※これはドキュメント番組のような感じです
※人間は殆ど関わりません
※描写薄いです
ゆっくりプライド
ゆっくりは生活環境によりその住む形態も大きく違うと言う。
一般的に広く知られているのは家庭を作り、子を育てながら冬を越すというものである。
他にも蜂のように働く階級が決められており、それに沿った行動をするという群もあるという。
そこで、他の地域のゆっくりを見てみることとする。
「ゆゆ、もうすぐあかちゃんうまれるよ!」
ここにいるのはすっかり大人になりにんっしんっしたれいむ。
子供が出来たため、群から離れたと見える。
その体は下に大きく膨らんでおり、いまにも子供がでてきそうである。
「あがぢゃん!ゆっぐりうばれでぎでね!!!」
大体にんっしんっしてから10日から20日位だろう、そろそろ子供が生まれるようだ。
すぽ、すぽん、すっぽーん
「「「ゆっきゅりちていってにぇ!」」」
体の下のほうがみちみちと開き、3匹の子供が生まれた。
生まれたのはれいむが2匹とまりさが1匹。
舌っ足らずだが元気よく挨拶をしている。
「ゆっくりしていってね!」
生まれた子供に優しく挨拶をするれいむ。
ここまでは良く見る光景である。
「それじゃおかーさんはごはんをとりにいってくるからゆっくりここでまっててね!」
「「「ゆっくちわかったよ!」」」
子供が生まれてすぐだと言うのに、このれいむは狩りをするというのである。
それもそのはず、周囲は多くの小形動物が多くおり、またゆっくりの天敵と言う天敵もないのだから。
そのため安心して食事を集められ、それをすぐに消費しても問題ないのだ。
「ゆっゆっゆ〜ゆっくち〜」
「ゆっくしちようね!」
「ゆっきゅりだにぇ!」
のんびりと過ごす子供達。
親が食事をくれて、夜は皆でぐっすり寝て。
子供達は思い思いにゆっくりしたり、じゃれあいながらすくすく育ち、親と同じ位の速さで移動できるようになった。
「それじゃ、そろそろゆっくりむれへもどるよ!」
「むれ?」
「みんなのおとーさんやおともだちがいっぱいいるところだよ!」
「おとーさん!あってみたい!」
「それじゃみんなでいこうね!」
「ゆっくりいくよ!」
こうしてこの親子は自分達の群に戻る。
「ゆっくりいくよ!」とか言いつつも全力疾走で戻っていくのだ。
子供が置いてきぼりになるかと思ったが、この親子は頑張って1匹も欠ける事無く群へと戻ったようだ。
「ゆっくりしていってね!!!」
「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」
お決まりの挨拶をする親子。
「まりさがむれのりーだーだよ!まりさはむれでいちばんつよいんだよ!」
「ごはんはみんながあつめておとうさんのところにもってくるんだよ!」
ここでは雄役のゆっくり1匹に対し多くの雌役ゆっくりが囲うという生活体系がある。
言い換えるならハーレムとでも言おうか。
このまりさが群の中に居る他のゆっくりをにんっしんっさせていると言う訳だ。
「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」
「「「ゆっくりしていってね!れいむたちのおとーさんもまりさなんだよ!!!」」」
この群にはとても沢山のゆっくりが集まっていた。
しかしそれでも取れる餌が多く、また他のゆっくりがすっきりしないためにそこまで爆発的な繁殖はしないようだ。
「ゆっくりしていってね!」
と、ここに来客のようだ。
やってきたのはありす種。
「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」
群のゆっくりがそれぞれ挨拶をする。
「ありすはこのむれのまりさとしょうぶしにきたのよ!」
「このまりさにいどむの?おお、むぼうむぼう」
ゆっくり同士の勝負が始まった。
とはいえその戦い方はいたってシンプル。
「ゆっくりたおれてね!ゆべっ」
「ゆっくりまけないよ!ゆびっ」
体当たりをお互い繰り返し、先に力尽きた方が負けである。
べちべちと体当たりの音が当たりに響き渡る。
周囲のゆっくり達は勝負の行方をただただ見守るばかり。
「これでとどめね!」
「ゆゆ…ゆっくりこうさんするよ……」
数十分にも及ぶ体当たり勝負の行方はありすの勝利で幕を閉じた。
「これでこのむれはありすのものね!!まけたよわいまりさはゆっくりしないでこのむれからでていってね!」
「ゆっくりわかったよ……」
群のトップは戦いを挑まれたら受けねばならず、それに負けたほうは群れを諦めなければならない。
元群のトップはすごすごと群から退散していった。
「さて、それじゃはじめないとね」
不敵な笑みを浮かべるありす。
1匹1匹の元へ挨拶をしている。
