モンク(FINAL FANTASY XI)

登録日:2017/12/05 Tue 18:49:57
更新日:2024/04/03 Wed 16:40:11
所要時間:約 23 分で読めます




MMORPG『FF11』に登場するジョブの一つ。
ゲームスタート時点から無条件で選べる6ジョブの一つで、「RPGの主役はやっぱ前衛を張る近接戦闘職でしょ!」という人は、戦士シーフ・そしてこのモンクの中から1ジョブを選んでゲームを始めることになる。

FFのモンクと言えば、シリーズ初期のFC・SFC時代には必ずと言っていいほど登場していた古参の定番ジョブであり、当時の
素手もしくは爪系の武器で攻撃する」「素早く火力が高い」「耐久力(HP)は高いが、鎧系の防具が装備できないので防御面が脆い」
などと言った要素は11でもそのまま受け継がれている。


◆「どんなジョブなの?」

ロール(役割)でいうと、火力を担当するアタッカー、もしくはDD(Damage Dealer)といった感じに分類されるジョブ。
まあようするに殴ったり蹴ったりでダメージを出すのが仕事と言うことであり、この辺シリーズ伝統のモンクに大変忠実な設計である。

しかしIIIIVの様に「素手こそ最強」と言うことになると流石にMMORPGとして困るため、普通は「格闘武器」に分類されるナックルダスター、爪などの武器を使う。
これ以外の刃物や飛び道具はほとんど装備できず、両手棍、片手棍を一部装備できるぐらい。

アタッカーとしての特徴は、まず典型的な「メレータイプ」の近接アタッカーという点にある。
メレー(Melee)というのは、「近接攻撃で継続的にダメージを与えるアタッカー」という意味で、黒魔道士のような「遠距離から短時間に大ダメージを注ぎ込むアタッカー」であるヌーカー(Nuker)と区別するための呼称。

モンクはオートアタック、つまり通常攻撃の手数が非常に多く、かつその割に一発のダメージが大きい。
「通常攻撃でゲージをためて、大威力のウェポンスキル(WS)を撃つ」という基本は他の近接アタッカーと同様だが、殆どのジョブでは「WS>>通常攻撃」という傾向であるのに対し、モンクは通常攻撃の比重が高めなのが特徴。

また低~中レベルではそれこそ殴るだけのジョブだが、高レベルになると

●「マントラ」……自身を含めた範囲内にいるパーティメンバー全員に、一定時間の最大HP増大効果を与えるアビリティ

●「絶対カウンター」……次に食らった攻撃を必ずカウンター(攻撃無効化+反撃ダメージ)で返すアビリティ

などといった、敵の近くに居座って殴り続けることを助ける小技が充実してくる。



◆「どんなところが優れてるの?」

近接アタッカーの中では火力の安定性がずば抜けて高い

まず自身の火力をアビリティや強化魔法などに依存しないため、それらが使えない状況でもほとんど火力が落ちない。
また前述したように総ダメージに対する通常攻撃の比率が高く、WSが使えなくなる状態異常「アムネジア」や「TPリセット技」をもらっても他の近接アタッカーほど火力が下がらない。

そして歴代モンク同様「HPは高いが、防御力が低い」という特徴を持つため一見耐久面が不安そうに思えるが、実はまったくの逆
というのも11の「防御力」はダメージ計算の仕様上、思いっきり特化しない限り意味が出てこない仕様となっている。このため防御力800の戦士も防御力600のモンクも、格上との戦闘に際してはほとんどダメージに差が出てこないのだ。
よって防御力におけるハンデは実質的に無いも同然、むしろその圧倒的に高いHPによって「ライフで受ける」ことが可能なため、実際の生残性は近接アタッカーの中でも最強クラスの高さを誇っている。

総じて「危険な前線に踏みとどまり、継続的に削り続ける」という能力に関しては全ジョブ中有数の性能を持っていると言える。



◆「んじゃ欠点は?」

悪い意味でもメレー特化であり、近接アタッカーの中でも一際不器用

戦士の様に「挑発」でターゲットを引き受けたり、竜騎士の様に「ヒールブレス」で味方を回復したり、暗黒騎士の様に「スタン」で敵の危険な技の発動をキャンセルしたりといった、「臨機応変に対応する」能力がほぼない。
というかそもそも前述の「マントラ」を除き、パーティメンバーに直接・間接的に作用する能力を何一つ持っていなかったりする。

