表:ソーサラー |
レベル |
習熟ボーナス |
魔術ポイント |
特徴 |
初級魔法修得数 |
修得呪文数 |
一日の呪文数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
1 |
+2 |
― |
呪文発動、ソーサラーの起源 |
4 |
2 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
2 |
+2 |
2 |
魔法の泉 |
4 |
3 |
3 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
3 |
+2 |
3 |
呪文修正 |
4 |
4 |
4 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
4 |
+2 |
4 |
能力値上昇 |
5 |
5 |
4 |
3 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
5 |
+3 |
5 |
― |
5 |
6 |
4 |
3 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
6 |
+3 |
6 |
ソーサラーの起源の特徴 |
5 |
7 |
4 |
3 |
3 |
― |
― |
― |
― |
― |
― |
7 |
+3 |
7 |
― |
5 |
8 |
4 |
3 |
3 |
1 |
― |
― |
― |
― |
― |
8 |
+3 |
8 |
能力値上昇 |
5 |
9 |
4 |
3 |
3 |
2 |
― |
― |
― |
― |
― |
9 |
+4 |
9 |
― |
5 |
10 |
4 |
3 |
3 |
3 |
1 |
― |
― |
― |
― |
10 |
+4 |
10 |
呪文修正 |
6 |
11 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
― |
― |
― |
― |
11 |
+4 |
11 |
― |
6 |
12 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
― |
― |
― |
12 |
+4 |
12 |
能力値上昇 |
6 |
12 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
― |
― |
― |
13 |
+5 |
13 |
― |
6 |
13 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
― |
― |
14 |
+5 |
14 |
ソーサラーの起源の特徴 |
6 |
13 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
― |
― |
15 |
+5 |
15 |
― |
6 |
14 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
1 |
― |
16 |
+5 |
16 |
能力値上昇 |
6 |
14 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
1 |
― |
17 |
+6 |
17 |
呪文修正 |
6 |
15 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
1 |
1 |
18 |
+6 |
18 |
ソーサラーの起源の特徴 |
6 |
15 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
1 |
1 |
1 |
1 |
19 |
+6 |
19 |
能力値上昇 |
6 |
15 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
1 |
1 |
1 |
20 |
+6 |
20 |
魔力の回復 |
6 |
15 |
4 |
3 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
1 |
1 |
金色に輝く目が閃き、その人間は手を大きく広げて、その血管の内で燃えるドラゴンの火を解放する。地獄の業火が敵を焼き尽くし、彼女の背中からは皮革のような翼が生え、彼女は空中に踊り出る。
呼び起こされた風に長い髪をなびかせて、そのハーフエルフは腕を大きく広げ、首を後ろにのけ反らせる。ほんの一瞬彼の身は地面から持ち上げられ、魔法の波動が彼の内に打ち寄せ、彼の内を通過し、彼から強烈な電撃が放射される。
