ゆっくりいじめ系2729 おとうさんがんばる2



 ※ぺにまむ、すっきり表現あり。





 「それじゃいってきまーす」
 「おちびちゃんたち、ゆっくりいい子でお留守番するんだよ」
 「「「ゆっくりりかいしちゃよ」」」

 皆で揃っての朝食の後、お兄さんは会社に、母れいむは未だに行方がわからない父まりさを
 探しにそれぞれ出かける。
 昨夜まりさと打ち合わせたとおり、れいむはお兄さんにまりさの事を気づいていないと思わせなければ
 いけないからだ。
 ちなみにこの家にはゆっくり専用の出入り口など無いため、一旦出かけるとお兄さんが
 帰ってくるまで入ることは出来ない。

 取り残されたのはまりさと、子れいむが2匹子まりさが2匹のおるすばん部隊。

 「おねーしゃんたち、きょうはかくれんぼしようよー」
 「じゃあ れいむがおにさんをやるからゆっくりかくれてね」

 ゆわーーーーーい!という掛け声と共に、ポヨンポヨンと蜘蛛の子を散らすように隠れる場所を
 求めて跳ねてゆく3匹の子ゆっくり達。
 まりさは底部を焼かれているため、その微笑ましい状況をただ見守るだけである。
 動けたとしても、現在の異様な風貌を怖がる子供たちが一緒に遊ぼうと誘う事も無いだろう。
 つい数日前までは飢えでピョンピョン跳ねまわる元気さえ無かったのに、すっかり元通り、
 いや今まで見たことの無い活発さだった。
 その後は子ゆっくりたちは仲良くおうたをうたったり、かけっこをしていたが、そうこうしている
 うちにお腹が空いてきた。

 「ゆっくりごはんにしようよ」
 「きょうはなんだろうにぇ」

 お兄さんにゴハンになったら開けてね、と被せられていた新聞紙をゆんしょと皆で力を合わせて
 どけると、お皿の上には山盛りのアルファベットチョコレートが。

 「ゆゆ!!きょうはちょこれーとさんだよ!」
 「ちょこれーとさんはしゅごくしゅごくゆっくりできるよ!」

 金塊の山を掘り当てたかのごとく興奮する一同。

 「「「ゆっくりいただきまーす」」」
 「ぽーりぽーり、しししあわしぇえええ!!」
 「おいしいにぇ!おいしいにぇ!!」

 ごちそうを文字通り貪る4匹。
 まりさは一歩も動けないため部屋の隅のほうでポツンと見守るばかり。
 そんなまりさに気がついた子れいむが、チョコを1個くわえるとまりさの前に持ってきて
 ポトリと落とした。

 「いっしょにむーしゃむーしゃしようにぇ」
 「う、うん。ゆっくりありがとう」

 まりさはそれを舌でそっと口に運び、噛むことは出来ないので少しずつ溶かして食べる。
 極上の甘さで舌が一緒に溶けてしまうかのような感覚。

 「どうしてどろぼうなんて、ゆっくりできないことなんかしちゃの?
 ばつとしてこんないたいいたいされて。もうにどとしちゃ、めっ、なんだからにぇ」
 「ゆっくり理解したよ…もうどろぼうさんはしないよ」
 「いいこしゃんだから、いたいのいたいのゆっくりしてにゃいであっちいけ~」

 子れいむは背伸びをして頬のねじの根元あたりをぺーろぺーろする。

 「ゆっ!まりしゃもちょこれーとさんをもってきたよ」
 「みんなでむーしゃむーしゃしようにぇ」

 後から追いついた残りの姉妹もまりさの前にチョコを置くと、皆でぺーろぺーろを
 始めた。

 「はやくなおるといいにぇ」
 「どんなけがさんもぺーろぺーろすればなおっちゃうっておかあしゃんがいってたよ」
 「あ゛り゛がどう゛…もう゛全然痛ぐなぐな゛っだよ゛」

