- オウィディウス『変身物語』巻二~四に登場する、ギリシャのポリステバイを建国したとされる人物。
父の叱責を逃れた末に至った地で、軍神
マルスの大蛇と遭遇してこれを退治し、そこにテバイを建国した。
ミネルヴァの助言で退治した蛇の歯を地に撒くとそれが人間となり、テバイ建国の手助けをしたという。
婿の
アタマスと共に狂気に追い込まれ、海へ身を投げてしまう。
傷心のカドモスは妻
ハルモニアと共にテバイを出て流浪し、最後は自らも蛇の姿となってしまう。
この蛇は人間だった時の事を覚えているため、毒を持たないという。
- ヘロドトス『歴史』巻五に、このカドモスと共にフェニキア人たちがボイオティア地方へ渡来、
のちにボイオティア人に追い出されて
アテナイへ難を逃れた事が記されており、
その際にフェニキア人たちから多くの知識、特に
フェニキア文字を伝えられたのだとする記述がある。
ヘロドトスは自身の考えとして、ギリシア人たちはこの時まで文字を知らなかったのだろうと記している。
- プリニウス『博物誌』第七巻では、カドモスがアルファベットのうち16文字をフェニキアからギリシアへ輸入した、
という「思想界の三つの派」の説を紹介している。
また同書の同箇所に、テオフラストスの説として、
石材の切り出し技術を創始したのもカドモスである、
という話を紹介している。
参考文献
『変身物語(上)』オウィディウス
『歴史(中)』ヘロドトス
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
最終更新:2016年03月22日 03:04