いままで書いたもの
- とかいはコーディネイター
- 植物型ゆっくり
- 魔理沙とゆっくり~邂逅篇~
- 取替えられた子
- お前なんかドスじゃない
- ばーさすちれーでん
- ねるねるねるゆ
- ゆっくりを飼うって難しい
- ゆっくり分身
- れいぱー
「ふぅ……ここが凍凶か」
通行人で溢れかえる餓野駅の前で、明らかに田舎臭いいでたちで僕は
そう呟いた。
僕の家は農家であったが、親の後を継ぐ事が決められた人生に嫌気が
さし、料理人を目指して情熱の赴くままここ東京まで修行に来たのだ。
「よーし、まずは働ける場所と治安のいい公園を探すぞー」
しかし、傍から見ればいくらなんでも無計画すぎであった。
と、そう意気込んでいる僕の視界の端に、それがふらふらふわふわと
舞い込んできた。
「うー! うー!」
それは一匹の胴なしゆっくりれみりゃであった。田舎にいた時はさん
ざん料理の材料として使ったものだ。
なかなかウマそうだと思って見ていると、一人の幼女がそのれみりゃ
に向かってとてとてと駆け寄った。
「あ、れみりゃだー。可愛いー」
瞳をキラキラと輝かせながられみりゃを見る幼女。便宜上、仮にオリ
江ちゃんと名づけよう。オリキャラなので。
「おいでおいでー」
オリ江ちゃんは中空のれみりゃに向かって手招きをした。
「うー♪」
するとれみりゃは何の警戒心もなくオリ江ちゃんの下へと舞い降りて
そのぷにぷにした細腕の中にしまいこまれてしまった。
「ふかふかー♪」
「うー♪ うー♪」
れみりゃはオリ江ちゃんに抱きしめられ、えらくご満悦のようで楽し
げに声を上げる。
オリ江ちゃんは、そんなれみりゃのほっぺとむにむにとつまみながら
笑顔で一言。
「それにおいしそう……」
「う、うー?」
その言葉に違和感を感じたのか、れみりゃが不安げな顔でオリ江ちゃ
んの顔を見上げた、
オリ江ちゃんの口の端からは滝のようにだらだらとヨダレが垂れ流さ
れていた。
「いただきまーす」
そして、食べやすいように90度ほど横に回転させられ、オリ江ちゃ
んの未熟でチャーミングな犬歯に噛み千切られるれみりゃのほっぺ。
「う゛ー?!」
身が裂かれる痛みに、れみりゃは涙を流しながら苦悶の声を漏らす。
しかしオリ江ちゃんはそんなれみりゃなど全く気にせずに声を上げた。
「おいし~いっ!! おいしいお汁が「ピュピュ」って出てくる!!」
れみりゃのほっぺから勢い良くあふれ出る熱々の肉汁。それはまるで
水鉄砲のような勢いでオリ江ちゃんの顔を汚していく。しかもその量
はまるで汁もののエロゲの汁のように、れみりゃの小さな体から出て
きたとは思えないほど明らかに異常な量である。
僕はその光景を目の当たりにして、ビビッと第六感がサタデーナイト
フィーバーした。
「そうだ、僕がやりたかったのはこれだったんだ。僕は幼女の顔に熱
いお汁をピュピュっとかけたかったんだ!」
それは世の全ての人間が目指す一つの到達点。いわゆる悟りの境地で
あった。僕はれみりゃの肉汁によって、悟りの境地に達したのだ。
と、僕が達した快感の余韻に浸っていると道の向こうからばたばたと
おそろいの服を着た屈強な男達が現れた。
「いたぞ!」
「逃がすな!」
「取り押さえろ!」
その屈強な男達はオリ絵ちゃんに向かって勢い良く飛びかかると、
「うー?!」
その手に握られていたほっぺのかけたれみりゃを手際よく地面に引き
ずり倒した。同時に、引きずり倒した男から確保という声が響いた。
その男達は警官だったのだ。
警官たちは呆然と立ちすくむオリ江ちゃんを見ると、悲壮な顔で叫ん
だ。
「あぁっ! 見ろこの子の顔を! 濁った体液でどろどろだ!」
「くそっ! なんて卑猥なんだ! 許せん!」
「ゆっくりれみりあ! 貴様を公然猥褻の現行犯で逮捕する!」
「う゛、う゛ーーーーー?!」
細かい話は理解できていないようだが、言葉の難しさと警官の態度か
らそれがゆっくりできない事だとは理解できたれみりゃが泣き声のよ
うな叫びを上げた。
「う゛ー! う゛ー!」
瞳から頬の痛みが原因ではない涙を滝のように流しながら必死に警官
に向かって声を上げるれみりゃ。
警官はそんなれみりゃをきっと睨みつけると、こう言い放った。
「犯罪者は皆そう言うんだ! 言い訳は署で聞く! さっさと来い!」
同時に仰々しい護送車が現れ、中から現れた屈強な男達が慎重にれみ
りゃを護送車の中に引きずり込む。
「う゛ぁ゛ーーーーーー!!」
れみりゃは最後にそう叫び声を上げると、署内胸毛ランキング1位か
ら10位が勢揃いといった風体の男達と共にその護送車の中に閉じ込
められ、厳重に3重ロックをかけられてしまった。きっとれみりゃは
あの中でもかもかされてしまうんだろう。
ブロロロロという重厚なエンジン音を残して去っていく護送車を眺め
ながら、僕はぼそっと呟いた。
「そうか……熱いお汁をかけるのは駄目なのか……じゃあ料理人にな
んかならなくていいや。実家継ごう」
そして僕は餓野駅で田舎に向かう新幹線の切符を買った。
おわり
最終更新:2011年07月29日 18:16