つまりパーティーにどんな事態が発生しようが、基本的に(自身が生き延びつつ)火力を出すことしかできないのである。
この点を皮肉って「殴ることとWS撃つことしかできないので、何かの片手間でも楽々やれるジョブ」と言う意味の「マンガジョブ」という不名誉な蔑称が付いていた頃もある。

そして実は攻撃面でも割と不器用で、特に低~中レベルだと「格闘・打撃」属性しか使えず敵との相性がけっこう強く出てしまう。

また「ライフで受ける」という防御スタイルの都合上、要求する回復量が大きくなってしまい、ヒーラーの負担がきつめなのもやや痛い。



◆「世界観的には?」

現代の冒険者(プレイヤー)が使うモンクの技は、伝統的な二種類の格闘術の流れが融合したものとなっている。

一つはサンドリア王国の国教である「アルタナ信仰・サンドリア国教派」に因む武道であり、モンク、つまり修道士と言う呼び名もここから来ている。

サンドリア国教はアルタナ信仰の中でも一際体系化・儀式化された教派であり、サンドリアのエルヴァーン男性の中には俗世を離れて教会の下で修行を積む僧も多い。
彼らのような修道士は国教の戒律によって刃物の所持を禁じられていたが、一方で国教会そのものは強大な権力を持った世俗的組織でもあったため、彼らは修道士であると同時に「僧兵」の役も担っていた。
こうした「武器は持てないが、武力は持たねばならない」と言った葛藤の結果、国教会では「武器を持たぬ武力」である格闘術が発達したのである。

ただし現代のサンドリアでは、国教会の姿勢の変化(例えば女性も修道院に入ることができるようになったり)もあり、こうした伝統的なモンク像は失われつつある。
サンドリアの二大国軍の一つであり、国教会とも関係が深い「神殿騎士隊」にもかつては多くの優れたモンクが籍を置いていたが、現代では主流派を完全に外れてしまっており、その姿を見ることもほとんどない。

そして現在の「モンク」に至るもう一つの大きな源流は、冒険者たちの故郷である中の国から遠く離れた東方、通称「東(ひんがし)の国」に伝えられてきた恐るべき武術にある。
これはエルヴァーン族の強靭な肉体を基に発展した西方のモンクの技とは方向性が違い、高度に発達した精緻な技巧体系を有しているようだ。

中の国の大部分にとって東の国はいまだに疎遠な存在ではあるが、古くから東方との関わりがあるウィンダスタブナジアなどの国には、この秘伝が伝わっていると思しき例もみられる。

その典型がミンダルシア大陸に拠点を持つヤグード教団で、300年にも渡る東の国との通交によって、その高度な格闘術を移入することに成功している模様。
東方の技を修めたヤグード族のモンクは、その高い城壁をも跳び越える脚力を活かした猛烈な足技、敵の攻撃を受け流して相手に返すカウンターなどを自在に使いこなす猛者ぞろいである。
更に「サルモ」の称号を持つ最高位のモンクともなると、人体の秘めた急所を突き、10秒と立たずに死亡させてしまう秘技を身に着けている者すらいる。



◆「モンク48の必殺技」

ためる(アビリティ)
次に繰り出す一撃の威力を高めるアビリティ。
シリーズ伝統の特技で、11でもモンクが最初に覚えるアビリティとなっている。
元々は15秒間隔で気軽に使用できるアビ(重ねがけも可能)だったが、つい最近(2017年8月)に根本的な調整が入って殆ど別のアビになり、威力や補正が大きく引き上げられた。


チャクラ(アビリティ)
自身のHPを少量回復すると共に、一部の状態異常も治療するアビリティ。
Vのモンクの「チャクラ」をほぼそのまま輸入したものだが、回復量の算出式など細かい点では勿論異なる。
きちんとブースト装備を整えると回復量もなかなか高いが、再使用時間が基本3分と長く、これに頼って回復しながら戦うというのは難しい。


