「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ・・・。ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛・・・。」
「ふぁぁ~・・・。何だもう朝か・・・。よいしょっと。」

とあるアパートの一室、朝8時に1人の男が目を覚ました。今日は誰もが昼まで寝ていたいと思う日曜日。
しかし、彼にとっての日曜日は自分の趣味をフル解放できる貴重な日・・・寝ている訳にはいかないのである。
特に、今回はある任務のために早起きする必要があった。

「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ・・・。ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛・・・。ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ・・・ゆべぇ・・・っ。」
「さ~て・・・。早速森にでも出かけるかな・・・。」

ちなみにさっきから五月蝿い目覚まし時計の正体は、特製の『ゆっくり痙攣目覚まし(れいむバージョン)』だ。
時間になるとチューブが餡子を吸い出し強制的に痙攣させるのである。1つにつき約3日は使える仕様になっている。
目覚ましを止めると吸い出した餡子が戻るようできていたのだが・・・。
今使ってたれいむはどうやら力尽きてしまったらしい・・・。溜息を付きながら燃えるゴミに放り込んでおく。

「せっかくだし新しい時計用ゆっくりを調達するかな・・・。」

彼は人々からは『痙攣鬼異惨』と呼ばれていた。数少ないSランク所持者であり、政府からその腕を認められ
現在は『ゆ虐七連星』の1人となっている。呼び名の通りゆっくりの痙攣する姿が好きで好きで堪らないという、
ちょっと変わった趣向をを持つ人物だ。

「そうだ・・・。その前に生徒のレポートの評価しないと・・・。はぁ・・・。」

彼の仕事は某大学の教授である。最近出来たゆっくりについて調べる学部の教授であり、彼の講義にはいつも
溢れる程生徒が集まると言われている。



      • 午前11時、ようやく解放された鬼異惨は近所にある森に足を運んでいた。基本ここに人は立ち入れず、
そのせいかゆっくり共がわんさか溢れている。

「ゆ!?にんげんさんだよ!ゆっくりしていってね!!!」
「ゆ~?にんげんさんをみるのははじめてだよ!とってもおおきいね!」
「むきゅ!にんげんさんがここにくるなんておどろきね!」

森に入るとどこからかゆっくりたちの声が聞こえてくる。もう少し警戒心を持った方がいいと思いつつ、鬼異惨は足を進める。
この辺のゆっくりは特に天敵が存在しないため実にゆっくりしており、野生に生きる動物(?)にあるまじき生活を送っている。
そこらを見るとれいむとまりさの家族が子供を連れて散歩をしていたり、大勢で集まって歌を歌っていたり、
みょんが卑猥な単語を連発してありすをレイパー化させたり・・・。本当にやりたい放題やっている感じがする。
ゆっくりからすればここは最高のゆっくりプレイスなのだろう。だがその楽園を鬼異惨は崩さねばならない・・・。


1週間前・・・

鬼異惨は森の管理人である政府の役人と対談していた。

「あの森はゆっくりの生態を調べるために手つかずの状態にしてあるのだが、最近調査員を派遣したところ・・・。」
「どうだったんですか?」
「ゆっくりの数が異常に膨れ上がっていたのだ。恐ろしい繁殖力でね・・・あのゆっくりとかいう奴らは謎だらけだ・・・。」
「・・・で、私にどうしろとおっしゃるんですか・・・?」
「うむ、もしこれ以上増え続ければ奴らは森の食料を食い尽くし、森の外に出てきてしまうかも知れん。奴らはあの森を
 ゆっくりプレイスとか言って滞在しているが、いつ外に出て人間に危害を加えるか分かったものではない。
 そこで、君に森のゆっくりの駆除を頼みたい・・・。数を適正にして欲しいのだ。」
「・・・腑に落ちませんね。わざわざ私に頼まずとも、適当に役員を動員して駆除すればいいじゃないですか。何故私に・・・?」
「君は森の近くに住んでいるみたいだし、正直ゆっくりのことを我々はよく知らないのだ。ゆ虐七連星である君に頼むのが
 一番賢明だと思ってね・・・。もちろん報酬は払う。引き受けてくれないかね・・・?」


