゃ~♪」
鉛筆やペンを口にくわえて俺を刺してくる。
たとえ子ゆっくりでも、鋭いもので突かれたら痛い。特にコンパスは冗談ではすまなかった。
俺が痛がるのでこの遊びは特にお気に入りになったらしく、いよいよここでノートは開けなくなった。
「ゆっ、これにゃに!?」
「パソコンだ。触らないでくれ」
「ゆっ!だいじにゃもにょなにょ!?」
「そうだよ」
「みんにゃー!!あちゅまりぇ~!!」
ノートパソコンで論文を書いているところにやってきて、
わざわざ大切なものであることを確認してから、姉妹を集めてその上で跳ねたりちーちーをしはじめた。
慌てふためいて砂糖水を拭き取ろうとする俺を眺めて、子ゆっくり共はげらげら笑い転げた。
ノートもパソコンも開けず、結局作業は大学でするしかなくなった。
「くちょじじいはゆっきゅりしにゃいでにぇ!!」
「れいみゅたちはゆっきゅりしゅるけどおみゃえはゆっきゅりしちゃだみぇだよ!!」
なにも用がないときでも、並んで悪態を飛ばしてくる。
押入れに隠れていればこうだ。
「ごみくじゅ!でちぇこい!!」
「ごみくじゅ!でちぇこい!!」
呼ぶから出ていってやれば、返ってくるのは嘲笑だけ。
「ほんちょうにきちゃないかおだにぇ!!」
「ゆっきゅりできにゃいにぇ!!おお、あわりぇあわりぇ!!」
「ば~きゃ!!ば~きゃ!!」
ほとんどの時間を、れいむの子ゆっくり共は俺をいじめる事に費やしていた。
ゆっくり用のおもちゃが敷き詰められたこの部屋の中で、
子ゆっくり共がどれを一番気に入っているかは明らかだった。
正直、俺はゆっくりをなめていた。
あんなまりさとれいむでも、成体ゆっくりはまだ理由をつけて罵ってくるだけましだったのだ。
子ゆっくりは、なんの理由もなしに、ただただストレートに悪罵をぶつけてくる。
自分たちはお前を蔑んでいるのだぞ、さあ悲しめ、いますぐ苦しめと言わんばかりに。
露骨に俺たちをいじめにかかっていた。
「さあ苦しめ」と言って向ってくる相手に、対話など成り立たない。
反論のしようも対処法もなく、ただ黙ってやられているしかないのはひどく辛かった。
「ゆっ、おちびちゃんたち、あれをみてごらんなさい。ゆっくりできるかしら?」
「ゆっきゅりできにゃいわ!!」
「うしゅぎたにゃいいなきゃもにょにぇ!!」
「ゆふふ、そのとおりね。とかいはなおちびちゃんたちは、あんなふうにはならないわね?」
「ならにゃいわ、まま!!なりゅほうがむじゅかちいわにぇ!!」
「あなたたちはとかいはなありすのあんこをうけついだこうきなゆっくりよ。
あんなげせんなどれいとはちょくせつくちをきいちゃだめよ?」
「ゆっきゅりりきゃいしちゃわ!!」
ありすの子は、俺を直接相手にしようとはしない。
しかしその侮蔑と悪意は深かった。
「ゆっ、とかいはなでぃなーをもってきなさい!!」
「いちょぐにょよ!ときゃいはなれでぃをまたちぇるもにょじゃにゃいわよ!」
「ありしゅちゃちはぐりゅめよ!いちりゅうしぇふをよんできにゃちゃい!」
由美に対しては、全力で見下しながらもまだ口をきくが、
俺に対しては一切口をきかず、家畜同然かそれ以下に見ているようだった。
それでいながらその実、ありす共は俺を意識しており、
毎日執拗に俺に対する嫌がらせを繰り返した。
ありす共は、表面的には俺と目を合わせずつんと無視しているが、
常に目の端で俺の行動を監視し、嫌がらせの種を探している。
洗濯をしていれば、洗濯機によじ上ってめちゃくちゃにボタンを押す。
勝手に冷蔵庫を開け放つ。
中の氷やアイスが解け、食事が腐り、その度にまりさに新しい食料を買い出しに行かされた。
原因はゆっくりにとっても明らかだったが、やつらの非難はいつでも俺たちに向けられた。