気孔弾(アビリティ)
無属性ブレス属性の「気孔弾」を飛ばしてダメージを与えるアビリティ。つまりかめはめ波とか波動拳とかカラテミサイルとかそういう感じのアレである。
しかし残念ながら威力は戦闘力に換算すると5ぐらいしかなく、基本的にはダメージに期待して使うようなものではない。
だがモンクにとっては唯一の遠隔攻撃手段であり、その点を活かした使い道は結構ある。


百烈拳(アビリティ)
効果時間中、オートアタックの速度が猛烈に上がるSPアビリティ。某世紀末救世主の技を意識していると思われる。
レベル98以下ではまさしく切り札と言うにふさわしい火力を発揮するが、バッファー(味方の強化を行うジョブ)の能力が飛躍的に伸びる99以降では相対的に効果が下がる。
こちらが使う以上にやばいのは敵のモンクがこれを使ってきた時で、タンク以外のジョブがタゲをとってしまうとそのまま蒸発させられかねない。


カウンター(ジョブ特性)
敵からの近接攻撃を一定確率で無効化し、逆に反撃のカウンターを与えるというジョブ特性。
被ダメージを減らしつつこちらの与ダメージを増やすという攻防一体の特性で、モンクの高い前線居座り力の一助となっている。
普段の発動率は25%程度(※完全育成状態)だが、アビリティ「かまえる」を使うことによって一時的に65%近くにまで跳ね上がり、攻撃を片っ端から撃ち返す恐怖のカウンターマシンとなることができる。
ただし使用中は防御力が1/2になるという恐ろしいデメリットを抱えており、事故死のリスクも跳ね上がる。


乱撃(ウェポンスキル)
格闘スキル125、LVでいうと41あたりで覚える格闘WS。
このレベル帯で覚えられるWSとしては群を抜いた威力を持っており、かつてのレベル上げパーティにおいてモンクの存在感を大きく高めていた。
ダメージだけではなく、両腕を中心にブラーがかかりまくる派手なエフェクト、いかにも痛そうな重い打撃音も素敵。


無想阿修羅拳(ウェポンスキル)
レベル71、格闘スキルは250以上で、かつ専用クエスト「遺せなかった拳」をクリアすることで覚えられる格闘WS。
エフェクトは↑の乱撃をさらに派手にしたようなもので実にかっこよく、種族によって〆のモーションが全く異なる(タルタルのサマーソルトが特に有名)という凝りようだが、威力は正直なところ微妙。
75キャップ時代に格闘のトリを飾るWSがこれだったため、「モンクはWSがしょっぱい」というイメージは確固たるものとなっていた。


ビクトリースマイト(ウェポンスキル)
FF11における最終武器の一種「エンピリアンウェポン」の一つ「ウルスラグナ」装備時、あるいは特殊なクエストを経ることで使用可能になる格闘WS。
「高レベルの格闘WSはイマイチ」という概念を根底から覆した強力な物理WSで、実装当時のモンクはこの技のおかげでアタッカーの頂点に立ったと言っても過言ではない。
あまりに強力過ぎたため一度弱体化をもらってしまったが、それでも今なおモンク最強のWSとして君臨している。


スファライ(武器)
エンピリアンウェポンと同レベルの最終武器候補、「レリックウェポン」に属する格闘武器。
単に武器としての高性能もさることながら、専用プロパティである「カウンター発動率+12%」が非常に優秀。
これは理論上、自分がターゲットになっている状況では「与ダメージ+12%、被ダメージ-12%」の効果があるということであり、まさしく攻防一体の逸品と呼ぶにふさわしい。
ちなみに装備中は専用WS「ファイナルヘヴン」も使用可能になる。使用するとは言ってない。


