・ぺにまむ、うんうん、しーしーが少し。
 ・酷い目にあわないゆっくりも少し。
 ・ノリだけで書いたのがほとんど。
 ・それでももしよろしければ、どうぞお読みくださいますよう。



 「うー!うー!」
 「ゆゆっ、うーぱっく!あそこにおろしてね!」
 空から畑へと降りてきたのは、ダンボールに羽の生えた謎の生物?、うーぱっく。
 そして、6匹のうーぱっくからゆっくり達がぞろぞろと出てきた。その数、およそ20匹ほど。
 まりさ、れいむ、ありす、と言った、どこにでもいる、なんの価値もないゆっくりだ。
 ゆっくりが畑に来る理由など一つしかない。人が育てた作物を奪うためだ。
 「ゆゆぅーん。こんなおいしいおやさいさんをひとりじめなんて、にんげんさんはほんとずるいんだよー」
 そんなことを言いながら、その場で大根を齧り出すゆっくり。
 一方、うーぱっくはそんな光景をにこにこと眺めている。
 別に、野菜を齧るゆっくりがかわいい、などとは思っていない。契約の報酬を待ちわびているのだ。
 「うー!うー!」
 待ちかねた一匹のうーぱっくが、ゆっくり達に催促を始めた。
 「ゆっ?うーぱっくなにしてるの?もうかえっていいよ」
 まだいたのか、とでも言いたそうに、れいむが言った。
 「ここまではこんでくれてありがとうなんだぜ!かんしゃしてやるからありがたくおもうんだぜ!」
 「とかいはのありすをはこべてうれしかったでしょう!これからもたまにははこばせてあげるわ!」
 野菜をぼりぼり食い散らかしながら、口々にそんなことを言っている。
 もちろん、うーぱっくとしては堪らない。重大な契約違反だ。契約をなにより重んじるうーぱっくは、
一斉に抗議の声を上げた。
 「う?うー!うー!ううー!」
 これはどういうことだ。運ぶ見返りとして野菜を少し渡す、という契約だったではないか。すぐに
契約を履行しろ。と、必死になって叫んだ。
 「どぼじでぞんなごどいうのおおおおぉぉ!このおやさいさんはでいぶたちのものでしょおおおぉぉ!」
 「れいむのいうとおりなんだぜ!これはまりさたちがみつけたから、まりさたちのものなんだぜ!」
 「かってなこといわないでよ!このいなかもの!」
 もちろん、うーぱっく達もそんなあまりにも身勝手な言い分などに負けるわけにはいかない。
 「ううー!?う?うー!うー!」
 最初に言ったことをもう忘れたのか?とにかく、自分達は契約を果たしたのだ。そちらも破らずに守れ。
 だが、契約相手のゆっくりたちの餡子脳からは、契約内容など野菜を食べた瞬間、きれいさっぱり消滅している。
 ああ、まただ。また契約を一方的に破ってきた。何故こいつらはこうなのだ?
