ジリリリリリリリリリリリ!

 唐突に部屋に響く目覚まし時計の音。
 お姉さんは夢の世界から強引に呼び戻され、次の瞬間にはいつもの天井をぼんやり眺めていた。
 せっかく赤ゆっくりたちと楽しく遊んでいたのに。
 お姉さんは夢に見るほど赤ゆっくり…動き回って喋る不思議饅頭、の赤ん坊が好きだった。

 あのつぶらな瞳が大好きだった。
 そのつぶらな瞳に宿る無邪気な輝きが大好きだった。
 舌っ足らずな喋り方が大好きだった。
 甘えん坊でわがままな所が大好きだった。
 小さくて脆くてすぐ壊れてしまう所が大好きだった。
 とっても甘いくせに後味がしつこくない所が大好きだった。
 とにかくとにかく、大好きだった。


 激務の合間にもぎ取った、実に久しぶりの休日。
 もう少しだらだらと惰眠を貪っていたいけれど、この日に合わせて仕込んだものが待っている。
 お姉さんはのそのそとベッドから起き上がると、寝室から廊下を歩いて洗面所に向かう。
 ゆっくり模様がプリントされたパジャマと下着をいそいそと脱いで脱衣カゴにいれると、浴室の引き戸をガラガラと開けた。

 朝風呂?

 いいえ。
 赤ゆ風呂です。

 「れいみゅおうちにかえる~~」
 「みゃみゃ~!とかいはなありしゅはここなのよ!はやくむかえにきなしゃいよ!」
 「むきゅぅぅぅエレエレエレ」
 「ぱちゅり~~しっかりしゅるのぜ…」

 浴槽の半ばまでプチトマトサイズの赤ゆっくりたちがひしめいており、各々好き勝手なことを言っていた。
 喋れるのはまだ幸運なほうで、きっと底に近い赤ゆっくり達は全然ゆっくり出来ていないに違いない。
 お姉さんが昨夜眠る直前に『業務用冷凍赤ゆっくり特大袋』を6袋も投入し、一晩経過して自然解凍された結果がこれだった。

 「みんな、ゆっくりしていってね!」
 「「「ゆ、ゆっくちちていってにぇ!」」」

 既に休日のお約束となった光景に満足げに微笑むと、赤ゆっくりたちを踏み潰さないように細心の注意を払いながら
 片足ずつ浴槽の底面に着地していく。

 両足のひざのすぐ下まで赤ゆっくりに埋まったお姉さんは

 「えいっ♪」

 という掛け声とともに赤ゆ風呂にしゃがみ込んで浸かってゆき、赤ゆっくり達は形の整ったまさに桃尻に次々と潰される。

 「ゆぎゃっ」
 「ゆべべっ!」
 「もっどゆっぐり゛じだがっだ……」

 柔らかな重みで破裂し、中身をぶちまけその命を散らしてゆく。

 「ふぃ~~~~~~。ごくらくごくらくぅ」

 肩まで、とはいかずに胸元まで赤ゆっくりに埋もれて、お尻や背中で押しつぶした赤ゆっくり達の感触を、耳でその短いゆん生の断末魔をしばし楽しむお姉さん。


 「お゛ね゛え゛じゃん゛!ひ゛どい゛ごどじな゛い゛でにぇ゛!」
 「まりしゃをここからはやくだすのじぇ!」
 「こにょいなかもにょ!みんにゃをはやくたすけなしゃい!そしてあまあまをもってくるにょよ!」


 ほとんどの赤ゆっくり達はおしくら饅頭状態で身動きが取れないか、浴槽という監獄から逃れようと絶壁に向かってピョンピョン跳ねるしか
 出来ないという状況で、その3匹は他のゆっくりを踏みつけてお姉さんの結構豊かな胸元あたりにたどり着き、抗議行動を開始した。
 お姉さんは3匹を右手でむんずと捕まえると、そのまま強く握り始めた。
 抗議は受け入れられなかったようだ。
 即死しないように微妙に加減をされて握られ、3匹仲良く口から中身を吐き出し始めるとお姉さんは鼻唄まじりにまるでそれをスポンジのように体ににこすりつける。

 「ふんふんふん♪ふんふふふんふ~~~ん♪」

 特に意味は無いであろうこの行為、意外と気に入っているのか3匹が皮だけになった後、また別の赤ゆっくりで2回ほど繰り返されるのだった。
 お姉さんの肌が餡子とクリームでぬるぬると包まれてゆき、なんとも言えない甘ったるい香りが浴室いっぱいに充満してゆく。

