暗黒騎士(FINAL FANTASY XI)

登録日:2017/11/18 Sat 17:28:29
更新日:2024/04/13 Sat 23:32:23
所要時間:約 20 分で読めます




MMORPG『FF11』に登場するジョブの一つ。
FFIVの主人公であるセシルが印象深いせいかシリーズ定番のジョブだと思われがちだが、実はナンバリングタイトルで登場しているのは4、11、14のみと、結構なレアジョブだったりする。
FFIIIにも「魔剣士」という似て非なるジョブがあるが)

この為シリーズ全体でのイメージがあんまり統一されていない節があるが、共通して厨二病というワードが重要な役割を果たしている点については疑問の余地はない。


◆「どんなジョブなの?」


端的に言えば「アタッカー」、つまりパーティの火力源となる攻撃役に分類されるジョブ。
一般的には戦士・侍・竜騎士とまとめて「重前衛アタッカー」あるいは「両手武器アタッカー」とみなされることが多い。

アタッカーとしては、オリジンともいうべきセシルの「あんこく」を意識したのか、「何らかのリスクを代償に、強化効果(バフステ)を得る」タイプのアビリティを多数揃えているのが特徴(オリジナルの「あんこく」はHP減少というリスクの代わりに全体ダメージを与えるアビリティ)。
得意な武器は両手で使う大剣である「両手剣」、そしてFFシリーズでは極めて珍しい「両手鎌」の2つ。
他にも使える武器は結構あるが、基本的にはこの斬属性武器2種を使い分けていくことになる。

またアタッカー系重前衛の中では唯一自前でMPを持っており、一部の黒魔法が使用可能。
特に吸収や行動妨害をつかさどる「暗黒魔法」に関しては全ジョブ中最高のエキスパートであり、暗黒騎士専用の暗黒魔法もかなりの数。
さらには黒魔道士の得意技である「精霊魔法」、赤魔道士が得意とする「弱体魔法」なども一応使えるが、こちらは正直オマケレベル。

元々「ナイトの対になるジョブ」というコンセプトで作られたらしく、
「白い鎧に盾を持つナイト」「黒い鎧に大剣を持つ暗黒騎士」
「防御に特化したナイト」「攻撃に特化した暗黒騎士」
「白魔法を使う騎士であるナイト」「黒魔法を使う騎士である暗黒騎士」
など対照的な要素が多い。



◆「どんなところが優れてるの?」

最大の長所は、やはりその圧倒的な瞬間火力
攻撃面を強化するアビリティや魔法が圧倒的に充実しているため、それらを多数同時に使用した場合の相乗効果は凄まじい。
FF11のゲームシステム上あまり意味がある数値ではないが、理想的な条件下*1における単純物理DPS*2では、全ジョブ中間違いなく最強クラスと言える。

そしてそれほどの攻撃力を持ちながら、
  • 敵の危険な技の発動を咄嗟にキャンセルできるアビリティ「ウェポンバッシュ」や暗黒魔法「スタン」
  • 敵のAGI(回避力)を吸い取り、相対的にパーティの命中率を上げる暗黒魔法「アブゾアジル」
  • 敵を一時的に寝かせて行動不能にする弱体魔法「スリプル」
などなど、妨害系を中心としてテクニカルな小技も割と充実している。



◆「んじゃ欠点は?」

豊富なアビリティや魔法を持つものの、その大半が「自分(の火力)を強化する」という方向にしか向いていない。
アビリティ「挑発」によって一時的なタンクにもスイッチ可能な戦士、あるいはヘイトコントロール能力を持ちヒーラーとしても動ける竜騎士などと比べ、PTの中の役割はどうしても単純なアタッカーに限定されてしまいがち。

例えば

~戦士の場合~

むむむ、タンクのHPがピンチだ!このままではやられてしまう!」「ならば『挑発』で一時的にターゲットを肩代わりだ!

