091913版
呪文はDUNGEONS & DRAGONSの多くの英雄と悪役によって使用される。異なる
クラスのキャラクターは異なる手段でその呪文を学習し、準備するが、それらを発動するときには、その呪文は非常に良く似た働きをする。
この項では呪文の説明文の概略と共に、呪文がどのように機能するか、魔法効果が組み合わさった場合に何が起こるかといった事について説明する。
呪文の説明文の読み方
呪文の説明文はいくつかのセクションで構成されている。
名前、レベル、補足説明:説明文の最初は呪文の名前で始まる。次の行には呪文のレベル、魔法の系統、そしていくつか追加の補足説明、たとえば儀式のタグなどが与えられている。
この2行の後に、その呪文について説明されるパラグラフが1つ2つ続く。
必要条件:いくつかの呪文には発動するために特定の状況や特定のアイテムを必要とする。もし呪文の必要条件を満たすことができないなら、呪文を発動することはできない。呪文の必要条件は、呪文発動のために満たさなければならない通常のあらゆる必要条件に加えて必要とされるものである。
効果:この項目では呪文のゲーム的な効果を説明する。
物質要素:もし呪文に物質要素が必要なら、それらはこの欄に特記される。呪文の説明にそうでないと記載されていない限り、物質要素は呪文を発動するときに消費される。
呪文の発動
キャラクターが任意の呪文を発動するとき、そのキャラクターのクラスや呪文の効果に関わらず、同じ基本的なルールに従う。
第一に、呪文を発動するには、クラス、
魔法のアイテム、あるいは他の何らかの発生源のいずれでも良いので、君はそれを利用できなければならない。また、いくつかのクラスは、事前に呪文を準備しておく必要がある。
第二に、戦闘においては、君は呪文の説明文に特記事項がない限り、アクションとして呪文を発動しなければならない(戦闘ルールの「
戦闘時のアクション」参照)。戦闘時以外では、君は事実上望むときにいつでも呪文を発動することができるが、1つの呪文は、次の呪文を発動する前に完成させなければならない。
呪文構成要素
呪文の構成要素は、それを発動するために君が満たさなければならない、物理的な必要条件である。呪文の説明文に特記事項がない限り、呪文には、その音声要素を構成する神秘的な文言を詠唱することと、呪文の動作要素を構成するジェスチャーを行うために最低でも1本の腕を使う必要がある。また、いくつかの呪文には、発動に必要とされる特定のアイテムや物品といった、物質要素がある。
もし呪文の構成要素を満たすことができないなら、その呪文を発動することはできない。したがって、沈黙させられていたり、腕が縛られていたりするなら、君は呪文を発動できない。
鎧を着用したままの発動
呪文発動には精神的な集中と精密なジェスチャーが必要とされるため、鎧を着用したままで呪文を発動するには、その鎧に対する習熟を得ていなければならない。そうでなければ、呪文発動にあたって、鎧が気になり、物理的にも障害となってしまう。
より高いレベルで呪文を発動する
その呪文のレベルよりも高いレベルの呪文スロットを使って呪文を発動するとき、その呪文はその発動についてより高いレベルであるものと見なされる。たとえば、君が3レベル呪文であるファイアーボールを、5レベル・スロットを使って発動したなら、そのファイアーボールは5レベル呪文である。
いくつかの呪文は、より高いレベルで発動したときには、“高レベル発動時”の項に説明されている通りに、より強力な効果を持つ。
発動時間
呪文の発動には、その呪文に規定されているある程度の時間を必要とする。ほとんどの呪文は発動するのに1回のアクションを要し、魔法の言葉やフレーズを詠唱し、一組の手の動きを完成させるのに、ほんの数秒で事足りる。
即行呪文。即行呪文はただ一言だけを必要とする。発動時間が即行である呪文は、君のアクションとして発動したり、他のアクションの一部として発動したりできる。もし他のアクションの一部としてその呪文を発動したなら、他のアクションの方で呪文の発動や、魔法のアイテムの起動に関わることはできない。
