※これまで自分の書いてきたSSの設定を引き継いでいます。
※他SS様の設定をいくつか無断で使わせていただいてます。「おいおい俺の設定使うなよ」という方がおられれば削除いたします。
※既出ネタの可能性があります。
※名前を持つオリジナルキャラ多数出没。非匿名性を嫌う方は回れ右。
※俺設定っていうレベルじゃねーぞ!










   長屋緩慢饅頭百景









 私が住む長屋には、何故かは知らないが、主にゆっくりを虐待することを好む人種──虐待お兄さん、もしくは虐待お姉さんと呼ばれる人々が多く住む。
 今日は、この長屋の住人について少しだけ語ることにしよう。



 私の隣の部屋に住む彼は、あるゆっくり菓子職人の弟子をしている。その名の通り、生ける饅頭であるゆっくりたちを多種多様な菓子へと加工するのが彼の生き甲斐だ。
 昔は加工所に勤めていたらしいが、単純なシステムで生み出せるゆっくりの味には限界があると知り、菓子職人に弟子入りしたということだ。
 普段は野山で捕まえたゆっくりを虐待しながら料理しており、よく私に味見(という名の毒見)をさせてくる。
 どうも最近は、かの紅魔館にいる赤髪の悪魔に気があるとの噂があるが、よくは知らない。

「俺にとっちゃゆっくりはあれだな、材料だ」
「いぢゃい゛い゛い゛い゛ぃぃぃぃぃ!」
「材料を加工してるときが一番愉しいかな。ほい、ハゲ饅頭五つ目」
「ばりざのぎれいながみのげがぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「む……きゅっ……むきゅ、きゅっ……」
「わがらないよぉぉ……」
「ああ、ありずの、どがいばながみがぁぁ……」
「どぼぢでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「いや、饅頭に髪はいらんだろ」

 そう彼は言いながら、鼻歌を歌いつつ子まりさの髪の毛を剃り落としていく。
 私たちは普段、彼のことを『菓子職人』と呼んでいる。



 いつも帽子を目深に被る彼は、いつの間にか『帽子屋』と呼ばれていた。
 ゆっくりは主に髪飾りや帽子で個体識別をする。その帽子を扱った虐待を行うのが彼の日課だ。
 たとえば頭に実を生やした母れいむがいるとしよう。彼は何も言わずに目も開けない赤ゆっくりの髪飾りを奪う。赤ゆっくりにも親ゆっくりにも傷をつけずに奪い取る。
 生まれてきたわが子に髪飾りが無いとき、母はどのような行動をとるだろうか? 母性を発揮させて子を育てるか? それとも子と認識できずに潰すのか?

「どぼじででいぶのあがぢゃんだぢりぼんがないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 逆の場合もある。わが子を胎生にんっしんっしている親の帽子を奪い取るだけである。時には別のゆっくりの屍骸から取り出した髪飾りを代わりに付ける。
 親の中から這い出て初めて見る世界。後ろを振り返れば愛しの母。その母に帽子が無かったら? ゆっくりできない飾りをつけていたら?

「ゆゆっ! ゆっくりできないよ! ゆっくりできないおかーさんはしね!」
「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 そんな彼の飼いゆっくりは、髪飾りを持たないゆっくりゆうか種。しかしゆうか種には体つきで麦藁帽子を被るのうかりんと呼ばれるものがいるらしいため、帽子屋としては複雑な気持ちのようだ。



 長屋の管理人である中年の彼を、私たちは『いとうじ』と呼んでいる。
 彼の従者は双子のうぜぇ丸で、彼女らを使い天狗と交流を持っていると噂の人だ。天狗と人の間に生まれたという話もあるが眉唾である。
 彼はゆっくりに関する情報を紙で纏め上げたもの──俗にいう、ゆっくり新聞の製作をしている。
 愛で派、虐待派の中立を保っている記事はなかなか好評らしい。情報源は従者の双子うぜぇ丸というのがなんともいえない真実味をかもし出している。
 また、ゆっくりの情報を扱うため、ゆっくりの群れに関しては私の知る限りでは一番詳しい人だ。

「今一番話題になってるのは『東のドス』の群れだぁな。何週間か前に大量発生したありすを殲滅したって話、おめぇも耳にしたこたぁあるだろ。よっぽど優秀なドスなんかね。
 最近じゃ『騎馬めーりん』なんつーモンも出始めてるそうだ。オレぁめーりん好きなんだがな、あの辛味が。
 あと西の『ゲストリート』のトップがまた変わったンだと。今度の奴はどのくらいもつのかねぇ?
 そういや最近、まりさとさとりのコンビがそこらを荒らしてるって噂があるな。なんでも闘技場出身の元ゆラディエーターだとか」

 私が相変わらず凄い情報収集力だと言うと、彼はきまってこう言うのだ。

「オレの手柄じゃねぇンよ。オレの仕事はきめぇ丸の集めてくる情報を纏めるだけだって」

「どうも、清く正しい、うざい顔に定評のある右うぜぇ丸です」
「どうも、清く正しい、うざい顔に定評のある左うぜぇ丸です」
「副音声です」
「ステレオです」
「「おお、ダブルでうざいうざい」」
「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃぃぃぃぃぃぃ!」

