猛る者

統一紀元前1417年、ギッシュテリニア王国の民兵に入隊し、そこから脱走するまでの話を軸にして物語は構成されている。

青年ギッシュは他のよりも頭ひとつ以上の大きな体を持ち、それを頼んで村の防衛団に乞われる事が多かった。
その為に自分の畑を耕す時間が削られ、両親は厭きられると共に、村人から良い様に使われている不甲斐なさに腹が立っていた。
これであるならいっそ、村から出さねば成らない民兵として国に出した方が良いと考えた。
ギッシュ自身も自分が田畑を耕すより、村を守って居る事に誇りと楽しみ、嬉しさを感じている違和感があり、この提案に乗り民兵として村を出て行った。
ギッシュが住む地はダヤン子爵領であり、それはテリニア王国西部にある事から、毎年一度は必ず戦いに出なければ成らない。
しかし、そこで死んだ者は少なく、危険度で言えば個人で村を守るよりも、民兵として組織的に敵に対峙した方が生存率は高い。

そこで偶然な事にギッシュは軍の教官として剣を教えるダリューとの知遇を得た。
ダリューから僅かづつではあるが体術を教えられると、それは真綿が水を吸収するかの様にギッシュの体に馴染んで行く。
民兵の任期は二年、それが過ぎ去ろうとする時ギッシュは悩んだ、このまま村に帰っても果たして田畑に向けて情熱が傾けられるだろうか?
また、まだまだダリューから教えを受けたいとも思っていた。
そんな時、戦いへ向かう指令が飛びこんで来る、丁度ダリューは旅の中にあり、不安なままに出陣すると軍は自分の故郷の方へと足を延ばして行く。
ギッシュの嫌な予感が的中し、襲われたのは自分の村であり住民の全てが殺害された現場を目にしてしまう。
戦闘は無理だと思った指揮官のザルトは新兵のジャンガルに命じて、ギッシュを帰還に同行する様に命じた。
しかし、そこでギッシュを待っていた物は...








最終更新:2012年09月12日 14:26
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