まりさの誕生 2の続きです
実はここからが本編だったり
そしてさらにカオス度が増すと思います
俺の明日は無い
ぱちゅりーは雪が降ってきたにもかかわらず巣を封鎖しようとせずに周囲一帯のゆっくりの巣を見回っていた。
「むきゅん、ここはだいじょうぶ?」
「ゆっ、ここはだいじょうぶだよ!そろそろ入り口をふさぐからまた春になったらゆっくりしようね!!!」
「ゆっくりちーんぽ!!!」
「むきゅ、またはるにゆっくりしようね!!!」
冬ごもりは危険が多い。
加工所調べでは野生のゆっくり家族が全員無事に冬を越せる確率は20パーセント以下。
30パーセントの確率で誰かが死に、50パーセントの確率で飢えや寒さで全滅する
そのためぱちゅりーは病弱な体を引きずって周囲一帯のゆっくりの巣の確認をしているのだ。
もし食料に不安があるなら余裕がある一家に分けてもらう、
もし資材に不安があるなら冬の間他の家族のお世話になる、
もし一匹で冬ごもりをするゆっくりがいれば(孤独死防止)他の一匹のゆっくりと合流させる。
むろん、家族以外のまりさ種とありす種を同じ巣に入れるという危険なことはしない。
このぱちゅりーのおかげでこの森の一角では去年の越冬成功率は75パーセントを超えている。
「むきゅ、さいごはここね」
ぱちゅりーが訪れたのはあの変異まりさの巣。
すこし遠出すると言っていたので帰ってくるのは一番最後だろうと思っていた。
「むきゅん、見回りに来たよ、ゆっくりじょうきょうおしえてね!!!」
「ゆうぅぅぅ…」
巣の中には変異まりさが一匹。
「むきゅ?どうしたのまりさ、おとうさんとおかあさんは?」
「ゆ?ぱちゅり…?」
「はやくいりぐちをふさがないとすにゆきがはいってゆっくりできなくなるわ」
「ぱちゅり…ぱぁ゛ち゛ゅ゛う゛り゛い゛ぃぃぃーーーー!!!!!!」
「むむきゅー!??!?!?おちついて、ゆっくりお話聞かせてね!!!」
まりさは今まで起こったことをすべて話した。
気がついたら川を越えていたこと、
もう誰のものでもない人間の家を見つけたこと、
そしたら人間が横取りしようとしたこと、
両親が命を張って生きる道を開いてくれたのにのに姉たちは命を無駄にしたこと、
そして、自分が人間に復讐しようとしていること。
「む、むむむきゅう~!?!?!?なにをいっているかわかってるの?」
「ゆゆっ!まりさはにんげんをゆるさないよ!!!おとうさんとおかあさんをころしたにんげんはゆっくりころす!!!」
なんと通常ゆっくりが使わない「殺す」という単語まで出てきた。
「でもね、まりさ、ゆっくりはにんげんにはかてないの、あのれみりゃが10匹いたってにんげんにはかてないのよ」
れみりゃのこわさはまりさも十分知っている。
なにしろ全ゆっくりのなかで最低の知能と最悪の要領の悪さを持つくせに、
空を飛ぶ、再生する、少し力が強い、それだけで捕食種となっていること。
正面から立ち向かうには最低でも3匹以上の大人のゆっくりがいないと勝負にならないこと。
それらの殆どはまりさが昔ぱちゅりーに聞いたことだ。
れみりゃ10匹以上=大人ゆっくり30匹以上
たった一人でそこまでの戦闘力を持つ人間にまりさは恐怖した。
が、今は憎しみが上回ってる。
「それに今までなんどかにんげんとたたかおうとしたゆっくりがいたわ!!!」
「そのゆっくり達はどうしたの?」
「みんなゆっくりできなくなったわ」
「それはそのゆっくりがばかだったからだよ!!まりさはそんなにばかじゃないよ!!!」
「むきゅう…」
「にんげんにかつためににんげんよりおおきくなるの!!そのためにふゆのあいだもゆっくりえさをたべなきゃ!!!」
どうやらこのまりさは一人で冬ごもりをしようとしているらしい。
正直越冬経験のない子供一人で冬を越せるかは分からなかった。
だが、他のゆっくりの家に居候させようとしてもいまの精神状態では家庭内でトラブルを起こしかねない。
「むきゅう…それじゃあまりさ、またはるになったらゆっくりしようね…」
まりさは巣を封鎖した。
まりさにとって初めての冬ごもりはとても快適なものだった。
まず餌が豊富すぎる、家族全員が冬を越せるかどうかという量があったのだ、一匹のゆっくりには十分すぎる。
そして家族全員が入ってもいくらか余裕のあった巣。
そのためまりさは人間を殺すために「よく食って、よく運動」することができた。
ゆっくりの動く原理と人間の筋肉とは別物だから使えば使うほど強くなるのかは分らない。
だが少しずつ、確実にまりさは大きくなっていった。
春
震度一の地震による雪崩という不幸な事故でいくつかの家族が全滅したため今年の越冬成功率は60パーセントだった。
ぱちゅりーはそこまで正確な数字は出せなかったが、去年より割合少ないことをしっていたが雪崩ならしかたない。
むしろ今はあの変異まりさが心配だった。
このころから変異まりさは異常だった。
人間を殺そうとする精神的な異常のほかに、普通のゆっくりの1.5倍ほどの大きさとなっていたのだ。
また、ゆっくりできないとして自分を攻撃してきた近所の子ゆっくり、軽く押したら派手にすっ飛んでもう少しで殺してしまうところだった。
どうやら筋力も通常のゆっくりをはるかに上回ったらしい。