 ボロボロと涙を流すまりさ。
 なんとゆっくりした子達だろう。
 ここまで頑張って守り抜いた甲斐があるというものだった。
 今自分が父であると言い出せたならどれだけ良かっただろうか。
 もし出来たとしても子供たちは父をこんな姿にしたことを人間に抗議するだろう。
 そうなると「連帯責任」どころでは無くなる。
 まだ時期ではない、それまでは知らないゆっくりのままで居よう。



 ゴハンの後は皆でゆっくりお昼寝をして、まりさも一緒におうたを歌ったり、ねじを触らないように
 注意しつつも頭の上に乗せてあげてたかいたかいをして遊んですっかり仲良しになった。

 思えば赤ちゃんゆっくりが生まれてからは朝起きたらすぐ狩りに出て行き、すっかり暗くなってから漸く巣に帰って
 ゴハンを食べたらクタクタに疲れてるのですぐおやすみー、の生活を続けてきた。
 皮肉な事に、こうやって一緒にゆっくりするのは初めてなのかもしれない。
 まりさは一時、全てを忘れてしあわせー、な時間を過ごしたのだった。







 お兄さんは仕事を早めに切り上げて、友人の家に来ていた。

 「よお早かったな。引き取ってもらいたかったのはコイツだ」

 「ゆ!まりさはまりさなのぜ!人間さんがこれからまりさをゆっくりさせてくれるのかだぜ?」

 透明な箱に入れられた、飼いゆっくりの証であるバッジを毟り取られ、傷だらけのだぜまりさを受け取るお兄さん。
 箱に入れられているというのに、そのゆっくりの目はギラギラと生気に満ち溢れており、多少の折檻は受けたのであろうか
 所々に生傷ができている。
 前々から飼っていたゆっくりがゲス化して、どんなにおしおきをしても思うように言うことを聞かないと相談を受けていたのだが
 「もうどのようにでも好きにしていい」という条件でお兄さんが引き取ることになったのだった。

 「なあまりさ、ボクの家でこれからゆっくりしてもらうんだけど、一つゲームをしないか?」
 「ゲーム?それはなんなのぜ?」
 「それはね……」




 日が西に傾き、さらに地平線に消えた後お兄さんが透明な箱を抱えて帰宅すると、玄関前でれいむが待っていた。

 「お兄さんゆっくりおかえりなさい」
 「ああ、ただいまれいむ。このまりさは今日から家族になるんだ」

 箱をれいむの目線に合うように下げると、そこにはワイルド&デンジャラスな香りのするゆっくりまりさ。
 目が合った瞬間何故だか餡子の奥がキュンとしてしまう人妻れいむなのであった。


 「ゆっくりただいま!おちびちゃんたち、よいこでお留守番してたかな?」
 「ただいま。またゆっくりが増える事になったよ、まりさだ」
 「まりさはまりさなのぜ。ゆっくりよろしく!」

 とりあえずお腹が空いたから、と皆で夕飯を食べながらお互いの自己紹介となった。

 「まりさは前いたおうちでは人間さんを子分にしてこき使ってやったのぜ」

 だぜまりさは他のゆっくりの話はそこそこに、延々自分の自慢話や武勇伝を話していた。
 お兄さんが一番先に食べ終わって、自分の部屋に用事で篭ってしまうとますますその内容はヒートアップ
 し始める。

 「まりさが言えば人間さんはどんなあまあまでもすぐに持ってきてたのだぜ。少しでももたついてら
 ゆっくりできないおしおきをするのぜ」

 「ゆゆゆ~~~~!?しゅごいしゅごい!どうすればそんなことができりゅの!?」
 「まりさはすごいゆっくりなんだにぇ!」

 純粋な子ゆっくり達はすっかり話を信じ込んで大はしゃぎ。
 子供たちの食いつきっぷりに気分を良くしただぜまりさは、ふんぞり返りながらどんどん続ける。

 「か~んたんなのぜ。まず『あまあまを持って来いくそじじい!ゆっくりできなくしてやるのぜ!』
 と脅しまくってからこうするのぜ」

 だぜまりさは大きく大きく息を吸い込む。
 見る間に両頬を中心にぷくーーーーーっと体が倍に膨らむ。
 いわゆるゆっくりの威嚇行動である。
 ぶひゅるるるるる~と息を吐いてすっかり元通りになっただぜまりさがこう続ける。

