突然だが、このゲームのディバッグにはあらゆるものが何でも入っていて参加者に支給されている。
いつ何時からそういう仕様になったのか分からない。何度か繰り返している内に生じたバグなのか、
このゲームを「一番最初に」始めた主催者達でも、その中身を制御することはできない。
量子力学の法則に従い、観測者がディバッグを開けた瞬間、波動関数が収束されその中身が決定されるのだ。
ディバッグを開けたその中身は、銃火器か、グルメ界の食材か、詳細名簿か、マミさんか。
シュレディンガーの猫のように、
支給品はディバッグは開けてみるまで何が入っているのか誰にも判らない。
◆ ◆ ◆
「カカロット貴様ァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!!」
このゲームの黒幕が流したふざけた放送を聞き、怒り狂ったベジータは
かつてないほどのパワーを体の底から覚醒させ、ゼブラと勇次郎を置いて空に飛び立った。
一刻も早くあの外道に成り下がった男を倒さねばこの怒りは収まらないだろう。
悟空は空を飛べる上瞬間移動までできる為普通なら現在位置の特定は困難だが
今さっき放送を奴がしたのなら今どこに居るのか大体推測できる。
D-6の工場地帯にある電波塔。
主催者の本拠地以外で放送ができそうな施設はここしかない。
思った通り、ベジータは電波塔の頂上に悟空の強大な気を感じ取った。
(見つけたぞカカロットォォォ!!!!今そこで決着をつけてやる!!!!)」
今のベジータは黄金に輝く髪が腰まで伸び、眼窩上隆起をした強面な顔つきに変わっている。
瀕死の重傷からの復活、そして悟空への怒りが限界を超えたパワーアップを促し、
ベジータをスーパーサイヤ人3へと覚醒させたのだ。
散々後れを取ってきたが今なら勝機は十分。いや、遂にに悟空を超えたとベジータは確信していた。
(…………なに…………!?)
―――だが、電波塔まで数十メートルという所まで近づいたときに異変が起こった。
(……カカロットの気が……消えた……!?)
先ほどまで感じていた悟空の気が突然感じ取れなくなってしまったのである。
(くそっ!?瞬間移動でどこか別の場所へ行ったのか?)
電波塔の頂上に着いたベジータは悔しさを感じながらも、
窓を叩き割って部屋に侵入し、放送室を念の為に確認する。
「……その気……ベジータか?わざわざ来てくれたんだな。」
孫悟空は、確かにそこに居た。
「………な………に………?」
だが、そこに居た悟空を見てベジータは何か信じられないものを見たかのように立ち止まる。
「さっきよりもずいぶんパワーが上がっているじゃねぇか。
ひょっとしておめぇもスーパーサイヤ人3になったのか?
………惜しかったなぁベジータ。オラが放送する前なら、
オラが本気だすって決める前なら、ひょっとしたらオラを超えてたのかもしれねぇな。」
「………お……お前!!その姿は!?」
そこに立っていたのは、赤い髪のサイヤ人であった。
髪は逆立っておらず、筋肉量はスーパーサイヤ人3どころか通常時よりも減っており、痩せている。
しかし赤い炎のようなオーラを纏ったその姿は底知れぬ力を感じさせるに十分な迫力があった。
ベジータはこの悟空の形態を知っている。
伝説の中の伝説、伝説からも消された存在。遥か昔の惑星ベジータで、正義の心を持った数少ないサイヤ人が、
数も力も圧倒的な悪のサイヤ人に対抗するために偶然つくりだしたというサイヤ人の「神」。
「……スーパーサイヤ人ゴッド……!?」
「ん?そういう名前なのか?この姿って。」
「な、なぜだ!?なぜ今の貴様がその姿になれる!?」
「いや、オラにもよくわからねぇ。オラがもっと強くなりてぇと願ったら
どうすればもっともっと強くなれるのか頭の中から自然と方法が浮かんできて
そいつを試してみたらこの姿になれたんだ。サイヤ人の太古から伝わる遺伝子の記憶ってやつか?
