ダート(ウマ娘 プリティーダービー)

登録日:2023/01/15 Sun 20:48:05
更新日:2024/05/05 Sun 13:05:17NEW!
所要時間:約 18 分で読めます





そうだよ! 私の走りで、歌で、踊りで! ダートをトップの世界に変えればいいんだ!
誰もがダートを目指すような、注目するような、そんな世界に、ファル子が! 変えるんだ……!


この項目では『ウマ娘 プリティーダービー』に登場する、レースのバ場の一つである「ダート」について解説する。


+ 目次

概要

現実の競馬と同じで、ウマ娘世界のレース場も、バ場が芝とダートの2種類に分かれている。
ダート=泥、土とはいうものの、実際に敷き詰められているのは現実の(日本の)ソレと同じ砂が中心のようで、
砂地に足を取られる分、力強く駆け抜けるためのパワーが芝コース以上に求められるとのこと。
ただ、爪への負担は芝と比較すると軽いという描写もされている。

物語の中心となるトゥインクル・シリーズにおいても、数多くのダートレース、重賞やG1レースが存在するものの、
クラシック三冠やトリプルティアラ、春秋シニア三冠などの華型となるレースが数多くひしめき合う芝レースと比較すると、
どうしても知名度、注目度には一歩劣るという見られ方をするのも否定はできないらしい。

実際問題、芝レースが整備されているのは中央のトゥインクル・シリーズのみであり、地方のローカルシリーズは全てダートコース。
漫画作品『ウマ娘 シンデレラグレイ』においても、主人公であるオグリキャップが地方のカサマツトレセン学園から中央に転校してきた際、
クラスメイトとなったブラッキーエールがカサマツにおけるオグリの戦績*1を耳にしても、
「田舎の砂遊びなんざノーカン」などと発言していた辺りからも芝とダートの格差認識が窺える。*2
それでも1990年代まではトレセンの馬房などの問題から地方でデビューした後中央に転厩して結果を出す馬がしばし見られたが、現在は地方から来た馬が中央で活躍することは殆どない状態である。*3
後述するスマートファルコンの育成シナリオでは、そういった芝とダートの知名度の差について深く切り込んだ上で、
冒頭のセリフにあるように、自分自身がダートの知名度を高める先駆者となるべく奮闘を重ねる色濃い育成シナリオが展開されている。


なお、前提として、この前後の話題についてはウマ娘が過剰にダートを冷遇しているという話ではなく
この「ウマ娘におけるダートの扱い」は基本的に日本競馬における情勢がそのまま反映されているだけである。
日本競馬史に関しては、この記事がダート(競馬)にならないよう一言で言うと、当初芝とダートの格差は著しかったが時代が進むにつれて是正されている。2024年からは新たに3歳ダート三冠の開始も含めたダート重賞競走の一大改革が実施される予定で、加えて今後も様々な改革が実施される予定。
ウマ娘はベースの価値観は現代寄りであるものの、より古い時代の要素も様々な部分で反映されるため、全体としては現代に比べて格差が大きくなりがちである。


アプリ版において

この辺りの顕著な格差は各作品での設定のみならず、ゲームシステムやキャラ周りについても色濃く表れていると言っていい。

基本前提としてレースを走る各ウマ娘にはバ場、距離、脚質の3つの適性というものが設定されており、
バ場適性についてはそれぞれ芝とダートの適性が設定されている。

バ場適性はウマ娘の5種のステータスの内パワーの補正、より正確にはレース中の加速値に影響が出る。
初期段階での最高適性Aを所持していればステータス100%、数値通りのパワーによる加速力を発揮可能となり、
そこからBやC、最低ランクのGに下がる毎に少しずつマイナス補正がかかっていく。
特にダートGのウマ娘をダートレースに出した場合、加速力に大きなマイナス補正がかかるため、*4
まともな加速を行うことがままならず、まず下位に沈んで終わること間違いなしとなる。
育成中に最低限まともに勝負するならCがギリギリ、安定した勝利を望むならB以上は必要となるだろう。

