税制度(PC向け)

農業の経理に関する施策を紹介します。
農林水産省HP(→農業者への税制支援(一覧表))の情報を簡単にまとめています。(2018/9/3現在)

【目次】

農地や農業機械を購入したとき

農業経営基盤強化準備金制度《所得税・法人税》
+ 認定農業者や新規就農者が交付金を積み立てたり、交付金を利用して農地や機械等を取得した場合、経費や損金に算入したり、圧縮記帳できます。
内容 農業者が、経営所得安定対策等の交付金を農業経営改善計画などに従い、農業経営基盤強化準備金として積み立てた場合、この積立額を個人は必要経費に、法人は損金に算入できます。さらに、農業経営改善計画などに従い、積み立てた準備金を取り崩したり、受領した交付金をそのまま用いて、農用地、農業用の建物・機械等を取得した場合、圧縮記帳できます。
条件 青色申告者かつ、認定農業者または認定新規就農者
農業経営基盤強化準備金制度《所得税・法人税》(PDF : 1,600KB)

燃料を購入したとき

農業に使用する軽油引取税の免税《軽油引取税》
+ 農機に使用する軽油の免税
内容 農業用の機械等に使用する軽油は、免税証の交付などの手続きを受ければ、軽油引取税が免税になります。購入時に免税証の提示が必要です。
条件 全農業者が対象、免税証が必要
農業に使用する軽油引取税の免税《軽油引取税》(PDF : 140KB)
農業用A重油の石油石炭税の免税及び還付《石油石炭税》
+ 農機に使用するA重油の免税
内容 農業者が農業に用いるA重油は石油石炭税が免除されています。免税は販売価格に反映されています。
条件 全農業者が対象
農業用A重油の石油石炭税の免税及び還付《石油石炭税》(PDF:157KB)
農林漁業用軽油の地球温暖化対策税の還付について(農林漁業者向け)
+ 農機に使用する軽油の免税
内容 農林漁業者が農林漁業用に使用した軽油については、温対税に相当する金額が製造者又は輸入者に還付され、農林漁業者への販売価格に反映されることとしています。購入時に免税証の提示が必要です。
条件 全農業者が対象、免税証が必要
農林漁業用軽油の地球温暖化対策税の還付について(農林漁業者向け)(PDF:148KB)

青色申告の特例

青色申告の特例《所得税・法人税》
+ 青色申告をすると、様々なメリットがあります。
内容 65万円の控除、赤字繰り越しなど。
条件 青色申告者
青色申告の特例《所得税・法人税》(PDF : 179KB)

農地を保有したとき

農地を保有している場合の固定資産税の特例《固定資産税》
+ 農地の固定資産税は農地用の計算式で算出します。
内容 農地の固定資産税は農地用の計算式で算出します。
条件 農地保有者
農地を保有している場合の固定資産税の特例《固定資産税》(PDF : 464KB)
農地保有に係る課税の強化・軽減《固定資産税》
+ 遊休農地は固定資産税が高くなります。
内容 通常の農地の固定資産税の評価額は、売買価格×0.55(限界収益率)となっているところ、遊休農地については、0.55を乗じないこととする(結果的に1.8倍になる)。
条件 遊休農地保有者
農地保有に係る課税の強化・軽減《固定資産税》(PDF : 188KB)

農地を贈与・相続したとき

納税猶予制度《贈与税・相続税》
+ 農地を贈与・相続した場合、一定の条件により、贈与税・相続税の納税が猶予または免除されます。
内容 【贈与】
農業を営む人(贈与者)が、その農業の用に供している農地※1の全部及び採草放牧地の3分の2以上並びに当該農地及び採草放牧地とともに取得する準農地※2の3分の2以上を農業後継者(推定相続人の1人)に贈与した場合には、農業後継者に課税される贈与税の納税を猶予し、贈与者又は後継者のいずれかが死亡したときに免除されるという制度です。
【相続】
相続等により、①被相続人の農業の用に供されていた農地※1及び採草放牧地(併せて取得する準農地を含む。)又は②農業経営基盤強化促進法等に基づく事業による貸付け(以下「特定貸付け」といいます。)が行われていた市街化区域外の農地及び採草放牧地を取得した相続人が、当該農地及び採草放牧地を引き続き農業の用に供していく又は特定貸付けを行う場合、これらの農地等(農地、採草放牧地及び準農地)の価格のうち農業投資価格を超える部分に対応する相続税の納税を猶予し、相続人が死亡したとき等に免除されるという制度です。
条件 農地贈与・相続者
納税猶予制度《贈与税・相続税》(PDF : 687KB)