 うーぱっく達が心中で嘆いた、その時だった。
 突然、ゆっくりとうーぱっく達に何かが覆いかぶさってきたかと思うと、身動きがとれなくなっていた。投げ網である。
 「ゆゆゆゆゆゆっ!な、なんなんだぜぇ!?」
 「うー!?うううううー!?」
 「やれやれ、ようやく捕まえられたか・・・」
 いつの間にか、すぐ傍に人間達が立っていた。両者とも言い争いに夢中でまったく気が付かなかったのだ。
 「にににににににげんさん!?まりさたちはわるくないんだぜ!うーぱっくたちがかってにはこんできたんだぜ!」
 「そそそそそそそうだよ!それにれいむはにんっしんしてるんだよ!やさしくしなきゃいけないんだよ!」
 男の一人が黙ってその顎の膨れたれいむを取り出すと、ちょうど顎の中心辺りに、尖った木の棒をぴたりと押し当てた。
 「ゆっ!?なにするの?きこえなかったの?れいむにはかわいいあかちゃ・・・がああぁぁぁ!」
 れいむの絶叫が響いた。男がゆっくりと、だが力強く、正確に、れいむの顎に木の棒を突き刺していったのだ。
 「あがっ!ゆぐっ!いだっ!やべっ!ってぇ!」
 「ゆうっー!?じじいいぃぃ!まりさのれいむになにするのぜぇぇぇ!?」
 最初にうーぱっくに責任転嫁しようとしたまりさが叫び、体当たりしようともがいていた。面倒なので、上から強めに踏んで
動けず、喚けずにしておく。
 もちろん、男は止めない。少しづつ、少しづつ、れいむの身体に木の棒がずぶずぶとめり込んでいく。
 他のゆっくりもぎゃあぎゃあ喚いていたが、他の人間にぼこぼこに叩かれると、大人しくなった。男を止めるものは、もういない。
 そしてようやく、れいむは男が何をしようとしているのかを悟り、今まで以上に激しく叫んだ。
 「やべでやべでやべでええぇぇぇ!そごにはっ!あがぢゃんがああぁぁぁ!」
 男は棒の先端に、今までとは違う物があるのを感じた。そして、ちらりとれいむの顔を見る。
 「や・・・やめて、ね?かわいいかわいいれいむのあかちゃんなんだよ?ひ、ひどいこと・・・しないで・・・ね?」
 れいむは恐怖と痛みに引きつった汚らしい顔をいっそう汚らしく歪めて、媚び笑いを浮かべていた。
 ずぶり。
 男は棒を一気に捻じ込むことで、れいむに答えた。れいむの子供は、断末魔も上げられず、生まれる前に死んだ。
 「これでもう、お前はただのゆっくりだな」
 冷たい声でそう言うと、男は絶望しきった表情で目を見開いているれいむを地面に叩きつけ、殺した。
 「ーーーーっ!?」
 足元のまりさが声にならない声を上げ、狂ったように暴れている。
 「ふん。ゲスもゲスなりに、家族を殺されれば怒るのか・・・まあ、安心しろ」
 そう言うと男は、まりさを取り出し、その脳天に木の棒を突き刺した。
 「ゆぐべぇぇ!?」
 さらに突き刺さった棒をぐちゃぐちゃと、荒っぽくかき混ぜる。
 「あがががががっ!やべ・・・で!ばりざの・・・あんごじゃん・・・まじぇにゃ・・・まべぇにゃびゅでゅべぇ・・・」
 中枢餡と周囲の餡が混ざってしまい、ろれつが回らなくなり、めちゃくちゃな方向に目を向け、口をぐにゃりと歪め、
身体中からあらゆる液体を振り撒きながら、まりさは死んだ。
 「よし、後はみんなで好きにしてくれ」
 男がそう言うと、周囲の人間は手際よく恐怖でがたがたと震えるゆっくりを籠に詰め込み、運んでいった。
 「さて・・・君達には少し話がある」
 ゆっくりが全て運ばれてから、れいむとまりさのみじめな末路を見て震えていたうーぱっくに男は話し掛ける。
先ほどゆっくり達に話し掛けた時とは違い、静かではあるが、落ち着いた声と態度だった。



 一方、連れて行かれたゆっくりはと言うと・・・
 「はへふぇ・・・ほふ・・・はうははひへぇ・・・」
 「んん~?何を言っているのかわからんなあ~?」
 そう言って、既に全ての歯が砕けてしまったまりさをぼこぼこにする者。
 「やべ!っで!こん!なの!とが・・・いびゅやあぁ・・・」