オラ難しくてよくわかんねぇけど。」
「それは百歩譲っていい!!だがどうやって条件を満たした!?
ここにはもうサイヤ人は俺と貴様しかいない筈だ!!」
「え?ブロリー死んだのか?スゲェじゃねぇか!誰がやったんだよ?」
「話を逸らすんじゃねぇ!!」
「うーん、どうやったって言われてもなぁ?」
キョトンとした顔で悟空は空になったディバッグをぶら下げた。
「オラはこの中に入ってた支給品を使っただけだぞ?」
「…………支給品…………?」
ディバッグの中身にあまり関心の無かったベジータにはピンとこなかったが、
このゲームはありとあらゆるものが何でも入っていて参加者に支給されている。
勇次郎に天津飯が支給されたように。巴マミに巴マミが支給されたように。
「…………おい、カカロット。なんだ、その後ろに倒れている奴らは…………?」
背中から冷や汗を流しながらベジータは少しづつ体をずらし、悟空の背後の床に
無造作に転がっているそれを確認し――――――瞳孔を限界まで縮めて絶叫した。
「う…………うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!??????」」
―――孫悟空の息子、孫悟飯
―――孫悟空の孫、孫悟天
―――ベジータの息子、トランクス
―――ベジータの生き別れの弟、ターブル
―――孫悟飯の娘、パン
そこにあったのは、悟空がディバッグから取り出し、全ての生命エネルギーを強制的に
吸い尽くされて干乾びた、五人の正しい心を持ったサイヤ人達の見るも無残な死骸であった。
「カカロットォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!」
「なに今更驚いてんだよぉ?さっき言ったじゃねぇか、おめぇ以外はみんな死んだって。」
「テメェはもうカカロットじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!
ただのクズだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」
悟空はスーパーサイヤ人ゴッド特有の、全てを悟ったような涼しい顔で
肩をすくめながらいつもの台詞をベジータに言い放った。
「でぇじょうぶだ。ドラゴンボールでみんな生き返れる。」
「うおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
怒りに狂ったベジータは我を忘れて悟空に突撃し、放送室が爆発して消し飛んだ。
【孫悟飯@ドラゴンボール 死亡】
【孫悟天@ドラゴンボール 死亡】
【トランクス@ドラゴンボール 死亡】
【ターブル@ドラゴンボール 死亡】
【パン@ドラゴンボール 死亡】
【D-6/1日目・午後】
【孫悟空@ドラゴンボール】
【状態】 疲労(小)、ダメージ(小)、スーパーサイヤ人ゴッド
【装備】 胴着 (上半身は破けてる)
【持ち物】ランダム支給品0~1、基本支給品一式
【思考】
基本: 優勝してドラゴンボールでみんなを生き返らせる
1:せっかくだからここで強い奴らとの戦いを楽しむ。
2:ブロリーは死んだのかぁ。
3:少し疲れっちまったけどもうちっと頑張るかぁ。
【備考】
※連載末期の魔人ブウと戦ってた頃からの参戦です。
※ベジータの言葉の影響はありません。
【ベジータ@ドラゴンボール】
【状態】ダメージ(中)、疲労(大)、固い決意、怒りのスーパーサイヤ人3
【装備】 普段着
【持ち物】 ランダム支給品1~3、基本支給品一式
【思考】 基本: カカロットを殺す
【備考】
※原作終了後(GT前)より参戦
※気を探るのは範囲各1マス。舞空術は若干の体力消費
戦闘力は会場そのものを壊す事以下に制限がかけられてる
※天津飯が参加している事に気付きました。
※悟空が殺し合いに積極的なのを知りました
※現在ジュエルミートにより回復中です。
※瀕死の状態から復活するので起きたら戦闘力が上昇します
最終更新:2017年02月12日 14:49