テンプルアタイア(防具)
LV60で一式が装備可能になる各ジョブ専用防具「アーティファクト(AF)」のモンク用。
過去シリーズにおけるモンクは、70年代末のジャッキーを思わせる道着風のI、肩パッドつきで世紀末の薫り高いIII、半裸の辮髪オヤジのIV、男は裸ベスト女は中華なV、
ガチムチTシャツVI、ミニスカおっぱいのVIIパンクロッカースタイルのIXとデザインの方向性がバラバラで、11においてもその例にもれない。
この防具はどちらかといえば道着風に寄せたデザインだが、ハーフパンツ+レギンスでややスポーティな感じが出ており、細かい意匠には中華風のそれも散見される。
しかしなにより特徴的なのはその色で、一言で言えば惑星ポポルにいるカエルのフンの色
つまりドラゴンボールの道着を意識した鮮やかなオレンジ色が主体となっており、パッと見ではシリーズのどの作品の面影も感じさせない。
AF防具は最初期から実装されていることもあって、性能面ではいまいちそのジョブにフィットしないものも多いのだが、この装備はかなり恵まれている方に入る。
LV99以上では、これを素材に強化した「アンコリトアタイア」が装備可能になる。


◆「プレイヤー的な意味でのジョブの歴史」

※ここからはややディープな用語が登場します。


1 『俺より強い骨に不意乱撃

11におけるサービス開始初期の主な戦闘コンテンツは、レベル上げパーティ」だった。
これはプレイヤーキャラ6人でパーティを組み、格上の雑魚モンスターを倒すことでレベルアップのための経験値を稼ぐというもの。

そして最初期のモンクはこのレベル上げにおいて抜群の人気を誇っていた。
これは当時人気だった獲物が「スケルトン族」、通称「骨」であったことに起因している。スケルトンはモンクが使う格闘属性に弱かった上、モンクが作りやすい連携(技コンボ)属性「核熱」では、スケルトン族が弱点とする火系魔法へのダメージ補正を入れることができたためだった。

この為レベル上げPTのあちこちで「サポートジョブをシーフにして、不意打ちをのせた乱撃+核熱連携で敵のHPの8割をもっていく」などという光景が見られるようになっていた(不意打ちの効果についてはシーフの項を参照)。

だがあまりにも強力すぎたためか、ほどなくして「乱撃のような多段WSに対する不意打ちの補正弱体化」「連携ダメージの弱体化」「スケルトン族のTP技の威力強化」などの対抗措置がとられ、モンクの栄華も終わりを告げてしまう。


2 『骨の使い道はまだあるぜーーーっ!!


というか当時は基本的に「人口>>レベル上げ狩場キャパシティ」という図式になっていたので、そうそう都合のいい獲物ばかり選んでもいられなかった。
よって下火になったとはいえ骨狩り自体は細々と続いており、そして骨を狩らせれば依然としてモンクの右に出るジョブは無かったのだった。

とりわけこれが顕著になったのは、「メリットポイント」システムが実装されてからのこと。
レベルとは別口でキャラを強化させることができるこのポイントはレベル75(当時の上限)以上で経験値を稼ぐと蓄積されるのだが、これに相応しい狩場はレベル上げパーティのそれ以上に少なかった。

このため「龍王ランペールの墓」「ウルガラン山脈」などといった場所で、通称「骨メリポ」に励むモンクがしばしば見られるようになる。
ただしこのスタイルは回復を務める後衛の負担が非常に大きかったため、赤魔道士白魔道士といったヒーラーにはこれを嫌う人も多かった。


3 『コリブリ見てからバートベーン余裕でした

風向きが大きく変わったのは、3枚目の追加ディスク『アトルガンの秘宝』が追加されてからのことだった。

アトルガンエリアでは強化効果「サンクション」によって効率よく経験値を稼ぐことが可能であったため、経験値・メリポ稼ぎの主体は完全にこちらへと移った。
しかしアトルガンエリアには骨のような「打撃・格闘属性を弱点にする敵」がおらず、むしろ短剣や槍のような突属性を弱点にする「コリブリ」族が主な獲物となったのである。

これをきっかけとして、以後のFF11は長きにわたって「レベル上げの獲物は鳥系メイン」という時代になったため、格闘武器以外の攻撃手段をろくに持たないモンクは地位が後退してしまった。