そして現在に至るという訳だ。任務とは『適当に数を減らし、尚且つ人間が恐ろしい存在であることを認識させる』ことだったのだ。

「・・・まあ頼られることは良いことだ。それに大量のゆっくりを痙攣させて痙攣大合唱をさせてみるのも面白いかも・・・。」
「ゆ~・・・。にんげんしゃん!ゆっきゅちしちぇいっちぇね!!!」
「何だ赤ゆじゃないか・・・。赤ゆが昼間から外にいるとか・・・どんだけ警戒心無いんだ・・・。」

鬼異惨は呆れつつも切り株に座り、駆除の方法を考えた。何も全滅させる必要は無いのだ。それに歩き回って潰していくのも非合理的だ。
何か有効な作戦は・・・。ひたすら考えた・・・。とにかく考えた。考えたが、雑音のせいで気が散ってしまった。

「ぴゅきゅ~!にんげんしゃん!むしちにゃいじぇね!!!れいみゅとあちょんでね!!!」
「はいはい、ゆっくりゆっくり・・・。」

鬼異惨は赤れいむを左手でそっと持ち上げ、そして潰れない程度に握り絞めた。赤れいむは苦しそうにもがいたが当然逃げられない。

「ゆぎゅぎゅ・・・。ぐりゅじいよぉぉぉ・・・。はにゃちてぇぇぇぇぇぇぇ~・・・!」
「心配いらないよ。今ゆっくりさせてあげるからね・・・。」

すると鬼異惨はポケットから小さい注射器のような物を取り出した。これはゆっくりの中身を吸い出す道具だ。すぐさま赤れいむの後頭部に突き刺す。

「ゆぎゅっ!!?いぢゃいっいぢゃいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっっっ!!!!ゆぎゃびびびびびびび・・・!!!」

あっという間に注射器に餡子を吸い取られ、奇声を響かせる赤れいむ。中身を半分程抜き取ったと判断した鬼異惨はそっと注射器を引き抜き、
切り株に赤れいむをそっと置いた。

「ゆ゛っ゛!!ゆ゛っ゛!!!」
「やっぱり赤ゆじゃつまらないな・・・。でもどうだ?ゆっくりできただろう?ゆっくりは痙攣してる姿が一番美しいと思うんだ。」
「ゆ゛っ゛・・・!ゆ゛っ゛・・・!!」
「痙攣によってリズム良く震えながら呻いて、徐々に声と動きが小さくなって、最後は静かに動かなくなって静寂に包まれる・・・。
 私はゆっくりの痙攣を一種の芸術だと思うんだ。周りはあまり理解してくれないけどね・・・。」
「ゆ゛っ゛・・・・・・。」
「はぁ・・・。もう動かなくなってしまった・・・。この儚さがまた心に響くんだけど・・・。さて、任務を実行しないと・・・。」

鬼異惨は平和ボケしたゆっくりたちを見て嘆いた。ゆっくりは進化こそしないが退化ならいくらでもする存在だ。
天敵もいないこの森のゆっくりは確かにゆっくりしているが、守るべき赤ゆを放置しておくなんて・・・親は何をやってるんだ・・・。

「私には関係無いか・・・。よし、設置完了だ・・・。」

鬼異惨は背中のバッグから大量のゆっくりフード(毒入り、ゆっくりにだけ効果有り)を取り出し、周辺にばら撒いたのである。
そしてわざとらしく叫んだ・・・。

「すぅ~・・・。・・・わぁ!!うっかり食べ物を落としてしまった!!!仕方ない、放っておこう!!!あ~あ、おいしいのに勿体無いなぁ~!!!!」

叫んだ後はすぐにそこから離れ、木の裏から様子を見た・・・。叫んでから5秒でゆっくりたちがめちゃくちゃ集まった・・・。

「ゆっ!おいしそうなにおいがするよ!!!にんげんさんがおとしたんだね!!!」
「もったいないからまりさたちでたべるんだぜ!!む~しゃむ~しゃ・・・しししししし・・・しあわせぇぇぇぇぇ!!!!」
「むきゅ~!!!こんなおいしいものたべたことないわ!!!」
「むぐむぐ・・・!なかなかとかいはなあじね!!!とくべつにたくさんたべてあげるわ!!!」
「さぁおちびちゃんたちもむ~しゃむ~しゃしようね!!・・・ゆ?ひとりたりないきがするよ?」
「きのしぇいだよ!まりしゃはやくむ~ちゃむ~ちゃちたいよ!!!」
「ゆゆ!!そうだね!!!みんなでいっぱいむ~しゃむ~しゃしようね!!!」
「わかるよ・・・わかるよー・・・おいしすぎてなみだがでるよー・・・。」
「ちーんぽ!まら!!!」