農地を取得したとき

農地を取得した場合の登録免許税の特例《登録免許税》
+ 登録免許税の税率が下がります。
内容 地域の農業者が、農用地利用集積計画を活用して農地を買った場合には、登録免許税の税率が10/1000※となります。ただし、特例の適用対象となる土地は、農用地区域内のものに限ります。
条件 農地取得者
農地を取得した場合の登録免許税の特例《登録免許税》(PDF : 178KB)
農地を取得した場合の不動産取得税の特例《不動産取得税》
+ 不動産取得税の減額・猶予・免除。
内容 (1) 農用地利用集積計画を活用して農地を買った場合には、不動産取得税の課税標準の3分の1を控除
(2) 農地中間管理機構又は農地利用集積円滑化団体が、農地売買等事業の実施により農地を買い入れた場合には、不動産取得税の徴収を猶予し、5年以内に売り渡した場合は納税義務を免除。ただし、特例対象農地となる土地は、農用地区域内のものに限ります。
条件 農地取得者
農地を取得した場合の不動産取得税の特例《不動産取得税》(PDF : 401KB)

農地を譲渡したとき

農地を譲渡した場合の特別控除《所得税・法人税》
+ 農業委員会などを通して地域の担い手に農地を売った場合、その収益に対する税が減額されます。
内容 農用地区域内の農地を売り、譲渡益が発生すると、その譲渡益に対して所得税又は法人税がかかりますが、農業委員会のあっせんなどにより農用地区域内の農地を地域の担い手に売った場合には、その譲渡益から一定額が控除(特別控除)されます。
条件 農地譲渡者
農地を譲渡した場合の特別控除《所得税・法人税》(PDF:593KB)

事業税の特例

農業に対する事業税・事業所税の非課税《事業税》
+ 農業の事業税・事業所税は非課税または減税されます。
内容 【事業税】
原則として農業者(個人、農事組合法人である農地所有適格法人)に対する事業税は非課税
【事業所税】
原則として農業者が直接生産の用に供する一定の施設については、非課税なため、課税標準から差し引いて税額を算出することができます。
条件 全ての農業者
農業に対する事業税・事業所税の非課税《事業税》(PDF:125KB)