3rdアニバーサリーを迎えた2024年2月後半以降でも、育成実装されているウマ娘は90人超、衣装違いも含めると3桁を超える数にも上るのだが、
バ場適性が「芝A、ダートG」というウマ娘が殆どであり、初期段階でダートをまともに走れるウマ娘は本当に限られた数しか存在しない。
初期段階でダートAの適性を持つウマ娘は僅か9人、B以上まで範囲を広げても13人、衣装違いをカウントしても21人というのが現状だったりする。
入手難易度という観点では更に悲惨な状況であり、星2以下でダートB以上のウマ娘は初期入手のハルウララを除くとエルコンドルパサーのみ
次点は2024年2月に追加されたばかりの「ダートE、マイルB」のビコーペガサスまで下がり、それ以前だと「ダートE、マイルD」のマヤノトップガンしかいなかったという有様。星3のダートウマ娘を引けなければチームレースの枠を埋める事すらままならない。
しかも、その内の数人は「地方時代にダートを走っていたから適性が高く、中央での主だった戦績は芝レース」という場合もあり、
本当の意味で史実においてダート競走馬として活躍したウマ娘という括りで見ると更に一握りとなってしまう。

そんな感じであるため、平均かそれ以下のDやEのダート適性を持つウマ娘ですら「因子補正で初期値をAまで底上げできるため、ダートウマ娘として実用圏内」という評を下される程。

育成においても「ダートの適性が高く、芝の適性が低い」という、所謂ダート専業のウマ娘に厳しい仕様がいくつか存在している。
というのもダートレース自体が芝レースに比べると絶対数に乏しいため、芝の重賞レースと比較してファン数を稼ぎにくいという点がある。
育成終了時の二つ名には「ファンを〇〇人以上集める」といった条件が指定されていることがあり、こういった場合にダートウマ娘は割を食ってしまうということである。
その最たる例が、ファン55万人以上獲得という、芝ウマ娘ですら容易でない固有二つ名取得条件を定められているハルウララだったりもする。

更に顕著なのが2022年2月の1stアニバーサリーにおいて追加された第三のシナリオであるクライマックスシナリオにおいて。

各ウマ娘固有の育成目標が撤廃され、只管にレースに出走してポイントを稼ぎウマ娘を強くしていくのが基本となるこのシナリオだが、
ダートウマ娘は芝の重賞レースにまともに出られずポイントを稼ぎにくいという仕様が直撃することとなってしまうことに。

尤も、このシナリオ実装当時に存在していたダートウマ娘の大半は芝適性もAを備えているオールラウンダーが大半だったため、
逆に芝に加えてダートの重賞も組み込め、芝専門のウマ娘よりも更に強くしやすいと寧ろプラス面に働いた部分の方が大きかったりもしたが。
結局のところ割を食ったのは、芝をまともに走ることができないハルウララ一人だけだったという悲しい現実。

現在はクライマックスシナリオ以降に追加された「グランドライブシナリオ」「グランドマスターズシナリオ」などの存在により、
全体的な育成格差自体はだいぶ解消されている。

1stアニバーサリー以降のテコ入れ

こんな調子でアプリ稼働当初から芝との格差は如何ともし難く、今現在も対等の地位になっているとは言えないのが現状であるが、
それでも今に至るまで何も改善されなかったというわけではない。

一番最初のきっかけとなったであろう出来事が2022年5月4日に新ウマ娘として発表された、コパノリッキー
当時、史実でダート強者として名高いウマ娘はスマートファルコンと育成未実装のシンコウウインディの2人くらいしかまともにいなかった中、
ダート競走馬全体で見ても最強クラスと名高いリッキーの登場に、ダートを愛する多くのトレーナーが歓喜の声を上げていた。

続く2022年6月10日、オグリキャップと並ぶ当時の三強の一角たるイナリワンの育成実装が発表。
アグネスデジタルから実に9ヶ月振りとなる、ダート適性A持ちのウマ娘が新たに追加されることになった。

更に2022年7月27日、ぱかライブのイベントにおいてホッコータルマエ、ワンダーアキュートの2人が発表。
リッキーと肩を並べる新たなダート強者の登場に、トレーナー間では更なる熱狂が巻き起こる。

最も大きな転換点となったであろう2022年8月19日。
上述したコパノリッキーが新規発表から僅か3ヶ月と少しという早さで育成実装が決定。
イナリワンに続く新たなダート適性Aのウマ娘、ハルウララやスマートファルコンに続く3人目のダート専業レーサーの実装となった。
加えてそのリッキーのシナリオ内において、ホッコータルマエとワンダーアキュートの2名がライバルとして登場し、3Dモデルと勝負服が実装。
今までの新規ウマ娘たちと比較しても異例と呼べるレベルのスピード実装となっている。

そして更に特筆すべきはアプリとしても初となった、地方レース場とそれに伴うダート重賞レースの追加であろう。
川崎、船橋、盛岡の3つの新規レース場に「川崎記念」「かしわ記念」「全日本ジュニア優駿」「マイルCS南部杯」などを中心とした数多くのダート重賞レースの追加は、
地方交流重賞の実装を望んでいたトレーナーを大いに喜ばせると同時に、上述したクライマックスシナリオなどを中心とした、ダートウマ娘の育成難易度改善に大きく貢献することとなった。*5