石筍の背後にうずくまり、ハーフリングは突撃してくるトログロダイトを指差す。彼女の指先から火の突風が発せられ、そのクリーチャーを撃つ。彼女はニタリと笑ってその岩の構造物の背後に頭をひっこめるが、その魔法暴発によって彼女の皮膚が目映い青色に変わっていることには気づいていない。
ソーサラーはその特殊な血筋、何らかの異世界の影響、あるいは未知なる宇宙的力に晒された事によって与えられた魔法の生得権を持っている。人は言語を学ぶようには魔術を学ぶことはできないし、伝説的な人生を送る事を学ぶことができる者はもっと少ない。誰も魔術を選ぶことはない;そのパワーの方がソーサラーを選ぶのである。
未精製の魔法
魔術はあらゆるソーサラーの一部であり、肉体、精神、そして魂の中に、喚起されるのを待っている潜在的なパワーがいっぱいに広がっている。一部のソーサラーはドラゴンの魔法が吹きこまれた古代の血筋に由来する魔法を振るう。別の者は彼らの内に流れる未精製の、制御不能な魔法を宿しており、予測不能な発現をする混沌の嵐を持つ。
魔術のパワーの見た目は荒々しく予知できないものである。あるドラゴンの血筋は各世代に正確に1人のソーサラーだけを生み出すが、別の血統はすべてのメンバーがソーサラーである。ほとんどの場合、魔術の才能というのは明白な印として出現する。一部のソーサラーは彼らのパワーの源を特定できないが、中には彼ら自身の人生における奇妙な出来事にまでその起源を辿ることができる者もいる。デーモンとの接触、赤ん坊が生まれたときのドライアドによる祝福、あるいは神秘の泉から採った少量の水が魔術の贈り物の発端となったのかもしれない。そしてまた、魔法の神による贈り物、内方次元界のエレメンタルの力やリンボの狂気なる混沌に晒された事、あるいは現実の内なる働きへの一瞥なども、それを引き起こすかもしれない。
ソーサラーはウィザードが頼るような呪文書や魔法の知識が収められた古代の書物を使わないし、ウォーロックがそうするようにパトロンによって呪文を与えられるという事もない。自分自身の内なる魔法を制御し、利用する術を学ぶことで、彼らはパワーを解放するための新しい、驚くべき手法を発見できる。
不可解なパワー
ソーサラーは世界でも珍しい存在であり、冒険者の生き方に一切関わっていないソーサラーを見つけることは難しい。自らの血管の中に魔法のパワーが沸き立っている人々は、すぐにそのパワーがじっとしていられないことに気付く。ソーサラーの魔法は行使されることを望んでおり、たとえ呼び起こされたとしても、予測不能な方法で吐き出される傾向がある。
ソーサラーには、しばしば彼らを冒険行に駆り立てることになった不明瞭であるか、現実離れした動機を持つ。ある者は自らの内に吹き込まれた魔法の力に対するより深い理解を求めたり、自らの起源の神秘に関する答えを求めたりする。また別の者はそれを取り除く方法や、その完全な可能性を解放する方法を見つけることを望んでいる。彼らの目的が何であれ、どの点から見てもソーサラーはウィザードと同じくらに冒険者パーティにとって重要な存在であり、相対的に魔法的な知識の幅広さを欠いている点を、修得している呪文使用に対する非常に大きな柔軟性で補っている。
ソーサラーの作成
ソーサラーを作成する際に考慮すべき最も重要な質問は、君のパワーの起源である。キャラクターを始める際、君は自分の起源が
竜の血筋と結びついたものなのか、あるいは魔法暴発の影響を受けたものなのかを選択することになるが、そのパワーの正確な起源の決定は君に委ねられている。それは家族への呪いであり、遠い祖先から受け継がれてきたものであるのか?あるいは何らかの驚異的な出来事が君に固有の魔法の祝福を残していくと共におそらくは傷痕をも残していったのか?
君の体内に流れる魔法について君はどのように感じているのか?君はそれを受け入れているのか、それを体得しようとしているのか、あるいはその予測不能な性質を大いに楽しんでいるのか?それは祝福なのか、呪いなのか?君がそれを探し求めたのか、それともそれが君を見つけたのか?君にはそれを拒否する選択肢があったのか、そして君がそれを手にする事を望んだのか?君はそれを使って何をするつもりなのか?もしかすると、君は何か気高い目的のためにこのパワーを与えられたのだと感じているだろう。あるいは、君はそのパワーのことを、君が望むことをする権利として与えられたものと見なし、そうしたパワーを持たない者から望む物を奪うために使うかもしれない。おそらくは、君のパワーは君をこの世界における強力な存在―誕生時に君に祝福を与えたフェイ、君の血脈に流れる血をもたらしたドラゴン、実験によって君を生み出したリッチ、あるいはこのパワーを君にもたらすことを選んだ神格など―へと結びつけることになる。
簡単作成
君は下記の推奨方法を使うことで簡単にソーサラーを作成できる。第一に、【魅力】を最も高い能力値にし、ついで【耐久力】を高くする。第二に、隠者の背景を選ぶ。第三にショッキング・グラスプ、プレスティディジテイション、ライト、レイ・オヴ・フロストの初級魔法を、1レベル呪文としてシールドとマジック・ミサイルを選択する。
