スプライト(遊戯王OCG)

登録日:2022/05/03 Tue 21:04:06
更新日:2024/01/09 Tue 02:01:49
所要時間:約 26 分で読めます





『スプライト』とは『遊戯王OCG』に登場するカテゴリである。
初登場パックは「POWER OF THE ELEMENTS」。
同期テーマは【ティアラメンツ】と【春化精】。


【概要】

イラストは人型になった稲妻のような生物が衣服を着たような姿をしたモンスターが描かれている。
また、セリオンズスプリガンズのモンスターが一緒に映っているカードもあり、彼等との関連性も伺わせる。
特にセリオンズとは「黄道十二星座のモチーフがある」という点で共通しており、後述する《スプライト・スターター》のイラストから見ても、何かしらの関係があるテーマと思われる。

エクレシア達のピンチや竜化能力を失ってしまったアルバス等、様々な意味で激動期を迎える現状の烙印世界にて、
そのピンチをよそに何故か格闘マシン集団セリオンズとステゴロ対決をするサルガスの親方withキットというシュールな状況に、新たに殴り込みを仕掛けてきたこれまた謎の多いテーマ。
描写からして、おそらくセリオンズとその母艦たる《円盤闘技場セリオンズ・リング》のエネルギー源(元管理AI)である《無尽機関アルギロ・システム》に関連する存在と推測されるが……?

存在自体はスプライトが登場する前の月の3月に発売された『ザ・ヴァリュアブルブックEX2』で示唆され、『ザ・ヴァリュアブルブックEX3』で詳細が語られた。
元々鉄獣戦線の銃器に用いていたエネルギー弾は、ドラグマたちの能力である「奇跡」を抑止するビリッとする力を持っており、キットとスプリガンズたちは弟/妹分であるアルバスとエクレシアの助けになるためその力の出所を探すためにスプリガンズの故郷である鉄の国に帰還していた。
そこでビリッとする力のエネルギー自体はアルギロ・システムが保有しており、それを手に入れるためキットとサルガスがセリオンズと対峙することになる。
しかしアルギロ・システムはどういうわけか火山エネルギーから影響を受けて闘争本能を持つ存在になっており、スプリガンズとセリオンズが死闘を繰り広げた影響でアルギロ・システムが暴走、エネルギーが滂沱のように流れて現れたのがアルギロ・システムの分身にしてエネルギー生命体であるスプライトである。
ちなみにセリオンズはその影響をもろに受けて暴走した個体が登場した上に封印されてた女王が解放されてエライことになった。
効果を無効にしたり、相手にも制約を課すのは「奇跡」を封じる力を持つからだろうか。


【テーマとして】

属するモンスターは全て雷族で統一されており、闇属性炎属性が存在する。
また、レベル・ランク・リンクが2で統一されており、メインデッキのモンスターは以下の共通効果を持つ。

このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2または(ランク2orリンク2)のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):(固有効果)

総じて、レベル・ランク・リンクが2のモンスターに関連する効果を持つカードが多く、一方で「スプライト」自体を指定するものは少ない
そのため、単に【スプライト】として組むのみならず、それらを扱う様々なデッキと組み合わせることが容易にできる。


さて、このテーマのページになにやら不穏なタグが見られるし、テーマ内に禁止カードや制限カードがちらほら見られるという状況に薄々嫌な予感がしている人も多いと思うので、はっきりと言ってしまおう。
このテーマ、結論から言えば11期の問題児の一つであり、同期のティアラメンツや少し遅れてやってきたイシズ関連カードビーステッドクシャトリラと共に11期後半を暴れに暴れまくった存在である。

他の暴れん坊達が
  • 「相手ターン中だろうとガンガン墓地を肥やしまくり、墓地にモンスターが落ちたらとりあえず融合したり何かしらアドを取りまくる」
  • 「裏側除外と相手フィールドの使用封じによる徹底制圧で相手の反抗を許さない」
  • 「何故か相手の墓地もリソースに出来る除外コストとそれに反して優秀過ぎる効果」
と、強烈すぎる効果・強みで環境へ喰い込んだが、スプライトもまたそれらに劣らぬ凶悪な効果を持ち合わせる。
それが「展開力と制圧能力の両立」
スプライトはレベル・ランク・リンク2を起点として展開する効果が多く、ローレベルモンスターを大量に並べる事が可能。そしてテーマ内モンスターには無効化効果や制圧効果持ちが多く含まれる。
純で組んでもかなり強力だが、他のローレベル主体テーマと組み合わさる事によってより展開力を高めたり、組んだテーマを環境へ押し上げる程の力を与えたりと、烙印世界作中の「ホールに対抗する力を与えてくれる存在」という設定に違わぬ混合構築での輝きっぷりがすごかったのである。