 「こうすれば人間さんはすっかりビビッて言う事を聞くようになるのぜ。それでも聞かないお馬鹿には
 体当たりでゆっくりできなくしてやったのだぜ」

 子供たちは憧れの視線と喝采を浴びせる。

 「しゅごいね!れいみゅもそんなりっぱなゆっくりになれるかな!?」
 「あまあまをもっちぇこいくしょじじい、ゆっくりさせなくしゅるぞ…まりしゃおぼえたよ!!」
 「ぷくーー!じょうずにできないよう」

 母れいむはこれには流石に慌てた。

 「ゆわわ!駄目だよおちびちゃんたち!そんなゆっくりできないことをしたり、言ったらいけません!」

 都市で生きるゆっくりにとって最大の天敵は人間であり、『人間に出会ったとにかく逃げろ』が大原則。
 そして、野生動物には多少有効であるぷくー、は人間に対しては完全に無効かつ逆に神経を逆なでして事態を悪化させる
 のみである。
 上記の2点を学習して生き延びたゆっくりが代々遺伝餡でその記憶を受け継いでおり、野良で生きているゆっくりたちには
 ぷくー、は既に本能から消去済みなのである。
 親ゆっくりが教えなかった、のでは無く教える必要が無いこの行為を、子供たちはとてもゆっくりできない言葉遣いと共に
 かっこいいものとして覚えてしまった。

 「ゆげははは!ちびたちは見所のあるゆっくりなのぜ!まりさが子分にしてつよいゆっくりにしてやるのぜ」
 「ゆわーい、れいみゅ、まりしゃみたいなりっぱなゆっくりになりゅよ!」
 「まりしゃ、まだまだおおきくできりゅよ!ぷっくーーーーーーーーーーーー」

 全然自分の言葉を聞こうとしない子供たちにオロオロするだけの母れいむ。
 見かねたまりさが助け舟を出す。

 「そこまでだよ。そんな言葉を使っていたらゆっくりできないし、ぷくーなんてしたらここの人間さんに何をされるかわからないよ」

 「人間さんをそこまで怖がるなんてぺにぺに付いてるのかなのぜ?そりゃあどろぼうに入ってそんな制裁されればビビっちまうのも仕方が
 ないのぜ!そんなふにゃぺにゆっくりはほっといて体当たりの稽古をつけてやるのぜ」

 「まりさはふにゃぺになんかじゃない!」

 まりさには今まで頑張って家族を養って来て、どんな拷問にも耐え切ってきた自負があった。
 それに皆の為を思って警告をしただけなのに。
 これ以上こんなチンピラに好き勝手言われるのは我慢出来なかった。

 「ほらほら、人間さんが怖くてぷくーも出来ないくせに!こうやるのぜ?出来るかのぜ?」

 再び息を吸い込み、挑発しながら大きく膨らんでいくだぜまりさ。
 その目は完全に勝ち誇っていた。それを睨み返しながらまりさもとうとう息を吸い込み始める。
 みるみる負けない位の勢いで大きくなっていく、が。
 フシュ~~~~~~~~~~~。
 唇という栓が無いのだ。
 あっという間に歯の隙間から空気たちが逃げていき、元通りのまりさに戻ってしまう。

 「ぷっ、くっ、げははははははははは!出来ないのかだぜ?だっせーのぜー!ぷくーも出来ないふにゃぺにゆっくり!」
 「かっこわりゅーーい!」
 「れいみゅだってぷくーくらいできるのに!ゆげはははは!」
 「だっせーのぜ!だっせーのぜー!ふにゃぺにー!」