以降も2022年9月にダート適性Bを持つユキノビジンが追加されたり、
リッキーに続いて2022年11月にワンダーアキュート、2023年1月にホッコータルマエ、2023年2月にシンコウウインディもそれぞれ育成実装。
未だ絶対数は少ないとはいえ少しずつダート適性を備えるウマ娘たちが数を増やしており、ダートを取り巻く環境はゆっくりと改善されていると言える。

…が、リッキー、タルマエ、アキュートら新規ダートウマ娘のスピード実装、これまで温められていたシンコウウインディの育成実装等によりダートウマ娘の数が飛躍的に増えた反面、2ndアニバーサリーを迎えた2023年2月時点では育成未実装の中で高ダート適性を持つだろうウマ娘が1人も残っていない状態にもなっていた。

その反動なのかはわからないが、3rdアニバーサリー直前において新ウマ娘が9人も発表される中、その内3人が史実におけるダートの強豪たちだったため一気に増強。

今後の育成実装や更なるダートウマ娘の発表、ダートレースの追加に期待がかかる。


主な高いダート適性持ちのウマ娘

砂のハヤブサとして名高い、最高にキラキラ輝くウマドルを目指して邁進するウマ娘。
2021年5月6日の育成実装以降、後述するハルウララと並ぶ数少ない専業ダートレーサーとしてのポジションにいた。

上述のように史実競走馬の時点でダートの強豪としても有名且つ育成実装まで漕ぎつけていたのは、アプリ1年目の段階ではファル子1人だけだったため、
育成シナリオにおいても芝とダートの知名度格差に切り込んだ上で唯1人、名ありのダート強豪ウマ娘として奮闘する姿が丁寧に描写されていたことから、
未だにウマ娘のダートの顔といえばスマートファルコンという揺らがぬ地位と知名度を確立していると言える。*6

そして後のリッキーやタルマエ、アキュートらの育成シナリオにおいては、ダートレーサーとして絶対的なトップという位置に置かれ、
後輩のダートウマ娘たちを導く役目を担うなど非常に優遇されている。

ところが実用面に目を向けると、芝のオープンレースであるジュニアカップで勝利したことを反映してか、
低いとはいえ芝適性がEあり、初期因子を揃えればAまで底上げできることから、
育成においては芝もダートも同じように走れるオールラウンダーなファル子が氾濫していたなんて実情があったりもする。

…個別ストーリーの時点から、知名度格差と自身の適性に板挟みになっていた姿を見せていたことを考えると色々複雑である。

天真爛漫、幾度負けても決して笑顔を絶やさずレースそのものを楽しむウマ娘。

競走馬ハルウララは地方馬であるためダートしか走っていないが、負け続けたことで愛された馬として有名であり、ダート適性Aと呼べるのかは謎である。
そこまで厳しく査定しては酷というものだろう。

…が、詳しくは本人の個別項目も参照してほしいが、今まで上述してきたダートウマ娘の絶対数の少なさと、アプリ開始時に必ず入手できる低レアリティのダートウマ娘という点が噛み合い、
他の高いダート適性持ちウマ娘を入手できない初心者の救世主として、変え難い価値を有しているのがウマ娘のハルウララといっても過言では無かったりする。
まあ、性能的には見劣りするため、継承ウマ娘が揃ってきたら他の多少適性のあるウマ娘などを魔改造した方が強いのではあるが。

そして距離適性まで広げると、ダート適性に加えて短距離適性もAを所持しているのはウマ娘全体で見ても更に一握りとなり、
短距離ダートのG1レースである「JBCスプリント」をデフォルトでまともに走れる極めて貴重なウマ娘だったりする。
史実や本人以外のシナリオにおける負けっぷりからは想像もつかない、ダートスプリンターとして破格の才能を秘めた存在となっているのである。

「あの砂はダートと言って砂遊びをする為のものじゃないんだ」
競馬史全体で見ても最強クラスの知名度を誇るアイドルホースにして、底なしの胃袋を持つ葦毛の怪物。

史実では本領を発揮したのは芝だが、地方所属時代にはダートで無双していたためダート適性が与えられている。
星3という高レアリティではあるものの、アプリ稼働初期から育成実装されている高ダート適性持ちウマ娘の一角。
初期適性そのものは一段階下のBなものの十分に高く、適当なダート因子持ちのウマ娘を継承すれば簡単にAへ底上げでき、Bのままでも育成中程度ほぼ不自由なく走ることができる。

