A.D. - The Epic of Zektbach まとめwiki

A.D.	1906年	ドゥイノにて自殺	ルートヴィッヒ・ボルツマン
	2042年	もはや止める事はできないことが分かったのだよ。 いつかは全てが意味をなくす事になるであろう。 それでも我々は希望を持てと？　ばかげてやしないか？ だから私は決別したんだよ、この虚しい世界に。	D.A.Lによるボルツマンの記憶遺伝子解析結果
	2355年	英雄も悪魔も同じようなものだ。 どちらも、その他大勢の人々の中に彼らを元にした道徳を造り上げるという点では。 畏敬も憎悪も生命に強いエネルギーを揺り動かすものだ。 そのエネルギーが生んだ教訓・道徳・文化・常識… それらは人類の心の生地にパテで均されていったクリームのようなものだ。 過去素晴らしいと賞賛された美味しいクリームは、全てまやかしであった それが確実に人類を無意識のうちに疲弊の方向に向かわせていたのは明らかだ。 もう、パテはいらない。すぎたる者は必要ないのだ。 我々が永遠という存在を手に入れる為には、強者への誘導因子は封印せねばならぬ。	進化論理学者 オーガスティン・バイゴット	第 １ 章
	2374年	希望と絶望には同じだけの相反する強力なエネルギーがある。 両者とも件の如く盲目的な方向性を持つものである。 私は人類に内在するその原理を解明することに成功した。 驚いた事に希望も絶望も、もともと一つのパターンであったのだ。 何故2つに分かれたのか？ それは、ここにある2つのメタデータが証明してくれるであろう。	進化論理学者 オーガスティン・バイゴット	第 ３ 章
	2423年	長きに渡りこの天使の囁きを、信じ、 信念にし、理念にし、国家にし、伝統にし、争い 操り人形のように振り返らず自らを追求し、 発展させ、この星の王者として君臨した哀れな者達。 彼らの結末は、たった１つの個体群であるのに 自ら意図的に人口調節を行わない限り 生存がおぼつかないほどに彼らに溢れている世界、 そして彼らの廃棄物で醜く汚れてしまった世界であった。 彼らとは言うまでも無く、我々人類である――――。	進化論理学者 ティモシー・バイゴット	第 ５ 章 外 伝 ？
	2424年	かつて人類黎明期に進化の過程で、自然に構築されていった生き残る上で重要な一つの基本的で柔軟な神経回路があった。 それは時が経ち誤認識と誤作動を起すことによって思わぬ副産物を生み出した。 副産物はやがて人類を眩惑させたままそれ自体が命を吹き込まれたように進化していったのだ。 その効果により傀儡された多くの設計者達により多岐に渡り樹形に位置する者同士を『罪』という名の下に対立させ多くの血塗られた歴史を作り上げていったのだ。 私がそれを父と共に完全に駆逐してから数十年が経つ。 今や呪縛の螺旋を持つ者は皆無であり、我々はさらなる高みへと進んだのだ。 奴は最早この小さな箱の中のデータとしてしか存在しないのだ。	進化論理学者 ティモシー・バイゴット	第 ４ 章
	2572年	一体誰がこの世界を作った、だって？ 君はまだ大昔の創造論者まがいの事を私に聞くのかね。 作ったもなにも、はじめからあるんだよ。 そこに意味なんてない。 人類が無駄に意味を求める事に長い時間を費やした結果がどうであったのか、君も分かっているだろう？ 全ては塵なんだよ。数字の塵が浮かんでいるだけさ。 君が言う素晴らしく色彩に富んだ世界は感覚データによって調整された現実世界を『大げさに解釈した』モデルでしかないのだ。 君も僕も漂う塵が描いた『あたかもそう見える』アナグラムの1つに過ぎないのさ。 いい加減目を覚ましたまえ、人類はもう永遠の存在に近いのだよ。	ウロボロス計画発案者 ローレンツ＝アウエンミュラー	第 ２ 章