リアクション。いくつかの呪文はリアクションとして発動することができる。これらの呪文は効果を発揮するのにほんの一瞬の時間しか必要とせず、何かの出来事に対応する形で発動される。もしその呪文がリアクションとして発動することができるなら、呪文の説明に奇異がそうできる場合がどんなときなのか正確な記述がされている。
より長い発動時間。いくつかの呪文は発動するのにもっと長い時間を必要とする:分単位や場合によっては時間単位。もし1回のアクションやリアクションよりも長い時間を要する呪文を発動している間に
ダメージを受けたなら、君は呪文発動を継続するために【耐久力】セーヴィング・スローを行わなければならない。その難易度はたったいま受けたダメージの半分に等しい。もし複数の発生源、たとえばアローとドラゴンのブレス攻撃などからダメージを受けたなら、君はダメージの発生源毎に個別にセーヴィング・スローを行わなければならない。もしこのセーヴに失敗したなら、呪文は失敗するが、消費されてしまう訳ではない。もし再び呪文を発動したいのであれば、君は最初からやり直さなければならない。
距離
目標や呪文の起点は、その呪文の距離の範囲でなければならない。いったん呪文が発動されたなら、その効果はその距離に制限されない。
ほとんどの呪文にはフィート単位で記載された距離がある。いくつかの呪文は君が接触した1体のクリーチャー(君自身を含む)だけを目標とすることができるものもある。また、術者だけにしか効果のない呪文もある。たとえば、シールド呪文は君を、そして君だけを守護する。
目標
一般的な呪文は、その呪文の魔法による影響を与える1体かそれ以上の目標を指定する必要がある。呪文の説明文に、その呪文がクリーチャー、物品、効果範囲の起点、あるいはこれらの組み合わせのいずれであるかが記述されている。
誰かあるいは何かを目標とするには、君はそれに対する開けた進路を有していなければならず、そのため、完全遮蔽の背後にいるものを目標に取ることはできない。君が見ることができず、君とその地点との間に障害物があるような場所を効果の範囲に入れるのであれば、その起点は障害物の近い側に生じる。
もし発動した呪文の効果範囲の中や、距離の中に君が入っているなら、君自身を目標とすることができる。
効果範囲
ファイアーボールが爆発し、オークのグループ全体を焼き尽くす。コーン・オヴ・コールドが炸裂し、その場にいたオーガの一団を凍てつかせる。このような、ある範囲をカバーする呪文では、一度に複数のクリーチャーに影響を与えることができる。
効果範囲はいくつかの異なる形状のうち1つを有する。またそれには起点が存在している。起点とはそこから呪文のエネルギーが放射される地点のことである。一般的には、起点はマス目の一点であるが、いくつかの呪文はそれをクリーチャーや物体とすることを必要としている。
円錐状
円錐状は、起点から君が選択した方向に向かって伸びる。その長さに沿ったある地点における円錐の幅はその起点からの距離に等しい。円錐状の効果範囲にはその最大の長さが規定されている。
円錐の中のエネルギーは起点から直線状に伸びる。したがって、起点から円錐内のある場所まで遮られることのない直線を引くことができないなら、その地点は円錐の効果範囲に含まれない。
他に特記事項がない限り、円錐の起点は直線の効果範囲に含まれない。
立方体
君は立法体の起点を選ぶ。その起点はその立方体効果の面のいずれの場所ともなりうる。立方体の大きさは各面の長さ分まで伸びる。
立方体内のエネルギーや物質は、起点からその立方体いっぱいにう広がり、壁や柱のような物体を回り込む。
立方体の起点は、君がそうではないと決めたのでない限り、立方体の効果範囲に含まれない。
円柱状
