馬なり1ハロン劇場

登録日:2021/09/15 Wed 21:05:11
更新日:2024/04/23 Tue 18:23:18
所要時間:約 40 分で読めます





馬なり1(イチ)ハロン劇場(シアター)』とは、よしだみほによる競馬ギャグ漫画である。全49巻(25巻以降は『20~春』『20~秋』表記に変更)。
1989年に『週刊競馬報知』(報知新聞社)でスタートした『それいけ岡部クン!!』が原型であり、1990年に現行題に変更。掲載雑誌が『ファンファーレ』と改名しても続いていたが、1998年8月に同雑誌が休刊。
その半年後の1999年4月から単行本発売元の双葉社の『漫画アクション』に移籍復活するも、2003年にアクションも休刊した事からウェブサイト『双葉社Webマガジン』での連載に変更。
最終的に双葉社ウェブ媒体再編に伴い『WEBコミックアクション』に移籍し(2013年4月から)、2019年4月に報知時代から数えて連載1000回目で完結した。
本項目では続編『馬なり1ハロン!NEO』『馬なりde SHOW』に関しても触れる。


▽目次


ストーリー

よしだみほ氏が描くかわいいサラブレッドたちが、実際のレースをもとに、その持ち前のキャラを大爆発させる超人気コミック!! 往年の名馬や現役のスターホースたちによる、笑いあり涙あり社会問題ありラブロマンスありの、面白ショート劇場をお楽しみください。
(双葉社の公式サイトより)

概要

競馬業界を舞台に、実在する競走馬や騎手達の織りなすレース模様を時事ネタ込みのギャグ仕立てで綴った作品。特定の主役というのは存在せず、回ごとに同時期に目立つ・または作者が気になった馬がメインとなっている。
舞台の殆どは中央競馬であり、公営競馬・ばんえい競馬に関しては「手が回らない」「情報不足」等の理由により一部交流重賞や特筆する話題等以外では滅多に触れられていない(最終巻ではその面に関して反省のコメントがあった)。
また中央のレースでも、海外遠征や障害競走レースを取り上げることもあまりなく、同時期に複数重賞がある場合は作者の意向で題材レースが選ばれている*1
最大の特徴としては、競走馬が人語を解し2足歩行もするくらい擬人化されているというのが挙げられる。さすがに外見はウマであるし、性別も(実際に去勢手術がなされたとかでなければ)変更されていない
平たく言うと後代の『みどりのマキバオー』の先駆者。
リアルタイム連載なので連絡手段も家置き電話→携帯電話→スマホ→パソコン・スマホ等電子端末による映像チャット(『馬なり1ハロン!NEO』)と進化しているほか、初期(というか割と最近まで)は原稿提出の締め切りの都合でよりにもよって有馬記念をリアルタイムで扱えない→デジタル作画・提出の導入、自宅観戦の容易化で扱えるようになったとよしだ先生側に関してもリアルの事情の変化が反映されている。
中には人間の服を着て登場する馬や人間の食べ物を普通に食べる馬もいる。宴会の席で桜鍋頼んだ奴は流石に袋叩きにされていたが。
やんちゃだったりカッコよかったりと作者の妄想力が全開になったキャラ付けがされた馬達が、人間も顔負けの馬模様を築いていく様が売りと言える。
競走馬達のキャラ付けはリアルでの素行や勝負模様、噂や名前の由来から織りなされたものが多めで、リアル公式SNSと同じ関西弁口調な『これがベスト』(2013秋)登場のサクセスブロッケンなんてのもいるが、
  • 1995年に武豊が乗った牝馬「スキーパラダイス」:安田記念時太った事と語感から「すきっ腹を抱えた大食い女子」化。
  • 2018年有馬記念優勝馬「ブラストワンピース」:実際の名の由来は母「ツルマルワンピース」からなのにOnepieceなせいでゴムゴムの実を食べた某海賊漫画系キャラに。
等と語感重視型もあったり。相方に銀魂の登場アイテムのコスプレさせられてる奴は別の意味で例外*2
また長期連載ということもあり作中では世代交代や時代の移り変わりも記されており、ギャグだけではない哀愁も時に見え隠れしている。

