「愛を無くした悲しいおじさん、このキュアハートがあなたのドキドキ取り戻してみせる!」

「キュアハートじゃと?―――ワシはキング・オブ・ハートじゃ!!!!!」

マフラーを全身に纏った東方不敗は超級覇王電影弾と化してプリキュアに特攻を仕掛けた。
キュアハートはその回転運動による歯車的破壊の小宇宙を当たる寸前に横跳びして躱す。

「あかん!巨大ロボならともかくあんな大技いきなり撃っても当たれへん!もっと冷静にならな!」
「いや、大丈夫。たとえ避けても相手を捕まえるまであの回転技のホーミングは止まらない。……なにぃ!?」

よく見るとキュアハートは右手に何かを握っている。

「あの女!すれ違いざまに竜巻の中に手を突っ込んで、手のひらをズタズタに削られながらも
 東方不敗の体を纏っているマフラーを掴んでいたんだ!あのままじゃ不味い!」

「ぐわぁぁぁぁぁ!!!!」

回転を中途半端に減速され、東方不敗はベーゴマのように回転しながらあらぬ方向へ吹っ飛んでいき、
地面に全身を強打しながらゴロゴロと転がり落ちた。

展望台から落下するキュアソードを彼女を捕まえているジコチューごと金属ワイヤーを素手で掴んで
空中で停止できた彼女だからこそできる芸当である。

「……ぐぬぬ!」
「おっさん!大丈夫か!?」
「ふん、まだまだこれからよぉ!」

よろよろと立ち上がった東方不敗は両手を合わせて天然自然からエネルギーを吸収する。

「東方不敗が最終奥義!せきはァッ、てぇぇぇんきょぉぉぉぉけぇぇぇぇぇん!」

野犬の群れや壁を破壊できるほどの威力を持つ丸い気功弾をキュアハートに向けて放った。

―――だが、

「あなたに届け!マイスイートハート!」

キュアハートの胸から発射されたハート型の気功弾が石破天驚拳にぶつかり、それを相殺した。

「はぁ、はぁ、やりおるなお主!」
「えっと、もうおしまい、かな?」

「……ひとつお前に聞きたい。なぜドモンを殺した?」

そう、キュアハート、相田マナは親友の立花に幸せの王子と評されるほどの自己中とは
間逆の究極のお人よしである。なぜ残虐な殺し合いを始めたというのか?

「だれも、殺し合いなんかしたくないからだよ。
 だから私がみんなの代わりに殺してあげなきゃ。
 それに、あの人は死んだ恋人に会いたがっていた。」

「なんじゃと?」

「そして、優勝賞品の願い事を他の人に取られるわけにはいかない。
 もしあなたがブロリーを倒したら地球の大気汚染を回復させる為に
 人類を抹殺しかねない。そんな自己中はよくないよ。」

「え?マジで?おっさん?」
「いや、気にするな。ふん、まあいい。ならば本気で相手をしてやろう。」

そう言った東方不敗は空中にキリモミ式に回転して飛び上がった。
着地地点にはファスナーの空いたディバッグ。東方不敗は中に吸い込まれていった。


「出ろぉぉぉぉぉ!!!!!ガンダァァァァァム!!!!!」


ディバッグの中から腕を組んだマスターガンダムが東方不敗を肩に乗せて飛び出し、
地面に地響きを上げながら着地した。

「あれが東方不敗のガンダム……!!」
「うわぁ……ガンダム出しおったで……。マスターアジアはん、流石にそれは大人気ないんとちゃうか?」
「いや、待て、はやて!奴も何か仕掛けてくるぞ!」

「ふぅん、そっちがその気なら……。」

キュアハートは変身アイテムのスマートフォンを天に掲げて叫ぶ。

「先ぱぁぁぁぁぁい!!!!出番ですよぉぉぉぉぉ!!!!」

その呼びかけに答えるように、空の彼方から巨大な鋼鉄の塊が舞い降りてきて、
ズシンと音を立てて地面に下り立った。

「――え?あれ?ここどこ?わあぁぁ!?なんでまたロボになってるの!?私!」

マジョリーナの怪しい薬品で巨大ロボと化したキュアハッピーである。

「始めまして先輩。私、キュアハート。よろしくお願いします!」
「あ、ご丁寧にどうも。へぇ、あなたもプリキュアなんだ。私はキュアハッピー!よろしくねっ。」
「じゃあ早速ですけど、一緒に戦ってくれませんか?」
「うーん。なんだかよくわかんないけど、別にいいよ、せっかく巨大ロボになってるんだしねっ。」
「それじゃ、遠慮なく。フェードイン!」

キュアハートは後ろ向きに飛び上がり、キュアハッピーの胴体のコックピットに乗り込んだ。

「お、お、なんだか身体が凄く軽い気がする!」

今回のハッピーロボは他の参戦作品に併せて都合よくモビルトレースシステムが採用されていたのだ。

「やはり貴様もガンダムファイターだったか!いくぞ!ダークネスショット!」

マスターガンダムは両手から発した黒いエネルギー弾をキュアハッピーに向けて放つ。

「ハッピーバリア!」

仲間の特撮オタのキュアピース曰く、無敵の強度を誇る結界を発生させてそれを防ぐ。

「やはり甘いわ!トーシロがぁ!」

そう、ショットは牽制だったのだ。その隙に間合いを詰めたマスターガンダムは
右手に溜めた黒い光をキュアハッピーに向けて叩き込もうとする。

「喰らえ!!!ダークネスフィンガー!!!」

だが当たった筈のキュアハッピーは吹き飛ばない。
マスターガンダムの打撃を吸収したようにその場に留まり、ふわりと舞い上がった下半身は両脚を大きく広げ、
さながら獲物を噛み砕く猛獣の顎の如く、マスターガンダムの頭部を上下から強烈に挟み込んだ。