 それに飽きると次は、近くに居た赤れいむを一匹捕まえると優しく優しく頬擦りを始める。

 「すーりすーりだよ♪」
 「ゆぅああああああ!たしゅけ…て…?すーりすーり」

 最初は死の恐怖に泣き叫ぶ赤れいむだったが、暢気なことに数秒後には実にゆっくりしていた。
 お姉さんはすべすべの頬を楽しむと次は頭上に持ち上げ、たかいたかいで赤ゆをさらにゆっくりさせる。

 「ほーら、たかいたかいだよ~」
 「ゆゆゆぅ~!?おしょらをとんでるみちゃい!」

 お姉さんの指の先に、パァ~~~ッと音が聞こえてきそうなほどに笑顔の大輪が咲く。
 その次の瞬間。

 「そおい♪」
 「ゆ゛びゃ゛」

 もっとゆっくりしたかった、等と言い残す暇も無く指先でペラペラに潰される赤れいむ。
 お姉さんはそのあまりの単純さ、そのあまりの儚さに心臓が高鳴り身震いさえした。
 もっと、もっとよ。

 「さあまりさちゃんもありすちゃんも、すーりすーりして、たかいたかいしようね♪」

 次のターゲットはすぐ捕まり、お姉さんの両の頬で愛でられる。

 「やぁぁ!すーりすーりもたかいたかいもいやなのじぇー!…すーりすーり、しあわしぇ~~」
 「はなしなしゃいよ!このいなかも……すーりすーり」

 お姉さんのとてもゆっくりできる頬ずりに見事に魅了され、命の危険などとうに忘却の彼方。

 「ほーら、おそらですーりすーりよ♪」

 今度は頭上につまみ上げた赤まりさと赤ありすを、優しく優しくすりすりするお姉さん。
 産まれて間もない赤ゆ独特のもちもちとした頬と頬が、まるでくっついて一体化してしまうかのようだった。

 「ゆ~~~!おしょらをとんでしゅりしゅりなのじぇ」
 「とっちぇもときゃいはなしゅりしゅりよ~」

 2匹にとってそれは間違いなく、加工所で産まれて以来の最高にゆっくりした瞬間であろう。
 お姉さんにとっては、その次の瞬間こそが最高のひと時。

 「せいや♪」
 「ゆ゛ん゛っ!」
 「ぎゃ゛っぐ!!」

 餡子とカスタードの飛沫が、お姉さんの幸せすぎてゆるみきった笑顔に降り注ぐ。
 お姉さんは頬のそれをペロリと舐めとりながら、惚けた顔のまま次の犠牲者を選ぶ作業に戻る。

 そして時間が経過するにつれて、浴室を賑わせていた悲鳴や絶叫は次第に聞こえてこなくなるのだった。


 赤ゆ風呂をこころゆくまで堪能したお姉さんは浴槽からあがると、シャワーで体についた餡子やらクリームやらをきれいさっぱり流し落として
 後片付けをしないでそのまま浴室を後にした。
 浴槽内の赤ゆっくりの内、運良く生き残ったものが息絶えたものを食べてくれるからだ。
 他に食べるものが無いから。
 さらに運良く生き延びたものは、もう一つのお姉さんの楽しみに活用される。
 それは運が良いと本当に言えるのだろうか?
 更にもう一つ付け加えると、この赤ゆっくり蟲毒の期間中はシャワーしか使えないというのが欠点である。


 ゆっくりがプリントされたTシャツにパンツ一丁でお姉さんがやってきたのはキッチン。
 体の外側全てで赤ゆっくりを堪能した後は、体の内側で赤ゆを堪能するためだ。
 テーブルの上には胎生妊娠してぽってりとあごの下が膨れた成体ゆっくりありすが、プラスチックのまな板にあお向けで拘束されている。
 赤ゆっくり風呂を生き延び、赤ゆっくりだけを食べてここまで成長したゆっくりありす。
 今日この休日に、赤ゆ風呂の後のお楽しみにまさにうってつけの素材だろう。
 出産予定は本日の正午。
 長年お姉さんが培ってきた知識に狂いは無いはずだ。
 相変わらず上機嫌のまま鼻唄まじりに、そのありすの正面に白い皿と鈍く銀色に光るナイフとフォークを準備するお姉さん。
 最後に水の入ったコップを持って来て席に着くと、右手にナイフ、左手にフォークを携えて歌い出す。

 「ゆっくり~し~な~い~で~~♪うまれてきてね~~~~♪か~わ~い~い~♪あ~か~ちゃ~ん~~♪」

 そろそろ産気づいたのだろうか、苦しそうなありすが自分の腹部に向かって話しかける。

 「だめ゛よ゛!あ゛り゛ずのべいびーだぢ、ゆ゛っぐり゛う゛ま゛れ゛でごな゛い゛で!ぜっだい゛だめ゛よ゛!!」
 「はっ やっ くっ♪ あ い た い ♪ なっ♪ はっ やっ くっ♪ あっ そっ ぼ お♪ ねっ♪」