…但し、後追いで読むとどれがどの馬か分からんという欠点もあり、一応特徴的な顔の流星や毛並み・装具等は再現されているが、作中で名前が出ない馬を当てるのはかなり面倒。なんなら作者自身が作中で自虐してるレベル。
そのためか『2007春』以降はページ数の調整も兼ねて巻末に各話の対応レースと上位入賞馬・登場馬&キャラを記した一覧表と用語コラムが掲載されており、『2011秋』以降は作者コメントも全話に追加される様になった。

2019年(平成31年)4月に連載は終了したが、その翌月令和元年の5月からウェブサイトnetkeiba.comで続編『馬なり1ハロン!NEO』*3・双葉社の『週刊大衆』とウェブサイト『ふたまん』で4コマ漫画『馬なりde SHOW』の連載が始まっている。

単行本

全49巻だが、
  • 通巻ナンバリングされた1~24巻
  • 半年ごとに発売される『2007春』『2007年秋』~『2019春』(全25巻)
とちょうど折り返し地点で形式が変更されており、前述したように『2007春』からはデータ掲載が始まっている。

また2004年には『ダービー編』『オークス編』、また初の特定馬よりぬきとして『オグリキャップ編』・『ブロコレ倶楽部編』と4種類の総集編、2009年には連載20周年記念として総集編『甦れ!名馬たち』が発売。
この他にも電子書籍限定で2014年には『ダービーだけ!』『オークスだけ!』『新年会だけ!』『なんでもアリま記念だけ!』、2021年に特定馬総集編第2弾として『ゴールドシップ総集編』が発売された。
そして2021年には、『馬なりde SHOW』(54回まで)と『馬なり1ハロン!NEO』の一部回、新作『VIP Party 2020』を収録した小冊子『馬なりミニハロン劇場』が通販限定で発売されている。

ちなみに初期の『それいけ岡部クン!!』を中心に未収録話が多数あり*4、一部は『オグリキャップ編』・『甦れ!名馬たち』・『2011春』に再録されている。
+ 総集編のみ収録のエピソード一覧
●オグリキャップ編
  • 『ガンバレ日本馬』(1989年ジャパンカップの直前予想回。ちなみに出走予定として漫画に登場したメジロアルダンは本番に出走せず。)
  • 『何度も泣かされた』(騎手達が振り返る1989年。語り手はインタビュアー役のレジェンドテイオー)
  • 『昨日の友は…』(1990年宝塚記念舞台の任侠編。主役はタケユタカとシンウインド)
  • 『引退記者会見』(1990年度引退馬フィーチャー回。登場馬はアイネスフウジン・ホクトヘリオス・ウィナーズサークル・オグリキャップ)
  • 『打倒ユタカ&クリーク』(1990年天皇賞(秋)直前予想回(任侠編)。「おまけのオグリ任侠編」の前日譚的話に当たる)
  • 『泣くなホクトオー』(1991年京王杯スプリングカップの少し前。サクラホクトオー主役のサイレント作品)
  • 『決戦!天皇賞』(単行本・文庫エッセイ『馬ほどステキな役者はいない』と『2011春』にも再録。1991年天皇賞(秋)直前予想回(任侠編)で、本連載とは別に執筆された特別編)

●甦れ!名馬たち
  • 『逃げた理由は?』(1990年スプリングステークス回)

●2011春
  • 無題(単行本:商社シリーズ 第0話/公式サイト掲載版:(株)東商)(題材となったレースは1991年の新潟競馬場特別戦「麦秋ステークス」)


用語・舞台設定

  • 逍遥馬道
関西の栗東トレセンの近くにある馬専門のカフェ。ウェイトレスは皆芦毛の牝馬で、人間は立ち入り禁止だがたま~に馬着ぐるみを来て入ってくるものもいる。
但しリアルだとカフェインは禁止成分なため、『2017春』「コーヒーの効能」では「カフェインが出ない特殊なコーヒーを出している(意訳)」と枠外に説明が入っていた。