「くっ!タゲをとったが敵の火力が高い!このままでは危険だ!」「ならば盾に持ち替え、『ディフェンダー』で防御力アップだ!

「こいつ、物理ダメージをカットしやがる!」「ならば『トマホーク』で物理カット性能を下げてやる!

「ぬおお、ここが攻め時だ!一気に削ってやるぞ!」「よし、『マイティストライク』で火力アップだ!


~暗黒騎士の場合~

むむむ、タンクのHPがピンチだ!このままではやられてしまう!」「ならば『ラストリゾート』で防御を犠牲に火力アップだ!死ねぇ!

「くっ!タゲをとったが敵の火力が高い!このままでは危険だ!」「ならば『レッドデリリアム』で被ダメージを攻撃力に変えて火力アップだ!死ねぇ!

「こいつ、物理ダメージをカットしやがる!」「ならば『暗黒』でHPを犠牲に無属性ダメージ上乗せで火力アップだ!死ねぇ!

「ぬおお、ここが攻め時だ!一気に削ってやるぞ!」「よし、『ソールエンスレーヴ』で火力アップだ!死ねぇ!

といった感じで、戦況に対する柔軟な対応力に欠けている部分があることは否めない。

また攻撃面でも火力強化アビリティへの依存度が極めて高く、しかもその殆どが効果時間<再使用時間になっていることも無視できない。
ある程度戦闘が長引くと「アビリティが使用できずに火力が低下する時間帯」が不可避となるため、「1分あたりの火力では最強だが、5分あたりの火力ではそうでもない」なんて事態になってしまうことも。

また強化アビリティへの依存度が高いということは、それらを強制解除する「ディスペル」系の技や、そもそも使用を制限してしまう「麻痺」「アムネジア」などの状態異常に極めて弱いということも意味する。

総じて「火力は高いが、その分、あるいはそれ以上にピーキー」なのが暗黒騎士の欠点と言えるだろう。



◆「世界観的には?」

プレイヤーがジョブとして選ぶことのできる「暗黒騎士」とは、本来ガルカ族に伝わる「暗黒剣」の使い手を指す言葉だった。
暗黒剣とはガルカ族が今の様に世界中に離散するより前、クォン大陸の南西「ゼプウェル島」に都を築いていた時代から伝承されていた技術である。

ガルカ族は他種族を圧する頑健で強靭な肉体、さらに200年にも及ぶ長寿を持ち、また生殖を行わずに「転生」という方法で種をつなぐという特徴から、他種族とは一線を画した独特の死生観を持つに至った。

暗黒剣というのもそうしたガルカ文化の中で生まれた存在であり、それは「戦いがもたらす憎悪や悲哀から目を背けず、それと向き合って力とする」ことを目的とした戦技、ひいては「生き方」そのものだった。

暗黒剣を振るう者に、自らのもたらす破壊や死から「正義」や「義務」を言い訳に目をそらすことは決して許されない。
自らの殺戮者としての業とひたむきに向きあい続け、しかしそれに屈しない心の強さを持ち続けられる者だけが、真の暗黒騎士たりうるのである。

そして伝統的な暗黒騎士といえば、そのシンボルカラーとも呼べる漆黒の鈍い輝きがよく知られているが、これもガルカ族の鍛冶に伝わる合金「黒鉄(ダーク鋼)」の地金の色に由来している。

ダーク鋼は通常の鉄よりも遥かに強靭な性質を持つが、同時に鉄よりも遥かに重く、一般的な武具の素材としては必ずしも適したものではない*3
しかし故にこそ暗黒騎士は「自らの業の重さを忘れぬように」としてその重さを好んできたため、ダーク鋼製の武具とその漆黒は暗黒騎士の象徴とされるようになったのである。

またガルカ文化に由来する暗黒剣とは全く別のところで、かつての大戦で闇の王の親衛隊として恐れられた異形の種族「デーモン族」にも、暗黒剣に酷似した戦技が見られる。
大型の剣や鎌を得物とし、相手の生命力や魔力を奪う「ドレイン」「アスピル」などの黒魔法を使いこなすその姿はまさしく暗黒騎士のそれだが、ガルカ族との暗黒剣との直接的な関係性は不明である。



