ゾンビマン(ワンパンマン)

登録日:2021/02/17 Wed 23:26:02
更新日:2024/04/02 Tue 13:27:50
所要時間:約 7 分で読めます





「お前… 泥仕合だが覚悟しろよ」

漫画『ワンパンマン』の登場人物。


●目次

【概要】

ヒーロー協会に所属するヒーローの一人。
最高戦力であるS級ヒーローの一人で、ヒーローランクはS級8位。

黒い短髪に赤い瞳で、生気の感じられない灰色に近い肌を持つ青年。
周囲の反応からして、中々のイケメンらしい。

黒いインナーに薄い色のコートを羽織っているが、戦闘の際には能力の都合もあり、大抵の場合ほとんど全裸になってしまう。因みにバランスよく引き締まった細マッチョ。リメイク版では胴体に何本もの黒いベルトを装着している。
ヒーロー協会に任務を依頼されたときは、武器ではなく衣服を頼んでいる。「パンツはボクサータイプでな」

世界征服を企む悪の秘密結社「進化の家」の実験により不死身に近い肉体を持つ。
ヒーロー活動の傍ら、自分をこのような体にした「進化の家」こそが邪悪の根源と思い長らく探し求めていた。
しかし、遂に見つけ出したと思ったら既にサイタマの手で壊滅しており、たこ焼き屋「たこ焼きの家」になっていた。
ある意味悲劇のヒーロー。


【人物】

冷静沈着でニヒリスティックな言動の目立つクールな一匹狼。
愛煙家でよくタバコを吸っているが、彼の肉体に悪影響があるのかは不明。
吸い終わったら自分の手に押し付けて火を消している。

自分の肉体にはコンプレックスを抱いているようで、自分のことを「死ねない男」と自嘲。
村田版ではアマイマスク「本当は怪人なんじゃないか」と聞かれ彼を睨む、吸血鬼「人間の紛い物」と呼ばれ怒りを露わにしている。

S級ヒーローの中ではトップクラスに協調性がある気配り上手の常識人という一面を持つためヒーロー協会からも、彼が音信不通になると何かあったのかとみなされる。
村田版ではC級ヒーローたちに対して冷静に的確な指示を出す場面があり、彼らに「カッコいい」と憧れられている。他にも、

  • 作戦前、タツマキが無茶な方法を取らないよう念を押す
  • 暴走気味なアマイマスクに対し、「自分の手柄をやるから童帝の指示に従え」と諫める
  • 作戦中、童帝の働きを評価し笑顔を見せる
  • 作戦終了後、童帝からの通信に真っ先に応答し、彼の働きを労う

など、周囲への気遣いをはじめとする協調性の高さが多く描かれている。
「不可能すぎる殺人事件」ではヒーロー協会慰安旅行を童帝に楽しめているかを聞くなど若く聡明だが気苦労も多そうな童帝のことを気にかけており、怪人協会編ではフェニックス男から精神的揺さぶりをかけられていた童帝に戦闘中に通信を入れ会話。「お前がいてくれてよかった」と童帝に心からの感謝と労いを伝え、精神的に追い詰められた彼の心を救った。

【戦闘能力】

ヒーローとしての戦闘スタイルは、自身の不死性を利用して斧や剣や銃を持って最後まで戦い抜くという非常に泥臭い持久戦戦法。
その不死性は頭に大きな風穴が空くなどの致命傷を受けても体の大部分を消失しても生命活動を維持でき、更に短時間で再生するほど。

だが胴体が吹き飛ぶなどの大きなダメージの再生にはそれなりの時間がかかる上、そのような攻撃を回復していない状態で連続で受け続ければさすがに無事では済まない様子。
ONE氏の解説によると「ミキサーにかけられたら死ぬかもしれない」「腕がとれたら回復に15分程度かかる」らしい。

ただし腕に関しては切り落とされて取れた腕をくっつけるという事であれば、およそ数秒で元に戻っている。
回復に多少のラグがあったり疲労等もあるため、当然だが本人もそんな泥仕合を快く思っておらず、手っ取り早く銃等で済むなら済んで欲しいと望んでいる。

その性質上、僅かでも傷をつけられる相手であれば持久戦で粘り勝ち出来るが、逆に掠り傷一つつけられない相手には敗けはせずとも勝つ術が一切無く、S級ヒーローの中でも相性差が際立つ。
ドラマCD『マジCD2』でのシミュレーションによると、自身の攻撃力が足りず敵の再生力が高いため深海王には苦戦するらしいが、阿修羅カブト相手には持久戦で勝てるらしい。