オグリキャップ自身、ダートはおろかその他の距離適性についても万能に近いものを持っており、足りない部分へのテコ入れに非常に有用。
通常版もかなり優秀だが、後に実装されたクリスマス別衣装版が対人環境において非常に評価が高いことも相まって、
他の並み居るダートウマ娘たちを押しのけて、対人環境でも最強クラスの実力を有している。

スペシャルウィークを中心とした黄金世代の一角、陽気で快活、ハイテンションでメキシカンなルチャドーラ。

史実のエルコンドルパサーはジャパンカップや凱旋門賞など芝レースで活躍した馬だが、デビューからの3連勝はダートコースだったのを反映してか、オグリキャップと同じダート適性B持ち。芝は嫌デース
加えて唯一ハルウララに次ぐ低レアリティの星2ウマ娘のためよほどガチャ運が悪くなければ簡単に入手でき、性能も優良なので、ある意味真の初心者の救世主と言えよう。

最強マイラーとして名を馳せた、陽気でグラマラスなアメリカンで意外と寂しがり屋、人懐っこい大型犬みたいなウマ娘。

オグリやエルと同様にダート適性Bを有するウマ娘の1人。
加えてハルウララと同様に短距離適性Aも持っているため、こちらも初心者にオススメのウマ娘の1人とされている。

推しであるウマ娘ちゃんたちを愛でるために底抜けの実力と変態性を見せつける、色んな意味で最強のオタウマ娘。

史実において芝、ダート、果ては海外レースと戦場を選ばない変態っぷりを見せつけたため、
育成実装当初は唯一人、芝とダートの初期適性が共にAというオールラウンダーとの一角として大活躍することに。

補正込みの適性だけ見れば上述してきたオグリ、エル、タイキなども同じように芝・ダートを問わない走りが可能なものの、
史実における実際の実績やそれが反映されたシナリオのため、未だにオールラウンダーと言えばデジタル、というポジションが揺らがぬものとなっている。史実でこの馬並みのオールラウンダーがまだ出ていないのを踏まえると、当分このポジションは揺らがないと思われる。

下記の次世代ダートウマ娘達が当初未発表だった事、更にデジタル自身のシナリオ内のイベントで本人から直接マークされている旨を伝えられていた事から、ファル子の実質的なライバルとして描かれていた側面がある。*7
また、クライマックスシナリオでは芝とダート両方の練習に一番最適な人材としてオグリから指名を受けた事からも、少なくとも作中設定でのウマ娘としての総合力なら永世三強クラスである可能も秘めている。

オグリキャップと同格の三強、地元大井をこよなく愛するべらんめぇ口調の江戸っ子ウマ娘。
2年目において初の、そしてデジタルに続く2人目ともなった、芝・ダート適性双方がAのオールラウンダーの一角。

イナリ自身も史実では元々地方の大井レース場=ダートコースを走っていたということや、代表レースの一つに東京大賞典(但し当時は長距離3000mのレース)があったこと、
そして「地方は決して中央に劣ってなどいない」という証明のために奮闘するという流れだったことから、
スマートファルコンとは別の切り口でダートレースの知名度向上に貢献していたとも言える。

キラキラのシチーガールになることを夢見て中央へとやってきた、岩手出身の純朴ウマ娘。
境遇としてはオグリと同様、実績は芝メインの馬だが岩手=盛岡レース場時代を踏まえてダート適性Bを持っている。

育成シナリオ内ではダートレーサーとしての要素はピックアップされないものの、
隠しイベントとしてマイルCS南部杯に出場することで、地元盛岡の人々との温かな交流が描かれたりもする。

風水をこよなく愛する明るく元気で朗らかなラッキーガール。

上述のようにスマートファルコン以来、長らく現れていなかったダート適性A持ち且つ芝適性低め*8の専業ダートレーサー。
育成シナリオ内ではどちらかといえば彼女の愛する風水に関することがメインとなっているものの、
トレーナーとの出会いのきっかけを描く個別ストーリー序盤において、彼女の風水の要となる大地の聲はダートコースの方が聞こえやすいということや、
史実における大記録であるダートG1を11勝の要素が組み込まれているなど、ダートでの活躍も色濃く反映している。

のんびりゆったり独特のペースを形成するおばあちゃんのような親しみやすさを持つウマ娘。
リッキーのスピード実装に続いて彼女もまた同年の11月に育成実装を果たした際には、トレーナー間にはかなりの衝撃を与えていた。
もちろん、リッキーと同じくダート適性のみがAの新たな専業ダートレーサーとしての登場となった。