  • ホースメンタルクリニック
馬達の心の悩みに答える馬専門の精神・神経科。眼鏡をかけた馬のお医者さんが営んでいる。
当時からすでに医者嫌い説がささやかれていた馬も登場しているが、別にトウカイテイオーが本気で嫌うエピソードはない。

  • ブロコレ倶楽部(BCC)
正式名称は「ブロンズコレクター倶楽部」で、実力はあるけどなかなか勝てず「イマイチ」で「3着常連(ブロンズコレクター)」な馬達による(お笑い系)親睦団体。制服は白ブレザー&ネクタイ。
結成者はナイスネイチャとロイスアンドロイスだが、結成時ネイチャは引退・ロイスは既に他界していたため、結成時メンバーホッカイルソーに誘われ途中から加入したステイゴールドが中興の祖として倶楽部の地盤を築いた。
「ファンへの恩返しとして、馬券ではそれなりに嬉しい順位に入る馬」という加入条件もあるため、弱過ぎても入れないというえりすぐりの面子でもある(ただし3連馬券導入前の馬*5でも「ひんぱんに連対*6しなくてもそれなりに強ければ可」くらいの基準で審査されていたり、払い戻し対象になるかどうかというわけではないようだ)。
但し加入後急激に強くなる馬もいたりする*7ため、一応「皆で励ましあって勝てる様に頑張ろう」という目的もあるとはいえ微妙な空気になることも。
作中では「変な団体からブレザーが届いた」だの「倶楽部には入るな」だのと色々な意味で有名であり、倶楽部会員でも自分の産駒がこれに入る様にはなって欲しくないと複雑な心境を抱いている。

  • 「上」
いわゆる霊界・天国を指す言葉であり、死んだ馬達の霊が安らかに暮らす雲の上の世界。2頭の白馬が門番として出入りを見張っており、一応「下のもの」は持ち込み禁止らしい。
「上」へと逝った馬達は皆天使の輪を頭に載せ、下界を巡る際は雲に乗って移動している。
基本的にこの作品は馬の死だけは軽々しく茶化さないが、大往生した馬や死後年数が経ち関係者やファンの心の整理が付いたと判断した馬はここに登場する。キャラ付けは存命時代と変わらないため、問題児やお調子者は天使になってもそのまま登場する。

  • ワッカ
「上」に旅立った馬達が頭の上に装備しているもので、いわゆる「天使の輪」。この漫画はギャグ時空なのでこの輪さえ付けてれば他界していても登場出来るという法則も存在している。
なお物理的な存在でもあり、作中ではワッカを拘束具や牽引具化するものや、死者だとバレないように一時的に外してお忍びで降りてくるものもいたり。

  • とっちゃった馬
気性難等から男の象徴…、ぶっちゃけタマを取られ去勢された「騙(せん)馬」を示す俗語。
生殖機能を奪われた結果牡馬最高級のセカンドキャリア「種牡馬」への道を断たれ、種馬になれないせいで種馬価値をも図るクラシック3冠とNHKマイルカップ(いずれも3歳限定競走)に参戦出来ないという気の毒な面も持つ。
なお股間がアップになる際騙マークで隠されており、この影響か地味に普通の牡馬でも2足歩行時下半身を映すようなカット割りは滅多になく、稀に下半身が映る時も大抵モザイクが掛る状態の場合くらいである。
大抵は「取られた」だけでオスとしてのアイデンティティはちゃんと維持しているのだが、オネエブーム以降はたまに一部香港馬(ほぼ騙馬)等オネエ系化する馬も登場している。
また3巻では馬術馬に転身した馬も去勢されると判明しており、リアルでは種牡馬を勇退し功労馬として老後を過ごす牡馬の中にも去勢された例が存在する*8
余談だが連載初期活躍した騙馬の中に「アラシ」(主な勝鞍:福島記念・中京記念)がいたせいか、後年一部騙馬のテーマ曲として某グループのデビュー曲が流行ったとか。