 お行儀悪くも両手のナイフとフォークの柄をテーブルにコンコンと当てて調子を取りつつ、お姉さんの調子はずれの歌は続く。






 その頃、胎内のべいびー達は。
 (ありしゅ、もうすぐうまれりゅよ!)
 (ありしゅもいっしょだよ!)
 (ゆゆ~?おうたしゃんがきこえりゅのじぇ)
 (すこしへんにゃおうたしゃんだけど、きっとみゃみゃがうたっているのだじぇ)
 (ありしゅのみゃみゃだもの、きっとすごくときゃいはなのよ)
 (ときゃいはなおうたね!ゆっくりできりゅわ)
 (それにしちぇも、でてくるにゃっていじわるなことをいわれてりゅのじぇ)
 (そんにゃことをいうやちゅはゆっくりしにゃいでしぬのじぇ!)
 (だいじょうぶ、みゃみゃがそんにゃやつやっつけてくれりゅわ)
 (みんな、ゆっくちうまりぇてみゃみゃにごあいさつしましょうにぇ!)

 仲良し4姉妹が見上げると、これから生まれ行く世界への出口がメリメリと姿を現してゆく。
 そこから見える文字通り光満ちた風景。

 (まじゅはありしゅおねえちゃんがいちばんのりよ!)





 母ありすの抵抗も空しく産道はとうとう開ききって、そこにはミカンサイズの赤ゆっくりありすが顔を覗かせる。

 「ゆっくち!ゆっくち!ありしゅがうまれりゅよ!」

 ポンッッッ!!

 しかしその行く先には、だらしなくよだれを垂らしたお姉さんが構えるフォークの先端。

 「ゆ゛びゃ゛っ゛」
 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!あ゛り゛ずの゛べい゛びーがぁぁぁぁあああ!!」

 ザックリと顔の中央を貫通され、わずかに痙攣するだけになる赤ありす。
 ここから先は時間の勝負。
 お姉さんはしたたり出る一滴のクリームも無駄にしないように用意した皿の上まで赤ありすを運ぶと、ナイフを器用に使って
 邪魔なカチューシャを除去し、食べやすいサイズにカットする。

 まずは一口。
 柔らかくも適度な弾力を備えた皮。
 噛み破るほどに内部から濃厚な甘みが舌の上に流れ出す。
 しかしそれは一時も留まらず、雪のようにはかなくサッと消え去ってしまう。

 「も~~!ありすちゃんってば最高!」

 たまらず残りもあっというまに平らげてしまうお姉さん。
 勿論、水で口の中の味覚をリセットするのも忘れない。
 そこにタイミングよく次の犠牲者が。

 「ゆっくち!まりしゃがうまれりゅのじぇ!」
 「だめ゛ぇ゛ぇ゛え゛!!う゛ま゛れ゛でごな゛い゛でぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!」

 ポンッッッ!!

 「の゛じぇ゛っ!!」

 姉ありすと同じく顔の中心を貫かれ、瀕死に陥る赤まりさ。
 お姉さんは先ほどと同じく器用にナイフとフォークを駆使して、赤まりさを一口サイズにし、唇で、歯で、舌で愛でると
 カスタードとはまた違った餡子の甘さが、粒餡の一粒一粒の歯ごたえがお姉さんの愛でに応えてゆく。

 「まりさちゃんも!負けないくらいにおいし~♪」

 みるみる赤まりさをたいらげ、口の端に餡子を一粒くっつけままで。

 「さあ!次はどっちなんだろう?お姉さんはやくあいたいな♪」








 「あ゛り゛ずの…とかいはなべい゛びーが…み゛ん゛な゛……だべら゛れ゛ぢゃっだ……。がえ゛ぜ!ゆ゛っぐり゛じな゛いで
 かえせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 結局おねえさんはこの日、極上の甘味をカスタード、餡子、カスタード、餡子というベストな順序で堪能したのだった。
 食事の後片付けを済ませ、ありすに注射器で『飼いゆっくり用精子餡:ゆっくりちぇん』を注入すると時計は昼の1時半過ぎ。

 「今度はカスタードクリームにチョコの組み合わせ~。次のお休みが楽しみだわ~♪」

 お姉さんは着替えると、ゴキゲンな様子で午後のショッピングにお出かけするのでした。








 ○最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

 今回はかなり肩の力を抜いて書いてみました。
 これくらいのが自分には向いてるんでしょうねえ。

 これまでに感想をくれた人に最大限の感謝を。

 ○過去に書いたSS
 ゆっくりいじめ系 2467週末の過ごし方
          2519この世の終わり
          2584UFOキャッチャー
          2728おとうさんがんばる

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最終更新:2022年05月19日 14:39