「いだい、いだいよ!!」
「やめでー、もうやめでー」
「ままー、まま、どこー」
「れいむ!!れいむ!!」
「ゆぎぃ!!ゆぎぃ!!やめで!!」
巨大なすり鉢に
ゆっくり達は落ちて行く。
回転するすり鉢の内側には荒い紙やすりが貼られていて、ゆっくり達は死ねない程度に痛めつけられる。
運悪く仲間とぶつかったり、目に紙やすりが当たり、それが致命傷となるものもいるが
強引に抜け出そうとするものもいる。すり鉢と言っても傾斜はとても緩やかだ。
ゆっくりでもがんばれば抜け出せる。運よく抜け出したものは仲間が傷つく様を見せ付けられるだけだが、
すり鉢の回転が止まり、ゆっくり達がすり鉢から這い上がってくる。
抜け出した何匹かは仲間を労わり、傷を舐めてやる。
しばらくすると餌が運ばれてくる。動けるようになったものはまだ動けないものに優先的に餌を運んでやる。
運ばれてくる餌の量は多い。群全体に行き渡り、なおかつ備蓄ができるぐらい貰える。
今日は大きく負傷したものや死んだものはいなかった。群の長のゆっくりれいむはそれを喜んだ。
「よくないよ!!」
ある若いゆっくりまりさが叫ぶ。周りのみんなの顔が青ざめる。
「めったなこといわないでね!」
群の長も若いゆっくりまりさを宥める。
まだ餌を運んできている兎がいるというのに。
「よくないよ!どうして、まりさたちがいじめられなきゃいけないの!!」
若いゆっくりまりさの周りからゆっくり達がいなくなる。
「まりさ、あやまってね。うさぎさまたちにあやまってね!!」
群の長は必死に若いゆっくりまりさに言うが、若いゆっくりまりさはがんとしてやめない。
「いじめるのはよくないことだよ!!」
一羽の兎が若いゆっくりまりさに近づく。
若いゆっくりまりさは逃げずに、身構える。内心、怖くて仕方なかったが、震えを押さえ兎を睨む。
兎は両手を高く広げ、若いゆっくりまりさに背を向け、ゆっくり達に語りかける。
「このゆっくりの言う事は正しい。我らはお前達を傷つけ、お前達から奪い、お前達に強いた。お前達は不当に扱われた!!」
他の兎たちがおろおろしだす。だが、この兎はやめない。
この実験はこういうものだ。常に状況が変化する。
「勇気あるゆっくりまりさはそれを君達に伝えた。君達はどうかこの勇気に答えるか、それとも」
兎が群の長を指差す。
「長の言う通り、我らへの服従、一方的で絶対的なこの支配を受け入れるか、選べ!!」
ゆっくり達がざわつく。村の長も若いゆっくりまりさも何が起こったか分からない。
「まりさのほうがただしい!!」
誰かが叫んだ。その後も同じ言葉が続く。
わあわあとゆっくりの群が騒がしくなり、
皆、ゆっくりまりさの周りに集まる
「選んだ。君達は選んだ。君達は我らの支配に反抗する」
「そうだよ。まりさたちはもうおまえたちにいじめられないよ!!」
「いいや、違う」
「ゆゆ!!」
「お前達が選んだのは反抗、それに対し我らの選ぶのもまた反抗。我らはお前達を撃退し屈服させまた支配してやる」
「ゆ!・・・のぞむところだよ!!ゆっくりかくごしてね!!」
鼻息荒く、若いゆっくりまりさは言い返す。
「ならば我らと君達に垣根は無い。ルールも、慈悲も、我らと君達はこれより対等な敵同士だ」
そう言い放つと兎は群の長であるゆっくりれいむを踏み潰した。
「絶対にお前達を屈服させてやる。屈服しない奴は全員殺す。酷い言葉で罵って声も出ないほど痛めつけて家族や友人の前で惨めに殺してやる!!」
兎は大声で怒鳴り散らす。それでもゆっくり達は挫けなかった。
若いゆっくりまりさの元、自分達の活路を見出すため、立ち上がったのだ。
目は希望に溢れ、声には力強さがある。
「お前達が私を睨む目を抉り出してやる。お前達が私を罵る声を奪い取ってやる。お前達にお前達が弱者である事を思い出させてやる!!」
そう喚くと兎は部屋を出て行った。他の兎たちもそれに続く。