クラスの特徴
ヒット・ポイント
ヒット・ダイス:ソーサラー・レベル毎に1d6
1レベル時のヒット・ポイント:6+【耐久力】修正値
より高いレベルの時のヒット・ポイント:2レベル以降のソーサラー・レベル毎に1d6(あるいは4)+【耐久力】修正値
習熟
防具:なし
武器:ダガー、ダーツ、スリング、クオータースタッフ、ライト・クロスボウ
道具:なし
セーヴィグ・スロー:【耐久力】、【魅力】
技能:〈威圧〉、〈看破〉、〈宗教〉、〈説得〉、〈ペテン〉、〈魔法学〉から2つ選ぶ
装備
君は下記の装備に、背景によって与えられる装備を加えたものを持ってゲームを開始する。
- (a)ライト・クロスボウとボルト20本、あるいは(b)任意の単純武器1つ
- (a)呪文構成要素ポーチ、あるいは(b)秘術の焦点具
- (a)地下探険家パック、(b)探険家パック
- ダガー2本
呪文発動
Spellcasting
君の過去の生活における出来事、あるいは親や祖先の人生における出来事は、君の上に消すことのできない印として残されており、君に秘術魔法を吹き込んでいる。この魔法の泉は、その起源に関わりなく、君の呪文の力の源泉となっている。呪文発動に関する一般的なルールについては第10章、ソーサラー呪文のリストについては第11章参照。
初級魔法
Cantrips
1レベル時、君は
ソーサラー呪文リストから選択した4つの初級魔法を修得している。より高いレベルになると、「表:ソーサラー」の「修得初級魔法」の項目に示されている通りに、君は自分で選択して追加のソーサラー初級魔法を学んでいく。
呪文スロット
Spell Slots
「表:ソーサラー」には1レベル以上の呪文を発動するための呪文スロットを君がいくつ持っているかが示されている。これらのソーサラー呪文を発動するために、君はその呪文のレベル以上のスロット1つを消費しなければならない。大休憩を取り終えると消費した呪文スロット全てを回復する。
たとえば、君が1レベル呪文のバーニング・ハンズを修得しており、1レベルと2レベルのスロットを1つずつ使用できるなら、君はどちらかのスロットを使用してもバーニング・ハンズ呪文を発動することができる。
1レベル以上の修得呪文
Spells Known of 1st Level and Higher
君はソーサラー呪文リストから選択した1レベル呪文2つを修得している。
「表:ソーサラー」の「修得呪文」の列に、君がさらなるソーサラー呪文を選択して修得するときがいつなのか示されている。これらの呪文それぞれは、この表に示されているように、君が有する呪文スロットのレベルのものでなければならない。たとえば、君がこのクラスの3レベルに達したときには、君は1レベルか2レベルの呪文1つを新しく修得することができる。
加えて、君がこのクラスのレベルを獲得するとき、君は修得済みのソーサラー呪文1つを選択し、それをソーサラー呪文リストにある別の呪文と置き換えることができる。その呪文も君が呪文スロットを有しているレベルのものでなければならない。
呪文発動能力
Spellcasting Ability
【魅力】が君のソーサラー呪文の呪文発動能力である。君は自らの呪文を熱心な勉強と記憶を通して学ぶためである。君はソーサラー呪文が君の呪文発動能力を参照するときにはいつでも、【魅力】を使用する。加えて、君の発動するソーサラー呪文のセーヴィング・スロー難易度を決めるときや、それを使って
攻撃ロールを行なうときにも、【魅力】を使用する。
呪文セーヴ難易度=8+習熟ボーナス+【魅力】修正値
呪文攻撃修正値=習熟ボーナス+【魅力】修正値
呪文発動の焦点具
Spellcasting Focus
君はソーサラー呪文用の呪文発動時の焦点具として、秘術の焦点具(第5章に説明されている)を使用できる。
ソーサラーの起源
Sorcerous Origin
君に生来の魔法のパワーの源を描写するものである、“ソーサラーの起源”を選ぶ:“竜の血筋”か“魔法暴発”、どちらもこのクラスの説明の末尾に説明されている。
君の選択は1レベル時にこの選択を行なったときと、6レベル、14レベル、18レベル時に君に特徴を与える。
魔法の泉
Font of Magic
2レベル時、君は自分自身の内部深くにある魔法の源泉を呼び起こす。この源泉は魔術ポイントとして表現され、それは様々な魔法効果を生み出すことを可能にしてくれる。
魔術ポイント
Sorcery Points
君は2魔術ポイントを持っており、「表:ソーサラー」の「魔術ポイント」の欄に示されている通り、より高いレベルに達すると、より多くを獲得する。君はそのレベルの分として表に示されているよりも多くの魔術ポイントを持つことは決してできない。大休憩を取り終えると消費した魔術ポイントすべてを回復する。
柔軟な発動
Flexible Casting