この空前の鳥ブームに対し、通常攻撃が突属性になる特殊格闘武器「バードベーン」なども実装されたりしたが、それでも本職の突アタッカーである竜騎士やシーフなどには火力面で一歩譲らざるをえなかった。


4 『大乱闘アビセアブラザーズ

そんな「弱くはないが微妙」だったモンクの地位が激変したのは、『アビセア三部作』実装後の事だった。

アビセアエリアでは一定条件を満たすことでエリア専用の強化効果を受けることができたのだが、これが一部のジョブに偏った強化をもたらしたのである。
モンクはこの恩恵を思いっきり受けたジョブであり、
  • HP・回避率の激増で、生存力が超アップ
  • 新実装されたWS「ビクトリースマイト」が、アビセア内の補正と相まって超火力を実現
  • 超火力によってヘイトを集め、膨大なHPと回避によって耐えるというタンク(盾役)が可能に
  • 白魔道士のMPが殆ど無限大になったため、「回復コストが重い」という欠点が事実上消滅
などと赤いサイクロンレベルの追い風が吹き荒れ、忍者や戦士と共に絶対的な「アタッカー兼タンク」としてアビセアに君臨することになった。

これらは最初、廃人装備である「ウルスラグナ」の使用を条件にしていたため門戸が狭かった*1が、後に廉価モデルである「デゥムズィ」が実装されて普及率を急激に伸ばす。

こうしてアビセア内のモンクは、「白魔道士が1人いればアビセアNMの9割はワンマンで殴り殺せる」と冗談抜きで言われる程の絶対的地位を手に入れたのである。


5 『ジョインジョインモンクゥ

そしてアビセアで絶頂を迎えたモンクの火力は、最期の追加ディスクとなった『アドゥリンの魔境』でも爆発する。

アドゥリン初期の戦闘コンテンツでモンクの地位を保証したのは、そのアビリティ「無想無念」の存在が大きかった。
これは「効果時間中、通常攻撃の属性が無属性ブレスダメージになる」というモンク専用のアビリティだが、ダメージ量自体に40%~20%のマイナス補正がつくため、それまでは特に重要なアビリティとはされていなかった。

しかしアドゥリンエリアの強敵は「斬属性は70%カット」「火属性魔法ダメージ以外はほぼ無効化」などと極端な属性耐性を持っていることが多く、その耐性を一切無視できるこのアビリティがにわかに注目されるようになる。
しかもこういった特殊耐性は、一体のNMが複数持っている(バリアチェンジ式の弱点変更)ことも多かったため、単属性しか使えない近接アタッカーは軒並み用無しの烙印を押されてしまうことになった。

こうして同じような無属性攻撃を持つ暗黒騎士と共に、モンクは再び近接アタッカーの、いやアタッカー界の頂点として君臨することになったのである。 


6 『藤戸見てるか?

が、「モンクと暗黒騎士と白魔道士と学者とバッファー3職以外はゲームに参加できてないというこの状況は流石にアレすぎたか、間もなくしてこのバランスにも調整がはいった。

特にモンク&暗黒騎士体制の根本要因であったバリアチェンジ系耐性にはかなり早い段階で対処がなされ、モンクはその最大のアピールポイントを失ってしまう。
さらに「敵のスタン耐性により、前衛の危険度が増加」「少人数コンテンツが増え、手厚い回復・支援を前提にした前衛特化戦術が衰退」などといった変化により、モンク、というより近接職そのものが主流から後退していった。

そして代わりに躍進してきたのが、遠隔攻撃を主体とする狩人、安全なところからペットで攻撃できる獣使いや召喚士、そして長年の不遇から這い上がってきた黒魔道士などだった。

彼らによる天下はこの後数年にわたって続くことになったため、モンク(を含めた前衛)は復活の時を待ちながら感謝の空鳴拳1万回でも続けている他なかった……


7 『確かみてみろ!