設備投資をしたとき

中小企業等経営強化法による認定計画に基づいて機械装置などを導入した場合の特例《所得税・法人税、固定資産税》
+ 設備に係る固定資産税の減額、設備の即時償却または税額控除、低利融資、信用保証など
内容 ・固定資産税が2分の1(3年間)に軽減
・設備の即時償却または取得額の10%の税額控除
・日本政策金融公庫や商工中金による低利融資
・信用保証協会による信用保証の枠の拡大
条件 ほとんどの個人事業主・法人。受ける特例の内容により、設備メーカーからなる団体(機械工業会等)が発行する証明書、経済産業局が発行する確認書の取得などが必要。
中小企業等経営強化法による認定計画に基づいて機械装置などを導入した場合の特例《所得税・法人税、固定資産税》(PDF : 1,341KB)
160万円以上の農業機械を取得した場合等の特例(中小企業投資促進税制)《所得税・法人税》
+ コンバイン、トラクター等を新品購入した場合、減税されます。
内容 個人事業主(農業者含む)、資本金1億円以下の法人等の方々については、コンバイン、トラクターなど新品の機械等を購入した場合に、通常の減価償却に加え30%を特別償却、または、取得額の7%の税額控除のメリット措置が講じられています。(平成31年3月31日までに取得し、事業の用に供した設備が対象)
条件 青色申告者である中小企業者等
160万円以上の農業機械を取得した場合等の特例(中小企業投資促進税制)《所得税・法人税》(PDF : 311KB)
商業・サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善に向けた設備投資を促進するための税制措置(商業・サービス業・農林水産業活性化税制)
+ 農協などの指導により備品や設備を取得した場合、特別償却または税額控除が受けられます。
内容 青色申告書を提出する農業者等で、農協等から経営改善に関する指導及び助言を受けたものが、その指導及び助言を受けて行う店舗の改修等に伴い、器具備品又は建物附属設備の取得をした場合に、取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除の選択適用ができます。
条件 青色申告書を提出する農業者
商業・サービス業及び農林水産業を営む中小企業等の経営改善に向けた設備投資を促進するための税制措置(商業・サービス業・農林水産業活性化税制)《所得税・法人税》 (PDF:508KB)
国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入の特例《所得税・法人税》
+ 国からの補助金で固定資産を取得した場合、補助金は収入不算入となります。
内容 農業者が国又は地方公共団体等から固定資産の取得又は改良に充てるために補助金等の交付を受けた場合において、本来この受領した補助金等は課税の対象となりますが、課税されることにより補助金等の交付目的を達成できなくなる可能性があることから、その補助金等で交付の目的に適合した固定資産の取得又は改良をしたときは、個人の場合は総収入金額不算入、法人の場合は国庫補助金等の額に相当する額の範囲内で圧縮記帳が認められています。
注:新規就農者や認定就農者の補助金については、「農地や農業機械を購入したとき」の「農業経営基盤強化準備金制度」をご覧ください。
条件 全ての農業者
国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入の特例《所得税・法人税》 (PDF:67KB)
少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例《所得税・法人税》
+ 30万円未満の資産は全額経費算入できる。
内容 農業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得した場合、下図のとおり原則として、取得価額を一括して全額必要経費算入できます。ただし、特例の対象となる必要経費算入額の上限は少額減価償却資産の合計額が年間300万円までとなります。
条件 全ての農業者
少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例《所得税・法人税》 (PDF:104KB)
共同利用に供する施設を取得した場合の特例《不動産取得税・固定資産税・事業所税》
+ 農業協同組合など、指定された組合が共同利用の施設を取得した場合、不動産取得税・固定資産税・事業所税が減税されます。(個人事業主には適用されません。)
内容 農業協同組合など、指定された組合が共同利用の施設を取得した場合、不動産取得税・固定資産税・事業所税が減税されます。
条件 農業協同組合等、指定された組合または組合法人
共同利用に供する施設を取得した場合の特例《不動産取得税・固定資産税・事業所税》(PDF:484KB)

その他農業経営の安定・発展を後押しする税制措置

農業信用基金協会の抵当権設定登記等の税率の軽減《登録免許税》
+ 農業者が基金協会を抵当債権者として設定する登記については、登録免許税が減税されます。
内容 通常、抵当権の設定登記をする場合には、債権金額(課税標準)に対して1,000分の4(税率)の登録免許税が課税されますが、農業者等が基金協会の保証を受けるため、基金協会を抵当権者として設定する登記については、税率が1,000分の1.5に軽減されます。
条件 農業信用基金協会(以下「基金協会」という)の保証を受けるため、不動産担保に係る抵当権の設定登記を行う農業者等。
農業信用基金協会の抵当権設定登記等の税率の軽減《登録免許税》(PDF : 92KB)
農事組合法人が分配する従事分量配当等の特例《法人税》
+ 農業法人の場合、給与形態によっては法人税が減税されます。(個人事業主には適用されません。)
内容 ① 法人税については軽減税率19%(800万円以下の所得については15%)を適用。
② 従事分量配当及び利用分量配当は所得の計算上損金に算入。
条件 農業の経営を行う農事組合法人で、その事業に従事する組合員に対して確定給与を支払わず、剰余金の配当を従事分量又は利用分量の割合に応じて支払う法人
農事組合法人が分配する従事分量配当等の特例《法人税》(PDF : 200KB)
再生可能エネルギー発電設備に係る特例《固定資産税》
+ 再生可能エネルギー発電設備の固定資産税が軽減されます。
内容 再生可能エネルギー発電設備の早期の導入促進を図るため、再生可能エネルギー発電設備の固定資産税の軽減により、設備の導入初期における経済的負担を軽減します。
条件 太陽光発電設備、風力発電設備、中小水力発電設備、地熱発電設備、バイオマス発電設備
再生可能エネルギー発電設備に係る特例《固定資産税》(PDF : 134KB)

posted by Aya Matsutani

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最終更新:2018年09月04日 10:39