  • 薔薇(バラ)一族
ダンスインザダークに淡い想いを抱いたロゼカラーに始まり、彼女の娘でブロコレ倶楽部なローズバドやロゼカラーの弟(ローズバドの叔父)で後追いで倶楽部入りしたヴィータローザ、
ヴィータローザの兄で妙に倶楽部が心に引っ掛かるロサード、ローズバドの息子で一族初のG1馬ローズキングダム等繁殖牝馬「ローザネイ」を起点とするバラ系名前馬一族を指す言葉。
作中では一族の正月時門松にバラが付属していたり、ローズキングダムが薔薇の花言葉に神経質になったり母から巨大なバラの鉢植えを託されたりとネタにされている。

作中頻発する競馬用語

  • 賞金
競走馬がレースに勝つ・または上位入賞することで獲得するもので、ネームドの「重賞競走」への出走条件には他の重賞勝利経験と共に重要な条件となっている(他は本勝負前の「前哨戦」での勝利等。同条件馬の応募多数だと抽選になる)。
なおレース出場基準となる「賞金」は1位または重賞2位まででカウントされる「収得賞金」と呼ばれるもので、レース入賞で実際に現金として入る「本賞金」とは別枠のもの。またかつては4歳夏に賞金を減額するという制度もあった(2018年を最後に廃止)。
作中では「馬達の資産」という扱いをされる事が多く、大金持ちの馬から貧乏な馬、勝ちが足りずいつのまにか資産不足に陥る馬、長期休養中に夏を迎えてしまい賞金減額で大舞台に出られず泣きを見る馬と色々ネタになっている。

  • グレード制
競馬の重賞競走におけるランク付けで、紆余曲折を経て2021年現在は国際的に認可された「G1」・「G2」・「G3」と日本独自のGクラス級レース「Jpn1」・「Jpn2」・「Jpn3」が存在。
但しランクの数字に関しては馬場状況等が大きく変更された場合一時的に剥奪されるケースがあり(7巻『ただの重賞!?』)、作中で描かれたエルコンドルパサーの共同通信杯も記録上は「グレード表記のない重賞」にあたる。
作中では折りに触れて話題になっており、『2007秋』の「G1?Jpn1?」では当時オークスが国際的に「Jpn1」基準とされていた事(日本では変わらずG1表記でその後再び国際G1に)を題材としていた。
またこの区分は「G1勝利数記録」にも影響しており、シンボリルドルフやアーモンドアイの「G1最多勝利記録」は「国際的G1レースのみの勝利記録」であり(ルドルフの時代には国際認定が無かったので厳密には相応)、
ダートで活躍したヴァーミリアン・エスポワールシチーやホッコータルマエ・コパノリッキーの「G1級最多勝」は半数以上が「Jpn1」レースのため、漫画内でもルドルフ達の記録とは別扱いされている*9
なおカネヒキリ・ヴァーミリアンはアドマイヤドン・ブルーコンコルドと共にルドルフ達芝G1組に対する「G1砂の会」を設立したが、タルマエ達が10勝を達成した頃には忘れ去られ名すら引用されなかった。

  • 3冠馬
3歳(2000年までの旧馬齢表記では4歳)馬のみが一生に一回だけ挑戦できる3つのG1レースを制した馬に贈られる称号。主に2種類あり、
◆クラシック3冠:皐月賞・東京優駿(日本ダービー)・菊花賞の「クラシック競走」を征した馬(別に挑戦自体は牡牝問わないが3冠まで行った馬は全員牡馬)
◆牝馬3冠:桜花賞・優駿牝馬(オークス)の「牝馬限定クラシック競走2冠」と秋の3歳牝馬限定競走(1995年まではエリザベス女王杯・1996年からは秋華賞)を征した牝馬
と区分されているが、2021年時点でクラシック3冠馬は8頭・牝馬3冠は6頭と少なく、馬が挑む記録としてはかなりの難関といえる称号である。
…但し、クラシック5大競争出場のためには事前登録&登録料支払い(総計約40万円)が必須で、しかも規定期間外の登録では登録料金が200万と大幅に値上がりする*10
この制度を利用してクラシックに出場し勝利した馬としてはテイエムオペラオーが知られており、本作での彼の初登場回もこの制度をネタにした物である。(13巻『追加登録料』)