しかし2016年も後半あたりから、流石にこの黒魔道士の絶対王権にも軌道修正の雰囲気が漂い始める。
「魔法耐性がある敵の増加」「魔法命中率を担保していた風水士の弱体」などの調整によって黒魔道士の絶対性が下がり、「近接物理攻撃の強化」「敵の範囲技のダメージ減少」などの近接アタッカーの強化もこれに拍車をかけた。

……のだが、なぜかモンクはこの流れにポツンと寂しく取り残される。

これはモンクのメインウェポンである格闘武器になぜか他武器のような強化が施されず、火力面で他アタッカーとあまりにも凄まじい差がついていたため。
単純DPSで換算するとトップ層である戦士や暗黒騎士の半分も出せないという事態になっており、最早「打・格闘属性においては最大火力が出せる」という長所すら宙に浮いてしまってた。

これには元からモンクの弱点だったWSダメージの低さもあったが、それ以上にモンクの特性「マーシャルアーツ」の仕様にあった。
これは端的に言えば、「攻撃速度を上げるための特性が、バッファージョブの強化によってむしろ過剰になり、ゲージ蓄積速度が悪化した」という問題である。
よってモンクにだけ*2「強化による上限が他ジョブより低い」という現象が起きてしまっており、結果として火力に大差がついてしまったのだ。

これに修正が入ったのはつい最近のこと(2017年8月)で、全ての格闘武器の攻撃間隔を調整することでようやく解消された。
しかしそれでもソロ・少人数パーティで火力トップをひた走る青魔道士、バッファーフル動員時には他の追随を許さない戦士・暗黒騎士らにはいま一歩及ばず、いまいち不遇な立ち位置を払しょくできていない。

またマーシャルアーツの仕様上、最適装備のセッティングが非常に繊細であり、パーティからもらえる強化の質と量によって細かく装備を変更せねばならず、ビルディング面でのハードルも高くなってしまっている。



◆「有名人」


「いやならやめてもいいんじゃぞ?」

「マート」Maat (NPC)

ヒューム♂。ジュノ大公国大公親衛隊の武術指南役に就いている、老練の武術家。
「武神」と呼ばれた伝説の武闘家の直弟子にあたり、その実力はまさしく折り紙付き。
プレイヤーにとっては、レベル上限を70から75にする際に「試練」として戦わねばならない「限界ジジイ」として、よくも悪くも有名な人物。
75キャップ時代に泣かされた人は数知れず、彼がことあるごとに口に出す「いやならやめてもいいんじゃぞ?」という言葉に「いやなんじゃねーよ!勝てねーんだよジジイ!」とガチギレした人も多いという。
様々な意味でFF11を象徴するNPCの一人で、各種限界クエストや20年前を描いた『アルタナの神兵』のカンパニエバトルなど、様々な場所で登場している。
ちなみにフェイスとしても実装されているが、限界クエストのやりたい放題っぷりは見られず、ごく一般的なモンクフェイスになっている。手ぇ抜くなよクソジジイ。



「みんな、待たせたな!俺が来たからにゃ、もーだいじょぶだぜ!」

「プリッシュ」Prishe (NPC)

エルヴァーン♀。20年前の戦争で滅びたタブナジア侯国の生き残りが住む、「タブナジア地下壕」の自警団リーダー。
……という肩書に反し、その見た目はどう見ても10代前半ぐらいの少女である。ありがとうございます!!しかし可憐な外見とは裏腹に、性格は非常に男性的と言うか少年的で、一人称も「俺」。
タブナジア地下壕ではその腕っぷしと面倒見の良さを皆に頼られてはいるが、一面でその複雑な背景から「忌むべき子」として疎んじられてもいる。
2枚目の拡張ディスク『プロマシアの呪縛』のメインヒロインであり、性格に反して大変正統派なヒロイン的運命を背負った同ストーリーの中心人物。あとハラペコキャラ
11のNPCの中ではシャントットに次ぐ人気を誇っており、ディシディアをはじめとした外部出演の機会にも恵まれている。人気1位と2位が揃ってロリババアってどういう層向けのゲーム?
CVは平野綾(DDFF)だったり内田真礼(PV)だったり。
フェイスとしてもメインヒロインらしく2種類が実装されており、どちらも火力面で優秀、かつ非常時にはケアルを使って回復までしてくれるという優良フェイス。



