木が無造作に立ち並んでいた。森なんだから当たり前だ。
短時間でそれなりの距離を歩いてきた私は自分の脈拍を確かめる、異常なし。いつもの殺し屋。
私があいつと森に来たことは何度あったかな。
もう、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいだ。
足は動く、手だっていつも通り。
呼吸は? 殺し屋なんだ。こんなくらいで乱れるもんか。
木の葉が幾重にも重なって、月の灯を遮ってしまう。
それでも、問題ない。私は既に獲物を見つけた。
隠れる必要はない。銃を構えて、静かに、狙い定めて。
吐く息は音を伝えない。冷静な心は訓練された技術を簡単にレールに載せた。
地面に敷かれた落ち葉の絨毯。
くしゃりとくしゃりと踏み砕かれれば私の鼓膜が標的の情報を教えてくれる。
相手の顔は見えなくても、相手がどんな奴かわからなくても。
今、前を歩いている奴の背丈くらいは判断できる。
やすなじゃない。それだけは確かだ。じゃあ、もしもやすなだったら?
死者を蘇らせるかどうかなんてわからない。
でも、仮にそうだとすれば、私はやすなを殺す?
引き金を引けば発砲音が辺りを賑わせて、命の水が胸から吹き出てきた。
私の知らない誰かはそのまま、倒れ伏して二度と動かない。
気配を殺したまま、私は物言わぬ亡骸の側に落ちていた荷物を拾って。
薄く開かれたままの瞼を閉じてやるか少しだけ迷った。
私は死体に手を触れないまま、その場を後にした。
誰だって標的だ。標的に情けをかける殺し屋はいない。
尊厳だって保証してやることはない。
いつも、そうやってきた。だから、私はいつも通り殺せる。
やすなを殺せるかなんてわからない。
あんな奴、ただのうるさくて鬱陶しいだけのボンクラだ。
私との関係なんてただの同級生だ。
でも、ひとつだけ――
――ひとつだけ確かに言えることがある。
やすなは私のことを知っても絶対に離れようとしてくれない。
何べん殴ったって、何度馬鹿にしたって、明日には私の後ろにいるんだ。
ならさ、もういいだろ。やすなはそんな奴なんだ。
あいつが私の何だろうと、私がいくら汚れてもやすなはいるんだ。
私は傷一つ無い体で次の標的を探しに行った。
【知らない誰か 死亡確認】
【一日目・深夜】
【D-05】
【ソーニャ@キルミーベイベー】
【状態】おしりがいたい……
【装備】ドリルアーム@アイドルマスター、ドリルで砕いた土管の欠片
【所持品】基本支給品
【思考・状況】
1.たくさん殺して優勝する
2.私は、やすなを――――
【備考】
※ネギ@魔法先生ネギま!とぬるぬる君X@魔法先生ネギま!の空容器が明石裕奈と那波千鶴の死体の傍に放置されています
※死者が誰かは後続にお任せします
最終更新:2016年09月08日 10:36