「喰らいなさい!」

上顎と、下顎。噛み砕く虎の顎になぞらえた秘技。
新旧プリキュア主人公二人による珠玉のツープラトン。

「ハ ッ ピ ー 虎 王 !」

顎部装甲を砕かれ、関節を極められて無様に地面に組み伏せられるマスターガンダム。


「わーい!私、カッコいい!!」」

一瞬れいかちゃんより凄ーいと言いかけたのをやめた友達想いなキュアハッピーは
マスターガンダムの上で大はしゃぎする。

「……え?」

だが中に居るキュアハートは目撃する。
組み伏せられながらもOKの形に指を丸めたマスターガンダムの手を。

「これからや……マスターガンダムはこれからや……!」
「でも、完全に極まったあの状態から、あの右手で何ができるっていうんだ?」

ドリュッ!

ダークネスフィンガーが地面を突き破り、まるでそこに何も障害物が無いかのように、
地面の中を振り抜いて鉄拳がキュアハッピーに襲い掛かった。

「地面をブチ抜くという発想。たしかにな。
 ガンダムにとっちゃ地面やアスファルトの認識が違う。
 ゼリーや寒天の上で戦ったなら、寝技は寝技にならねぇ。」

その攻撃を首を大きく捻って回避するキュアハッピー。
しかしマスターガンダムはそのままキュアハッピーの右足を掴み、逆間接に折り曲げる。

「わぁぁぁ!?痛い!痛いって!」
「この動きは……ロシアンサンボ!?」
「フフフッ!中国とロシアは同盟国じゃからな!すこし齧っておったのよ!」

ネオ大阪出身の本名シュウジ・クロスは自慢げに語る。キュアハッピーはその関節技を
更に体を捻らせて受け流し、逆に右腕を取ろうとする。

「すげぇ、ガンダム同士のサブミッションの応酬だ。」

キュアハッピーとマスターガンダムはしばらくゴロゴロと転がりながらつんずほぐれずと
ポジションを奪い合い、遂にマスターガンダムがキュアハッピーにアームロックを決めた。

「やりおった!完璧に決まった裸締めからは絶対に逃げられへん!」

「わーーー!苦しい苦しい!キュアハート!なんとかしてー!」
「……捕まえた。」
「え?」
「ハッピー眼底砕き!」

マスターガンダムのメインカメラに手のひらを当て、その上から一本拳を強烈に叩き込んだ。

「ぐわぁ!」
「わぁぁぁぁぁ!?私の指がぁぁぁぁぁ!!」

逆方向に折れ曲がった中指の下にあるマスターガンダムのメインカメラが
衝撃でその奥にある中枢コンピューターにぶち当たった。
よろよろと体をふらつかせながらキュアハッピーから離脱するマスターガンダム。
人工知能が破損した影響で動きが致命的なほどカクカクしている。

「ば……馬鹿な……!?」
「勝負、あったね。」
「ねぇ!今の攻撃、わざわざ指の上から殴らなくても出来たよね!?」

「あ、あかん!今度こそ終わりや……!」
「はやて!あたしたちも行くぞ!」

ピンチの東方不敗を救う為、戦闘態勢に入った二人は気付かない。
倒れている本田忠勝の死体から、何かがもぞもぞと動き出すものがいることを。




【G-5 山岳地帯/1日目・午前】


【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
【状態】 健康
【装備】
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本:主催者を倒す
1:なのは、フェイトと合流する
2:東方不敗に加勢する
【備考】
※A,sの時期から参戦

【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは】
【状態】 健康
【装備】グラーフアイゼン、メダリオン(神殺槍)
【持ち物】不明支給品1~3、基本支給品
【思考】
基本:主はやてを守る
1:シグナムの仇を討つ
2:東方不敗に加勢する

【備考】
※A,sの時期から参戦です
※落雷の後遺症で死亡した更木剣八からメダリオンを受け継ぎました。
※その際にとても熱いドラマがあったと思われますが詳細は不明です。

【東方不敗@機動武鬪伝Gガンダム】
【状態】 疲労
【装備】 マスターガンダム(人工知能破損)
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本:地球を汚染から救い出す
1:キュアハートとキュアハッピーを倒す

【キュアハート@ドキドキ!プリキュア】
【状態】 健康
【装備】キュアハッピー (左中指中破)
【持ち物】
【思考】
基本:困っている人を助ける
1:東宝腐敗のドキドキを取り戻す
【備考】
※必殺技が判明したのでハートブレイクショットは封印しました。
※キュアハッピーはスマイルプリキュア!第35話からの参戦です。

※本田忠勝の死体から何者かが動き始めました。



ドキドキが止まらない 時系列順 TUNAMI
投下順
八神はやて 師弟対決
ヴィータ
東方不敗
キュアハート

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最終更新:2014年12月26日 16:49