育成シナリオでは史実のアキュートが長期間現役を走り続けたことを反映し、
高みを行くライバルであるスマートファルコンの背を追い続けながら、やがては自身がタルマエにその背を追われる強者となっていくという、
自身が語るダートの語り部として君臨する物語が紡がれていくことになる。
そして担当トレーナーがまんま史実の主戦騎手であった和田竜二の生き写しそのものだったことも話題となった。

地元出身地である苫小牧の知名度アップのために直向きに頑張る真面目なロコドルウマ娘。
リッキー、アキュートに続いてやや遅れながらも最後の実装となった専業ダートレーサー。

地方の衰退と再興、そのために自身がロコドルとしてどうあるべきかなどを描いていく中で、
やはりリッキーのライバルとして肩を並べた実力者であったことを反映してか、
育成シナリオ内でも数多くのダート重賞レースを駆けていき、ダートの実力派ウマ娘として名を馳せていく過程も描かれていくことになる。

こう見えても高等部。悪戯大好きで誰彼構わず噛み付く(物理)トラブルメーカーなウマ娘。

中央ダートG1の一つであるフェブラリーステークス初の覇者にして、スマートファルコンと同様にアプリ稼働当初からキャラとして存在する史実の一流ダートウマ娘であるが、中々育成実装の兆しが無かった。
2022年9~10月のハロウィンストーリーイベントではメイン級の1人として活躍し、新規のSSRサポートカードに抜擢されるなど登場機会こそ設けられてはいたが、
ライバルとなる存在が現状ウマ娘に全く音沙汰が無い*9といった要素もあってか不遇な立ち位置におり、まだまだ数少ないダートウマ娘の更なる充実という点からも早期の育成実装が望まれていた。

そしてゲームがサービス開始2周年をもうすぐ迎えようかという2023年2月に満を持して実装、登場を長きにわたり待ち望んでいたトレーナーたちから喜びの声があがった。
なお、後発組に比べると控えめな戦績という点から3人目の低レアダート要員としても期待されていたが、通例通り星3での実装だったため、アニバーサリー直前でジュエルを貯めたいトレーナーたちからは嬉しい悲鳴もあがった。
また、上述のように彼女を以って発表済だったダート専のウマ娘達は全員が育成実装と相成った。

レース時だけ伊達眼鏡を外す、情報通でゾクゾクする勝負を求める好奇心旺盛ウマ娘。

史実ではフェブラリーステークスとジャパンカップダートを同年同時に制し、ドバイワールドカップ(但しオールウェザー開催)でも2着に食い込んだ強豪であり、
2024年2月22日の初発表の翌月、ドバイ参戦直前に起こった天災のメモリアルデイの翌日でもある2024年3月12日に育成実装された。



育成未実装だが高ダート適性が予想されるウマ娘

  • フリオーソ
  • エスポワールシチー
トランセンドと共に2024年2月22日、3rdアニバーサリーを目前に控えたぱかライブTV内で発表された新規ウマ娘たち。

トランセンドの育成シナリオにおいてもライバルとして登場しており、この2人も史実においてはダートのG1級競走を複数勝ち取っている紛れもないダート強豪なため*10初期ダート適性がAであろうことはほぼ間違いなく、今後の育成実装に期待がかかる新星たちである。

主なダートレース

  • フェブラリーステークス
(東京レース場、マイル1600m、左回り)

シニア級2月後半に開催。で史実で最も古い歴史を持つ中央ダートG1レースの一つ。
後述するチャンピオンズミーティングのベースにもなっており、ガチ勢の間でも細かな研究と検証が進められたダートレース。

  • チャンピオンズカップ
(中京レース場、マイル1800m、左回り)

クラシック・シニア級12月前半に開催される、中央史上2つ目のダートG1。
かつては史実と同じく「ジャパンカップダート」という名称で開催されていたレースでもあり、ワンダーアキュートの育成シナリオで触れられる。

  • 東京大賞典
(大井レース場、中距離2000m、右回り)

クラシック・シニア級の12月後半に開催されるダートウマ娘たちの最終決戦。ダート版「有馬記念」と言っても過言ではない最大級のダートレース。芝G1・有馬記念と被るため、そちらが目標になっているウマ娘は出走できない。*11
数多くのダートウマ娘たちにとっても最終目標に据えられている目指すべき頂の一つ。
後述するJDDや帝王賞と同じく、アプリリリース当初は挑戦経路がかなり少なかったレースでもある。