どうやら大盛況のようだ。にしてもあの親ゆひどいな・・・。多分さっきの赤ゆのことなんだろうけど・・・。すぐ近くにいるのに気付かないとは・・・。
そう、鬼異惨が虐待派なのはゆっくりが無知で愚かで見てるだけで気分が悪くなるからだ。理解できない行動や習性が鬼異惨をイライラさせているのだ。
だがそんな鬼異惨も痙攣してるゆっくりだけは大好きだ。あらゆる欲望や邪念を払拭し、一定のリズムで痙攣するゆっくりはとても規則正しく、
鬼異惨の心を癒した。痙攣してるゆっくりこそ、真にゆっくりしてるゆっくりなんだと信じて疑わなかった。そして数分後・・・。

「そろそろかな・・・。録音機セットして・・・。ワクワク・・・。」

「ゆふ~!おなかいっぱいだよ!!!おうちにかえろ・・・ゆぎ・・・?」
「ゆぐ?なんか・・・なんかおかしいよ・・・?ぐるじ・・・?いだい・・・?」
「ゆぐ・・・ゆげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!!エレエレエレエレ・・・。」
「むぎゅぶべっ!!!!」
「おがーじゃ・・・ぐるじ・・・ゆぶふひぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
「でいぶのあがぢゃんどうじで・・・ゆげへぇぇっ!!!」
「あんこさんでないで・・・ゆえぇぇぇぇぇぇ・・・!!!」
「わがらない・・・よ・・・にゃげげげげげげっっっ!!!」
「ちちちちちんぽぽぽぽぽぽぽぽぽ・・・!!!!」

効果が出てきた・・・。この毒はゆっくりの中身を吐き出させる効果がある。毒の量は調整してあり、中身を全て吐かないようにしていた。
もちろんその目的とは・・・。

「ゆ゛っ゛・・・!ゆぐ・・・ゆぐぐ・・・!!!」
「あ・・・ぎ・・・ゆぐ・・・っ!!!!」
「・・・おお、来るぞ来るぞ・・・!ドキドキ・・・!!!」

そして一瞬の間の後・・・ゆっくりたちは一斉に白目を剥き始め・・・

「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」
「ゆ゛っ゛っ!!!ゆ゛っ゛っ っ!!!!」
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛・・・!!」

痙攣を始めた。

「よっしゃ、キターーーーーー!!!!!!!!!急いで録音しなきゃ・・・!!!」

いつもの知性を捨て、子供のようにはしゃぎ、その後すぐに黙って痙攣音に耳を傾けた・・・。
ゆっくりが次から次へと痙攣していき、たちまち森の中はゆっくりたちの痙攣音で埋め尽くされた・・・。
鬼異惨は幸せのど真ん中にいる気分になった。

「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」
「むぎゅっむぎゅっむぎゅっむぎゅ・・・っ!!!!」
「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・!!!!」
「みんなゆっぐりじで・・・ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・!」
「どぼじでこんな・・・ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・。」
「わぎゃりゃな・・・い・・・ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛・・・!!」

次々と痙攣していくゆっくりたち。まさに痙攣音による合唱だ。

「・・・・・・(下手くそな歌よりこっちの方がよっぽど素敵じゃないか・・・)。」

録音中なのでしゃべらずじっとゆっくりの痙攣する姿を目に焼き付けた・・・。少なくとも50匹・・・ひょっとしたら100匹はいるかも・・・。
こんな光景滅多に見れないので、鬼異惨はかつて無い程興奮しry『ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛』