そして何度もぱちゅリーのもとで話を聞いていた結果、ついに彼女より複雑な計算ができるようになってしまった。
実はこれこそ変異の結果だった。
何代も続いたまりさ種のみの家計と今は亡き母まりさ通り過ぎた青い石の洞窟、
それらが複雑に絡まった結果、どうやら成長の限界を記憶する遺伝情報の一部が変化してしまったらしい。
もちろんそんな遺伝子学なぞゆっくりにはわからない。
日に日に大きくなるまりさを目の当たりにしてぱちゅりーは期待と不安を抱いていた。
この子なら人間に勝てるかもしれない。
それはこの子の悲願であり存在意義だ、今親代わりとしていろいろな知識を授けている以上喜ぶことなのかもしれない。
だがこの子が人間を殺すということはそのままこの森のゆっくりが全滅することを指す。
そのことをなんとかこの子に伝えたい、だが今のこの子は
「だいじょうぶだよ!いつかまりさがにんげんをみんなころしてみんなでゆっくりするんだから!!!」
と聞く耳を持たない。
秋
ついにこのときがきてしまった。
ぱちゅりーはついに自分で動けなくなってしまった。
病気ではない、老衰である。野性としてはとても珍しい。
遂に1メートルにまで巨大化した変異まりさもぱちゅりーがもう長くないことを感じ取っていた。
せめて最期は森のみんなで看取ってあげよう、もしそれが冬なら自分だけでも看取ってあげよう。ゆっくりできるように。
ぱちゅりーは後悔した。
最悪自分が人間にけんかを売り自分を犠牲にしてでもまりさに人間の恐ろしさを伝え、人間を殺すという考えをやめてほしかった。
でもそれはできなかった。
かいがいしくも自力で動けない自分の世話をしてくれるまりさに
「にんげんをころさないでね!!」
とは言えなかった。
しかし、このまりさが人間を殺してしまうようなことが在ればこの子も群れも壊滅だ。
そうおもったぱちゅりーは自分の遺言を決めた。
「このもりのみんながゆっくりできるようにしてあげてね!」
もうまりさは自分より頭がいい、きっとこの森のゆっくりをゆっくりさせてくれる。
そうなれば森の事が忙しくて人間への復讐なんて忘れてくれる、そう思っていた。
それは一年前のあの日と同じそろそろ初雪かなと変異まりさが思った日だった。
その日、まりさはぱちゅりーを口の中に入れ、自分の巣に運んだ。
最初はぱちゅりーの巣で冬ごもりをする予定だったのだが自分が入れなくなってしまったのだ。
そのためまずはぱちゅリーを自分の巣に運び(その間ぱちゅりーは近所のちぇんが見てくれる事になった)
今度はぱちゅリーの家の中の食料を舌ですくい取り、急いで家に向かう、その間5分。
「ゆゆっ、ぱちゅりー、いまかえった・・・ゆ?」
「「ゆっくりしていってね!!!ここはれーむたちのおうちだよ!!!」」
なぜかみたこともないれいむとまりさの大家族がいた、たぶん別の森から来たのだろう。
「「でもたべものがないからこんないえいらないよ!!!ゆっくりきもでかいまりさにあげるからゆっくりうえてすごしてね!!!」」
普通のゆっくりなら自分が巣の場所を間違ったと思うかもしれない 普通なら。
あれ?こんなこと前にもあった気が…
異常に発達した餡子脳が一年前の記憶を呼び覚ます。
「ね、ねぇ、ここにゆっくり、いなかった?」
「いたよ!!」
「よぼよぼぱちゅりー!!」
「ちぇんー!!」
「じゃまだからゆっくりさせたよ!!」
「ぱさぱさー!!」「まずまずー!!」
「だからゆっくり捨てちゃった!!」
「でもちぇんはうまかったー!!」
「「そこでえいえんにゆっくりしていってね!!!」」
ゆっくりのぜんそくりょくで駆け出すれいむたち大家族。
きっと寿命寸前まで生き、森のすべてのゆっくりに愛されたぱちゅりー。
最期は子供のように愛するまりさに看取ってもらおうとおもっていたぱちゅりー。
そんなゆっくりにまれにみる幸福な彼女がおいしいわけない。
追いかけられなかった、ぱちゅリーが殺されたのに、森の仲間も殺されたのに。
追いかけることも、声を出すこともできなかった。
だって、あの家族は一年前の自分たちと同じ。
このときまりさは気付いてしまった、なまじ頭が良かったがゆえに。
あの日の自分たちも人間が留守にしていた家に侵入し、荒らしていったのだ。
あの人間の怒りよう、きっと姉がバラバラにしたゆっくり見でも美人のお姉さんの絵、
あれはあの人間にとって、自分にとってのぱちゅリーみたいに大事なものだったのではないか?
なんということだ
ずっとくそったれなゆっくりは自分の姉たちだけだと思ってた、
なのに、身を呈して自分を救おうとした親、他のゆっくり、
そして、人間を憎んだ自分こそ真に屑な存在だったんじゃないか。
変異まりさの存在意義は完全になくなってしまった。
あとがき
どうも、セインと名乗ろうか零戦二十一型と名乗ろうか決めかねている作者です
あまり虐待すれらしくないような気がするけど救われないって時点で投稿しててもいいよね!!!
たぶん次回で完結
(ドス)まりさの誕生 3
7月27日 2329
明日から夏休みのはずなのに試験や授業で休みが一週間もない
セインor零戦二十一型
最終更新:2022年05月03日 17:58