 笑いを堪えきれずに、息を吐き出して萎みながら罵倒しはじめるだぜまりさに追従して、まりさを小ばかにし始める子ゆっくり。
 今日の昼間も歩くことも出来なくて可哀想だから遊んであげたのに、おうたも上手く歌えない、ぷくーも出来ないこのゆっくりは
 生意気にも自分たちに偉そうに説教をしようとしたのだ。
 逆に、人間さんを怖がらず、不良っぽいかっこいい言葉をたくさん知っているだぜまりさは既に子供たちのハートをガッチリ
 鷲づかみにしていた。

 「ゆっ……ぐううううううううぅぅぅ……」

 まりさだって好きでこんな体になったわけでも無いのに、なぜこんな扱いを受けなければいけないのか。

 「よしっ!れいむはその調子なのぜ!がんがん押しまくるのぜ。まりさは目を閉じていたら相手が見えないのぜ!
 しっかり相手を見てぶつかるのだぜ!!」

 完全に涙目になって黙りこくってしまったまりさを放置して、子ゆっくりたちはだぜまりさの胸を借りて順番に体当たりの
 稽古を始めた。

 それほど間もなくして、お兄さんが部屋に現れてヒョイとまりさを持ち上げた。

 「さあて、休養は終わりだよまりさ。またあの部屋に戻ろうね」
 「い、嫌だよまりさは戻りたくないよ嫌だよ嫌だよまりさは嫌だ嫌嫌いやいやいやいや」

 バタンとドアを閉められてしまい、まりさをこれ以上追うことが出来なくなったれいむは子供たちの行為をやめさせようと
 ただオロオロするばかりだった。





 再びおぞましい虐待部屋に来てしまった。
 お兄さんは机の上にまりさをそっと置いた。

 「すっかり元気になったことだし明日からまた二人で遊ぼうね、まりさ。今日のところはおやすみ」








 翌日、れいむは相変わらず『まりさを探すために』出掛けていた。
 もちろん今同居していることは百も承知だが、気づいていると思われないために探索は続けなくてはいけない。
 ただ、だぜまりさが「まりさも手伝ってやるのぜ」と付いて来たのは意外なことだった。

 「まりさが手伝えばすぐに見つかるのぜ!任せておくのだぜ!」

 そう言うが早いか、ボスンボスンとかなりの速度で跳ねてゆくだぜまりさ。
 れいむは見失わないようにするのが精一杯だった。

 「そこの人間さんにぱちゅりー、まりさを見なかったのかぜ?」

 さらに驚いたことに、だぜまりさは散歩中の飼いゆっくりと飼い主の人間に臆することなくこちらから話しかける。
 既にバッジは破り取られているので、世間の扱いはれいむと同じ野良である。
 れいむからすれば、見知らぬ人間には一切関わらぬのが常識であるのに。
 思えば番のまりさは、人間を避けることに加え、同じゆっくり同士とも絶対に争わないようにしていた。
 餌を同時に見つけた時は、必ず「どうぞ」と譲ってしまうのだ。
 まだお互い2匹だけの時ならば、

 「まりさは優しくてとてもゆっくりしているね」

 で済んだのだが、子供が産まれてれいむが狩りに参加できなくなってからの、そのお人よし過ぎる性格は
 野良ゆっくりとしては致命的だった。
 結果、朝早くから夜遅くまで狩りに出てもいつもいつも一家は飢えている状態で、子供たちは成長不良で通常より
 二周りも小さく赤ちゃん言葉もまだ抜けきらないのだ。
 今目の前を力強く跳ねていくだぜまりさは、正にまりさの真逆を行くゆっくりに見えてしかたが無かった。





 そんな生活が始まってから3日目の晩。
 いつもの様に、だぜまりさと日が沈むまでまりさ探しをして帰して夕食を皆で終え、『とれーにんぐ』で
 子供たちはクタクタに疲れて仲良く寝息を立てた頃。
 れいむは子供たちの寝顔を見ながらまりさは今どうしているんだろうか、と考えていると