君は魔術ポイントを使用することで、追加の呪文スロットを獲得したり、呪文スロットを犠牲にすることで追加の魔術ポイントを獲得したりできる。より高いレベルに達するに従い、君の魔術ポイントを使用する別の方法を学ぶ。
呪文スロット作成:
君は自分のターンにおけるボーナス・アクションとして、消費していない魔術ポイントを1つの呪文スロットに変換することができる。「表:呪文スロット作成」には、あるレベルの呪文スロットを作成するためのコストが示されている。5レベルを超える呪文スロットを作成することはできない。作り出された呪文スロットは大休憩の終了時に消滅する。
表:呪文スロット作成 |
呪文スロット・レベル |
魔術ポイントのコスト |
1 |
2 |
2 |
3 |
3 |
5 |
4 |
6 |
5 |
7 |
呪文スロットの魔術ポイントへの変換:
君のターンにおけるボーナス・アクションとして、君は1つの呪文スロットを消費して、そのスロットのレベルに等しい数の魔術ポイントを獲得する。
呪文修正
Metamagic
3レベル時、君は自らの呪文をそのときの必要に応じて変質させる能力を得る。君は下記の選択肢から2つを選んで獲得する。10レベル時と17レベル時に追加で1つずつ獲得する。
他に特記事項がない限り、呪文発動時に1つの呪文には1つの“呪文修正”選択肢のみ使用することができる。
対象選別呪文
Careful Spell
他のクリーチャーにセーヴィング・スローを行なわせる呪文を発動するとき、呪文の完全な力からそれらのクリーチャーの内幾人かを守護することができる。それを行なうには、君は1魔術ポイントを消費し、君の【魅力】修正値に等しい数のクリーチャー(最低でも1体のクリーチャー)を選択すること。選ばれたクリーチャーは自動的にその呪文に対するセーヴィング・スローに成功する。
距離延長呪文
Distant Spell
距離が5フィート以上の呪文を発動するとき、君は1魔術ポイントを消費し、その呪文の距離を2倍にすることができる。
接触の距離を持つ呪文を発動するとき、君は1魔術ポイントを消費することで、その呪文の距離を30フィートにすることができる。
威力強化呪文
Empowered Spell
呪文による
ダメージをロールする時、君は1魔術ポイントを消費して君の【魅力】修正値に等しい数(最低でも1つ)までのダイスを再ロールすることができる。新しいロール結果を使用しなければならない。
君はその呪文の発動時に他の“呪文修正”選択肢を使用しているとしても、“威力強化呪文”を使用することができる。
持続時間延長呪文
Extended Spell
持続時間が1分以上である呪文を発動するとき、君は1魔術ポイントを消費してその持続時間を、最大で24時間までの範囲で2倍にすることができる。
強大化呪文
Heightened Spell
クリーチャーに対して、その効果に抵抗するためにセーヴィング・スローを行なわせる呪文を発動する時、君は3魔術ポイントを消費して、この呪文の1体の目標に対し、その呪文に対して行なう最初のセーヴィング・スローに“不利”を与える。
高速化呪文
Quickened Spell
発動時間が1アクションである呪文を発動する時、君は2魔術ポイントを消費して、この発動について発動時間を1ボーナス・アクションに変えることができる。
音声動作省略呪文
Subtle Spell
呪文を発動するとき、君は1魔術ポイントを消費して、いかなる動作要素も音声要素もなしに発動することができる。
二重化呪文
Twinned Spell
1体のクリーチャーだけを目標とし、距離が“自身”ではない呪文を発動する時、君はその呪文のレベルに等しい数の魔術ポイントを消費し、距離内にいる第二のクリーチャーを同じ呪文の目標とすることができる(その呪文が初級魔法であれば1魔術ポイント)。
二重化呪文の対象とするためには、その呪文のその時点のレベルにおいて1体よりも多くのクリーチャーを目標とすることができないものでなければならない。
能力値上昇
Ability Score Improvement
4レベル、8レベル、12レベル、16レベル、19レベルに達したとき、君は自分が選択した1つの能力値を2上昇させるか、あるいは自分が選択した2つの能力値をそれぞれ1上昇させることができる。通常の場合と同様、この特徴を使って能力値を20よりも高く上昇させることはできない。
魔力の回復
Sorcerous Restoration
20レベル時、君が小休憩を取り終えたときにはいつでも、消費した4魔術ポイントを回復する。
ソーサラーの起源
SORCEROUS ORIGINS
彼らの生来の魔法について、ソーサラーによって異なる起源を主張している。数多くのバリエーションが存在するが、これらの起源の大部分は2つの分類に収まる:“竜の血筋”と“魔法暴発”である。
出展:『Player's Handbook』
最終更新:2016年09月11日 23:29