円柱状の起点は、呪文の説明文に示されている通りの、特定の半径の円の中心である。円柱は地面に置かれなければならない。円柱内のエネルギーはその起点から円の演習に向けて直線状に伸びて、円柱のベースを形成する。それから、呪文の効果はベースから真上に向けて放射され、円柱の高さに等しい距離まで伸びる。
円柱内のエネルギーは直線状に放射されるため、このエネルギーが影響を与えることができる範囲の部分に関して、円柱は円錐と似ている。もし円柱のベースから円柱内の任意の地点まで遮られることのない直線を引くことができないなら、その地点は効果範囲に含まれない。
円柱の起点は円柱の効果範囲に含まれる。
球形状
君は球形の起点を選択し、球形はその地点から外側に向けて伸びる。球形のサイズはその地点から伸びるフィート単位の半径として表される。
球形の内部のエネルギーは(円錐や円柱と同様に)、起点からまっすぐに拡散する。もしその地点から球形の内部の地点まで妨害されずに直線を伸ばすことができないなら、その地点は球形の効果範囲に含まれない。
球形の起点は球形の効果範囲に含まれる。
雲状:
君は雲状の起点を選択し、雲状効果範囲はその地点から拡散する。雲のサイズはその地点から外側に伸ばしたフィート単位の半径として表される。
ガスや他の雲の物質が起点からその半径の距離まで外向きに広がり、壁や柱のような物体の周囲を回り込んで移動する。
雲の起点は雲の効果範囲に含まれる。
直線状:
直線は起点からまっすぐにその長さまで伸び、幅として定義されている範囲をカバーする。
他に特記事項がない限り、直線の起点は直線の効果範囲に含まれない。
セーヴィング・スロー
目標を指定している多くの呪文が、その呪文の効果のいくらか、あるいは全部を回避するためにセーヴィング・スローを行うことが可能である。呪文によって目標がセーヴに使う能力を規定しており、成功あるいは失敗したときに何が起こるか規定されている。
君の呪文に抵抗するための難易度は、10+魔法能力修正値である。もしクラスや他の要因から呪文発動ボーナスを有しているなら、難易度にそのボーナスを加算する。
持続時間
呪文の持続時間は呪文が存続する時間の長さである。持続時間はラウンド、分、時間、あるいは場合によっては年単位で表される。いくつかの呪文は、その呪文が解呪されるか破壊されるまで効果が持続すると規定されている。
いくつかの呪文は瞬間的である。このようにして何かあるいは誰かに損傷を与えたり、治癒したり、作り出したり、変化させたりする呪文は解呪できない、なぜなら、その魔法が存在するのはほんの一瞬だけだからである。
精神集中
いくつかの呪文は発動した後で魔法を起動し続けておくために精神集中を維持しておく必要がある。もし精神集中を失ったなら、そうした呪文は終了する。
精神集中を必要とする呪文は、その“持続時間”の項にそのように記述されており、その呪文には君がそれに対してどれだけの長さまで精神集中していることができるかが記述されている。君はいつでも精神集中を終わらせることができる(アクションは必要としない)。
移動や攻撃といった通常の活動は精神集中を阻害しない。精神集中を中断させうるアクションと出来事については下記に説明されている。
精神集中を必要とする別の呪文の発動。君は精神集中を必要とする別の呪文を発動すると、呪文に対する精神集中を失う。2つの呪文に同時に精神集中することはできない。
意識を失う。朦朧化したり、打ち倒されて気絶したりしたなら、呪文に対する精神集中を失う。敷衍してみて、君が死んだ場合も呪文は終了する。
猛烈な妨害を受ける。君を大いに妨害するような出来事や効果にさらされたなら、精神集中を失いうる。攻撃や他の効果がこのように精神集中を妨害することができるなら、その説明文にそのように記述されている。たとえば、ジャイアント・オクトパスが君をつかんでいる間は、君は精神集中を維持するために【耐久力】セーヴを行う必要があるだろう。