  • JBCスプリント
(大井レース場、短距離1200m、右回り)
  • JBCレディスクラシック
(大井レース場、マイル1600m、右回り)
  • JBCクラシック
(大井レース場、中距離2000m、右回り)

3つともクラシック・シニア級11月前半に開催される大井レース場におけるG1ダートレース。芝G1・エリザベス女王杯と被るため、そちらが育成目標レースになっているウマ娘は挑戦できない。
特にJBCスプリントについては現状唯一のダート短距離G1レースとなっている。
また、牡馬牝馬の括りの存在しないウマ娘世界においては、JBCレディスクラシックは単なるマイルのダートG1の一つという見方となっている。
2022年8月のアップデートで川崎・船橋・盛岡の3つの地方レース場が追加されると、史実では持ち回り開催であることを反映して舞台がこれら4レース場からランダム選出されるようになり、特に川崎レース場でのJBCクラシックは2100mに延長されるなどレース場によって微妙に条件が異なる仕様となった。*12
この記事では大井レース場における開催条件を記載している。

  • ジャパンダートダービー
(大井レース場、2000m、右回り)

2023年まで開催されていた、南関東3歳三冠を形成する3競走で唯一の交流JpnI。略称はJDD。
ダートグレード競走再整備前最終年となる2023年のミックファイア(鞍上、御神本訓史)の無敗三冠達成は記憶に新しいところ。
ウマ娘ではクラシック級7月前半に開催される、クラシック級前半におけるダート最大級のレース。
夏合宿の1ターンを使うため敬遠されがちだが、優勝レイがスマートファルコンなどの覚醒レベルを上げるのに要求されるので、どこかしらのタイミングで周回しておきたかったりもする。
現実ではダートグレード競走再整備に伴い、2024年より秋開催に変更し、名称も「ジャパンダートクラシック」に変更。
同時に南関東SIだった羽田盃・東京ダービーが中央及び地方他地区所属馬にも開放されJpnIに昇格される。
これらの番組変更はウマ娘では反映されるのだろうか?

  • 帝王賞
(大井レース場、中距離2000m、右回り)

シニア級6月後半に開催。芝G1・宝塚記念と被るためそちらが目標レースになっているウマ娘は出走できない。
リリース当初は挑めるウマ娘がかなり限られていたこともあり、オグリキャップで初めて勝ったというトレーナーも多いのではないだろうか。
現在ではスマートファルコンやコパノリッキーなどダートウマ娘の目標レースになったこともあり挑戦経路は格段に増えている。
テイオー賞ダモンニ!

  • 川崎記念
(川崎レース場、中距離2100m、左回り)

シニア級2月前半に開催。2022年8月のアップデートにより追加されたG1の一つ。
中距離ということもあり出走できるウマ娘はかなり少なくなり、加えてマイルレースよりもスタミナに気を配る必要がある。
育成目標ではないが、スマートファルコンで挑戦すると隠しイベントが発生する。

  • 全日本ジュニア優駿
(川崎レース場、マイル1600m、左回り)

地方交流重賞の追加レースの一つとして実装されたダートG1レース。
史実における「全日本2歳優駿」に当たり、ジュニア級で唯一出走できる貴重なダートG1レースでもある。

ジュニア級G1であるため、このレースのウイニングライブ曲は『ENDLESS DREAM!!』になっているのだが、
その結果、夜に出走するダートレースの後に「青空 芝のにおい…大好き」と歌う、ツッコミ所が最後に現れるライブになってしまった。砂のにおいもすこれ

  • かしわ記念
(船橋レース場、マイル1600m、左回り)

シニア級5月前半に開催。芝G1・ヴィクトリアマイルと被るため、そちらが育成目標に入っているウマ娘は出走できない。
こちらの優勝レイはワンダーアキュートの強化に必要になり、フレンドptでも交換可能だが割高なため周回して集めておきたい。

  • マイルチャンピオンシップ南部杯
(盛岡レース場、マイル1600m、左回り)

クラシック・シニア級10月前半に開催。2022年8月のアップデートで追加されたレースの1つで、略称は「マイルCS南部杯」。
ユキノビジンの固有二つ名の条件を満たすことができるレースでもあり、アグネスデジタルで挑戦すると隠しイベントが発生する重要なレースでもある。
なお、このレースが追加されたことでG1レース7連闘という悪魔的ローテ*13が可能になった。
フォントがどこかバジリスクタイムに似ている
またトランセンドの育成シナリオのみ東京レース場開催となっており、これは史実でトランセンドが勝利した2011年南部杯のみ東京競馬場開催だった事から来ている。

  • ユニコーンステークス
(東京レース場、マイル1600m、左回り)