扉は閉まらない。いつも堅く閉ざされていた扉が閉まらない。
「あそこからにげれるよ!!」
ゆっくりれいむが言う。
「まって!!」
それを若いゆっくりまりさが制止する。
「きょうはきずついてるこもいるよ。きょうはゆっくりしようね」
みんな、新しい群の長に賛同した。
「やってくれたわね」
八意永琳に前に三羽、兎が並んでいる。
二羽はしゅんと項垂れているが、一羽は反省の色すらない。
「申し訳ありません。永琳様」「本当に言葉もありません」
「いいのよ。あとは私が対処するわ。あなた達は下がって良いわよ。ただし」
永琳は一度ため息をついてから続ける。
「てゐ、あなたは残りなさい」
二羽の兎はてゐを庇おうとするが、別に咎める訳じゃないという永琳の言葉を信じて退室した。
「さて、ご苦労様、重畳ね」
「敵を欺くにはまず味方から」
「では、次の段階に移行して。あなたの裁量で良いわ。別に全滅でも構わないから」
「じゃあ、永琳様に協力して欲しい事があるんです」
てゐはクスクスと笑い。永琳に耳打ちする。永琳もつい口元が緩む。
「分かったわ、責任重大ね」
ゆっくり達は身体を休めていた。
そこへ一人の女の人がやってくる。
「助けてください!」
そう言うと、女の人は倒れこんだ。
「ゆゆ?どうしたの、おねーさん」
「だいじょうぶ?ゆっくりよくなってね!」
興味があるのか、元気なゆっくりは女の人を取り囲み声をかける。
「ああ、ゆっくりさん達、この群の一番偉い人は誰ですか?」
「まりさだよ」
後ろから声がする。ゆっくり達は新しい群の長のために道を明ける。
「あなたが」
「このむれのおさのまりさだよ。どうしたの?」
「聞いてください。私も兎たちに苛められていた哀れな人間なんです。今、私は隙を見て逃げ出してきたんです。どうか助けてください」
「ゆゆ?おねえさんたちのむれはどうなったの?」
「私以外、誰も・・・」
「ひ、ひどい!!」
「ドアが開いているという事はあなた達も兎と戦う事にしたんですね?」
「そうだよ。まりさたちはたたかうんだよ!!」
「餌が運ばれなくなります。そこの対策は大丈夫ですか?」
「たくわえがあるよ」
そう言うと群の長は部屋の隅にある餌の方を向いた。
「ええ、あれだけあれば。ですが、武器はありますか?」
「ぶき?ぶきはないよ・・・」
「では、兎たちがもう使っていない武器庫があります。私に案内させてください」
「ゆゆ?!いいの?」
「ええ、そこには食料もありますから、戦いには必要でしょ?」
「ありがとう。おねーさん、ゆっくりあんないしてね」
ゆっくりまりさと数匹のゆっくり達は女の人の案内で武器庫に辿り着いた。
辿り着いたと言っても、ゆっくり達がいる部屋の二つ隣の部屋なのだが、
「これが武器です。さ、銜えて」
武器、スポーツチャンバラで使うようなエアーソフト剣だ。
ここに置いてあるのは長剣と言われる刃が100cmあるものと、小太刀と言われる刃が60cmある奴だ。
長剣は大柄なゆっくりや力のあるゆっくりでないと振り回せないだろうが、小太刀なら比較的力の弱いゆっくりでも振り回せるだろう。
他にも刃の短い短剣や柄の長い槍や柄の両端に刃がついている棒や杖、あと盾もあるがここには置いていない。
ゆっくり達がそれを銜え、振り回す
「これならかてそうだよ!!」
「そう、私は別の部屋で仲間を探すわ。あなた達もがんばってね」
「うん、おねーさんもがんばって」
女の人は廊下の奥へ消えていった。
群の長達も部屋に戻る。群の長達が戻り仲間に武器を行き渡らせた頃にはもうみんなすっかり疲れ果てていた。
「ゴールデンラズベリー賞でした」
「あら、そう、次も主演でお願いするわ」
てゐと永琳がハイタッチを交わす。
「次は私達の番だから」
「ええ、がんばってね」
てゐは永琳を見送ると、他の兎たちに檄を飛ばす。