 「ぶふぅー・・・このカスタードの詰まったゴミ袋めが。お前らは黙って食われてりゃよかったんだよぉ」
 じわじわとありすの中身のカスタードを搾り取り、うまそうに飲んでいる者。
 「ゆぐぎゃあああぁぁぁ!やべでよおおぉぉぉ!あがぢゃんうべなぐなっぢゃうよおおぉぉぉ!」
 「はっはぁー!どうせ死ぬんだからもう生む必要なんてないんだよー!わかってねー!」
 れいむのまむまむのあるところに焼けた鉄棒をねじ込み、生殖機能を破壊している者。
 「あああああああああぁぁ!やめてええぇぇ!これいじょうあんこさんとらないでええぇぇ!」
 「くっくっくっ、スプーン何杯目で死ぬかなー、っと」
 れいむの頭頂部を切り飛ばし、スプーンで少しづつ餡子をすくっていく者。
 「もうむりでずうううぅぅ!ゆるじでぐだざいいいいいぃぃ!あづいいいいぃぃぃ!」
 「ほらほらー、あんまり暴れると火達磨だよー。どうせ揚げ饅頭になるんだけどねー」
 煮えた油にまりさを放り込み、押さえつけている者。その油には笹船で蝋燭を浮かべている。倒れれば当然、火達磨である。
 彼らのほとんどはゆっくりに実際に被害を受けた者で、ここぞとばかりにゆっくりに対する日頃の鬱憤を晴らしている。
無論、中には純粋にゆっくりを殺すのが楽しくてやっている者もいるが・・・。
 まだ殺されていないゆっくりはその光景を、がたがたと震え、涙とよだれとうんうんとしーしを垂れ流して眺めていた。
 「こ、これだけころしたんなら、もうじゅうぶんだよね?ま、まりさたちはたすけてくれるんだよね?」
 一匹のまりさの問い、というよりも哀願に、見張りの村人はゆっくりと、余裕を持って答えた。
 「駄目だ」
 「「ゆ゛っぐり゛いいいぃぃぃぃ!!!」」
 鬱陶しく、忌々しい生首饅頭共の絶望の叫びを聞き、村人は心地良さそうに目を閉じた。



 さて、村に侵入したゆっくりが皆殺しにされてから、数ヶ月が経った頃・・・
 「れいむたちをにんげんさんのはたけにゆっくりはこんでね!そしたらおやさいさんをわけてあげるよ!」
 「うー!うー!」
 あの時と同じように、ゆっくりの群れがうーぱっくを使って畑に侵入しようとしていた。
 契約を結んだ以上、うーぱっく達に断る理由はない。上部を開き、二十匹程のゆっくりに乗るように促す。
 さっそくうーぱっくに乗り込むゆっくり達。全て乗り込んだのを確認して、うーぱっくは一斉に飛び上がった。
 「ゆっひっひっひ・・・ついたらおやさいさんをたくさんむーしゃむーしゃできるよ・・・」
 このれいむを中心とした群れは、この時点で既に野菜を独り占めする腹積もりだ。以前の契約を忘れたゆっくり達より
賢くはあったけど、性質の悪いゲス共でもあった。
 無論、うーぱっく達はそんなことはわからない。ただ契約を果たすだけである。
 やがて、村が眼下に見えてきた。うーぱっく達はお互いに目配せで確認すると、目的地へと降下していった。
 「じゅるるるるー・・・まちきれないよぉ・・・」
 意地汚くよだれを垂れ流しながら、群れの誰もがが今か今かと待ち構えていた、その時だ。
 気が付けば、全てのゆっくりが、空に投げ出されていた。そして、あっという間に頭から地面に落下した。
 「ゆべっ!」
 「ゆぐぇ!」
 「ゆぎゃっ!」
 突如頭を襲った激痛に呻きつつ、辺りを見回す。幸い、餡子を吐いたものはいたが、潰れたものはいない。
 「ぷくーっ!いきなりなにするの!ゆっくりしないでおりてきてあやまってね!」
 そんなことを一通り喚き散らしてから、もう一度辺りを見回す。そこは畑ではなく、柵に囲まれた何もない場所だった。
 「ゆーっ!うーぱっく!やくそくをやぶったね!れいむおこったよ!」
 「いいや。うーぱっくたちはきちんと約束を守ってくれたよ?」
 「「ゆゆゆゆっ!?」」
 ゆっくり達が慌てて振り向くと、人間が一人、ゆっくり達を見下ろしていた。
 さらにしばらくすると、続々と人間達が集まってくる。
