パンの洞窟

  • アテネのアクロポリス西北の斜面に所在する洞窟。
   内部に牧神パンをまつる社がある。


  • ヘロドトス『歴史』巻六によれば、ペルシア戦争の際、アテネがスパルタへ救援を求める使者として
   ピリッピデスを送り出した際、ピリッピデスがパルテニオン山に差し掛かったところで
   パンに呼び止められ、「自分はアテネ人に好意を持っており、今までも尽くしてきたし今後もそのつもりだ、
   しかしアテネ人が自分に構ってくれないのはどういうことか、と伝えるように」と言われたといい、
   これを契機にアクロポリスの麓にパンの社を建立し、年々犠牲をささげ、松明競走を催すようになったという。
   そして恐らくは、この社が「パンの洞窟」を指すのであろうとのこと。



      参考文献
『歴史(中)』ヘロドトス


最終更新:2015年10月17日 19:16