「もう少しでこの実験室と廊下は消灯となる。我らはその闇に乗じて奴らを撃破する」
他の兎たちはみな防具とゆっくり達と同じエアーソフト剣を持っている。
閉所での同士討ちを防ぐため、長い得物ではなく小太刀か刃が45cmの短剣、それに盾を持っている。
「これは卑怯か?否、我らは奴らより多くの選択肢を持ち、我らは奴らより冷徹な選択ができた。ただそれだけである」
廊下の明かりが消え、兎たちの得物を持つ手に力が入る。
「我らは兎、うさぎうさぎ何見て跳ねる。バカなゆっくり見て跳ねる」
てゐ達、兎は消灯から2時間後、偵察兵に部屋の様子を探らせた後、襲撃を決行した。
夜行性の兎にとって闇は敵ではない。
息を殺し、ゆっくりに近づき、剣を振り上げる。
てゐが挙げていた手を降ろすと同時に剣も振り下ろされた。
「叩け!!我らが敵を叩きのめせ!!」
てゐが叫ぶと、兎たちもそれに続く。
酷い言葉でゆっくり達を罵り、激しい言葉でゆっくり達を脅かす。
「この無能が!」「お前達が私たちに勝てるものか!」「餡子うめぇ!!」「どうだ、痛いだろ!!」
「鈴仙、好き、愛してる!!」「油断したな、バカが!」「痛がれ、もっと痛がれ!」「逃げろ、地べたを這いずり回れ!!」
「思い知れ!!」「ほら、こうだ。お前なんてこうだ!!」「おい、お前何食ってんだよ!!」
「おりゃ!!」「さっき鈴仙好きって言った奴誰だよ。表出ろ!!」「だから、お前、食うなって!!」
ゆっくり達は闇雲に逃げ惑うばかり、しばらくすると。
「よし、引き上げるぞ。バーカ」
「バカ」「アホ」「マヌケー」「餡子美味しかったよ」「能無し」「鈴仙抱いて」「また来るからな」
口々に好き勝手言い、兎たちは部屋を去った。
明かりが点く頃になり、ようやく被害が分かってくる。
身体を齧られているものもいるが、その他は案外無事だった。
あるものは残り傷ついたものの治療をし、あるものは武器庫に餌を取りに行った。
するとそこへ、またあの女の人がやってきた。
「まりさ、調子はどうかしら?」
「きのう、くらいうちにこうげきされたよ」
「あなた達、このドアの閉め方を知らないの?」
ちょっとまってね。と女の人はドアの隣の壁を調べ始める。
「あったわ。これよ」
カバーを外すとそこには赤いボタンがあった。
ボタンの位置はちょうどゆっくりの口当たりの高さだ。
「これを押せば」
女の人がボタンを押す、するとドアが閉まった。
「ね、このボタンで閉めれば外からは開けられないわ。寝る時はこれを使って」
「ありがとう、おねーさん」
「どういたしまして、じゃあ、私は行くわね。あなた達もがんばって」
女の人はまた廊下の奥に消えていった。
昼ごはんをみんなが食べ終わった頃、
防具と長剣、それに盾で武装した兎たちが部屋にやってくる。
「ゆゆ!!またきたな!!」
兎の一羽が前に出る。
持っているのは長剣ではなく、長い棒でその先にはゆっくりれいむが括り付けられている。
「この者は我らに反抗し、一方的な敗北をした無能な群の長である。この群れは自分達の行いを反省し、我らに服従しその証として長の命を差し出した」
ゆっくりれいむが泣き叫ぶ。まだ死にたくない。もっとゆっくりしたいと、
「我らは寛大にもこの者の処断のみで、我らに反抗した群を許した。お前達も寛大な我らの慈悲を賜りたければただちに降伏せよ!!」
「やめで、れいむはわるぐないよ!!わるいのはうざぎだちだよ!!」
それを見ていた兎たちは口々にゆっくりれいむを罵倒する。
「こいつ敗北者の分際でまだ言うか」「お前達は負けたのだ。お前達の命は我らのものだ」「弱者が強者に逆らうからだ」
「やめてね。そのれいむをはなしてね」
「敵の言う事なの聞くものか!!!」
長い棒を持っている兎は一際大きな声で怒鳴る。
群にいた赤ちゃんのゆっくり達はみな泣き始め、子どものゆっくりの中にも泣いてるのがいた。