またDMは、嵐にもまれる船の乗っているときに砕け寄せる波に君が飲まれているような、特定の環境的現象において、呪文に対する精神集中を維持するために難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行うよう要求してくるかもしれない。
初級魔法
初級魔法は回数無制限で発動することができる呪文であり、呪文スロットを消費することもないし、事前に準備しておく必要もない。繰り返して発動して、術者の頭脳に呪文が刷り込まれ、その効果を繰り返し何度も生み出すのに必要な魔法が術者にしみ込んでいるのである。
メイジといくつかの他の呪文の使い手が初級魔法を知っており、また同様に特定の種族のメンバー、たとえば
ハイ・エルフなども知っている。
儀式
儀式は、通常よりも発動に長い時間をかけて行う呪文の別形態であり、呪文スロットを消費しない。呪文の使い手は、その術者が儀式版の呪文を発動する特徴を有している場合に限り、それを行うことができる。メイジ、クレリック、ドルイド、そしてバードはすべて儀式を行うことができる。
発動時間:儀式として呪文を発動するには、呪文の発動時間に10分を加算する。
儀式用の焦点具:呪文の使い手は儀式の魔法への焦点となる特殊な物品を使用しなければならない:構成要素ポーチやその術者の儀式発動の特徴に記載されている物品。焦点具は呪文によって消費されない物質要素である。
魔法効果の組み合わせ
個々の呪文については容易に裁定を下すことができるが、ときに、同じクリーチャーに対して1つより多くの呪文が効果を与えたような場合に混乱が生じる状況もある。
呪文によって与えられるボーナスとペナルティは、それらの呪文が重複している持続時間の間、すべて互いに足し合わせるが、ただひとつ例外の場合がある。呪文の説明に特記事項がない限り、同じ呪文を複数回発動した場合(同じ呪文のより高いレベルのものと低いレベルのものというケースを含む)の効果は互いに累積しない。代わりに、それらの中で最も高いボーナスや最も悪いペナルティが適用される。それでも、それぞれの呪文は個別に持続時間を消費していく。
呪文はDUNGEONS & DRAGONSの多くの英雄と悪役によって使用される。異なるクラスのキャラクターは異なる手段でその呪文を学習し、準備するが、それらを発動するときには、その呪文は非常に良く似た働きをする。
この項では呪文の説明文の概略と共に、呪文がどのように機能するか、魔法効果が組み合わさった場合に何が起こるかといった事について説明する。
呪文の説明文の読み方
呪文の説明文はいくつかのセクションで構成されている。
名前、レベル、補足説明:説明文の最初は呪文の名前で始まる。次の行には呪文のレベル、魔法の系統、そしていくつか追加の補足説明、たとえば儀式のタグなどが与えられている。
この2行の後に、その呪文について説明されるパラグラフが1つ2つ続く。
必要条件:いくつかの呪文には発動するために特定の状況や特定のアイテムを必要とする。もし呪文の必要条件を満たすことができないなら、呪文を発動することはできない。呪文の必要条件は、呪文発動のために満たさなければならない通常のあらゆる必要条件に加えて必要とされるものである。
効果:この項目では呪文のゲーム的な効果を説明する。
物質要素:もし呪文に物質要素が必要なら、それらはこの欄に特記される。呪文の説明にそうでないと記載されていない限り、物質要素は呪文を発動するときに消費される。
呪文の発動
キャラクターが任意の呪文を発動するとき、そのキャラクターのクラスや呪文の効果に関わらず、同じ基本的なルールに従う。
第一に、呪文を発動するには、クラス、魔法のアイテム、あるいは他の何らかの発生源のいずれでも良いので、君はそれを利用できなければならない。また、いくつかのクラスは、事前に呪文を準備しておく必要がある。
第二に、戦闘においては、君は呪文の説明文に特記事項がない限り、アクションとして呪文を発動しなければならない(戦闘ルールの「戦闘時のアクション」参照)。戦闘時以外では、君は事実上望むときにいつでも呪文を発動することができるが、1つの呪文は、次の呪文を発動する前に完成させなければならない。