 「なあれいむ、まりさとすっきりするんだぜ」

 だぜまりさが既に起立したぺにぺにをれいむの背面に押し付けながら、彼女らしい直球ストレートな
 アプローチ。

 「ゆぅ!?まりさは何を言ってるの?れいむには既にまりさがいるんだよ!?」

 だぜまりさのことは最近どんどん気になり始めてはいたが、さすがに番のまりさの事がある。
 ビクっとしながら離れようとするれいむ。
 しかしだぜまりさは強引に背後からのしかかり、れいむを押さえ込む。

 「愛しのまりさっていうのは、あのボロクズの事なのぜ?人間さんは最初からあいつとれいむの関係なんかお見通しなんだぜ」

 動けないれいむのもみあげに器用にほお擦りしながら、囁きを続ける。

 「そろそろ人間さんはあいつにも飽きたから、れいむ達もろともお外にほうりだすつもりなのぜ。
 でも実は…まりさはここに連れてこられる時に人間さんと賭けをしたのだぜ。
 3日以内にれいむをモノにできたら、ここでずっと一緒にゆっくりさせてやると言ったのぜ。
 今日が賭けのさいごの日、れいむはまたゆっくりできない毎日に戻りたいのかぜ?
 あの役立たずとチビ達を育てていくつもりなのかぜ?」

 ここまで言うとまりさはれいむを開放し、正面側に回り込みなおす。
 もしモノに出来なかったら、まりさは即処分される事になっているのだ。
 まりさはもし拒否されても最悪レイプも辞さない気ではあったが、うまくいく自信は充分にあった。

 「れいむ、まりさはこのまま人間さんに飼われる気は無いのぜ。
 まりさだけでは無理かもしれないけど、このさきチビ達と力を合わせて人間をやっつけて奴隷にするつもりなのだぜ。
 みんなで頑張ってゆっくりぷれいすを手に入れるのぜ。まりさにぜんぶまかせて付いて来るのだぜ」

 れいむは決断するしかなかった。
 まりさと共に野良生活に放り出されたら間違いなく全滅だろう。
 元々まりさがああなったのは、まりさ自身のドジのせいだ。
 今はだぜまりさの差し伸べる手にすがるしか無い。
 これは仕方が無い事なのだ。
 子供達のために仕方なく、目の前のだぜまりさとすっきりするのだ。
 そう自分に都合の良い言い訳で納得した。

 だぜまりさが唇をそっと近づけると、れいむもそれに応える。
 やがてすぐに激しいちゅっちゅになり、お互いの体表をぬらついた透明な粘液が被い始める。
 激しい吐息と吐息。
 高鳴る鼓動と鼓動。
 ぶつかりあう雄と雌。

 「れいむっ!れいむっ!最高なのぜっ!すぐにすっきりしちゃいそうだぜっ!!」
 「ゆあああああ!凄い凄い過ぎるよっ!まりさのなんかよりまりさのぺにぺにすごいのぉぉぉぉぉ!!」
 「さあすっきりするのぜっ!まりさの可愛い赤ちゃん産むのぜぇぇぇぇ!まりさ達のゆっくりした赤ちゃんを人間さんに見せつけるのぜ!」
 「きてええええ!まりさ来てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 「「すっきりーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」」










 まりさは虐待部屋に来てから、一体どれだけの時間が経ったかよくわからなくなっていた。
 焼け焦げた底部と目と口の中以外には、新たにおびただしいねじが生えた。
 ほんの少しでも体を動かすと全身に激痛が襲うようになった。
 しかし結局、まりさは家族のことは何も言わなかった。
 れいむはきっとチャンスを待ち続けて我慢し続けていると信じた。
 子供達は一時的にふざけていただけで、れいむに叱られてまた良い子になっていると信じた。
 家族は自分を裏切らない、だから自分も家族を裏切ることなんて出来ない、そう信じきった。