料理をしていれば、ありす共が台所によじ上り、
あちこちにぶつかって皿や包丁をがしゃがしゃ落としたり食材をひっくり返す。
当のありす共は、たまたま通りがかっただけという涼しい顔で、慌てるこちらを見ようともしない。
俺が慌てるのは、第一にありす共が怪我をしないようになのだが。
俺は押入れの中に布団を敷いて寝ているのだが、
毎日朝起きると、顔中にカスタードのうんうんが積み上がっていた。
ありす共が部屋の隅でにやにやとこちらを盗み見てせせら笑っている。
押入れの中に押し込んでおいた参考書が、大学に行っているあいだにすべて引っ張り出され、
あちこちに破り捨てられている。
ページの表面にこびりつくのはカスタードだ。
出かけようと思えば、俺の靴の中にカスタードがぎっしり詰められている。
歯磨きやら洗剤やらがすべて絞り出されてぶちまけられている。
犯人は大体いつも決まっていた。
やられた品々の周りに落ちているものがたいがいカスタードだったこともあるが、
行動パターンとして、れいむ共は俺達がそばにいる間は俺たちにつきっきりで悪罵を飛ばし、
俺たちがいない時は家族でゆっくりしている。
ありす共はその逆で、俺達がいる間は家族で固まっており、
俺達がいない間や寝ている間に精力的に動く。
壊された品々を見て慌てる俺を横目で見て、そらとぼけてせせら笑い、
高貴な自分たちがお前など相手にするわけがない、という姿勢を崩さない。
俺達が生活の中で使うもの、ゆっくり飼育のために使うものの区別なく、
とにかく俺達が使っているものをすべて壊しにかかる。
それで不都合が出れば、まりさが修復を命令してきた。
また部屋の構成を考えなければならなかった。
足元にまとわりつく子れいむ共に神経をすり減らしながら、家具の位置を大幅に変えた。
足場にされないように、ありす共の手が届かないようにする。
ほとんどの家具や日用品は撤去された。
もはや100%ゆっくりの為の家であり、人間が住む家ではなかった。
由美もまた、ゆっくり共に見下され侮蔑されていることに変わりはないが、
俺とは対応が明らかに違った。
家畜同然に扱われ、ごみのように苛められている俺に比べて、
由美の扱いはどうやらペットに近かった。
「おねえちゃんはほんちょにぐじゅだにぇ!もっちょはやきゅはしっちぇにぇ!」
「がんばりぇ!がんばりぇ!」
部屋の隅に置かれた一枚のクッキーを、
由美はわざとゆっくりのろのろと取りにいく。
ゆっくりのプライドを傷つけぬよう、魯鈍を演じている。
「やったぁ、取れたぁ!」
「ゆっ!おちょいよ!でみょよきゅがんばっちゃにぇ!!」
「ごほうびにたべちぇもいいよ!!ゆっきゅりかんしゃしちぇにぇ!!」
「わあい、みんなありがとう!」
にこにこしてクッキーを頬張る由美。
これほど言われても、つけ上がるゆっくりが可愛いという感性に揺らぎはないらしく、
とくに忍耐しているようには見えない。尊敬の念すら覚える。
そしてその無邪気な笑顔こそが、俺にとってもこの生活の中で唯一の救いなのだ。
とにかく、彼女と俺とではどうしてもゆっくりに対する態度が違う。
彼女はゆっくりのわがまま放題を心から楽しんでいるようだが、
俺のほうは常に潰したい衝動を抑えながらゆっくり共に接している。
その心情はやはり表面に現れ、ゆっくりもそれを敏感に察知し、
ゆっくりできるペットとゆっくりできない家畜、とでも分類したようだ。
俺に対しては「ごみくず」「くそじじい」としか呼ばないが、
由美は多くの場合「おねえさん」と呼ばれていた。
いつもにこやかな由美は多少なりとも可愛がられているようだったが、
俺は由美との対比でなおさら憎まれ、苛められ続けた。
それでも、俺は由美のために耐え続けた。
最終更新:2009年04月17日 03:19