ゆっくりいじめ系2722 お歌の価値は?

お歌の価値は?


初投稿です。
現代設定です。
いじめと言うよりぬるいじめだと思います。
酔っぱらった頭のノリで書いてるので整合性やおもしろさは微妙かと。
絶対に期待しないでね。短くても、読んだ後に後悔する可能性が高すぎるから。
濁点や罫線や三点リーダがやたら多い気がするけど、そんなのはきっと気のせいです。




その事件、というかイベントが起きた場所はある初夏の夜明けの公園だった。
深夜のコンビニバイトを終えた俺は、廃棄処分となる運命だったおにぎりを8つほど救出して店を出ると、
何となく思い立ち、自分の部屋で食べず近所にある、朝日とほどよい気温が心地よい公園のベンチに腰掛けて無料の朝飯を食べていた。
そうして、少しまぶしい日差しの中、まどろみながらおにぎりを食べていると、耳障りな音が聞こえてきた。

「ゆ~ゆ~♪ ゆゆ~♪ ゆ~っくりし~て~いってね~♪」
「れ~♪ いむは♪ とて~もゆっく♪ り~し~て~いる~よ♪」
「「ゆっきゅりしていっちぇね~♪」」

徹夜明けで眠い上に、これから大学の講義がある身としては、騒音に近いこの音を無視することはできなかった。
騒音の発信源に目を向けると、どうやらゆっくりと呼ばれる薄汚い害獣が4匹、こちらを見ながらどなりあっているようだった。
野良らしき4匹の構成は、親らしきリボンと黒帽子の大きいのが2匹、リボンをつけた小さいのが2匹いた。

ゆっくり──近年現れた、人語を理解する生首の害獣で、バッチが着いていない野良は始末されるのが推奨されている。
しかし、バイトあけで体力を失っている上、ゆっくりを詳しく理解していない俺としては関わりたくないナマモノと認知されている。

こんな、百害あって一利なしな奴らに関わりたくない。おおげさに脅して追っ払おうと思った俺は声をかけた。

「おい、おまえら──」
「「「「ゆゆぅ、おうたをきいてゆっくりしたなら、ゆっくりてにしたごはんをおいてどこかいってね」」」」

俺が反応したのを見て、こちらが言い終わる前にゆっくり達は自分達の要求をつたえてきた。
それを聞いて、目の前の物体が何を言っているのか一瞬理解できなかった俺は問いかけた。

「…………なんで、俺がお前らにごはんをあげなきゃいけないんだ?」
「ゆゆ! おにいさんはまりさたちのおうたをきいたんだぜ?」
「……まあ、聞いたか聞いてないかで言うなら、聞いたと言えるな」

俺は皮肉のつもりでこういったが、言外の機微を理解できないゆっくりにこの言い方は失敗である。
人語を操りながらも、獣以下の知性しか持てないゆっくりには、肉体的にも言語的にも直接的に対応するのが正しい。
だが、ゆっくりに対して、さして詳しくない書物の知識しか持っていなかった俺は、こんな愚かな対応をしてしまったのである。

「まりさのびれいなうたごえをきいてゆっくりしたなら、たいかにごはんかあまあまをおいていってね!!!!!」
「れいむたちのおうたをきいてゆっくりできたおにいさんはれいむたちにあまあまをよこしてね!!」
「「ゆっきゅり、よきょしてねーーー」」

ぶっちゃけ、目の前の饅頭をうざいなぁというか、邪魔だし潰したいなぁと思っていたが、
すでに6個食べ、残りのおにぎりをもてあましていたので、騒音と残飯処理を天秤にかけたところ、
MOTTAINAIの精神が勝ったため、手にしていたおにぎりのかけらを地面にばらまいた。

「………………………………まあいい、食え……………………」
「「ゆきょーーーー!!! じじぃはか゛ち゛こ゛い゛ね゛、ゆっくりしないでむーしゃむーしゃするよ!!」」
「「おきゃあさんたちはたべないで、かわいいあかちゃんたちのためにゆっくりのこしてね!!!!」」

