まりさの誤算

自分の作品の「赤ちゃんのゆっくり返し」のその後を、fuku6542にて書いてくださって嬉しい限りです。
このままもらいっぱなしでは悪いので、
こちらもfuku6552の「寄生」のその後を勝手に考えてみました。

※元作者様に無許可で書いた作品なのでwikiに保管の際は投棄所にてお願いします。


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まりさの誤算
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先日にんっしんっをうまく使ってとってもゆっくりできたまりさ。

「ゆぅ…最近どうもゆっくりしてないんだぜ…」

れいむをこき使ってのゆっくりとした日々があまりにも輝かしかったのか、
がんばって狩った芋虫を食べても全然しあわせーな気持ちになれません。

「こんなものなんかハチミツさんに比べたら全然ゆっくり出来ないんだぜ…」

しあわせーな気持ちになれないからいくら食べてもお腹が空いて力が出ない。
力が出なかったらしあわせーなご飯が食べれなく、
ご飯が食べれなかったら力が出なくて…のゆっくりできないスパイラル。
このままではずっとゆっくりしてしまう!

「どうすればいいんだぜ…ゆ!」

まりさの頭の上に電球マークが光りました。

「そうだぜ!またにんっしんっをしてゆっくりしてやるんだぜ!」
「ゆゆ?」


にんっしんっしてゆっくりしてやると考えていたところに、
ありすがゆっくり散歩しているのが見えました。

「れいみは十分たんのうしたから次はありすでゆっくりするんだぜ!」



*****



「ゆっくりしていってね!!」
「ゆっくりしていってね!!」

「あら、とかいはなまりさね!ありすになにかよう?」

「まりさとずっとゆっくりしてほしいのぜ!!」

「でんげきこくはくなんてとかいはねえ!ずっとゆっくりしましょう!」


と二つ返事でめでたくカップルとなったまりさとありす。
まりさはありすの巣にお邪魔して計画を実行に移します。

「ありす、赤ちゃんがいるともっとゆっくりできるんだぜ!」
「とかいはなかんがえね!さっそくすっきりしましょう!!」


これまた二つ返事ですっきりが開始。
この前までにんっしんっしていてすっきり出来ずにたまっていたまりさを、
ありすの愛がやさしく包みこみます。

「これがとかいはの実力なのかだぜえええええぇぇぇぇぇ?!」
「ぽっちゃりまりさのおはだすべすべできもちいいいぃぃぃ!!」


そして絶頂。

「「んほおおおおおぉぉぉぉぉ!!すっきりーーー!!」」



*****



数日後。
当初の予定通りまりさはお腹に赤ちゃんを身ごもり、
お腹を揺らしながらありすと語り合っていました。

「まりさ様のおなかのおちびちゃんはすごいのぜ?」
「とかいはなおちびちゃんにそだつといいわね!!」


(ゆっへっへ…第一段階は成功なのぜ!
これでまりさに似たおちびちゃんが産まれないようにすれば…)

「ふんっ!」
「まりさ?どうしたの?だいじょうぶ?」
「ゆ…心配ないのぜ!これはお腹のおちびちゃんが元気に育つおまじないなのだぜ!」
「そんなこともしってるなんてますますとかいはなまりさね!」


(これでもうまりさに似たおちびちゃんが産まれないのぜ!
産まれるまでゆっくりパラダイスして、産まれたら育てがいがないとか言って逃げて、
またにんっしんっして…ゆふふふふふふ!!)



*****



一方そんな黒い野望を秘めているまりさのお腹の中では、
先ほどのおまじないのおかげで、
誰からも忘れられている赤ちゃんれいむがゆっくりと目を覚ましました。

「ゆぅ………ゆぅ……ゆぅ………」
「ゆっくちちていってね!」
「あれ?おかーしゃんはどこ?」

きちんとごあいさつできたのにお母さんは何も言ってくれません。

「ゆ?おねぇーしゃんいもーとしゃんどこにいるの?」

周りを見回しても一緒にいるはずの姉妹が見えません。
ああそうか、れいむはゆっくりしすぎたから出遅れちゃったんだ。

「れいみゅゆっくちねぼしゅけしゃんだね」

お腹の中ではとってもゆっくりできますが、
一人ぼっちでは寂しくてあんまりゆっくりできません。

「れいみゅさびちいよ…」
「ゆゆ??」

赤れいむがお腹の中のあるものに気がつきました。
それは、「ゆぅ…ゆぅ…」と声のもれるまだ小さいゆっくりの赤ちゃん。

「これはゆっくちちているれいみゅにおかーしゃんからのぷれぜんとだね!
ゆっくちむちゃむちゃするよ!」

まだお飾りが出来てないものですから、
赤れいむはおまんじゅうだと思ってしまいました。

「むーちゃ♪むーちゃ♪ちあわちぇ~♪」

しっとりとした皮をプチっと噛むと、
中からジュワっとやわらかいカスタードが飛び出して、
赤ちゃんれいむをやさしくなでます。


「とっちぇもゆっくちできたよ!おかーしゃん、ありがとう!」

よく見るとあまあまさんはたくさんありました。

「まだまだたくしゃんあるね!ゆっくちたべりゅよ!」



*****



そしてまりさがにんっしんっから…。


「はぁはぁ…まりさ…ごはん…とってきたよ…」
「遅いんだぜ!ありす!!」
「ごめんね…いっしょに…たべましょ「むっちゃマジうめぇ!!」…」

「ん?今のはおちびちゃんの声なんだぜ?」
「そうなの?おちびちゃんがしあわせーでよかった!」

(おちびちゃんって言えばすぐ元気になりやがるのぜ!
ちょろいもんだぜ!)