クラシック級6月後半に開催されるG3
全日本ジュニア優駿が実装されるまで、育成シナリオにおいて一番早く挑めるダート重賞であった。
「クライマックスシナリオ」では、JDDとクラシック級8月前半に開催されるレパードステークスと合わせて勝利するとボーナスを得られる。
尚、現実ではこちらもダートグレード競走再整備に伴い、2024年から京都ダート1900mに、開催時期も4月末~5月初旬にそれぞれ変更。
同時に南関東SIからJpnIに昇格される大井競馬の東京ダービーのトライアルとなり、2着以内に入った中央及び地方所属馬上位各1頭に優先出走権が付与される。


その他ダートを取り巻く要素

  • UNLIMITED IMPACT
ダートG1レースを勝利したウマ娘にボーカルが与えられるウイニングライブ。
華やかさとは無縁の無骨なフェンスに囲まれた薄暗いライブステージの中、
豪雨に降られようと泥に塗れようとも決して顔を下げることなく、力強く駆け抜けていくことへの誓い。
ライブ会場にいる観客たちはそんな自分たちの走りの目撃者である、そんな決意を高らかに歌い上げる一曲。
レースが増えたのもあってダートG1全部共通ってのもどうよという声もある。

天真爛漫の塊であるハルウララがシリアスな表情でこのライブ曲を歌い踊り上げるギャップがたまらない他、
スマートファルコンの育成シナリオのストーリー中においても、ダート勝利のウイニングライブとして具体的に名前が出されたりしており、
ダートを走るウマ娘たちにとってはこの楽曲のライブステージも目指すべき輝かしい舞台の一つと言えよう。
ちなみに当初CDが発売されたときに歌っていたのはマルゼンスキー・オグリキャップ・フジキセキとオグリ以外ダートとはそんなに縁があるわけではない三人であるが、魔改造すれば全員ダートを走れる。

  • チームレースのダート
常設レース要素の一つであるチームレースにおいては、それぞれ短距離、マイル、中距離、長距離、そしてダートの5つに分かれ、
それぞれ3人ずつ合計15人のウマ娘を選択して他プレイヤーとの5戦レースに挑むことになる。

その中でもダートは何度も言うように高い適性を持つウマ娘の絶対数が不足していることから、特に駆け出しの初心者には数を揃えることが難しく、
そういう意味でも確定入手が可能なハルウララは非常に貴重な存在なのである。
なお距離はマイルに固定されているため、一段劣れどマイル適性もBと高適性なウララは問題なく走れる。

逆にその他ダートが低適性のウマ娘を改造してチームレースのダートを走らせる場合、マイル適性も低い場合そこが壁になると言える。*14

芝レースに比べれば回数は圧倒的に少ないとはいえ、ダートをベースにしたチャンピオンズミーティングも一定周期で開催されている。

2022年2月及び2023年2月に開催された、チャンピオンズミーティング初のダートを舞台としたレース。
ベースとなっているのは上述したように東京レース場マイル1600m、つまりフェブラリーステークス。

詳しくは該当項目も参照だが、当時はダートウマ娘の絶対数が少ないために参加メンバーがかなり絞られていた。*15
チャンミの常連にしてダート適性B持ちだったオグリ、マルゼンスキーやゴールドシチーといったダートD改造組等の他、
当時強ウマ娘の1人であったバレンタインブルボンのダート適性Gを無理やりA~Sまで魔改造して出走させるなんて修羅も存在していた。

2022年9月には2度目となるダートチャンミ、ヴァルゴ杯が開催。
ベースとなっているのは大井レース場中距離2000m。
アクエリアス杯のマイルと異なり中距離のため、残念ながら中距離適性Gのハルウララは魔改造必須になってしまったものの、この時点でイナリワン、コパノリッキー、ユキノビジン、新衣装のスマートファルコンといった高ダート適性持ちのウマ娘がある程度新規追加されていたため、バリエーションに幅が出て来ていた。

2023年2月においても前年と全くの同条件=フェブラリーステークスベースのダートチャンミ、アクエリアス杯が開催。ヴァルゴ杯から更にワンダーアキュート、ホッコータルマエ、そして前年のアクエリアス杯でスルーされるという悲劇を経た上で満を持して同時期に育成実装されたシンコウウインディなど参加ウマ娘の顔ぶれは更に増強された。