ゆっくりの親子達は落ちたおにぎりを見ると、互いに思いやるようなことはせず、
口汚い言葉と共に、我先にと自分がまき散らした食い残しに群がっていた。ぶっちゃけ、この光景を見ていろいろと後悔したのは内緒である。
カラスや鳩でももう少し自重するだろうが、目の前のナマモノはそんなこと考慮せずただひたすらに食べ続けている。
感想としては、なまじ人に近い生首のせいで、どうしようもないくらい見苦しい、だった。

「「「「むーちゃむーちゃ……し゛あ゛わ゛せ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!!!!」」」」

おにぎりを食べ終えたゆっくり達は、昇天するかのように、思い思いの表情を浮かべている。
賞味期限切れの廃棄品をここまで幸せそうに食べられると、ひかざるをえない。

……そして、そんなゆっくり達を見て、お兄さんはふと思いついたことを口にしてみた。

「なあ、おまえら。俺が渡したのを食ってゆっくりしたのか?」

そんな何気ない問いに、ゆっくり達は自信満々に答えた。

「そうだね、じじぃのごはんはとてもゆっくりできたんだぜ!!」
「れいむたちのかわいさでゆっくりして、もっとごはんをもってきてね!!」
「「ゆっきゅりしないでもってごい、じじぃ!!」」

徹夜明けのテンションでも庇いきれないくらいのむかつきを胸に抱えながらも、
なんとか我慢して、ゆっくり虐待を趣味に持つ人々の心情を理解しつつ答えた。

「じゃあ、お前らも俺をゆっくりさせてみろよ」
「「……ゆゆっ!? なにをいってるのおにいさん??」」

自分の立場が危ういことをなんとなく察したのか、親ゆっくり達は態度を改めながら俺に問いかける。

「俺はお前達にゆっくりしてもらったから食い物をあげた。それはわかるよな?」
「──そうだよ、れいむたちのおうたはとてもゆっくりできるからとうぜんなんだよ!!」

俺の問いかけに、目の前の饅頭のうち、リボンをつけた親ゆっくりが自信満々と言った表情で答えた。

「──じゃあ、俺があげた食い物でお前達がゆっくりできたなら、お前らも俺に何かあげないといけないよな」

俺としては至極まっとうな要求をしたつもりだが、この発言に対してゆっくり達は困惑の表情を浮かべている。

「な、なんで……? たしかにれいむたちもゆっくりできたけど、それはおうたをうたったから──」
「ゆっくりしたなら、それにみあうなにかをあげないといけない。そうじゃないのか?」

俺の暴論に近い理論が理解できてないのか、赤れいむたちはきょとんとした表情を浮かべている。
だが、親ゆっくりたちはなんとなく理解できたのか、困ったような悲しむような難しい表情をうかべ悩んでいた。

「「ゆゆっ……そうなのかな……?」」
「そうじゃないなら、ゆっくり理解できるようにお兄さんに説明してね」
「ゆゆぅ…………」

ゆっくり達が困っているのを見て、俺は残念というか、失望に近い感情を抱いた。

本の知識でしかゆっくりを知らない俺にとって、ゆっくりとは他人をゆっくりさせることが第一であり
自分がゆっくりするのは、他人がゆっくりしているのを見てからだと思っていたからだ。

だが、目の前にいるゆっくり達は、自分達が他者をゆっくりさせたら報酬を要求するくせに、
自分達がゆっくりさせられても、それが当然だと思っている。これではダブルスタンダードではないかと思う。
野良ゆっくりとは所詮こんな物か──俺はそんな思いを、侮蔑的な感情をあらわにしながら言葉にする。

「ああ、お前らの理論からすると、自分達がもらうのは当たり前で自分があげるのは嫌ということか……
 つまりお前らはゲスということだな。これは加工所に連絡して引き取られてもしかたないよな……」