 「やあ、まりさお待たせー」

 お兄さんがなにやら大きな荷物を抱えて部屋に来ても、完全な無反応。
 お兄さんが抱えてきたテレビやビデオの配線をつなぎ始めても、まりさのまぶたを全開にしてねじで固定してもまりさは何の反応も示さなかった。

 「もうねじねじも飽きただろうから、今日はビデオ上映会だよ。まりさもきっと気に入るはずさ」

 お兄さんがリモコンを操作すると、テレビの画面に現れる幸せそうなゆっくりの一家。
 見覚えのある子ゆっくり4匹とれいむ。
 そしてれいむに寄り添っているのは…だぜまりさ。

 「おかあしゃん、れいむはやくいもうとたちにあいたいよ!」
 「赤ちゃんはゆっくり産まれてくるから、ゆっくりおうたを歌いながら待ちましょうね」

 みるとれいむの顎の部分がぽっこりと膨らんでいる。
 胎生妊娠しているのだ。

 「まりさはいもうとをまもるためにもっとつよくなるよ!!」
 「パパと一緒に頑張るのぜー」

 今なんと言ったのだ!?
 パパ…?
 違う。その子の父親は自分だ。
 どうなってるんだ!?

 「巻き戻して、っと。特に見所はここなんだよね。名づけて『人妻れいむ媚肉のわななき』とかどうだろうね?」

 スピーカーからは2匹のゆっくりの嬌声。
 激しくまぐわっているのは、愛するれいむとだぜまりさ。

 『れいむっ!れいむっ!最高なのぜっ!すぐにすっきりしちゃいそうだぜっ!!』
 『ゆあああああ!凄い凄い過ぎるよっ!まりさのなんかよりまりさのぺにぺにすごいのぉぉぉぉぉ!!』
 『さあすっきりするのぜっ!まりさの可愛い赤ちゃん産むのぜぇぇぇぇ!まりさ達のゆっくりした赤ちゃんを人間さんに見せつけるのぜ!』
 『きてええええ!まりさ来てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

 『『すっきりーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!』』

 まりさは自分でも気づかないうちに歯を食いしばっていた。
 あまりにも強く噛み締めたので、ねじの穴からヒビが広がって何本か歯が中央から折れてしまうほどだった。
 何だったのだ。
 今までの痛みは、苦しみは。
 信じていたのに。
 信じて耐えてきたのに。

 「じゃあエンドレスで流しておくから今夜はゆっくり楽しんでいってね!」

 まぶたが固定されて、どのみち目を閉じるどころではないのだが。
 まりさは血走った目で画面を凝視し続けた。







 「お兄さん、まりさはゆっくりしないで全部言うよ。このおうちに居るれいむ達がまりさの家族なんだ」

 翌日お兄さんがやってきてテレビを片付けていると、まりさはまるで憑き物の落ちたようなさっぱりとした表情で
 あっさり告白した。

 「なんだってー!?それは全然気づかなかったなあ。早速れいむ達をここに連れてこないと」

 お兄さんはそれはもうわざとらしく棒読みで驚くと、バタバタと部屋を後にした。
 ドアを閉め終えたお兄さんの口は勝った!といわんばかりにニヤリと邪悪に歪む。
 お兄さんがなぜ虐待にここまで回りくどい事をしてきたのか。
 『善良なゆっくりがどこまで堕ちるか』見てみたかったのだ。
 そのために地面を耕し、種を植え、水をやり続けた。
 その結果、満足のいく狂気がまりさの中で大輪を咲かせたのだ。

 「れいむ、まりさすごく頑張ったんだよ…。ちびちゃんたち、お父さんもう疲れちゃったよ…。
 もう…もう…、うふふふふふふうふふふウフフフふふふふふふふあはははははアハハハハハハハ」













 に続きます。


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最終更新:2009年06月10日 20:22
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