呪文構成要素
呪文の構成要素は、それを発動するために君が満たさなければならない、物理的な必要条件である。呪文の説明文に特記事項がない限り、呪文には、その音声要素を構成する神秘的な文言を詠唱することと、呪文の動作要素を構成するジェスチャーを行うために最低でも1本の腕を使う必要がある。また、いくつかの呪文には、発動に必要とされる特定のアイテムや物品といった、物質要素がある。
もし呪文の構成要素を満たすことができないなら、その呪文を発動することはできない。したがって、沈黙させられていたり、腕が縛られていたりするなら、君は呪文を発動できない。
鎧を着用したままの発動
呪文発動には精神的な集中と精密なジェスチャーが必要とされるため、鎧を着用したままで呪文を発動するには、その鎧に対する習熟を得ていなければならない。そうでなければ、呪文発動にあたって、鎧が気になり、物理的にも障害となってしまう。
より高いレベルで呪文を発動する
その呪文のレベルよりも高いレベルの呪文スロットを使って呪文を発動するとき、その呪文はその発動についてより高いレベルであるものと見なされる。たとえば、君が3レベル呪文であるファイアーボールを、5レベル・スロットを使って発動したなら、そのファイアーボールは5レベル呪文である。
いくつかの呪文は、より高いレベルで発動したときには、“高レベル発動時”の項に説明されている通りに、より強力な効果を持つ。
発動時間
呪文の発動には、その呪文に規定されているある程度の時間を必要とする。ほとんどの呪文は発動するのに1回のアクションを要し、魔法の言葉やフレーズを詠唱し、一組の手の動きを完成させるのに、ほんの数秒で事足りる。
即行呪文。即行呪文はただ一言だけを必要とする。発動時間が即行である呪文は、君のアクションとして発動したり、他のアクションの一部として発動したりできる。もし他のアクションの一部としてその呪文を発動したなら、他のアクションの方で呪文の発動や、魔法のアイテムの起動に関わることはできない。
リアクション。いくつかの呪文はリアクションとして発動することができる。これらの呪文は効果を発揮するのにほんの一瞬の時間しか必要とせず、何かの出来事に対応する形で発動される。もしその呪文がリアクションとして発動することができるなら、呪文の説明に奇異がそうできる場合がどんなときなのか正確な記述がされている。
より長い発動時間。いくつかの呪文は発動するのにもっと長い時間を必要とする:分単位や場合によっては時間単位。もし1回のアクションやリアクションよりも長い時間を要する呪文を発動している間にダメージを受けたなら、君は呪文発動を継続するために【耐久力】セーヴィング・スローを行わなければならない。その難易度はたったいま受けたダメージの半分に等しい。もし複数の発生源、たとえばアローとドラゴンのブレス攻撃などからダメージを受けたなら、君はダメージの発生源毎に個別にセーヴィング・スローを行わなければならない。もしこのセーヴに失敗したなら、呪文は失敗するが、消費されてしまう訳ではない。もし再び呪文を発動したいのであれば、君は最初からやり直さなければならない。
距離
呪文の距離とは、呪文の起点を配置することができる、君から測った最大距離のことである。その効果そのものは距離を超えて伸びることもできる。君が呪文を発動するときに重要であることは、距離を超えていない位置に効果の起点を配置する、あるいは距離を超えていない位置にいる目標を選択する、という点だけである。
ほとんどの呪文にはフィート単位で記載された距離がある。いくつかの呪文は君が接触した1体のクリーチャー(君自身を含む)だけを目標とすることができるものもある。言い換えれば、君は目標に間合いが届かなければならない。
また、術者だけにしか効果のない呪文もある。たとえば、シールド呪文は君を、そして君だけを守護する。