【一覧】

【効果モンスター】

  • スプライト・レッド
効果モンスター
星2/炎属性/雷族/攻1200/守1800
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2またはリンク2のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):相手がモンスターの効果を発動した時、
このカード以外の自分フィールドのレベル2・ランク2・リンク2のモンスター1体をリリースして発動できる。
その効果を無効にする。
ランク2またはリンク2のモンスターをリリースして発動した場合、さらにそのモンスターを破壊できる。

ヘッドホンとツインテールのように伸びた稲妻が特徴のモンスター。
レベル・ランク・リンクが2のモンスターをリリースして相手のモンスター効果を無効・破壊する固有効果を持つ。

容易にサーチ・リクルートも自己特殊召喚もできる下級モンスターが立派なパーミッション効果を持っているという破格のカード。
パーミッション効果はコストが必要なものの、【スプライト】はレベル2を並べてリンク・エクシーズを行うデッキなので調達は容易。
破壊までするにはランク・リンク2が必要とやや重めだが、それでも十分すぎる性能である。
スプライトのランク・リンク2は使い捨てにしてもあまり問題ない性能をしているため、無理なく使える。

名前の由来は「レッドスプライト/超高層紅色型雷放電」。
一番最初に「スプライト」という名を付けられた放電現象で、そういった事情から単に「スプライト」とも呼ばれる事もある。
その名の通り赤色の閃光を放ち、中間圏にてよく観測されている。

  • スプライト・ブルー
効果モンスター
星2/闇属性/雷族/攻1100/守1000
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2またはランク2のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「スプライト・ブルー」以外の「スプライト」モンスター1体を手札に加える。

黒いコートを着た青い稲妻。
特殊召喚に成功した時にスプライトモンスターをサーチする効果を持つ。

言うまでもなくサーチ効果は優秀であり、特殊召喚も(1)の効果や各種サポートカードで容易にできる。
サーチできるスプライトたちは必然的にそのまま手札から特殊召喚できるため、そのまま何事もなくレベル2を2体並べられる。
【スプライト】の規制の一環として2023/4/1に制限カード指定を受ける。

名の由来は「ブルージェット」。 成層圏で見られる青色の放電現象を指し、ジェットの名の通り細く長く伸びていく。

  • スプライト・キャロット
効果モンスター
星2/炎属性/雷族/攻1000/守1900
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2またはリンク2のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):相手が魔法・罠カードの効果を発動した時、
このカード以外の自分フィールドのレベル2・ランク2・リンク2のモンスター1体をリリースして発動できる。
その効果を無効にする。
ランク2またはリンク2のモンスターをリリースして発動した場合、さらにそのカードを破壊できる。

黒いスーツを着たピンク色の稲妻。
相手が魔法・罠カードを発動した時に、レベル・ランク・リンク2のモンスターをリリースして無効・破壊する効果を持つ。
《スプライト・レッド》の魔法・罠版で、永続カード以外の場合は破壊しようがしまいが同じなので、比較的レベル2をコストにしやすい。
両方を並べた場合、先に効果を使った方を気兼ねなくリリースコストに充てられる形になるので安定した制圧力を発揮する。

名の由来はレッドスプライトの亜種である「キャロット型スプライト」。
その名の通り人参の様な形(上は葉の様に散り散りに、下は根の様に太く)に広がるスプライトを指す。

  • スプライト・ジェット
効果モンスター
星2/闇属性/雷族/攻1300/守 700
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2またはランク2のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「スプライト」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

白黒のコートを着た白い稲妻。
特殊召喚に成功した時にスプライト魔法・罠カードをサーチする効果を持つ。

こちらは《スプライト・ブルー》の魔法・罠版で、《スプライト・スターター》をサーチすることで実質全てのスプライトモンスターにアクセスできる。
  • 《スプライト・ブルー》→《スプライト・ジェット》→《スプライト・スターター》で任意のスプライト
  • 《スプライト・ジェット》→《スプライト・スターター》で《スプライト・ブルー》→任意のスプライト
という形で、最初の特殊召喚条件を満たすためのモンスターさえいればどちらからでも1枚で3枚の特殊召喚に繋がる。
【スプライト】の展開の要であったため2022/10/1に制限カード指定を受ける。

