「う……うぅ……。」

ホテルのホールでくつろいでいる所を突然の津波に襲われた豊臣秀吉は
水圧で瓦礫と化した建物の陰で水浸しになっている体をよろよろと起こした。
かつて拳ひとつで瀬戸内海の海水をまるごと消し飛ばしたこともある自分だが、
食堂が地下にあった上、不意を突かれたので反応が大幅に遅れてしまったのである。
目の前には既に息絶えた伊達正宗の死体が横たわっている。
恐らく普段から身に着けている重い鎧が命取りになったのだろう。
一緒に居たはずのトリコという男はいない。自分は拳圧で津波を吹き飛ばして
なんとか押し切ったが、奴は泳いで逃げ延びたのだろうか?

「この男、結局最初から最期まで寝ているだけだったな。」








ズガンッ!







突然、一か所に集約された散弾が、弾丸など通さぬはずの高密度の腹筋を貫いた。

「……がふっ!」

血反吐を吐きながら再び崩れ落ちる戦国覇王。
目の前には防弾チョッキに身を包みショットガンを構えた野人の姿が。

「ふっ……俺も……人のことは言えんか……。」

満身創痍の体を気合で立ち上げ、両腕を高く振り上げる。

「う……うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

ショットガンを地面に置いて四つん這いの姿勢になったピクルに向かって秀吉は突撃していった。




◆ ◆ ◆



「あ、あかん!今度こそ終わりや……!」
「はやて!あたしたちも行くぞ!」

キュアハッピーに破れた東方不敗を救う為、戦闘態勢に入った二人は気付かなかった。
倒れている本田忠勝の死体の口から、何かがもぞもぞと動き出すものがいたことを。
そして這い出てきたその者が、驚異的な速度で二人に向かって突進してきたことを。

「ん?なんや?」
「!!危ねぇ!はやて!!」

咄嗟に盾になってはやてを庇ったヴィータの胸を、神速の手刀が貫いた。

「がはぁ!?」
「ヴィ……ヴィータぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

絶叫するはやての前で、なんとか踏みとどまるヴィータ。
破れたバリアジャケットの胸部から、粉々に砕け散った更木剣八に貰ったメダリオンが落ちた。

「……あ、危ねぇ。これを胸に入れてなかったら即死だったぜ。なんだ!テメェは!?」




「じょうじ。」


そいつは、大きく無機質な目をした全長二メートルを超える黒いゴリラであった。
よく見ると頭に日本の触覚が生えている。そう、この者は猿ではない。昆虫なのだ。
それも過酷な環境の火星に放り込んだことで人間大の大きさにまで進化した「アレ」。

「うわぁ、ゴキブリだよぉ。なおちゃんがここにいたら絶対泡吹いて倒れてるよねっ!」

遠目からその様子を見ていたハッピーロボは若干引き気味に語る。

「どうする?どう見てもイレギュラーな事態だけど退治しちょう?」
「うん、あ、でもその前に。」

東方不敗のことを思い出したキュアハートはキュアハッピーを操作して
動きの停止したマスターガンダムの上半身を蹴り、千切り飛ばした。

「あれ?」
「しまった、逃げられたか。」

コックピットの中身は、すでにもぬけの空であった。






「じょうじょう。」

やや距離を離したテラフォーマーは不気味に鳴きながら格闘技のような構えを取っている。

「くそ!こんな奴いったいどこから!?」
「あ!アレや!」

はやては巨大化した本田忠勝の死体を指刺す。
いつの間にか甲冑の仮面が外れていた忠勝の顔が、なにやら道化師を思わせる風貌に変化している。

その顔は正に美食會副料理長トミーロッドそのものである。

「てめぇ!」
「……よしぃや。あいつはもう死んどる。」

そう、彼は忠勝と共に死んだ。しかし彼の体内に宿る1万個もの寄生昆虫の卵は別だったのである。
ポタラ合体の影響で卵は突然変異を起こして変質し、宿主の死後も進化を続けていた。
トミーロッドの執念が、ついに本田忠勝の体内にテラフォーマーズを産み出したのだ。

体内で卵が次々と孵化しているのか、今も触覚の生えたゴリラが口から這い出してくるのが見える。



「……ラグナロク。」

はやては無表情で雷を忠勝の顔面に落として焼き払った。
ゴキブリの無限増殖という最悪の事態はひとまず防げたが、
気付かないうちに一体何匹この会場に放たれたか分からない。

「あぁー!めんどくせぇ!なんで次から次へと訳わかんねぇ奴らと戦わなきゃならねーんだよ!?」
「ま、まぁとりあえずこいつを殺るで、ヴィータ。―――え?」

少し目を離した隙に、テラフォーマーの姿が視界から消え、目前まで接近されていた。
十分な距離があった。ヴィータのデバイスの変形が完了し、攻撃態勢が整うまでの十分な間が。
だが、見逃さない。火星の知的生物は待たない。
誰しもが目にしたことがあるゴキブリの瞬発力は直接的に人間大のスケールで直すと、
一歩目から時速320kmで走り出すことに相当する。
この足の速さはあらゆる生物の中で最速―――