「ガハハハハハハッ!敵さん、もう勝ったつもりでいやがる。ひとつ、教育してやるか!」

「ザザーグ」Zazarg (NPC)

ガルカ。黒騎士中隊隊長アトルガン皇国の特務将校「五蛇将」の一人で、「土蛇将」の称号を持つモンク。
豪放磊落な武人気質の好漢で、要職にある身にもかかわらず部下や傭兵にも気さくに接するため、周囲の人望も厚い。
『アトルガンの秘宝』の市街戦コンテンツ「ビシージ」においてプレイヤーと共闘してくれるNPCであり、その熱い性格と頼れるタフさからプレイヤー人気も高い。専用WSは「陰流砕巌衝」。
人気の故か、続く拡張『アルタナの神兵』でも、バストゥーク共和国の千人隊長を務めていた20年前のの彼が登場。バストゥークに所属するプレイヤーはその部下として働くことになる。
フェイスとしても実装されており、ガルカモンクらしくタフで打たれ強い。またモンクフェイスには珍しく殴る以外の行動しないため、その点でも扱いやすい。



「にぁぁ~そんなヘナチョコこぉげき、ミケ様には、止まって見えるにぁ~」

「ミケ・アリョーチャ」Mikhe Aryohcha (NPC)

ミスラ♀。20年前の世界におけるウィンダス連邦軍に属する義勇兵団の一つ、「山豹義勇団」の長。
俊敏で敏捷、全身のバネが利いたミスラらしい肉体の持ち主で、戦場ではその肉体と無尽蔵のスタミナを活かした格闘術で大暴れする。
一方で本人は「頭脳派」を自称しており、ヤグードの頭の皮を(羽毛ごと)剥いで作った帽子を被って「これでヤグードたちをかんかんに怒らせたりぁ、平常心を失うにぁろ?」という高等戦術?をとる。
アルタナコンテンツの「カンパニエバトル」に登場するNPCであり、その濃厚過ぎるアホの子キャラから一躍人気を博した。
後衛タイプが多く打たれ弱いウィンダスNPCの中では出色の耐久力を誇っており、カンパニエでは友軍の橋頭保として大活躍。HPが減ると、「獅爪旋風腿」という専用の広範囲WSも使用する。



「僕と武神様、まぶだちだから大丈夫だよ。」

「アトリトゥトリ」Atori-Tutori (NPC)

タルタル♂。天晶堂の食客になっている老タルタル。
タルタル族なので外見からはわからないがかなりの年齢らしく、人の名前を間違って覚えていたり、指摘されても断固として認めなかったりとボケ老人っぷりが激しい。
モンク専用の腰装備である「○帯」入手クエスト、その最終段階である「黒帯」入手クエストに登場するキャラ。
なんでも黒帯の所有者である武神様と「まぶだち」であるらしく、黒帯を追い求めんとするプレイヤーの前に現れ、武神と会わせることを条件に様々な難題を課してくる。
その数々の難題を果たすと、ようやく黒帯を持つ武神との面会をさせてくれるが……



「マジで親のダイヤの結婚指輪のネックレスを指にはめてぶん殴るぞ」

ブロントさん」Buront-san (PC)




※「ミケ・アリョーチャが書いたメモ。『とにかく追記:修正するにぁりん』と書かれている。」



(他ジョブの項目へ)

【スタンドードジョブ】
戦士モンク白魔道士黒魔道士赤魔道士シーフ
【エキストラジョブ】
ナイト暗黒騎士・獣使い・吟遊詩人・狩人
【ジラートジョブ】
忍者竜騎士召喚士
【アトルガンジョブ】
青魔道士コルセアからくり士
【アルタナジョブ】
踊り子・学者
【アドゥリンジョブ】
風水士魔導剣士

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最終更新:2024年04月03日 16:40

*1 とはいっても、当時のエンピリアンウェポンの敷居はそこまで高くもなかった

*2 正確に言えば「乾坤圏」を持つからくり士も