「「「「か゛こ゛う゛じょ゛は゛い゛や゛ーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」」

街で育ったゆっくりの本能なのか、親だけでなく赤ゆっくりまで痙攣しながら悲鳴を上げている。
俺はそれを見て、目の前のゆっくりから何か要求できないかと思い、とりあえず思いついたことを言ってみた。

「……じゃあ、お前らの赤ゆっくりをよこせ。そうすれば加工所には連絡するのは考慮してやるぞ」
「ゆゆっ! あかちゃんをあげたらゆっくりできないよ!」

親ゆっくり達は、理解できないといった表情で抗議する。
それに対し、俺は諭すように話しかけた。

「でも、赤ゆっくりをあげなかったらお前らも一緒に加工所に連れて行かれるぞ。
 要するに、赤ゆっくりを俺に渡してゆっくりするか、赤ゆっくりと一緒に永遠にゆっくりするか選べってことだ」

俺がそう告げると、親ゆっくり2匹は赤ゆっくりを放っておいて相談しはじめた。
そんな親ゆっくりを尻目に、赤ゆっくりは自信満々に俺をののしってきた。

「おきゃあさんがれいむたちをみすてるわけにゃいよ。ばかなじじぃはゆっくりじんでね!」
「そうだよ、かわいいれいむたちをみすてるけぇないよ。ばかなの。しぬの。」
(実際どういう結論を出すかも分からないのにずいぶんと自身あるなぁ……)

自分の殺人を推奨するような提案をする俺が、赤ゆっくりに敵視されるのはある意味当然だと思ったので、
赤ゆっくり達が喧嘩を売ってきても無視し、親ゆっくり達がどういう結論を出すのか待った。

──そして、数分後。親ゆっくり達は暗い表情を浮かべながら結論を告げた。

「……しょうがないね……あかちゃんたちはまりさたちのためにゆっくりたべられてね」
「あ゛か゛ちゃ゛ん゛を゛ま゛も゛れ゛な゛い゛、た゛め゛な゛お゛や゛て゛こ゛め゛ん゛ね…………」

親ゆっくりが実際にどう考えているのかはわからなかったが、きっとこう考えているんだろうと思う。

──人間は自分達より圧倒的に強くゆっくりできない。ここで逆らえば自分達も一緒にゆっくりできなくなる。
それなら、自分達は助かって後でまた赤ちゃんを作ればいい。だから、目の前の子は見捨てよう──

そんな親ゆっくりの思考を理解したのかどうかは分からないが、親ゆっくりの死刑宣告を聞いた赤ゆっくり達は
一瞬惚けた表情を見せた後、涙を流しながら自分の親を罵り始めた。ある意味当然の結果である。

「「な゛に゛を゛いっ゛て゛る゛の゛ーーーーー!! ゆ゛っ゛きゅ゛り゛て゛き゛な゛い゛ーー!!」」
「……そういうことだ。悪く思うなよ」

どうしようと自身を殺す人間を、赤ゆっくりが悪く思うのは確実なのに、それでもなんとなく言ってしまった。
まあ、定型文というか、そういうものなんだろう。それ以上の感想を持たずに赤ゆっくりのうち1匹を手に取った。

「や゛め゛て゛ね゛、ま゛さ゛か゛か゛わ゛い゛い゛れ゛い゛む゛を゛た゛へ゛な゛い゛よ゛ね゛……?」
「……悪役な気分だが、とりあえず食ってみるか」

約束通り赤ゆっくりのうち1匹を口に近づけたが、あまりの汚さに思い直し、公園にあった水道でかんたんに洗った。
そして、ようやくかろうじて見れらる程度には綺麗になったが、外側にある皮は相変わらず汚そうなので、
皮をむいて中にある餡子を一息に半分程度を口にした。

