※冒頭のみ


れいむとぱちぇりーには可愛い子宝が3匹いた

長女の子ぱちぇは、面倒見の良いお姉さん
次女の子れいむは、いつもおっちょこちょいだが家族を明るくしてくれる
末女の子れいむは、まだ赤ちゃん言葉も抜けない甘えん坊さんだ

夏のせせらぎで涼んでいる子供達を、寄り添う両親はうっとりと眺めていた

ゆっくりの寿命は短い
なぜならば簡素にしか作ることの出来ない巣に恐ろしい捕食者が侵入したり
思うように餌を集めれられなかったり、群れ同士のいざこざで命を落としてしまうからだ
大抵、巣立った成体は思うように生活できずに、家族もった者は食料を維持できずに
自然の厳しさと緩慢な性格から、長寿になる事は おろか子供を残す事すらたやすくない

しかしこの家族は 決して家族を見捨てず愛に溢れたれいむと
常日頃と最愛のれいむと家族が幸せになるように思いをめぐらした思慮深いぱちぇりーによって
すくすくと子供達は成長し 二人は今日までゆっくりと子供達と暮らすことが出来た

ぱちぇはもう子供を生む体力はない、れいむも腹部に追った怪我ですっきりする事もできない
外敵から逃げ、凍える冬を越し、少ない食べ物で助け合い、過酷な数ヶ月を生き抜いた最初で最後の家族
自分達はそろそろずっとゆっくりする頃だろう
親しい知り合いはいないが、悲しんでくれる子供達がいる
きっとただの餡子の塊となって、この世界から消えてしまうだろうが
子供達の心の中で自分達は生き続ける
可愛い子供達、自分達の知識と愛を注いだ子供達
きっと賢く逞しく育って、孫を ひ孫を成していくだろう

最愛の恋人と子供達に囲まれて、まるで天に昇るような母れいむだったが
本当に空を飛んでいた



「ゆぅ~?」

変な感触を感じてスィーから降りた成体まりさは辺りをうかがった
楽しく川辺をドライブしていたのだが
お気に入りのキノコを食べ過ぎたのだろうか
アレは味は不味いが、食べるとハイになる貴重なものだ
その時のテンションなら美れいむでも美ありすでも落とせる気がしてくる
そんな素敵ナンパ計画を練っていたのに、勢いを崩すとはゆっくりできないな

「ゆぐぐっ ゆぎぎぃ」

小石かなんかに衝突したと思っていたまりさだが、思いもしない結果に驚いた
背中をへこませ痛みにのた打ち回っているれいむがいたのだ

「ゆん! まりささまのじゃまをするからいけないんだぜ…」

とれいむに聞こえない声でつぶやくと
ああ、このれいむが半端に怪我をしたら生涯面倒を見ないといけないのか
皮を見る限りだいぶくたびれているし、もっと若いれいむがいいなぁ
とりあえず助けずにこのまま死んでくれれば良いが

「ゆんっ ふーっ ふーっ」

まりさはスィーについた返り餡を落として再び乗り込んだ
すると痛みから立ち直ったれいむは這って川のほうへ近づいた

「ぱ ぱ ぱぁちぇりぃぃいいいい!!!!」

れいむの視線の先には成体ぱちぇりーがいた。大方友達か恋人だろう
そのまま入水心中すればいい
まりさは事故で覚めてしまった餡子脳にカツを入れるため
再び帽子の中のハイになるキノコをむしゃぼり食べ始めた

「で、でぃぶぅうううう!!! がぼがぼかぼっ」
「いまれいむが たすけてあげるからね!」
「ぱ、ぱちぇはいいがらぁあ! ごどもだぢを だずげなざいぃ!」
「ゆぅぅうう!? おおおおおぢびじゃんだぢぃいいい!!!?」

ぱちぇは比較的近い所に吹っ飛ばされたため、すぐにれいむに咥えられて浅瀬に戻されたが
軽い子供達は遠い中州の方まで流されていた

「おぎゃあああじゃああああああん!!!!」叫ぶ次女れいむ
「おみじゅ きょわいよぉおおおおおおお!!!」波に飲まれる末女れいむ
「おぢづぎなじゃいいい! ままが だすげにぎでっ ぐれっ がぼがぼがぼがぼっ」溺れている長女ぱちぇ

れいむは己を省みず川へ突っ込み、頬を膨らまして浮き輪状態になって子供達を助けようとした
しかし泳ぐことは出来ず流れに頼るだけの母れいむは直ぐに岸へと戻されてしまう

何回も何回も繰り返すが

「あきらめじゃだべよ! かぼぼっ おねーぢゃんがら ばなれないでねぇ! ゆぐぼぼぼっ」

長女は髪を妹達に加えさせてなんとか流れている流木を使いながら耐えている

「むきゅううう ぅぅうう …もうやだぁ!! おうぢにがえりだいよぉぉ!」

ついに泣き叫ぶ長女を皮切りに、次女れいむはふやけた部分から体が捻りきれて川底と水面に体が分離された
末女は溶けて表情のない皮だけが浮いていたが やがて散り散りになった
長女ぱちぇは 妹達の変わり果てた姿を呆然と見つめると、母れいむの視界に届かないどこかへ流れて行った

「ゆあああああああああああ!!!!! でいぶの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」
「むきゅううううううううう!!!!! ぱちぇの おぢびじゃんだぢがぁああああ!!!!!!」

かけがえのない子供達が藻屑となっている
おお、ひげきひげきなんて思いながらまりさはキノコを完食した
自分のナンパライフを邪魔した、家族の愉快な末路を見て
ノリを取り戻したまりさはスィーを転がし始めた

「ゆ?」

どうやら故障してしまったらしい
なんてこった、あんな喜劇ショーとじゃ割に合わない
せっかく誰かの巣で拾った まりさのスィーだというのに
動かないスィーに体当たりをすると、謝礼を請求しに夫婦に近寄ろうとする
いつのまにやら夫婦の慟哭を耳にして駆けつけていた他のゆっくり達がいた

「だいじょうぶ れいむ? ぱちぇりー?」
「おちびじゃんがぁああ! おちびじゃんがぁあああ!!!!」
「わかるよー かなしいんだねー でも おちつくんだよー」
「みょーん! みょんみょん!」

なんだよ、野次馬かよ
毒ついたまりさはスィーを乗り捨てて
山で例のキノコでも補充にでもするかとその場を離れようとした

「ゆぎぃ! あいつだよ! あいつが れいむとぱちぇの おちびちゃんたちを!!!!!」
「わかるよー うわさの ぼうそうまりさだねー」
「ゆうかりんは みていたわ! あいつが れいむたちを はねたのよ!」

やべぇ バレてる
だったら子供達でも救助して善人のフリでもすればよかったぜ
スィーも故障しており、ココから逃げることも出来ないまりさは一つひらめいた










とココまで考えました

もしよかったら、好きに続きを書いてね!!!

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最終更新:2022年05月06日 23:13