「きょうからありすがここのりーだーだからね!ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
ありすの声に、群に戻ったばかりの子れいむが答える。
「あなたはあのまりさのこどもね」
「そーだよ!」
「げんきなおへんじありがと!ゆっくりつぶれてね!」
「ゆ?」
ありすが勢いよく跳躍する。
ぐちゃ。
子れいむはありすの下敷きになり、その短い生を終えた。
「ありすのこどもじゃないこはゆっくりでてきてね!」
この群では、群のリーダー以外の子供のゆっくりは全て潰されるのだ。
今回のようにリーダーが変わった場合は、子ゆっくり全てが殺されるという大虐殺が行われる。
「ゆわぁぁぁぁん!おがぁざぁぁぁぁぁん!!!!」
「どぼじでばりざをづぶずのぉぉぉぉ」
「ゆっぐじでぎないぃぃぃぃぃ」
次々と潰され、その度にありすに暴言を吐く子ゆっくり達。
「まりさがたおされたからしかたないよ、ゆっくりりかいしてね…」
「ちびちゃんのぶんまでゆっくりするからね…」
一方で悲しそうな目を向ける母親ゆっくり。
群の法則故致し方ないのだ。
そしてこのアリスは全ての子ゆっくりを完膚なきまで潰した後に、他のゆっくりに種付けを行う事になる。
そうする事で群を維持していく事になるのだからだ。
「ゆゆぅ…」
戦いに敗れたまりさは他の群を探す為に一人寂しく放浪する事になる。
元々雌役が狩りを行うこの場所において、雄役が生き残るには一刻も早く群を見つけてリーダーになるしかないのだ。
雄役は強くてなんぼなのだ、狩りが出来る出来ないはここでは関係ない。
そしてあまり虫を食べる事無く、お腹を空かせたまま遠くまで来てしまったようである。
「おなかへったよ…」
疲労困憊の上空腹となったまりさ。
「ゆぅ…あそこにおいしそうなものがはえてるよ…」
ふらふらと目に見える美味しそうなものに向かっている。
そこには何やら立て札があり、規則正しく作物ができていた。
そう、このまりさは人間の住処までやってきたのだ。
そして本能の赴くまま野菜に噛り付く。
「うめっ!めっちゃうめっ!」
その美味しさに一気に活力がみなぎってくるのをまりさは感じているのだろう。
一心不乱に野菜を貪っている。
元気になったらどこかの群を奪ってここを群の根城にしよう、なんて考えさえこのまりさには沸いてきているのかもしれない。
と―
「やれやれ…」
この畑の持ち主である男が現れる。
ゆっくりは普段はこの辺りまで来る事はないものの、時折こういったことがあるらしい。
男はまりさを摘み上げる。
「ゆ!しょくじをじゃましないでね!ゆっくりごはんをたべてるんだよ!」
「…これだから『害獣の王』とか呼ばれるんだよなぁ」
自らの要求を通そうとするまりさを、男は地面に思いっきり叩きつける。
べちゃ、という音と元々持っていたであろう訳の分からないプライドと共にまりさは物言わぬ塊と化した。
この地域ではゆっくりに『害獣の王』という不名誉な二つ名があるようだ。
場所や環境により、ゆっくりの生活方法は様々のようだ。
違う環境のゆっくりを取り替えて群に放り込んで見るのも面白いかもしれない。
生活に馴染むのか、それとも争いが起こりのけものにされるのか、はたまた群の仕組みを変えるだけの事が起こってしまうのか…
何にせよ、これだけいじるのに向いた存在もそうそう居ないだろう。
※この番組では、様々な生活体系をもったゆっくりの情報を募集しております。
採用された方には―
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「だってよ」
「ふーん」
TVを見ながら会話をする2人の男性は酒のつまみに子ゆっくりを口に入れていた。
「全く持って不可思議な奴らだ」
「ま、話のタネ位にはなるかもな」
男達は今日も仕事帰りの疲れをゆっくりと癒すのだった。
あとがき
名前を今まで決めてませんでしたが、ムラッけ木槌と名乗る事にします。
ここでいうプライドはライオンの群(プライド)の見立てとまりさのズタズタに引き裂かれたプライドの事です。
周辺に天敵が居ないっていう設定はよく見ますがそこをライオンのそれに置き換えてみて…
そしたらゆっくりできない逃れの同属殺しがあったものです。
ライオンに関わらず同属殺しの麗は多いですしね、ハムスターとか。
今まで書いたもの
博麗神社にて。
炎のゆっくり
ゆっくりを育てたら。
ありす育ての名まりさ
長生きドスの群
メガゆっくり
ゆっくり畑
益ゆっくりと害ゆっくり
ゲスの行き着く先
つかれたまりさ
噂・ゲスの宿命
ゆっくりすること
決断
くっつくよ!!!
ゆっくり勝負
最終更新:2022年05月21日 22:49