「ゆゆ?またお腹が減ってきたんだぜ?きっとおちびちゃんはむしゃむしゃし足りないのぜ!
ありすはもう一回狩りに行くのぜ!」
「うう…」


ありすの取ってくるご飯を貪り食う毎日。
まりさの思惑通り事が運んでいました。


(毎日同じものを食べてたら飽きてきたのぜ…。
そうだ!またハチミツさんを取ってきてもらえばいいんだぜ!
おちびちゃんが食べたいって言えばイチコロなのだぜ!)


「ねぇありす、おちびちゃんがハチミツさんをたべたいってゆぐぐぐぐ??!」
「まりさ!どうしたの!!」

まりさのお腹の辺りに走るジンジンとした痛み。
それはもうすぐ赤ちゃんの産まれることの知らせ。


(おかしいんだぜ!おちびちゃんはもっとゆっくり産まれてくるものだぜ?)


「ゆく゛く゛く゛く゛く゛く゛く゛く゛く゛!!!」
「まりさがんばって!とかいはのおちびちゃんのために!!」

「ゆ゛!ゆ゛!ゆ゛!うばれるう゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!」


ポンッ!

「ゆっくりしていってね!!」

赤ちゃんにしては大きく、まるでまりさのお腹がそのまま赤ちゃんになったかのよう。

「まりさ…これって…」
「ど…ど…」

せっかく産まれたのに喜びもしないで曇った顔をする親たちに、
ゆぅ?と不思議に思う顔をする赤ちゃん。


その頭に、赤いリボンをつけて。


「どぼじでれいぶがうまれでぐるんだぜえええぇぇぇ??!」
「どういうことなの…ゆっくりおしえてね?」

「ようやくおかーさんとおとーさんにあえてれいむうれしいよ!」
「いなかものはだまってて…」


赤ちゃんはどちらかの親に似た姿で産まれてくるもの。
まりさとありすではれいむに似た赤ちゃんが産まれてくることはありえません。
つまり…。


「ありすのしらないあいだにれいむとすっきりしちゃったの…?」
「これには…深いわけが…」


「しりがるでとんだいなかもののまりさね!!」

まりさはれいむとの赤ちゃんを育てるためにありすを利用したのか!!
こんなやつのために毎日ご飯をあげていたのか!!

そんな強い怒りがありすを動かす。
狩りのせいでボロボロに擦り切れたあんよで、
毎日とてもゆっくりしてツヤツヤのまりさを踏みつけます。

ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!

「いだい!いだい!ぶまないで!!まりさをぶまないでえええぇぇぇ!!」
「よくも!ありすを!もてあそんで!!」

出産で弱っているまりさに鍛え上げられたあんよが容赦なく襲いかかります。

ドスッ!
ドスッ!
ドスッ!

「これいじょうぶまれだらまりざじんぢゃうううぅぅぅ!!」
「あらそう、どうぞくごろしはゆっくりできないわ」

ありすがあんよをどけるとそこには辺りに餡子を撒き散らして平らにへこんでしまったまりさがいました。

「ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…ゆ゛っ…」
「いなかもののまりさはそこでずっとゆっくりしてなさい!!」

ありすはそう言い残すと巣を出て行ってしまいました。



*****



そして巣に残されたまりさと産まれたばかりのれいむ。

「ぐ…る…ぢ…い…」

「ゆゆ?おかーさん!おとーさんはどこへいっちゃたの?」

「なんで…お前が産まれて来るんだぜ…?」

「ちょっとおなかのなかでゆっくりしすぎたよ!」
「ゆっくりしすぎでごめーんね♪」

「そんな…」



「ゆゆ?れいむゆっくりりかいしたよ!
おとーさんはおかーさんとおうまさんごっこしておなかがへったからかりにいったんだね!
おかーさん!こんどはれいむとおうまさんごっこしようね!!」

「まりさは…おまえなんて…うみたく」

ボイン!
ボイン!
ボイン!

「ぼいーん!ぼいーん!しあわせ~♪」

「ゆべっ!ゆべっ!ゆべっ!」

たとえ産まれたばかりでも十分ゆっくりしてきたので、
それなりのサイズを持つ赤れいむの与える衝撃。
それはありすに踏まれて満身創痍のまりさにとどめをさすのに十分でした。


「ゆ゛っ…………………ゆ゛っ…………………」

皮が黒ずんで、目から口から、まりさの持つ穴すべてから餡子がもれていきます。


「あそびつかれたかられいむゆっくりおなかがへってきたよ!」
ゆゆ?こんなところにあまあまさんがあるよ!おかーさんゆっくりしてるね!」

「ぞれは…まりざのあんござん…」

「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪」

「あ゛あ゛あ゛…もっど……ゆっぐぢ………―――」



赤ちゃんを利用してきたまりさは、
その赤ちゃんによってずっとゆっくりしてしまいました。




*****



「おなかいっぱい♪
ゆゆ?れいむなんだかねむくなってきたよ!
あしたもいっぱいゆっくりしようね!おかーさん!!」

ようやくお母さんに会えて幸せいっぱいの赤れいむ。
これからどんなことをしようか。

(おかーさんのなかでうまれたらたくさんゆっくりできることがあるってれいむしってるよ。
すりすり、ぺろぺろ、むしゃむしゃ、くんくん、ぱしゃぱしゃ、ころころ、そろーりそろーり、
ほわほわ、すぃー、おそらをとんでるみたいー………ゆっくりたのしみだね!)



ここから始まる素晴らしいゆっくり生活に心躍らせる赤れいむは、
両親を失ったことにまだ気がついていませんでした。








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これぞまさしくまりさの誤産。

………。

このたびは本当にありがとうございました!

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最終更新:2011年07月31日 16:21
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