- 中世、鬼が持つ宝物として「打ち出の小槌」が広く知られていたらしく、各所に散見される。
昔話・御伽草子「一寸法師」で鬼が持つ打ち出の小槌により一寸法師が人間の大きさになるほか、
狂言「節分」に登場する鬼が、自身の持つ宝として挙げた中に打ち出の小槌があり、
また『平家物語』巻六「
祇園女御」に「足はまことの鬼とおぼゆる。手にもてるものは聞こゆるうちでのこづちなるべし」
という記述があり、当時、「鬼が打ち出の小槌を持っていること」は広く人口に膾炙していたと推測できる。
- 江戸時代、大奥では毒見番のことを「鬼役」と呼んでいたという。
(折口信夫は、
八瀬童子が比叡山
延暦寺の寺奴だったことなどと結びつけ、
殿上人に使われる童子役を鬼と見なした名残の一つとしてこれを見ている(「信太妻の話」))
参考文献
『古代研究 I 』折口信夫
『日本伝奇伝説大事典』
最終更新:2014年04月13日 03:50