2023年8月、新イベントのリーグオブヒーローズとの兼ね合いもあり、開催周期と名称の変更を経た末に同月開催されたのがチャンピオンズミーティングDIRT。ベースとなったのは船橋レース場マイル1600mのかしわ記念。
高ダート適性のウマ娘の増加は無かったが、2ndアニバを経て逃げ・先行のスキルの全体的な強化、当時のメインシナリオだったグランドマスターズにおけるゴドルフィンバルブの有用性に「良バ場の鬼」の確定入手といった要素が噛み合った上で、優秀な固有スキルを持つコパノリッキーの参加が大幅増加。
嘗てのクリオグリを彷彿とさせる右を見ても左を見てもコパノリッキーだらけなコパノリッキー品評会とでも言うべき状態と化していた。

  • 称号「〇〇全冠」
アプリリリース1周年及び「クライマックスシナリオ」実装を機に追加された称号。「〇〇」の部分には各育成ウマ娘の名前が入る。
その取得条件は、「(任意の育成ウマ娘)でG1~G3の全てのトロフィーを獲得」というもので、要するに全ての重賞を1人のウマ娘で勝つというものである。
当然その中にはダート重賞も含まれ、また芝を主戦とするほとんどのウマ娘のダート適性はGと、必然的に魔改造、それも入手経路が限られているダート適性因子を大量に積むことが要求される修羅の道。
その上でスーパークリークウイニングチケットといった短距離やマイル適性もGやFのウマ娘であればそこに距離適性因子も用意しなければならないという二重の苦難が待ち構える。
それらを乗り越えて得た称号は紛れもなく愛の証と言えるだろう。
オグリキャップやマルゼンスキーなど、バ場や距離に満遍なく高い適性を持つウマ娘であれば取得は比較的簡単。

なお同時期に「ダート鍛錬」の称号も追加。
こちらの条件は「育成でダート適性E以下のウマ娘でダートの重賞に2着以内」という無理難題に近い条件。
バ場適性はパワーに影響し、それに伴って加速力にも強い影響を与えるため、狙うならパワーを重点的に鍛える必要があるだろう。
幸い「重賞」指定であるためステータスが比較的低いG3でも条件を満たすことができる。





追記・修正は芝と同様にダートを盛り上げながらお願いします。

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最終更新:2024年05月05日 13:05

*1 12戦10勝、2着2回

*2 芝とダート、というよりは中央と地方を比較しての発言という面も大きいが

*3 中央でデビュー→地方へ転出→中央に再登録のような出戻り馬の場合は比較的活躍馬が多い。

*4 検証によると適性Gで凡そ1/10まで加速が落ちるとのこと。

*5 特にジュニア級。芝のマイルである阪神JFや朝日FS、芝の中距離であるホープフルSくらいしか無かった中、ダートのマイルG1である全日本ジュニア優駿が追加されたのが非常に大きい。

*6 史実におけるダートのライバルも全くおらず、シナリオ内におけるダートのネームドは本当にファル子1人の状態であった。

*7 漫画版うまよんでは、ダートのレースで全力のファル子に対して本人をガン見&発狂しながら接戦した珍プレーを果たしていた。

*8 引退式での武豊の「この馬芝だったかも」という発言を反映してか芝適性GではなくF。ちなみに史実では回避したがダービーに出走予定だったことを反映してダービーに出走した場合の隠しイベントも存在する。

*9 一応「対戦した事がある」だけならフェブラリーステークスでのビコーペガサス、現役晩年出走した安田記念(勝者エアジハード)でのグラスワンダー・シーキングザパール・キングヘイローがいるが、それぞれ一回だけの対戦だった。ただしこのような境遇のウマ娘はハルウララや実装当時のスマートファルコンなど他にもいた。

*10 特にエスポワールシチーは数字だけ見ればコパノリッキー、ホッコータルマエに次いでヴァーミリアンと並ぶ9勝を挙げている。

*11 史実の競馬においては2007年にデルタブルースが同年の有馬記念と東京大賞典を連闘という荒業を行っている

*12 ダービースタリオン、ウイニングポスト、スターホースなど他の競馬ゲームでは大井で固定されていることも多くこのシステムは競馬ゲームではエポックメイキングともいえるであろう

*13 スプリンターズS→マイルCS南部杯→菊花賞/秋華賞/天皇賞秋→JBC3種/エリザベス女王杯→ジャパンカップ/マイルCS→チャンピオンズカップ→有馬記念/東京大賞典

*14 特にテイエムオペラオー辺りはダート適性がEと補正範囲内なものの、マイル適性もEと低いため、同時に底上げするのは非常に骨が折れる。

*15 2022年2月当時だとリッキー、タルマエ、アキュートは登場すらしておらず、ユキノビジンやイナリワンも実装前だった