 ここに来て、さすがに餡子脳も自分達が騙されたことを理解した。
 「ゆぎいいいぃ、だましたなあああぁぁ!きたないじじいどもとうーぱっくは、ゆっくりしないでしねえええぇぇ!」
 「自分達もうーぱっくを騙したくせに、よくもまあ言えたものだ。どうせお礼を渡す気などなかったんだろう?」
 「ゆぐぅ!?」
 図星を突かれ、うろたえるゆっくり達に、男は無情に宣告する。
 「さて饅頭共。お前達はこれから全員、我々がゆっくり殺してやる」
 「いやだあああぁぁぁ!ゆっくりさせてええええぇぇぇ!」
 「ほかのれんちゅうはどうでもいいから、まりさはたすけるんだぜえええぇぇ!」
 「とかいはのありすをころすつもりなのおおおぉぉ!たすけなさいよいなかものがああぁぁ!」
 「断る。ゆっくり、死ね」
 「「ゆ゛っぐり゛いいいぃぃぃぃ!!!」」
 いつもと同じ絶望の叫びを上げ、そしていつもと同じように、ゆっくり達は運ばれていった。




 ゆっくり達がいなくなり、男はいつものようにうーぱっくに礼を言った。
 「今回もありがとう、うーぱっく。今報酬を用意しているから、とりあえずこれでも食べていてくれ」
 男が籠から出したのは、形が悪かったり、少し痛んでいたりする野菜だった。そんなことはおかまいなしに、
うーぱっくたちはうれしそうに食べ始める。
 「やはり君達は信用できるな。これからも我々との契約を続けて欲しいものだよ」
 「うー!うー!ううー!」
 それはうーぱっく達にとっても同じことだ。
 この人間達とうーぱっくは、あのとき契約を結んだのだ。
 うーぱっくはゆっくりに人間の土地に運ぶよう頼まれたら、例外なく人間があらかじめ指定した場所に運ぶこと。
 人間はゆっくりを運んできたうーぱっくに、野菜や果物、さらにはゆっくりの餡子を渡すこと。
 ゆっくり達としか契約してこなかった頃は、うーぱっく達にとっては満足の出来る状態ではなかった。
 なにせ契約を守ってくれるゆっくりは、せいぜい半分がいいところだったからだ。大抵は忘れるか、先ほどの
ゆっくりのように最初から履行する気などないのだから。
 その点、人間は契約を必ず守ってくれた。今もこうして野菜をくれたし、間も無くお礼の品を運んできてくれるだろう。
 うーぱっくは満足していた。うーぱっくにとっては、契約が全てだ。守るものは誰であろうと善であり、破るものは誰で
あろうと悪だ。それがうーぱっくの価値観だ。
 一方の人間側も、この契約に満足していた。空からのルートを潰したことで、ゆっくりの害が格段に減ったからだ。
 対価も本来使い物にならないものや、そこらでいくらでも補充できるものだから、ほとんど懐は痛まない。
 男はしばらく様子を見てから、可能ならばうーぱっくに人間間での輸送もやってもらおうと考えていた。うまくすれば、
ちょっとした村の副収入にもなるかもしれない。それなら今以上の報酬を出してもいいだろう。
 だが、もしうーぱっくがあまりにも不釣合いな対価を求めてきたら?
 自問して、男は心の中で呟いた。
 そのときは契約を破棄し、この辺りのうーぱっくを全滅させるだけだ。そうすればもう、ゆっくりだって
うーぱっくを使えない。少なくとも元の状態よりはいいわけだ。
 人間にとって契約は重要なものだ。だが、全てではない。
 願わくば、そのことをうーぱっくが知るときが来ないようにと、男はそっと祈った。


 ※以前書いた『草刈り』を読んで下さった方、感想を下さった方、誠にありがとうございました。
 ※これは正直、「「ゆ゛っぐり゛いいいぃぃぃぃ!!!」」って言わせたかっただけです。
 ※あと、一部虐待の台詞の元ネタはうろ覚えです。完全にノリだけで書きました。申し訳ありません・・・











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最終更新:2022年05月22日 10:55