トリトン


  • ヘロドトス『歴史』巻四によれば、アルゴナウタイが出発する際、青銅製の鼎(かなえ)を積み込み、
   デルポイへ行こうとしたが、途中で北風に襲われてリビアへ流された。
   そしてトリニトス湖の浅瀬に乗り上げてしまって抜け出せなくなったという。
   イアソンが困っていると、トリトンが現れ、彼らに水路を教え無事に帰してやるかわりに
   その鼎をくれと言い、イアソンが承知するとトリトンが言った通りにアルゴー船を送り届け、
   かわりに鼎を得てこれを自分の社に据えた。のち、その鼎に座って託宣をくだし、
   アルゴー船乗員の子孫の何者かがこの鼎を持ち帰ることがある場合には、トリニトス湖をめぐって
   百のギリシアの町が建てられるであろうと述べたという。
   これを知ったリビア人は、この鼎を隠してしまったとか。


      参考文献
『歴史(中)』ヘロドトス


最終更新:2015年10月07日 21:51