 そんな彼の趣味は、ゆっくりにゆっくりさせないことである。主にうぜぇ丸を使って。



 いつも紺色の着物を纏う彼女は長屋の人々から『姫』と呼ばれている。
 彼女が好むのは一般にゲスと呼ばれるゆっくりたち。ただ自分がゆっくりするために他のゆっくりを蹴落とす性格をしたものたちである。
 自分のために幸せな家族を騙し、自分のためにドスを騙し、自分のために捕食種や人間に仲間を売る。そんな連中を自分の立ち位置から蹴落としてやるのが、たまらなく愉しいのだという。

「ただ無知なだけじゃダメなんよ。知らなかったから調子乗ってました、じゃつまんない。ちゃんと物事を理解して、多くのことを知って、その上でゆっくりを蹴り落とす」
「ごべんなざいぃぃぃぃぃ! じら゛な゛がっだんでずぅぅぅぅぅぅ!!」
「そんなゆっくりはなかなかいないんだよね。すぐにこーやって命乞いしちゃう。あたしが聞きたいのは、命乞いじゃないんだよねぇ」
「ゆ゛っ! やべでね! でいぶはどうなっでもい゛い゛がらばりざはだずげでね!」
「どぼじでぞんなごどい゛う゛の゛ぉぉぉぉぉぉぉ!?」
「泣きながら言われても興ざめだわー」

 このゆっくりも違う、と呟いて、姫はまりさもれいむも蹴り潰した。
 そんなにゲスなゆっくりが見たいなら、西のゲストリートに行けばいいのではないかと聞くが、彼女は悔しそうに返した。

「そりゃ行きたいよ。でも人里の外なんて出られないじゃん。妖怪もいるし」

 護衛をつければいいのではと言えば、

「前に上白沢先生に頼んだら、ゆっくりにも魂はあるんだって説教くらった」


 ──これはまったく関係の無い話だが、後に彼女は永遠亭の詐欺兎に護衛を頼んで、ゲスたちの集うゲストリートへ赴くことになる。
 その結果は……人間がゆっくりに知略で負けるという伝説を残すことになるのだが、それはまた別の話。






「ところで、あなたの紹介はしないの?」

 私のことは別にいいだろう、ありす? せいぜい、自分で言うのもなんだけど潔癖症で、部屋にゆっくりの餡子がつかないように気をつけてる程度だ。

「……おにーさんなの? おねーさんなの? 今でもわからないからあなたとしか言えないわ」

 私が男か女かなんて、些細なことだろう。

 さて、田吾作さんの畑にまたゆっくりが侵入したそうだから行くとするよ。留守番よろしくね、ありす。



   *   *   *   *   *   *



 その部屋の主人が出かけ、主人に飼われているありすはため息を吐いた。

「またごまかされた気がするわ……」


 と、突然部屋の扉が開く。主人が忘れ物でもしたのだろうか?
 だが、部屋に入ってきたのはありすの主人ではなく、ゆっくりの一家だった。

「ゆっ! なかなかゆっくりできそうなおうちだね! ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにしようね!」
「ゆゆっ? ありすがいるよ!」
「ありちゅはゆっくちできにゃいよおきゃーしゃん!」
「そうだね! れいぱーありすはゆっくりできないよ!」

 もうすぐ冬のこの時期、人間の食べ物と家を奪い取るつもりで森から来たのだろう。
 ありすは慌てず、主人から教えてもらった「こういう時になんて言えばいいか」を言った。

「ここはゆっくりできないありすのおうちよ! 隣のおうちのほうがもっとゆっくりできるわ!」
「ゆゆっ? ほんとう?」
「本当よ! 隣に住んでる人間はゆっくりをゆっくりさせてくれる人間よ!」
「ゆっ! いいこときいたね! それじゃあゆっくりできないありすはゆっくりできないぷれいすでゆっくりしないでいってね!」

 ゆっくりできないはずのありすの言葉を簡単に信じて、一家は隣の部屋の扉に体当たりし始めた。
 その扉から出てきた『菓子職人』の姿を見てから、ありすは部屋の扉を閉めた。



 今日もまた、長屋のいつもの日々が訪れる。












「ほい、焼きれいむ一丁! 残すなよー」
「でいぶの゛あがぢゃんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」





あとがきかもしれない

……これ、いいんだろうか? まぁいいや。
長屋の人々の話。ちゃんとゆっくりも虐待されてるよ! ぬるいけど。

長屋の入居者募集中。
この長屋の設定は著作権フリーですので、ゆっくり虐待系の中でのみ自由に使っても構いません。
……でも誰がこんなの使うんだろう?
ごめんなさい。

結局、田吾作さんって誰だ。


以上、EGSでした。


過去に投稿したもの
  • 実力の無い話
  • つよいよわいつよいよわい
  • 独善的シーソーゲーム
  • 愛なき世界

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最終更新:2022年05月21日 23:09