「流石師匠だ。俺よりずっと速いや。」



―――その最速と同じ速度で突進してくる一つの影があった。
ゴキブリを師と仰ぐ男、格闘師(グラップラー)範馬刃牙の登場である。
刃牙はイメージで再現したゴキブリダッシュでテラフォーマーにタックルをかまし、その巨体を吹き飛ばした。

「え、えぇ~?あんた誰やねん!?」
「その恰好、ひょっとしてポニーテールの騎士さんの友達かい?」
「何!?てめぇシグナムを知っているのか!?」
「続きの話はこいつを倒してからだな。」

「じじじじ……じょうじぃぃぃ……!!」

口から泡を吹きだしながらゆっくりと立ち上がってくるテラフォーマーの方を向いた刃牙は
両腕をだらんと垂らし、全身を脱力させる。

「巨大化したゴキブリに人間は絶対に勝てない。そう思っていた時期がボクにもありました。
 ―――師匠、俺は今、あなたを超えます!」

人間大に進化したゴキブリ同士の、神速の戦闘が幕を開ける。



【伊達正宗@戦国BASARA 死亡】
【豊臣秀吉@戦国BASARA 死亡】



【G-5 山岳地帯/1日目・昼】

【八神はやて@魔法少女リリカルなのは】
【状態】 健康
【装備】
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】
基本:主催者を倒す
1:なのは、フェイトと合流する
2:東方不敗を探す
3:刃牙の様子を見る
【備考】
※A,sの時期から参戦

【ヴィータ@魔法少女リリカルなのは】
【状態】 健康
【装備】グラーフアイゼン
【持ち物】不明支給品1~3、基本支給品
【思考】
基本:主はやてを守る
1:シグナムの仇を討つ
2:東方不敗を探す
3:刃牙の様子を見る
【備考】
※A,sの時期から参戦です
※落雷の後遺症で死亡した更木剣八から受け継いだメダリオン(神殺槍)は砕けました。

【東方不敗@機動武鬪伝Gガンダム】
【状態】 疲労、逃亡中
【装備】
【持ち物】 ランダム支給品1~2、基本支給品一式
【思考】
基本:地球を汚染から救い出す
1:キュアハートから逃げる
※マスターガンダムは破棄しました。

【キュアハート@ドキドキ!プリキュア】
【状態】 健康
【装備】キュアハッピー (左中指中破)
【持ち物】
【思考】
基本:困っている人を助ける
1:みんなのドキドキを取り戻す
【備考】
※必殺技が判明したのでハートブレイクショットは封印しました。
※キュアハッピーはスマイルプリキュア!第35話からの参戦です。

【範馬刃牙@グラップラー刃牙】
【状態】健康
【装備】
【持ち物】不明支給品2~6、基本支給品一式
【思考】
基本:範馬勇次郎を倒す
1:強者が集まるここでトレーニングすれば親父を超えられる!
2:シグナムの仇を討つ
3:師匠(テラフォーマー)を倒す

【テラフォーマー(トミーロッドの寄生昆虫)@トリコ】
【状態】
【装備】
【持ち物】
【思考】
基本: じょうじ。
1:人間を駆除する。
2:じょうじぃ。

※本田忠勝と合体したトミーロッドの能力で死体からテラフォーマーズが産み出されました。
※テラフォーマーズは刃牙と闘っている個体の他にも何体か産まれたようです。


【G-2 ホテル/1日目・昼】

【ピクル@グラップラー刃牙】
【状態】 完全武装、食事中
【装備】 ショットガン
【持ち物】 予備弾薬、ランダム支給品3~9、基本支給品一式
【思考】
基本: 強い者と闘って喰らう
1:さっき何故か食べ損ねた少女はどこにいったのかな?
2:なんで変な空間に閉じ込められたんだろう?
3:現代は分からないことだらけだなあ
4: たまには文明的なこともしてみよう
5: さあ昼食だ!

【備考】
※野生を棄てました
※豊臣秀吉の死体を捕食中です。伊達正宗の死体は戦ってないので放置されています


マックシング 時系列順 アルマゲドン
投下順
気合だ!気合だ!みなぎってきたぁ! 八神はやて 魔法少女大戦
ヴィータ
東方不敗
キュアハート The Expendables―終わりの始まり―
find the blue 範馬刃牙
GAME START テラフォーマー
モンキーマジック ピクル 食戟-WILD FANG-
モーニングはいかが? 伊達正宗 GAME OVER
豊臣秀吉

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最終更新:2014年12月31日 20:02