◆「暗黒騎士48の必殺技」

暗黒(アビリティ)
効果時間中、物理命中率を上げると共に、自身のHPを削って攻撃力に上乗せする。効果時間は基本60秒。
効果量は現HPの10%で、例えばHPが2000なら攻撃のダメージにその1割、200を上乗せする(そして自身のHPが200減る)。
命を削って火力に変える暗黒騎士を象徴する強力なアビリティだが、使用中はHPが凄まじい勢いで減っていくため、追加ダメージもどんどん減少してしまうという欠点がある。


ラストリゾート(アビリティ)
効果時間中、自身の防御力を下げる代わりに攻撃力を上げ、また両手武器装備時限定でヘイスト(攻撃速度の上昇)効果を得る。効果時間は基本180秒。
実質的に戦士の「バーサク」の上位互換とでも呼ぶべき性能で、暗黒騎士の高いアタッカー性能を支えている超攻撃的アビリティ。
だがあまりに強力過ぎて、暗黒騎士自体がこれを前提に調整されている節があり、火力面での依存度が極めて高い。
状態異常などでこれが使えない状況、あるいは再使用時間待ちのクールタイム中などでは著しく火力が低下してしまう。


ブラッドウェポン(アビリティ)
効果時間中、敵に与えたダメージを吸収し、そのまま自身のHPを回復する。
1時間に1回だけ使用でき、効果時間は基本30秒。
これ単体では「やばい時に30秒だけ悪あがきできる」程度のアビリティだが、上記の「暗黒」と組み合わせることで一変。
与えたダメージ分自身のHPが回復するため、「発動中は自身のHP(=追加ダメージの威力)が減り続ける」という暗黒の欠点を補い、破壊的な相乗効果を生み出すことができる。


ドレイン(魔法)
敵からHPを吸収、つまり敵に闇属性ダメージを与え、そのダメージ分自身のHPを回復するシリーズ伝統の暗黒魔法。暗黒騎士はレベルIIIまで使用可能。
レベルIのドレインは単にダメージの分回復するだけだが、暗黒騎士専用のIIとIIIは与えたダメージが自身の最大HPを上回った場合、余った分だけ一時的に自身の最大HPを増量する効果がある。
最大HPが増えると耐久力が上がるだけではなく、現HPに依存する暗黒の威力も上がるため、極めて攻撃的な魔法とも言える。


エンダーク(魔法)
効果時間中、自身の通常攻撃(オートアタック)に闇属性ダメージを付加すると共に、攻撃力を(レベルIIは命中率も)アップさせる暗黒魔法。レベルIIまでが使用可能。
基本効果時間は180秒で、暗黒騎士の火力アップ系にはめずらしく効果時間>再使用時間となっており、常時維持が可能な点が嬉しい。


ドレッドスパイク(魔法)
効果時間中、自身に攻撃したものに対して闇属性ダメージを与え、かつ与えたダメージ分自身のHPを回復するバリア系暗黒魔法。基本効果時間180秒。
一見超強力な防御魔法に思えるが、
・吸収上限が使用時の最大HPの半分で、蓄積ダメージがそれを超えると強制解除
・ダメージは敵の耐性、魔法防御力などの影響を受ける
などといった理由で、実際はそうでもなかったりする。
むしろこちらの数十倍~数千倍のHPを持つ敵に使われた時の方が遥かに脅威であり、知らずに殴った前衛などを文字通り一瞬で昇天させてしまうことも。