目標
一般的な呪文は、その呪文の魔法による影響を与える1体かそれ以上の目標を指定する必要がある。呪文の説明文に、その呪文がクリーチャー、物品、効果範囲の起点、あるいはこれらの組み合わせのいずれであるかが記述されている。
誰かあるいは何かを目標とするには、君はそれに対する開けた進路を有していなければならず、そのため、完全遮蔽の背後にいるものを目標に取ることはできない。君が見ることができず、君とその地点との間に障害物があるような場所を効果の範囲に入れるのであれば、その起点は障害物の近い側に生じる。
もし発動した呪文の効果範囲の中や、距離の中に君が入っているなら、君自身を目標とすることができる。
効果範囲
ファイアーボールが爆発し、オークのグループ全体を焼き尽くす。コーン・オヴ・コールドが炸裂し、その場にいたオーガの一団を凍てつかせる。このような、ある範囲をカバーする呪文では、一度に複数のクリーチャーに影響を与えることができる。
効果範囲はいくつかの異なる形状のうち1つを有する。またそれには起点が存在している。起点とはそこから呪文のエネルギーが放射される地点のことである。一般的には、起点はマス目の一点であるが、いくつかの呪文はそれをクリーチャーや物体とすることを必要としている。
円錐状
円錐状は、起点から君が選択した方向に向かって伸びる。その長さに沿ったある地点における円錐の幅はその起点からの距離に等しい。円錐状の効果範囲にはその最大の長さが規定されている。
円錐の中のエネルギーは起点から直線状に伸びる。したがって、起点から円錐内のある場所まで遮られることのない直線を引くことができないなら、その地点は円錐の効果範囲に含まれない。
他に特記事項がない限り、円錐の起点は直線の効果範囲に含まれない。
円柱状
円柱状の起点は、呪文の説明文に示されている通りの、特定の半径の円の中心である。円柱は地面に置かれなければならない。円柱内のエネルギーはその起点から円の演習に向けて直線状に伸びて、円柱のベースを形成する。それから、呪文の効果はベースから真上に向けて放射され、円柱の高さに等しい距離まで伸びる。
円柱内のエネルギーは直線状に放射されるため、このエネルギーが影響を与えることができる範囲の部分に関して、円柱は円錐と似ている。もし円柱のベースから円柱内の任意の地点まで遮られることのない直線を引くことができないなら、その地点は効果範囲に含まれない。
円柱の起点は円柱の効果範囲に含まれる。
球形状
君は球形の起点を選択し、球形はその地点から外側に向けて伸びる。球形のサイズはその地点から伸びるフィート単位の半径として表される。
球形の内部のエネルギーは(円錐や円柱と同様に)、起点からまっすぐに拡散する。もしその地点から球形の内部の地点まで妨害されずに直線を伸ばすことができないなら、その地点は球形の効果範囲に含まれない。
球形の起点は球形の効果範囲に含まれる。
雲状:
君は雲状の起点を選択し、雲状効果範囲はその地点から拡散する。雲のサイズはその地点から外側に伸ばしたフィート単位の半径として表される。
ガスや他の雲の物質が起点からその半径の距離まで外向きに広がり、壁や柱のような物体の周囲を回り込んで移動する。
雲の起点は雲の効果範囲に含まれる。
直線状:
直線は起点からまっすぐにその長さまで伸び、幅として定義されている範囲をカバーする。
他に特記事項がない限り、直線の起点は直線の効果範囲に含まれない。
セーヴィング・スロー
目標を指定している多くの呪文が、その呪文の効果のいくらか、あるいは全部を回避するためにセーヴィング・スローを行うことが可能である。呪文によって目標がセーヴに使う能力を規定しており、成功あるいは失敗したときに何が起こるか規定されている。
君の呪文に抵抗するための難易度は、10+魔法能力修正値である。もしクラスや他の要因から呪文発動ボーナスを有しているなら、難易度にそのボーナスを加算する。