名の由来は《スプライト・ブルー》と同じくブルージェット。
コートにジェットパックの様なパーツが付随し、そこから青色の噴煙を吐き出している為、「ジェット」という名を意識したものだろう。

  • スプライト・ピクシーズ
効果モンスター
星2/闇属性/雷族/攻1400/守1400
このカード名の、(1)の方法による特殊召喚は1ターンに1度しかできず、(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにレベル2またはランク2のモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
(2):このカード以外の自分のレベル2・ランク2・リンク2のモンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、
手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
その自分のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力分アップする。

複数のアームが伸びたロボットに乗る3匹の人魂状のモンスター。
自身を墓地に送ることでレベル・ランク・リンク2のモンスターの攻撃力をアップさせる効果を持つ。

効果はレベル・ランク・リンク2専用の《オネスト》とでも言える効果。
該当モンスターのステータスは基本的に低いので、かなり有効。
出張採用では省かれやすいが、純正【スプライト】のように基本的にレベル・ランク・リンク2だけで戦うのであれば有用。

名の由来はレッドスプライトの亜種である「妖精型スプライト」。
元々スプライトという名前が「妖精」という意味を持つため、和訳すると「妖精型妖精」という進次郎構文じみた呼び名になる。
要するに王虎ワンフーとか海月-ジェリーフィッシュ-とかと同じ様なモンである。

【エクシーズモンスター】

  • ギガンティック・スプライト
エクシーズ・効果モンスター
ランク2/闇属性/雷族/攻1600/守1600
レベル2モンスター×2
このカードは自分フィールドのリンク2モンスターをレベル2モンスターとしてX召喚の素材にできる。
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):融合・S・X・リンクモンスターのいずれかをX素材としているこのカードの元々の攻撃力は倍になる。
(2):自分メインフェイズに発動できる。
自分フィールドのX素材を1つ取り除き、デッキからレベル2モンスター1体を特殊召喚する。
この効果の発動後、ターン終了時までお互いにレベル2・ランク2・リンク2のモンスターしか特殊召喚できない。

体内に稲妻が走る巨大ロボット。
融合・シンクロ・エクシーズ・リンクモンスターをX素材にしている時に攻撃力が倍になる効果と、デッキからレベル2のモンスターをリクルートしてお互いの特殊召喚先を制限する効果を持つ。

リンク2のモンスターをエクシーズ素材に使用することができるという特殊な召喚条件を持っており、
そのため、トークンからリンクモンスターをリンク召喚したりイゾルデやハリファイバーと言ったモンスターを特殊召喚するリンク2モンスターと相性が良い。

そしてその場合は(1)の効果で攻撃力は実質3200となり、ランク2としては破格の攻撃力となる。
リンクモンスターを使う以外にも、《簡素融合》でレベル2融合モンスターを特殊召喚して素材にする手もある。

(2)の効果はレベル2モンスターをリクルートした後、お互いにターン中はレベル・ランク・リンク2しか特殊召喚できなくなる。
リクルート効果は効果無効にならないので汎用性が高く普通に有能だが、問題はこの後。

ターン中は相手もレベル・ランク・リンク2のモンスターしか特殊召喚できなくなるので、ひとたび効果が通れば厄介な原始生命態ニビル》等を恐れることなく展開することができる。
素材指定もないため、ランク2エクシーズを行う多くのデッキで活躍できるエクシーズモンスターである。
ちなみに、この効果で取り除くX素材は他のエクシーズモンスターからでも構わない。

ちなみに(2)の効果は、コストではなく効果処理で素材を取る為、発動にチェーンして除去されると素材を取ることが出来ずに不発となる。
ゆえに《幽鬼うさぎ》で止められるという弱点があり、スプライトが環境で暴れたせいでうさぎは思わぬ再評価を受けることとなった。
また、スプライト側もうさぎ対策として場のモンスターに破壊耐性を与える《転生炎獣アルミラージ》を展開途中で立てるというプレイが生み出された…のだが、アルミラージを出すと召喚回数が増えるせいでギガンティックを出したところでちょうどニビルが飛んでくるという思わぬ弱点が露呈するなど、早くもメタゲームならではの研究・駆け引きが発生している。