アポカリプス(武器)
FF11の最強武器の一つ「レリックウェポン」に属する暗黒騎士専用の両手鎌。
抜群の基本性能に加え、暗黒騎士が不足しがちな命中に+60という怒涛の補正を与えてくれる優れた武器だが、その真価は専用ウェポンスキル(WS)「カタストロフィ」にある。
カタストロフィはいわば「WS版ドレイン」とでも呼ぶべき性能で、与えたダメージの半分を吸収して自分のHPを回復できるという追加効果を持っている。
魔法判定であるドレインと違って、暗黒騎士の高い物理攻撃力をそのまま生存力に変換できるため、回復効率とてつもなく高い。
支援ジョブが揃った場合の単純なDPSこそ同クラスの最強武器達の中では低い方だが、他の武器とは全く別次元の立ち回りを可能とするため、その独自価値は高い。


ラグナロク(武器)
同じく「レリックウェポン」の1本で、戦士とナイトも装備可能な両手剣。
シリーズの伝統、かつレリックウェポンの称号に恥じない高い基礎性能と、アポカリプス同様に命中+60という優れたサブステを持ち合わせている。
また装備中は専用WS「スカージ」が使用可能になり、使用後はクリティカル発動率アップのアフターマスが付与される。
かつては火力において最強クラスの武器として名高い逸品だったが、その後両手剣に化け物級の威力を誇る新WSが追加されていったため、スカージに縛られているラグナロクはちょっと埋もれ気味。
だが常に命中に悩み気味の暗黒騎士にとって命中+60の補正は魅力的な長所であり、今でも独自の価値を失ってはいない。


カラドボルグ(武器)
ファンタジーものでは結構メジャーな割に、FFシリーズでは大変影の薄い伝説の剣。エクスカリバーと被るから?
11ではレリックウェポン同様の最強武器の一つ、「エンピリアンウェポン」に分類される両手剣で、他の最強武器同様、その入手にはとてつもない手間と金を要する。
武器としての単純性能はそこまで飛びぬけているわけではないが、専用WS「トアクリーバー」が超強力。
さらにサブステとして付与されているVIT+50の大ブーストと、発動の後に付与される「時々3倍ダメージ」の効果がその火力をさらに引き上げている。
暗黒騎士の武器の中でも単純DPSでは頭一つ抜けていると言ってよいが、命中に関する補正がほとんどないのが難点。


クラーケンクラブ(武器)
LV60制限BF(バトルフィールド。閉所でのボス戦コンテンツ)「南海の魔神」で超低確率で手に入る片手棍。
一見何の変哲もない片手棍だが、隠し性能として「時々2-8回攻撃」という他に類を見ない特殊プロパティを持っている。
このため「手数=威力」となるアビリティ「暗黒」との相性が抜群に良く、ブラッドウェポン・ラストリゾートを併用した通称「暗黒クラポン」は一握りの暗黒騎士だけに許された超破壊兵器として一世を風靡した。


エースロケット(防具)


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     /    \
    | ^   ^ |  <これがエースロケットであるか^^
    .| .>ノ(、_, )ヽ、.|
   / ! ! -=ニ=- ノ\
 /  L\`ニニ´/]  \
  ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄| ̄ ̄

       川
     ( (  ) )




◆「プレイヤー的な意味での暗黒騎士の歴史」

※ここからはややディープな用語が登場します。


1 『喚ばえメギドの昏き焔を』(あんこくさんレタスよろw)

ゲーム開始初期にレベル上げ戦闘で用いられていた戦術は、複数の前衛間によるウェポンスキル(WS)のコンボ、つまり「技連携」だった。

FF11に存在するほとんどのWSは、斬属性や火属性といった攻撃属性の他に、「連携属性」と呼ばれるコンボ属性的なプロパティを持っている。
特定の順番でこの連携属性をつなげることで、コンボ効果である連携を発動させ、大きな追加ダメージを発生させる戦術が即ち技連携である。

しかし最初期の暗黒騎士は、
・得意とする両手武器が、片手武器や格闘に比べWS用のゲージ(TP)がたまるのが圧倒的に遅い
・両手武器WSに単発(1hit判定)の物が多く、連携の発生が安定しない
・片手武器も一応使えるが、他ジョブの劣化でしかない
などなどの欠点を抱えており、技連携システムとあまりにも相性が悪かった。