村田版では「内偵・諜報活動や汚染地域の調査が専門分野」と語っており、純粋な戦闘向きのヒーローでは無いというのは自覚済みの様子。
ただし戦闘では凄まじい威力の代償に腕が複雑骨折するほどの反動を有する銃弾を平然と操ったりと、超再生力を最大限利用した文字通りの捨て身の戦術が特徴。
コートの下は細身ながらも非常に鍛え抜かれており、その自壊も辞さない筋力もあって、あっさり金属の棒を捻じ曲げたり重量級の大剣を軽々振り回したりと、常人と比べればパワーもかなり高い部類に入る。そのため、雑魚怪人ならあっさり倒している。
さらに体の内部には、敵への不意打ちと非常用を兼ねた奥の手の銃も仕込んである。

ただし上述通り破壊力は常人の範疇を軽く超える他のS級ヒーローには及ばず、必殺技や決め技もない為、S級ヒーローが必要となる事態では泥試合一直線になりがちで、本人も「血より汗を流すのが苦手」。
それでも「不死身ゆえに諜報内容を必ず持ち帰る」というアドバンテージは高く、ヒーロー協会からは頼りにされている。

【来歴】

◆過去

元々は進化の家の「不死身シリーズ」実験体サンプル66号として作られた。
ジーナス博士も認める唯一の完成品だったが、10年前に脱走してヒーローとなった。

◆暗黒盗賊団ダークマター編

予言者シババワが遺した最期の予言についてヒーロー協会職員シッチの招集を受け、A市のヒーロー協会本部会議にて初登場。

暗黒盗賊団ダークマターの侵攻の際は、他のヒーロー達が奮戦しているにもかかわらず気が付いたら居なくなっていた。
閃光のフラッシュと同じく、人手は十分と判断して他の任務に向かったものと思われる。

◆怪人協会編

自分をこのような体にした「進化の家」こそが予言者シババワが遺した最期の予言にある人類を滅ぼす存在と考え、首謀者であるジーナス博士を追っていた。

そして、約十年越しに「進化の家」に到達。*1
復讐のために怨敵ジーナス博士の元へ向かうも、「進化の家」は既にサイタマの手によって壊滅しておりショックを受ける。
そこでジーナスがサイタマの戦闘を見て自身の考えを改めたことを聞くが、当初は彼の「死地を乗り越え続けて生物としてのリミッターを外した」という見解やサイタマの存在などをあまり真に受けていなかった。

「進化の家」の壊滅はゾンビマンにとってもかなり衝撃的だったらしく、怪人協会のアジトに乗り込むためS級ヒーローが集められた際には、
「ちょうどそういう組織とかぶっ潰したい気分なんだ」とかなり乗り気だった。

怪人協会壊滅作戦では怪人レベル「鬼」のバンパイア(血統書付き)に200敗1勝で勝利。
その後、怪人協会の幹部である災害レベル「竜」のホームレス帝と対戦した。

◆ネオヒーローズ編

怪人協会との戦いの後に再びジーナス博士の元を訪れ、サイタマの常識破りの強さを目の当たりにしたことを語る。
そして、彼の生物としてのリミッターが外れていたというジーナス博士の意見を肯定し、更なるパワーアップの為に『俺のリミッターを外してみろ』と迫り、ジーナスの元で壮絶な特訓を受けることとなる。

◆ゾンビマン殺人事件

TVアニメ本編では尺の都合上、現在目立った出番はない。
一方で原作では高い人気を誇るキャラクターであるためか、OVAでは第1期・第2期ともにメイン回が存在する。
しかしその内容はどちらも『ゾンビマン殺人事件』であり、もはやシリーズ化してきている。

第1期「不可能すぎる殺人事件」ではヒーロー協会慰安旅行に参加。
しかし、悪酔いした上にゾンビマンの不死性を知るタツマキに後ろから日本刀で刺され、翌朝倒れているところを発見され周囲は騒然となる。
持ち前の再生能力によりピンピンしており、「酒の席ではよくあることだ」と軽く流すなど、少々ズレたところを見せた。

第2期では雪山の山小屋で爆発に巻き込まれ、再びヒーローたちによる事件の謎解きが始まる。
今回は流石にすぐに起き上がり、自身も捜査に加わった。
しかし起き上がった際の会話がこちら。

童帝:「あれ、もう生き返っちゃったの?」
ゾンビマン:「ああ、なんか…すまない…」

もはや雰囲気重視で死人扱いされる流れになっている。

【余談】

ONE版第3回人気投票では11位で惜しくもトップ10には届かず、ONE氏によるイラストは描かれなかった。




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最終更新:2024年04月02日 13:27

*1 ONE版では単独で進化の家を追っていたが、村田版では怪人協会所属の怪人マーシャルゴリラを追跡している最中にアーマードゴリラを発見したことで発見した事になっている。