名の由来は「巨大(ギガンティック)ジェット」。そのままカード名になっておるが、宣言の際はギガンテックと間違えないように注意。
文字通りの超巨大ブルージェットがこう呼ばれており、天を衝く様な雷が大空を突き抜ける様は圧巻。


【リンクモンスター】

  • スプライト・エルフ
リンク・効果モンスター
◤ ▲ ◥
◀   ▶
リンク2/炎属性/雷族/攻1400
【リンクマーカー:左下/右下】
レベル2・ランク2・リンク2のモンスターを含むモンスター2体
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない。
(1):このカードのリンク先のモンスターは相手の効果の対象にならない。
(2):自分・相手のメインフェイズに、自分の墓地のレベル2モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
相手フィールドにモンスターが存在する場合、代わりにランク2またはリンク2のモンスター1体を対象とする事もできる。

様々な機械を装備した赤い稲妻。
リンク先のモンスターに対象耐性を与える効果と、レベル・ランク・リンク2のモンスターを蘇生する効果を持つ。

(1)の対象耐性効果は便利だが、このカード自身は対象にならずステータスも低いため真っ先に狙われるので注意。
(2)の蘇生効果は言うまでもなく強力だが、このカード自身はリンク召喚したターンにはリンク素材にできない点だけには注意。

素材にした各種スプライトを蘇生させてアドバンテージを稼いだり、相手ターンではカウンター効果を持つ《スプライト・レッド》や《スプライト・キャロット》及びそのコストを確保し制圧させる【スプライト】のメインエンジン。
素材指定の緩さも相まってレベル2を使うデッキ全般を筆頭に幅広く活躍可能。
リンク召喚したターンにはリンク素材にできないデメリットも、《I:Pマスカレーナ》で相手ターンにリンク素材にしたり蘇生したレベル2モンスターとで攻撃力3200の《ギガンティック・スプライト》のエクシーズ素材にしたりと抜け道がある。

【ガエルスプライト】全盛期には効果を使ってリリースされた《餅カエル》を釣り上げてカウンター効果をお代わりすると言った悪夢の光景を具現化。
《餅カエル》及び《鬼ガエル》が規制を受けて弱体化した後も【スプライトリチュア】では《リチュア・アビス》を釣り上げてサーチ効果を連打したり、【スプライト鉄獣戦線】では《鉄獣戦線 キット》などのレベル2「鉄獣戦線」モンスターを蘇生して共通効果を使用したりして【スプライト】を支え続けた。

結果半ば汎用カード扱いになっていたためか、2023/4/1で無制限から一気に禁止カードとなる。

こちらもまるで「妖精・妖精」みたいな響きだが、名の由来はおそらく「エルブス」。
中間圏から熱圏にて発生する放電現象で、空に巨大なドーナッツを思わせる赤い輪が現れる現象。
知らずに見たらこの世の終わりを思わせる、禍々しくもどこか荘厳な光景となる。


  • スプライト・スプリンド
リンク・効果モンスター
◤ ▲
◀   ▶
▼ ◢
リンク2/炎属性/雷族/攻1400
【リンクマーカー:右上/左下】
レベル2・ランク2・リンク2のモンスターを含むモンスター2体
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
このカードはリンク召喚されたターンにはリンク素材にできない。
(1):このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。
デッキからレベル2モンスター1体を墓地へ送る。
(2):このカードがフィールドに存在する状態で、他のモンスターが特殊召喚された場合、
自分フィールドのX素材を1つ取り除き、フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを持ち主の手札に戻す。

DARKWING BLASTで追加されたリンクモンスター。
《スプリガンズ・キット》の装備で作られた籠の様な物に捕らえられたスプライト。そしてドヤ顔のキット稲妻の色からしてレッドとブルーが捕まったのだろうか。
リンク召喚時にデッキからレベル2モンスターを墓地に送る効果と、モンスターが特殊召喚された時にX素材を取り除いてモンスター1体をバウンスする効果を持つ。

(1)の墓地肥やし効果は言うまでもなく強力で、エルフの蘇生先の確保や墓地発動効果持ちを落として更なる展開に繋げられるが、エルフと同じくリンク召喚したターンにはリンク素材に出来ない点には注意。
(2)のバウンス効果もトリガーが特殊召喚と非常に緩く、味方モンスターの特殊召喚にも反応するため強力使い勝手が良いが、コストとして自分の場のX素材を要求するためこのモンスター単体では機能せずエクシーズモンスターと並べる必要がある点には注意。