その後程なくして両手武器に抜本的な調整が入り、TPのたまりが遅すぎるという問題は解決されたのだが……
・両手鎌・両手剣共に「威力」と「(使用率が高い)連携属性」を両立したWSが少ない
・相変わらず命中が足りてない
という別の欠点が露呈し、結局当時の暗黒騎士が「連携と言う戦術に対して致命的に向いていない」ということを確認するだけに終わってしまった。


2 『断罪の刃が死の旋律を奏でん』(ギロヒャッホイ)

そんな感じでボンクラーズの称号をほしいままにしていた暗黒騎士だったが、2枚目の拡張ディスク『プロマシアの呪縛』あたりでやや風向きが変わってくる。
バランス調整による環境の変化で、それまでのような連携主体の戦術だけではなく、WSの物理的威力を重視してノーウェイトでぶっ放す「即撃ち」戦術が台頭してきたのである。

この為単純な物理火力「だけ」なら高かった暗黒騎士の価値もあがり、ようやくジョブとしての独自価値を見出すことができた。

また3枚目の拡張ディスク『アトルガンの秘宝』の実装後間もなく、メインウェポンである両手武器に根本的なアッパー調整が入り、その物理火力をさらに伸ばすことになった。


3 『選ばれざりし者のさだめ』(戦忍モより@1名募集中です)

その後も着実に力をつけていた暗黒騎士だったが、色々とジョブバランスを激変させることになった『アビセア三部作』の実装と共に、またその立場を大きく変化させた。

新設された3か所のアビセアエリアでは、「アートマ」をはじめとしたエリア内限定の超強化効果が受けられたのだが、この強化は全ジョブ対して平等に作用したわけではなかった。

前衛アタッカーの場合、「主力WSがクリティカル属性を持っていたジョブ」の火力が爆発的に向上した一方、そうでないジョブの火力は比較的小規模な上昇にとどまった。
そして暗黒騎士の場合は……残念ながら完全に後者であった。

さらに悪いことに、物理重視斬属性両手武器アタッカーとして立ち位置が被っていた戦士がおもいっきり前者であり、爆発的な火力と耐久力を得て絶対的な地位を築いてしまう。

戦士と残酷なまでの戦力差がつき、アビセア独自の報酬システムによる救済もなかった暗黒騎士は、絶対的なジョブ格差が確立したアビセアにおいては「戦力にカウントされない、その他大勢」でしかなくなってしまう。


4 『シュトゥルム・ウント・ドランク~ † 疾風怒濤 † ~』(全力脳筋ファンタジー)

こうして屈辱を耐え忍んでいた暗黒騎士だったが、その忍耐はアビセア3部作の終了と同時に速やかに報われることになった。

クリティカルWSに依存していた忍者・戦士・モンクのアビセア三闘神が地位を落とす一方、非クリティカルの超火力両手剣WS「トアクリーバー」「レゾルーション」を与えられていた暗黒騎士に急速にスポットが当たったのである。

更に最後の追加ディスク『アドゥリンの魔境』が実装されて環境が激変した後も、暗黒騎士の勢いは衰えなかった。

アドゥリンでは当時の戦闘バランス上「前衛を多数そろえて多重強化をかけ、のケアルガシャワーを前提に被弾上等で敵をサンドバッグにする」という超絶脳筋戦法がまかり通っていた。
このため物理DPSにおいて圧倒的有利にあった暗黒騎士は、この戦法の主役としてひっぱりだこの存在となる。

さらにこの時期のボス敵は「一定条件下で物理属性を全カット」とか「残HPと共に弱点属性が変化」などといった特殊ギミックを持っていることが多く、単一の攻撃属性しか使えないジョブは汎用性が大きく下がってしまった。