持続時間
呪文の持続時間は呪文が存続する時間の長さである。持続時間はラウンド、分、時間、あるいは場合によっては年単位で表される。いくつかの呪文は、その呪文が解呪されるか破壊されるまで効果が持続すると規定されている。
いくつかの呪文は瞬間的である。このようにして何かあるいは誰かに損傷を与えたり、治癒したり、作り出したり、変化させたりする呪文は解呪できない、なぜなら、その魔法が存在するのはほんの一瞬だけだからである。
精神集中
いくつかの呪文は発動した後で魔法を起動し続けておくために精神集中を維持しておく必要がある。もし精神集中を失ったなら、そうした呪文は終了する。
精神集中を必要とする呪文は、その“持続時間”の項にそのように記述されており、その呪文には君がそれに対してどれだけの長さまで精神集中していることができるかが記述されている。君はいつでも精神集中を終わらせることができる(アクションは必要としない)。
移動や攻撃といった通常の活動は精神集中を阻害しない。精神集中を中断させうるアクションと出来事については下記に説明されている。
精神集中を必要とする別の呪文の発動。君は精神集中を必要とする別の呪文を発動すると、呪文に対する精神集中を失う。2つの呪文に同時に精神集中することはできない。
意識を失う。朦朧化したり、打ち倒されて気絶したりしたなら、呪文に対する精神集中を失う。敷衍してみて、君が死んだ場合も呪文は終了する。
猛烈な妨害を受ける。君を大いに妨害するような出来事や効果にさらされたなら、精神集中を失いうる。攻撃や他の効果がこのように精神集中を妨害することができるなら、その説明文にそのように記述されている。たとえば、ジャイアント・オクトパスが君をつかんでいる間は、君は精神集中を維持するために【耐久力】セーヴを行う必要があるだろう。
またDMは、嵐にもまれる船の乗っているときに砕け寄せる波に君が飲まれているような、特定の環境的現象において、呪文に対する精神集中を維持するために難易度10の【耐久力】セーヴィング・スローを行うよう要求してくるかもしれない。
初級魔法
初級魔法は回数無制限で発動することができる呪文であり、呪文スロットを消費することもないし、事前に準備しておく必要もない。繰り返して発動して、術者の頭脳に呪文が刷り込まれ、その効果を繰り返し何度も生み出すのに必要な魔法が術者にしみ込んでいるのである。
ウィザードといくつかの他の呪文の使い手が初級魔法を知っており、また同様に特定の種族のメンバー、たとえばハイ・エルフなども知っている。
儀式
儀式は、通常よりも発動に長い時間をかけて行う呪文の別形態であり、呪文スロットを消費しない。呪文の使い手は、その術者が儀式版の呪文を発動する特徴を有している場合に限り、それを行うことができる。ウィザード、クレリック、ドルイド、そしてバードはすべて儀式を行うことができる。
発動時間:儀式として呪文を発動するには、呪文の発動時間に10分を加算する。
儀式用の焦点具:呪文の使い手は儀式の魔法への焦点となる特殊な物品を使用しなければならない:その術者の儀式発動の特徴に記載されている構成要素ポーチや他の物品。焦点具は呪文によって消費されない物質要素である。
魔法効果の組み合わせ
個々の呪文については容易に裁定を下すことができるが、ときに、同じクリーチャーに対して1つより多くの呪文が効果を与えたような場合に混乱が生じる状況もある。
呪文によって与えられるボーナスとペナルティは、それらの呪文が重複している持続時間の間、すべて互いに足し合わせるが、ただひとつ例外の場合がある。呪文の説明に特記事項がない限り、同じ呪文を複数回発動した場合(同じ呪文のより高いレベルのものと低いレベルのものというケースを含む)の効果は互いに累積しない。代わりに、それらの中で最も高いボーナスや最も悪いペナルティが適用される。それでも、それぞれの呪文は個別に持続時間を消費していく。
最終更新:2014年06月11日 19:58