名の由来はおそらくキットの装備の元となった《鉄駆竜スプリンド》。


【魔法カード】

  • スプライト・ガンマ・バースト
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):フィールドの全てのレベル2・ランク2・リンク2のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで1400アップする。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、
自分フィールドのレベル2・ランク2・リンク2のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターの攻撃力は相手ターン終了時まで1400アップする。

レッドとブルーの同時攻撃。
レベル・ランク・リンク2のモンスターを全体強化する効果と、墓地から除外して単体強化する効果を持つ。

フィールドのモンスター全体の攻撃力を上げられるため攻めに向いており、スプライト以外でもレベル・ランク・リンク2のモンスターを使用するデッキの火力上昇に貢献できる。
墓地除外でも単体強化できるためただでは転ばない。

名前の由来は超新星爆発から発生する「ガンマ線バースト」からだと思われる。

  • スプライト・スターター
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):デッキから「スプライト」モンスター1体を特殊召喚し、
自分はそのモンスターの元々の攻撃力分のLPを失う。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はレベル2・ランク2・リンク2のモンスターしか特殊召喚できない。

デッキからスプライトをリクルートする効果を持つ魔法カード。
デメリットとしてライフロスに加えて特殊召喚先が制限されるが、【スプライト】では大して気にならず、また貴重な召喚権を使わない初動となる。
なお、スプライトはレベル2ながら揃って1000台前半の攻撃力があるため、そこまで安くは済ませることができない。

基本的にリクルート先は《スプライト・ブルー》となり、向こうでサーチしたモンスターを特殊召喚して一気に2体並べることができる。
《スプライト・ジェット》でのサーチも可能であり、実質初動9枚体制になっていたため2022/10/1に《スプライト・ジェット》共々制限カードとなる。

劣勢でもこいつ1枚で巻き返せるほどの強力なカードだが、ライフロスはコストではなく効果処理なのでライフが足らなくても発動出来てしまう。
特にマスターデュエルではうっかり自滅しないよう注意するべし。

イラストでは「セリオンズ」で登場した《無尽機関アルギロ・システム》がスパークを起こしている。

  • スプライト・スマッシャーズ
速攻魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分の手札・墓地から「スプリガンズ」カード、「セリオンズ」カード、「スプライト」カードの内、
いずれか1枚を除外し、以下の効果から1つを選択して発動できる。
●デッキから「スプリガンズ」モンスター1体を特殊召喚する。
●自分の墓地から「セリオンズ」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
●自分フィールドのレベル2・ランク2・リンク2のモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を選んで除外する。

スプリガンズ・セリオンズ・スプライトのカードを除外して3つの内どれかを発動できる魔法カード。
魔法・罠も除外できるため、基本的にそれを狙いたい。
墓地からエクシーズ素材にするスプリガンズや墓地から装備されるセリオンズに比べると、スプライトは蘇生するためのものを確保してれば問題ないが。

1つはスプリガンズモンスターをリクルートする効果。
効果の分類的には最も強力と言えるが、出せるのがこの中ではカードパワーに劣り出張性も低いスプリガンズなので釣り合いが取れている。
当然【スプリガンズ】では文句なしに有用。

1つはセリオンズモンスターを蘇生する効果。
セリオンズは墓地にモンスターが貯まりやすいので蘇生先に困らないが、無装備状態なので最終的には素材として使う事になるだろう。

1つは自分のレベル・ランク・リンク2のモンスターと相手のカードを除外する効果。
【スプライト】では主にこの効果を使用し、ディスアドにはなるものの対象をとらないフリーチェーン万能除外という最強クラスの除去である。


イラストではギガンティック・スプライトの他、スプリガンズ・セリオンズのモンスターが入り乱れている。


【罠カード】

  • スプライト・ダブルクロス
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分または相手の、フィールド・墓地のモンスター1体を対象とし、
以下の効果から1つを選択して発動できる。
●自分フィールドのランク2モンスター1体を選び、
その下に対象のモンスターを重ねてX素材とする。
●自分フィールドのリンク2モンスターのリンク先となる自分フィールドに、
対象の相手フィールドのモンスターを置いてコントロールを得る。
●自分フィールドのリンク2モンスターのリンク先となる自分フィールドに、
対象の墓地のモンスターを特殊召喚する。