が、暗黒騎士にとってはこれすらも追い風になった。
当時の暗黒騎士は「トワイライトサイズ」という両手鎌を装備できたのだが、これは鎌でありながら斬属性を持たない「無属性物理」武器であったため、厄介な敵の属性耐性をあっさり無視できたのである。
このため暗黒騎士は火力だけでなく、汎用性と言う点でもまた他ジョブを大きく引き離すことになった。

その圧倒的な環境適合ぶりは、「ぶっちゃけ暗黒騎士とモンク以外はアタッカーじゃない」と割と冗談抜きで言われていたほどであり、まさしく暗黒騎士にとって絶頂期と呼べる時代だった。


5 『禍つ闇に揺蕩う死の司の堕天』(黒魔「ざまぁwww」)

そんな暗黒騎士がついに最強の座を降りたのは、アドゥリンも半ばぐらいになってからのことだった。
いや、正確には「暗黒騎士が最強の前衛である!」という評価自体は変わっていなかったのだが、環境の変化で前衛というカテゴリーそのものが逆風にさらされ始めたのである。

アビセア以降の敵味方の激しい性能インフレ、特に敵火力の加速度的な増大は、最早ナイト以外のジョブが敵の近くにいられないレベルに達していた。
かつては「敵の危険な大威力範囲技に対しては、専用にチューンされた学者が『スタン』で発動を防止する」という戦術でかろうじて対抗できていたのだが、
上限6人の小規模コンテンツの増加、スタン耐性を持った敵の増加などで、もはやこの戦術も使えなくなってしまう。

このため安全な位置から攻撃できる「遠距離攻撃ジョブ」「ペットジョブ」などが大きくその立場を伸ばし、アタッカーの主流となる。
さらにトドメとばかりに、長らく底辺ジョブとしての立場が定着していた黒魔道士が、大幅な強化を受けてついに覚醒。

安全性と火力を両立したこれらのジョブが環境を席巻し、暗黒騎士をはじめとした前衛アタッカーはまとめて隅の方に追いやられてしまったのだ。


6 『いまというとき』(現時点)

かつての暗黒騎士のそれを思わせる黒魔道士の絶頂期はそれから2年近くに渡って続いたが、近年ようやくその絶対的な寡占状態も修正され、「敵やコンテンツによって最適なジョブが大きく変わる」という形で落ち着き始めた。

暗黒騎士を含めた前衛アタッカーもかつての栄光を取り戻しつつあるが、タンク性能を持ち合わせていた戦士や忍者と比べると、暗黒騎士の復権はやや遅れた。
というのも前衛の需要があるコンテンツはだいたい1PT(6人)が上限であることが多いのだが、こうした環境では充実した自己強化手段を持つ青魔道士が強烈なアタッカー性能を発揮したためである。

だが火力の伸びしろ、つまり強化専門のジョブをきっちりそろえた場合の火力においては暗黒騎士は依然として最強クラスの前衛アタッカーであり、総じて言えば概ね安定した地位を築いている。



◆「有名人」

「……悪いが便乗させてもらうぞ。」
「死を呼ぶ剣、デスブリンガー。剣が正義の印だなどという言い訳を一切許さぬこの剣を、その両手につかめ。」

「ザイド」Zeid (NPC)

ガルカ。バストゥークの大統領直属特務部隊「ミスリル銃士隊」の一員である暗黒騎士。
古代ガルカ文化の暗黒剣を今の時代に受け継いでいる数少ない人物の一人で、その実力はバストゥークの最精鋭であるミスリル銃士隊の中でもさらに飛びぬけているとされる。
しかし無頼漢かつアウトロー気質の男で、大戦時には敵のトップである「闇の王」を討ち取るという大功を上げたにも拘わらず、戦後はバストゥークを離れ放浪生活を送っている。
NPC暗黒騎士の代名詞的存在であり、プレイヤーも彼からクエストを受けることで暗黒騎士にジョブチェンジできるようになる。
それ以外にも初期のバストゥーク、ジラートなどのメインストーリーではメインNPCの一人として大いに便乗活躍するため、プレイヤーからの認知度はとても高い。
フェイスとしても2パターンが用意されていて、ノーマル版は小技を巧みに使いこなすテクニシャン、II版は攻撃だけに特化した高火力前衛アタッカーとなっており、いずれも使い勝手は上々。