「ゆ゛きゃ゛ーーーー!! や゛め゛て゛ね゛、あ゛ん゛こ゛が゛な゛く゛なっ゛ちゃ゛う゛ぅ゛う゛う゛う゛!!」

口に入った餡子はほどよく甘かったが、満腹感の強い俺にとってはさして美味でなく、栄養を補充する感覚で流し込んだ。

「ゆ゛く゛っ!! ゆ……く……した……った…………」

体の半分を失い言葉も絶え絶えな赤ゆっくりは、視点を四方八方に彷徨わせながら短いゆん生を閉じた。
その原因である俺としては、いくら害獣とはいえ、人語の断末魔は一般人である自分にとって心苦しい物だった。

その反省を生かし、2匹目は有無を言わさず一口で食った。
1匹目とは違い、躍り食いのせいかゆっくりは口の中で若干震えていたが、無視して一気に胃に流し込んだ。
やはり、満腹感のためおいしかったという感想はなく、こいつらに関わらなければよかったと言う思いが大半を占めている。
……ちなみに、親ゆっくり達はその間お互いにほおをなすりつけあっており、赤ゆっくりの死に際を見もしなかった。

──そうして赤ゆっくりを食べ終わり、食べ残した皮をゴミ箱に捨てようと立ち上がろうとした時、
ふと地面を見ると、既に逃げたと思ってた親ゆっくりがおにぎりを食べたときとは違う、
愛想笑いのような、気持ち悪い表情を浮かべ話しかけてきた。

「ゆふぅ、じじぃはまりさのあかちゃんをたべてゆっくりしたよね? だったらもっとあまあまをよこすんだぜ!!」
「……そうだね、れいむのあかちゃんでゆっくりしたならじじぃはもっとごはんをよういしてね!!」

赤ゆっくりを食べられたからか、それとも本性を表したのか、親達はゲスな発言をしている。
だが、そんなどうしようもない姿を見ても、既に失望している俺は、気にせず冷淡な表情を浮かべながら正直な感想を伝えた。

「腹いっぱいなときに饅頭を食っても全然ゆっくりできなかったわ。というわけでお前らには何もあげないからな」
「「な゛ん゛で゛ーーーーーーーーーー!!! あ゛か゛ちゃ゛ん゛た゛へ゛た゛く゛せ゛に゛!!!」」
「いや、さすがにおにぎり6個食った後に小さいとはいえ饅頭2個は多すぎるし、満腹感で別においしくなかったぞ。
 じゃあな。……忠告しとくと朝っぱらからここで歌ってると騒音で加工所に通報されるぞ」

そう告げて、午前の予定を脳内で整理しつつ公園から足早に出ようとすると、背後から醜い声が聞こえてきた。

「れ゛い゛む゛が゛お゛う゛た゛をう゛た゛う゛なんていうからーーー!!!!!」
「あ゛か゛ちゃ゛ん゛を゛み゛す゛て゛た゛ま゛り゛さ゛に゛い゛わ゛れ゛た゛く゛な゛い゛よ゛ーーーーー!!!!!

赤ゆっくりの責任を押しつけあって後ろで親ゆっくり達が争っているみたいだが、
大学の講義が始まるまで時間がなかったのでさっさとその場を離れた。
そして、公園の出口に差し合ったたあたりで、携帯電話で加工所に連絡した。

「あ、どうもです。○○市の○○○公園でゆっくり達が暴れているので回収してください。よろしくお願いします」

俺の要請に対し加工所から、役所的な挨拶ながらも了承を得たのを確認すると振り向きもせず公園を後にした。

ゆっくりに大して興味もない俺にとっては、別に野良ゆっくりが死闘を繰り広げたところでどうでもよかった。
まあ、強いて感想を言うなら、どっちが死んでも潰れたら清掃の人に迷惑だろうなぁと……その程度の感想しか出てこなかっただけである。





後書きという名の言い訳

ゆっくりへの対価ネタはかぶっている可能性がきわめて高そうですが、
その時はゆっくり虐めに詳しくない奴が妄想してるんだなと、生温かい目で見守ってやってください。
とりあえず、暖めているというか死蔵している他のネタをさっさとロダにあげたいです。

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最終更新:2009年06月04日 02:28
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