DARKWING BLASTで追加されたスプライト初の罠カード。
サルガスと元に戻ったレギュラスがギガンティックへクロス・ボンバーを仕掛けている。
自分または相手のフィールドか墓地のモンスターを対象に、自分のランク2のX素材にするか、コントロールを奪って自分のリンク2のリンク先へ置くか、自分のリンク2のリンク先へ蘇生させるか、3つの内1つを選んで発動する効果を持つ。

通常罠故の遅さ及び対象を取る効果ではあるが、相手の厄介なモンスターをX素材として封じ込めたり、奪って逆利用したり相手の蘇生カードを空撃ちさせたりと様々な妨害が出来る。特にリンク先へのコントロール奪取や蘇生効果は効果を無効にしないため、サーチして存在をチラつかせるだけでも相手への牽制になる。
また、相手から奪えない状況でも自分のモンスターの蘇生やX素材の補充にも使えるため腐りにくいのもポイント。

名前の由来は2人(“ダブル”)で“クロス”・ボンバーを放っているイラストと「裏切り」を意味する「ダブルクロス」のダブルミーニングか。
イラストと名前から察するに本来レギュラスはスプライト側の存在で、サルガスと組んでスプライトに反旗を翻したと言う事だろうか。


【相性のいいカード】

テーマ単体では《スプライト・スターター》を使わないと召喚権無しで共通の特殊召喚に繋げられず、ブルーとジェットのサーチ効果は特殊召喚にしか対応していない。
そのため、レベル2を特殊召喚できるテーマや召喚限定の効果を持つレベル2との併用が基本。

召喚時にレベル3以下の海竜族をデッキから呼び出すレベル2海竜族チューナー。
2体目を呼び出して後述のハリファイバーをリンク召喚し、ハリファイバーの効果で3体目を呼び出すと綺麗に攻撃力倍のギガンティックへと繋がる。ハリファイバーの禁止に伴い採用率は低下した。

召喚時にレベル3以下の「素早い」モンスターをデッキ・墓地から特殊召喚するレベル2獣族。
《スプライト・スプリンド》の登場でデッキから《素早いアンコウ》を落としてビーバーを2体リクルート、残った3体目でビーバーかアンコウを釣り上げ、と無駄なくレベル2モンスターを大量展開出来る様になったため、ハリファイバーの禁止に伴い採用率の低下したディーヴァの後釜に座った。

  • 超雷龍-サンダー・ドラゴン
ご存じ手札から雷族モンスターの効果が発動すれば飛び出すサンダー・ドラゴン
…なのだが、スプライト共通のSS効果は発動しないタイプなのでテーマ内だけで出すのは難しい。というかたぶんこいつを出させないための調整だと思われる
一応スプライトなら《スプライト・ピクシーズ》の効果で発動条件を満たせ、場のスプライトをリリースして特召喚でき、相手のサーチを封じる。

ご存じ相手ターンにリンク召喚できるリンク2モンスター。
このデッキなら容易にリンク召喚でき、《スプライト・エルフ》のリンク召喚ターンにリンク素材にできない制約をある程度緩和してリンク4に繋げられる。

容易にランク2が出せるなら当然入るロボ。
ただし、ランク12なので2以外を出せなくなる制約の影響を受けてしまうため、それらを使ってないタイミング限定での活躍となる。

ご存知美少女怪盗コンビ。
数字が統一されにくいリンクテーマでは珍しく「レベル2でリンク2を出す」ことに特化しているので共存可能。
基本的に召喚時効果から動くデザインなのでその点も好相性。

ご存じかわいい動物たちの森。
ランク2エクシーズテーマなので当然相性は良い。
エクシーズ素材に獣族指定が多いが、要の《森のメルフィーズ》だけは指定がないので実質的には割となんとかなる。

ご存じリンク2モンスターの雄。
深海のディーヴァ2体で出すのが主流。
本来エクシーズ召喚をサポートするカードである「武神アハシマ」よりこちらの方が優先されるのはなんとも

  • ヤマタコオロチ
シンクロ素材に使う場合にレベル8扱いにできるレベル1チューナー。
スプライトを初めとしたレベル2モンスターと併せてフルール・ド・バロネスを貫通効果を付与しつつ出せる。
レベル8扱いに出来る効果は永続効果なのでハリファイバーで呼んでも無効化されないのが強み。