「アタシをいい気分にさしとくれエ!」

「スカリーY」Shikaree Y (NPC)

ミスラ♀。プロマシアミッションなどで登場する「罪狩りのミスラ」の一人。姉のスカリーZ、妹のスカリーXとまとめて「スカリー三姉妹」と呼ばれている。
「罪狩り」とはミスラ族の本国であるガ・ナボ大公国の執行官で、平たく言えば刑事・兼・裁判官・兼・死刑執行人。
遠国にも単独で出向き、出先での軋轢など考慮せずに「ミスラの正義」を執行するという職務上、危険性が非常に高く、それぞれが一騎当千の実力者である。
スカリーYもその例に漏れず優れた両手鎌の使い手だが、その強さよりも「ドS」「暴力キャラ」「フルフェイス兜と鎧で固めた上半身に対し、下半身はふとももむき出しのハイレグパンツ」などの特殊属性満載な点が(一部で)大いに愛されている。



「おもしれぇ…… 死にてぇヤツから、かかってきやがれっ!」

「ミュゼルワール」Mieuseloir B Enchelles (NPC)

エルヴァーン♂。20年前のサンドリア王国の男爵騎士で、王国騎士団に所属する「赤狼騎士隊」を率いていた。
サンドリア騎士らしく優れた指揮官であり武人であるが、反面捕虜にした獣人を報復的に殺害しようとするなど貴族らしくないダーティな行動も目立つ。
大戦の終盤、ザルカバード会戦においてデーモン族の暗黒騎士との一騎打ちの末に、魔剣「ラグナロク」を奪い取って自身の佩剣とした。
アルタナコンテンツの一つ「カンパニエバトル」では一緒に戦ってくれる味方NPCとして登場するが、暗黒騎士としては火力が平凡な反面、盾持ちの上に敵からHPを吸いまくるため、ナイトなみの生存力を持つ。



「内なる「怯懦」が、おまえたちを押しつぶす……」

「アークエンジェルTT」Ark Angel TT (NPC)

(外見は)タルタル♂。追加ディスク『ジラートの幻影』のストーリー終盤で戦うことになる「クリスタルの戦士」。暗黒騎士の黒魔道士とのハイブリッドである。
外見はタルタル男性だが、実際は古代ジラート文明が「母なるクリスタル」から生み出した人工生命体で、人間を遥かに超える恐るべき力を持っている。
ゲーム内での印象的な強さは勿論、タルタルらしいキュートさとタルタルらしからぬ厨二病的かっこよさを両立したビジュアル、専用BGM「Fighters of the Crystal」とのマッチぶりなどが相まって、敵NPCの中でも屈指の人気を誇る。
実は最近になってフェイスとしても実装されてたりする。




※「アニヲタは、優しい、暖かい良項目を作る一方で、闇夜よりも濃く、深いクソ項目を抱えていることもある……。誰もが、その危うさを秘めているのだ。そして、その危うさを捨てたとき、アニヲタはアニヲタでなくなる……」



(他ジョブの項目へ)

【スタンドードジョブ】
戦士モンク白魔道士黒魔道士赤魔道士シーフ
【エキストラジョブ】
ナイト暗黒騎士・獣使い・吟遊詩人・狩人
【ジラートジョブ】
忍者竜騎士召喚士
【アトルガンジョブ】
青魔道士コルセアからくり士
【アルタナジョブ】
踊り子・学者
【アドゥリンジョブ】
風水士魔導剣士

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最終更新:2024年04月13日 23:32

*1 敵の耐性や味方の戦術を考慮せず、かつ味方から最大限の支援効果をもらえると仮定した場合

*2 damage per second、時間当たり火力

*3 現代のバストゥークでは軽量化された改良型が発明されているが