「お前達は我らの敵だ。敵なら敵らしく我らを殺して、このゆっくりれいむを奪い取ってみろ!!」
長い棒を持った兎がそう言うと、他の兎たちが剣を構える。
「慈悲だ。今回は我らから攻撃はしない。ただし、そちらから攻撃すればこちらとて容赦はしない!!見ていろ!!」
兎は持っていた長い棒を振り回す。
「やめで!ゆっぐりでぎない!!もっどゆっぐりじたい!!」
「ゆ!!」
群の長は剣を持ち飛び出そうとするが、それをゆっくりパチュリーに止められる。
「むきゅー、まりさ、まってね」
「パチュリー、はやくしないとれいむが!!」
「まりさ、ここでたたかったらあかちゃんたちもきずつくわ。あのれいむはむれのこじゃない。がまんしてね」
「パチュリー・・・」
「みんなつらいし、みんなとびだしたいけど、がまんしてね」
兎はそんなやり取りに目もくれず、棒をまわす。
「やめで、だずげで、だずげて!!」
剣を構える兎たちに隙は無い。
「ゆぐぅ、ゆ・・・ゆげぇ!!」
餡子を吐き出してもまだ止められる事のない回転、
反抗してこないと分かると、兎たちは構えるのをやめる。
そして、ゆっくりれいむへの罵声を続ける。
「弱者に死を」「反逆者に死を」「能無しに死を」
回転が止められた頃には、ゆっくりれいむは餡子を吐きすぎて絶命していた。
もっとゆっくりしたかったと無念の言葉すら言えずに。
「我らの怒り、とくと見たか、我らの怒りの矛先、次はお前らに向くぞ!!」
そう言い放つと兎たちは帰っていった。
「ど、どうしよう、まりさ」
「ゆっくりあやまろうよ」
「なにいってるの、たたかって、れいむのむねんをはらそうよ」
「そうだよ。あんなやつらにぜったいまけないよ」
群れは二つのグループに分かれてしまった。
「ゆっくりきいて!!」
そこへ群の長である若いゆっくりまりさが大声で語りかける。
「まりさはみんながうさぎにあやまりたいなら、さっきのれいむみたいにころされるよ!!」
「ゆゆ?いいの?」
「まりさ、だめだよ!!」
「でも、また、あんなひどいめにみんながあうのだったら、まりさはしんでもしにきれないよ!!」
まりさの力強い声に、
「そうだ。うさぎをやっつけよう」
「う、うん、まちがってたよ。ゆっくりゆるしてね」
「まりさ、かっこいい」
みんなが賛同する。
「たたかおう!!」
「「「「「たたかおう!!」」」」」
その様子をモニターで見ている永琳はこの上なく楽しそうだった。
「本当に勝てると思っているのでしょうか」
鈴仙は心配そうにモニターを見つめる。
「元軍人の意見としては?」
一度ため息をついてから、鈴仙は言う。
「無理でしょう。てゐなら物理的、精神的に攻撃してきます。今はこのまりさ、求心力がありますが、結果が言動に伴ってこなければこの群の忠誠心は瓦解します」
「次はどんな計略で来るかしら」
「おそらくは内部から忠誠心に打撃を加えてくるでしょう」
「あれ、違うみたいよ」
「ええ?」
モニターにはてゐと武装した兎を十数羽ほど従えて部屋に入ってきた様子が映し出される。
『昨晩はゆっくり眠れたかね?』
マイクがてゐの声を拾う。
「あの子、ほんとノリノリですね」
「他の兎たちも感化されちゃってて楽しいわよ」
『よるはみんなねてるじかんだよ。ゆっくりできないの?!』
『何で夜に攻撃しちゃいけないの?バカなの?死ぬの?』
「いつにも増して口が悪い」
「あら、ここでやってしまうのかしら」
「たぶん、やられたフリをして油断させるんじゃないでしょうか」
『おまえたちはひきょうなことをしないとかてないんだね!!ゆっくりにげかえってね!!』
『全員、正面を睨みつけろ』
『ゆゆ、まりさたちがそんなのでこわがるわけないよ』
『全軍抜刀』
兎たちは剣を構える。中には二刀流のものまでいる。
『ゆゆ?!みんなけんをもってね!!』
『ゆっくりしすぎだな!!お前ら!!』
