エンカウント

登録日:2018/05/05 Sat 21:24:54
更新日:2023/05/31 Wed 08:52:58
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エンカウントとは、「遭遇」を意味する英単語「encounter」から派生した和製英語。
主にRPGで使用される。

概要

RPGでは、敵とは冒険中に遭遇して戦うことになる。
その遭遇システムを現したものが「エンカウント」である。

アクション要素の強いゲームやローグライクゲームだと「戦闘画面と移動画面」の区別がないのでそもそもエンカウントの概念がなく、「シームレス方式」と呼ばれる。
ただし、「特定ポイントで敵が出やすい」などの要素はあることがある。


大別すれば、エンカウントシステムは2系統に分かれる。

ランダムエンカウント

ドラゴンクエスト始め、多くのJRPGで採用されている最も伝統的なエンカウント方式。
歩くごとにエンカウントの確率判定があり、その確率に引っかかると戦闘となる。

基本的にエンカウント前に敵の種類を判断することはできない。
一体何が出てくるのか、ドキドキワクワクである。それだけにうっかり強敵にエンカウントした時の絶望感もヤバイが

全ての場所でエンカウント率は同じではなく、草原のように見晴らしのいい場所では遭遇しにくく、山や森のように魔物が多く潜む場所なら遭遇しやすくなっていることが多い。

大抵のゲームではエンカウント率を操作する方法が存在する。
0にする……ゴスペルリング(ドラゴンクエスト)、モルルのおまもり(FF6)、むしよけスプレー(一定歩数有効)(ポケモンシリーズ)など※隠し要素か、クリア後のおまけで可能になることが多い
低レベルモンスターに限り0にする(高レベルには無効)……トヘロス、せいすい(共にドラゴンクエストシリーズ)、エストマ、退魔の水(女神転生他アトラスRPG)
下げる……しのびあし(ドラゴンクエスト)、きよめのおふだ(ポケモンシリーズ)など
上げる……おうごんのつめ(ドラゴンクエスト3)、はっこう(ポケモンシリーズ)など
強制エンカウント……くちぶえ(ドラゴンクエスト)、あまいかおり(ポケモンシリーズ)など
指定してエンカウント……囮よせ(METAL MAXシリーズ)

また、少し違うが移動速度を上げると体感的なエンカウント率は必然的に上昇する。
中には本当にダッシュ中はエンカウント率を上げている作品もあり、思うように移動できずイライラさせられる事も。

類似のシステムに「歩数エンカウント」というものもある。
戦闘後やフィールドを移動した時点で次の戦闘に入るまでの歩数がランダムに決められており、その歩数だけ歩くと戦闘が発生する。地形の種類によっては1歩で複数歩分数えるようになっている場合もある。
こちらはドラクエシリーズだと6,7,8やリメイク版の3,4,5で採用されている。

なぜ昔のRPGはエンカウント率がやたら高いのか?

大貝獣物語II、エストポリス伝記、桃太郎伝説……これらの有名なRPGにいずれも共通するのは、狂ったレベルでエンカウント率が高いことである。
ゲーム内容に関して評価する人も大抵は「エンカウント率さえまともならもう少し遊びやすいのに……」と口を揃えて言う。
その狂った高さは尋常ではなく、冗談抜きに一歩歩いたら再エンカウントという状態である。特にPCE辺りのハドソン製RPGはこの傾向が強かった。邪聖剣ネクロマンサーなどはゲーム自体の難易度も相まって恐ろしいことになっていた。
その理由は推察するしかないが、昔のゲームは「マニアのやるもの」であり、簡単、かつ短時間にクリアされるものは低評価になることが多かったことは理由になるだろう。
要するにゲーム自体のボリュームや難易度に乏しいのを誤魔化すために、エンカウント率を大幅に上げていた、ということである。
或いはRPGのノウハウや世間での知名度が低かった時期なんかだと「ユーザーにとって適切なエンカウント率設定の塩梅が分からず…」ということもありうる。

流石にゲーム開発がこなれてきた今の時代にこのような恐ろしいエンカウント率の作品はなく、大抵は「一度エンカウントしたら一定歩数は再エンカウントしない」という処置がある。
この仕様がわかっていれば「瀕死でもギリギリアイテムを使わず街にたどり着ける歩数」というのが何となくわかったりする。
また先述の歩数エンカウントもこの問題を解決するために使われてきた手法である。

基本的に「エンカウント率が高いことが評価されたゲーム」というのはほとんどない。
あまりに敵がまばらで攻略している感がないようなものは流石に問題だが、そうでもなければエンカウント率は低めな方がサクサク先に進めて快適なことが多い。
手に入る経験値がどうしても少なくなるなら、足を止めて稼ぎプレイをすればいいだけであるし、これからRPGをツクールなどで作ろうと考えている人は、「ちょっと低めかな?」ぐらいにエンカウント率は調整した方がいいだろう。