ご存知水棲生物。
《ギガンティック・スプライト》から《鬼ガエル》をリクルート、《粋カエル》を墓地に送りつつ《スプライト・エルフ》をリンク召喚、《鬼ガエル》を蘇生して2枚目を墓地に送りつつこれを除外して《粋カエル》を蘇生、という非常に簡単な流れで制圧《餅カエル》のエクシーズ召喚まで持ち込むことができる。
更に《餅カエル》の今までバハシャからの出張ばかりで半ば忘れ去られていたスタンバイフェイズのガエルリクルート効果で《魔知ガエル》を引っ張ってくれば攻撃対象制限までかけられる。
《餅カエル》の妨害効果にはX素材を必要としないので《スプライト・エルフ》の蘇生効果とも好相性。
ついでに、ハリファイバーの効果で手札誘発持ちのチューナーをリクルートし《鬼ガエル》で手札に回収するという疑似的なサーチまでやってのけてしまう。

僅かなスペースで飛躍的に妨害性能を高められるため2022年5月の環境における【スプライト】の主流構築となり、
7月に《餅カエル》が禁止になっても優秀な展開能力から未だに主流構築の座を維持している。
しかし、10月にスプライト本体への追加規制に加えて《鬼ガエル》が制限カードになり純【ガエル】も巻き込んで遂に機能停止する事となった。

  • 鉄獣戦線
ご存知獣人レジスタンス。
【鉄獣戦線】のメインエンジンである《鉄獣戦線 ケラス》と《鉄獣戦線 キット》がレベル2なので《スプライト・エルフ》の吊り上げや《ギガンティック・スプライト》のリクルートに対応し、上記の《素早いビーバー》が獣族なので鉄獣戦線の共通効果のコストに使える事から共存がしやすく、【ガエルスプライト】に変わる主流構築として【スプライト鉄獣戦線】が誕生。
スプライト側のデメリットでリンク3以上が出しにくくなるが、フリーチェーンバウンスの《戦華盟将-双龍》や相手ターンリンク召喚の《I:Pマスカレーナ》など優秀なリンク2は多いためそこまで気にならない。
双方のギミックが独立しているので片方を止められてももう片方のギミックで動けるため安定して戦え、どちらも少ない枚数でも機能するため鉄獣戦線寄りにするかスプライト寄りにするか調整がしやすいのも強み。

スプライトの弱点の一つに罠ビートによる着地狩りがあるが、神碑と組み合わせることで相手の妨害をある程度往なせる。
神碑のキーカードであるフギンがレベル2ということもあり起点にできる上に、神碑の泉をサーチし神碑速攻魔法カードの分だけドローしハンドアドバンテージも確保できるという、スプライトのサポートに適しまくっている。
増殖するGを通されても問題なく動けるのは神碑の特色と言えよう。
また神碑側も魔封じの芳香やバック破壊で対策されやすいが、そうなった場合はスプライトの展開力が相手するという、相手にとってはまさしく地獄のデッキと言えよう
特にサイド対策のしにくい遊戯王マスターデュエルではやはりというか大暴れしている。
…まぁ2つとも墓地のカードを動かす都合上エクソシスターにはまとめて狩られるというオチが付くが。
また、神碑にするかスプライトにするか適切に選ばないとお互いがお互いの強みを食い合って中途半端な出力になるので注意されたし。


【余談】

  • モチーフは成層圏で起こる発光現象「超高層雷放電(スプライト)」だと思われる。


  • メインデッキに入るスプライトには、黄道十二星座を模したエンブレムがどこかに存在している。
    《スプライト・レッド》→ヘッドホンや靴に「乙女座」のエンブレムが描かれている。
    《スプライト・ブルー》→ヘッドホンや靴に「天秤座」のエンブレムが描かれている。
    《スプライト・キャロット》→「双子座」のエンブレムを模したアクセサリーを身に付けている。
    《スプライト・ジェット》→服装に「射手座」のエンブレムが描かれている。
    《スプライト・ピクシーズ》→乗っているロボに「水瓶座」のエンブレムが飾られている。

  • タグにもある通り、コカ・コーラ社が発売している同名の炭酸飲料とは無関係である。
    …無関係ではあるのだが、あっちのイメージか強いためかこのテーマに『炭酸』というあだ名がつけられて浸透してしまっている他、
    Twitterにおいてこちらのスプライトの話題でトレンド入りした際に『食べ物・トレンド』と表示されるケースも多く報告されている。


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最終更新:2024年01月09日 02:01