兎たちが一斉にゆっくりに襲い掛かる。
「あら、畳み掛けるみたいね。てゐにしては急ぎすぎかしら」
「じゃ、私はこれで」
「見ていかないの?」
「・・・いえ」
そう言って鈴仙は退室した。
迷い竹林の中、えーりん実験室の地下にはすっきりルームというものがあった。
そこにはゆっくりたちが集められていた。
「弱者のお部屋」と達筆な文字で書かれた部屋に因幡てゐはいる。
ここはゆっくりたちの反抗心を見る施設、
ゆっくりたちはここに弱者、被支配階級として連れて来られる。
「ちかのへやではゆっくりできない」
ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると、
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりたちにとって地下の部屋に連れて行かれる事は不幸となっていた。
「ゆべぇ!!!」
「もっどゆっぐりじぎゃ!!!」
「みゃみゃー、みゃみゃどぎびぃ!!」
「ゆっくりしげばぁ」
「もうやめで!ゆぎゅ!!」
「れいむのおめめ、みえなくなちゃった」
「むーしゃ、むーしゃ」
「まりさ、れいむをたべないでね!!」
「みんな、がんば、ゆぎゅ!!」
「こうさんするよ。ゆっくりしないでゆるしてね!!・・・ゆぎゃああああ!!」
一方的な敗北、
兎にまぐれで剣を当てても全く効果が無い。
対して、兎たちの一撃は全てが必殺の一撃。
「まりさ、ぜぎにんどっでじんでよ!!」
敗戦濃厚となると一気に群れは瓦解する。
策など用せずとも、こうなる結果だった。
群の長である若いゆっくりまりさは同属から押し出され、前線に送られる。
「いました。こいつです」
「お前が群の長だな」
「そ、そうだよ!!」
「来て貰うぞ」
ゆっくりまりさは透明な箱に入れられ、戦場から持ち出され、
戦いを眺めている、てゐのすぐ隣に置かれる。
「見ろよ」
「ゆ?」
「お前を見殺しにする奴らの末路だよ」
「ゆゆ?!まりさがしねば、みんなはたすかるんでしょ?!」
「何言ってんの?約束?した?」
「だって、れいむは」
「ふーん、で、あんたとその約束した?」
「ゆゆ、ひきょうだよ」
「よく言われるし、それ褒め言葉」
しばらくすると戦いが終わる。一匹たりともゆっくりは生き残っていない。
ゆっくりまりさを除けば。
「さ、こいつを解放して引き上げるか」
透明な箱から投げ捨てられたゆっくりまりさ、
死体の転がる部屋に置き去りにされた。
「んー・・・」
紫はビデオを見ながら唸っている。
「あら、渋かったかしら?」
「いや、お茶は美味しいのよ。とっても」
「じゃあ、何か?」
「この映像よ」
「どうかしたの?」
「ちっともゆっくりが反抗してない」
「ええ、反抗なんてさせないもの」
「・・・」
紫は不満そうに煎餅を齧る。
「もっと反抗をさー。例えば貴女が殺されるとか」
「死なないもの」
「・・・てゐちゃん的にはどうなの?」
紫は隣でぶーたれてるてゐに話を振る。
「リテイク希望ー」
「えー、弱いものは弱いままで終わります。強者は常に傍若無人って感じで良いじゃない」
永琳は不満そうな二人に不満そうに言う。
「この前の群も、ゆっくりれいむを差し出して終わりにしたら。もっと傍若無人にって二人が言うから・・・」
永琳は続ける。
「均衡がいいのよね。せめぎあってて実は余裕で勝てるみたいな」
紫の言葉にてゐは何度も頷く。
「えー、それじゃ弱者の実験にならないじゃない」
強者達のお茶会は続く。
チルノの裏、独裁者ボタンの話の中でうちのSSが言われてたのが嬉しかったです。
感想も嬉しいですが、覚えてもらえるというのはこの上なく嬉しいです。
財布の中身が243円なのも忘れるぐらい嬉しいです。
by今日、銀行行かないとまた手数料取られる118
最終更新:2008年09月14日 08:31