シンボルエンカウント

フィールドを敵のシンボルがウロウロしており、これに接触すると戦闘が始まる形式。
戦闘前に敵の種類をある程度判断できる。実際戦闘に入ると、シンボルにない敵まで混ざっているのはご愛敬。
ランダムエンカウント式でもボスや動かない固定敵とは大抵敵シンボルに話しかけて進めるが、これはどちらかと言うと後述の「強制エンカウント」のパターンであり、シンボルエンカウントとはあまり言わない。

シンボルごとに行動速度や行動パターンが異なると、より奥が深くなるシステム。例えば「プレイヤーを単純に追う」「プレイヤーが一定レベルまでは追うが、一定レベル以上だと逃げる」「背を見せると追ってきてこちらから追いかけると逃げる」など。
これが、ロマサガ1のようにプレイヤーがダッシュ移動出来ない上に敵シンボルが的確に追ってきたり狭い場所に多く密集していたり、某スベリオンのように全ての敵シンボルが異様な速度で主人公を追跡してくるようではシンボルエンカウントの意味がなく、実質強制エンカウントと同じである。


作品によっては先制攻撃やバックアタックがシステムとして取り入れられていることもある。
これは、フィールドで敵シンボルに攻撃するorされることで戦闘をより有利/不利な状況から始めたり、敵シンボルの後ろから接触することで不意打ちができたりするシステム。主にテイルズオブシリーズなどで多く取り入れられている。
アクション性が必要なので苦手な人は苦手なシステム。

スーパーマリオRPGではこのシステムを利用した演出もあり、エンカウント後に逃げ出した際に数秒間だけシンボルエンカウントが点滅してエンカウントしなくなるタイミングを使って、その頭上に乗って高い位置のアイテムを入手に行けるダンジョンもある。

ちなみにぱっと見ランダムエンカウントに見えるが、「実は透明な敵シンボルがランダムにフラフラしているだけ」というゲームも少数存在する。
これの有名な例としてはFF6デスゲイズがある。崩壊後の世界の上空を透明な状態で飛び回っているため、空は安全だからいいだろうなどとうっかり適当なパーティで遭遇すると痛い目にあう。パーティ全員がレベル5の倍数だった場合にはもう目も当てられない。

近年のドラクエはランダムエンカウントからシンボルエンカウントに移行しつつある。
これは、元がランダムエンカウントだった7や8がリメイクでシンボルエンカウントになっていることが顕著。

少々形式が違うものではあるが、ポケモンには徘徊型伝説と呼ばれるものもあり、各地の草むらの存在するエリア(街を除く)を移動しているため、同じエリアに主人公と伝説のポケモンが存在しない限り絶対にエンカウントしないという仕組みになっている。
追いかける際は図鑑の分布表示やポケギア、ポケッチのマップ機能などを気にかけていこう。

フィールドを歩いているとランダムエンカウント式でシンボルが出現し、それに接近もしくは先制攻撃で戦闘に入る、という中間パターンも存在する。

強制エンカウント

特定のマスを踏んだらエンカウントしたり、宝箱を開けたら中からモンスターが出てきたりする形式で、上記の2つと併用されることが多い。
周囲の敵の中でも強い敵や少し先のエリアの敵、通常のエンカウントでは出遭わない敵などと全体的に手強い傾向にある。

指名エンカウント

こちらから相手を指定・指名してエンカウントする強制エンカウントの一種。
望まずともエンカウントする強制エンカウントと違い、こちらは自分の都合がいい時に相手を呼び出せる。
FF10モンスター訓練場等のおまけ要素に多い。
またサモンナイトシリーズの様に、一定の制限はありつつも全戦闘が指名エンカウントというゲームも存在する。

エンカウントの演出

各作品ごとにエンカウントすると独自の演出が入るが、リメイクや移植の際に変更されることもある。
変更されている場合は違和感を覚える人がいるかもしれない。
変更されてしまう理由は大体が「そのハード固有の機能や挙動を使っているので、再現が難しい」である。
例:FF6
SFC版…フィールドでは画面が迫ってくる演出、ダンジョンではプレイヤーキャラ以外がモザイクになる演出が入る。それらの後に戦闘突入(SFC版FF4・5、PS版FF4と同じ)。
PS版…画面が一瞬止まり、左右に引き裂かれるようにして画面がスクロールし、しばらくして戦闘用BGMが始まった後に戦闘突入。
GBA版…画面が中央付近の回転するひし形を除いて白くなり、最終的には全部白くなった後に戦闘突入。




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最終更新:2023年05月31日 08:52