      • 痙攣の大合唱は10分足らずで終了し、辺りにはただの餡子やらクリームやらが散乱していた・・・。
だが鬼異惨にとってこの10分は今までの人生の中で最も素晴らしく、充実した時間だった。鬼異惨はそっと近づいてみる・・・。
するとほんの一部、まだ生きているゆっくりがいた。鬼異惨に擦り寄り、弱った声で助けを求めてきた・・・。

「ゆ・・・にんげ・・・ん・・・さん・・・。れいむ・・・を・・・たす・・・。」
「悪いね。痙攣してないゆっくりには興味が無いんだ。じゃあね。」

鬼異惨はずりずりと寄って来るゆっくりを跳ねのけさっさと森の入口の所へ歩いて行ってしまった。もう満足したのでここに用は無いのだ。

「あの散らばった中身を食ったゆっくりも2次被害を受けるし・・・。だいぶ数を減らせるだろう・・・。任務完了・・・。」

鬼異惨の目論み通り、森のゆっくりの人口・・・もとい、ゆん口は7割近く減少した。吐いた中身を他のゆっくりが食べ、毒に侵され・・・
それを延々と続けた結果がこれという訳だ。警戒心どころか食品への疑念も失っていたらしい。まさに愚の骨頂である。
報告書にはこう記しておいた・・・。

『森の周辺にバリケードを設置し外と隔絶すべきです。奴らは人間を恐ろしい存在だと認識できる程の知能もありません。
 あとれみりゃも数匹森に開放してみてはいかがでしょう?生態をより詳しく正確に調べられますし、
 何より自然に数を適正に保てるようになるでしょう。』

鬼異惨は任務から解放された。これからは趣味の時間だ。イヤホンと装着し、さっき録音した痙攣大合唱を早速聞いた。
これがあれば目覚ましゆっくりなどいらない。朝起きたい時間にこれを流せばいいのだから。きっと気持ち良く目覚められるだろう。


      • それから一週間後、どうやら鬼異惨の指摘した通りバリケードで森を隔絶し、れみりゃを放ち、さらに監視カメラも設置したらしい。
ゆっくりたちの楽園・・・ゆっくりプレイス・・・。だがそう思っているのはわずかに生き残った運の良い、そして愚かなゆっくりだけだ。
そこはもう楽園でも何でも無く、ただ人間が研究・調査のために使う実験施設となったのだ。
どうせまたゆっくりは数を増やし、また森はゆっくりで溢れるだろう・・・。だがその頃になれば放たれたれみりゃたちも増えているはず・・・。
何の苦労も無く暮らしてきたゆっくりたちが、果たしてその時生き残れるだろうか?ゆっくりたちの運命は如何に・・・。

      • だが鬼異惨にとってはそんなことどうでも良かった。例の痙攣大合唱を知り合いの虐待鬼意山に聞かせたらすごく喜んでくれた。
何だか同じ趣味を共有できたみたいで鬼異惨の心は癒された。あのゆっくりたちの死は決して無駄では無かったのである。

「おはよう。早速講義を始めるぞ。今日の講義は・・・。」

今日も鬼異惨は多くの未来ある若者に教えを授けていく・・・。次の日曜日を楽しみに待ちながら・・・。       Fin・・・



補足

Sランクとかって?

  • 政府が定めたゆっくりに関する検定の称号のこと。ゆっくりを潰して遊ぶ人間が増えたことで暴力的な性格になることを危惧した政府が
 定めた。D~Sまであり、漢検や英検のような試験を行い、合格すれば授与できる。

 できること・・・ゆっくりの駆除、販売目的でのブリーダーとしての飼育など・・・持ってないのにゆっくりを殺すと罰金が科せられてしまう。
 ランクが上がると手を出せるゆっくりの種類が増えていく。持ってない場合は殺さず捕らえ加工場に送れば良い。

 Sランクは一部の超上級者しか合格できない程難しい。Sランクの者はゆっくりに関する商売を好きなだけ行える。


ゆ虐七連星って?

  • Sランクの中で、特に政府にその力を認められた者だけで構成される特殊チーム。名前通り7人の猛者で構築されている。
 彼らは政府から直接ゆっくりに関する問題や事件を任せられる程の存在であり、その権力は大物政治家に匹敵する。



      • 過去に書いた作品

2517 ちぇんマー投げ
2526 ゆンペルダウン

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最終更新:2022年04月14日 23:29