  • 馬の温泉
1巻のアイネスフウジン編等に登場する、疲労や故障で休養する馬達が向かう施設で、福島県いわき市にある「JRA競走馬リハビリテーションセンター」の事。
リアルでは温泉は温泉でも足湯やシャワー・プールと言ったリハビリ用のものが設置されているのだが、本作では分かりやすさ重視から大浴場や露天風呂・カラオケがあるホテル風に描かれている。
滞在する馬はダービーの成績順に序列が決まるというルールがあるらしいが、作中では俺様キャラのオグリキャップ(ダービー不参戦)とお人よしのメジロアルダン(ダービー2着)の両極端コンビが揃って無頓着だったため形骸化してしまう一幕も。

  • 馬の兄弟姉妹関係
厳密には用語ではないが、作品の大前提としてあるため一応説明。
馬の世界では「母系で繋がるきょうだい」のみを兄弟姉妹としており、両親が共通の家族を「全~」・「種違い(異父)」の家族を「半~」と呼んでいる。
一方で「腹違い(畑違い、異母)」に関してはカウントすると数百頭とかが普通なので収拾がつかないため「きょうだい」扱いされず、
そのため作中では同父異母の仔達は互いに(うっかり近親相姦になる事を避けるためか)「遺伝子的に同親等」という理解こそあれど「きょうだい」という認識は持っていない。
例:ナリタブライアンの場合:ビワハヤヒデ=父親が違う半兄・ビワタケヒデ=両親が同じ全弟・マヤノトップガン=父親が同じなだけの他馬







以下、作品内容のネタバレに付き注意!







シリーズ

全体的には一話完結式だが、複数回に渡り描かれる作品群も存在する。但し生もの話題を扱っているため、鳴り物入りでシリーズ化しても馬の不振や引退、によって自然消滅してしまうケースも…(24巻巻末漫画より)。

  • なんでもアリま記念
リアルでの有馬記念と同時期に発表される年末企画の定番で、古今東西の名馬(時々人間も参加)が辻褄無視・問答無用・なんでもありなレースを繰り広げるオールスターバトル。
初期は単なる闇鍋系だったが、回を重ねるにつれ年ごとに様々なコンセプトが導入される様になっていき、後半では必ず縛りが導入されるようになった。
なお殆どの回では(尺の都合もあり)「誰が勝ったのか」というのは謎だったのだが、最終巻収録の2018年編では歴代レース勝者の写真一覧が開示された。

ちなみにこの企画が行われるのは、有馬記念の開催時期が印刷業界の正月休みと被るからというちょっと世知辛い理由があったりする*11
そのため有馬記念の結果を題材にした回はウェブ連載期でも後期の『2018春』「最後の祭り」(任侠編)、『馬なり1ハロン!NEO』第34R「わたしらしく」等わずかしかなかったり(正月以降に有馬記念を回想する話はその前にも存在)*12

  • 新年会編
年始恒例の企画で、その名の通り馬達が新年会(主催:馬なり1ハロンクラブ)に興じるシリーズ。
趣向は回によって様々で、無礼講型や参加者がおせちを持ち寄るもの、歌合戦に時事ネタ過ぎる馬の物真似キャラ参戦等にぎやかなもの。
只したまに新年会後の様子を描いた回もあったり。

  • 恋のマイル戦シリーズ
本作初期のシリーズもので、不良っぽいがさつな青年ダイタクヘリオスと深窓の勝ち気令嬢ダイイチルビーの戦いの中で芽生えたほのかな愛と、結婚相手を選べない競走馬ゆえの別れを描いた物語。
同コンセプトの展開としてその後タイキシャトルとキョウエイマーチ、ヘリオスの息子ダイタクヤマトとメジロダーリングの軌跡が描かれた。
またこの伝統(?)からサクラバクシンオーは安田記念時相手を探したが、大食いのスキーパラダイスや女性厩務員と親友な勝者ノースフライト(しかもこの後商社編で北味社長のものに)だったため叶わず(第6巻『恋の相手はどなたかな!?』)、
後年デュランダルもこれに続こうとするも、相手候補がSS産駒仲間のダンスインザムードだったためそれ以上続かなかった(第22巻『恋×恋×恋』)。
ちなみにこの3組、いずれもリアルでは配合相手として再会することも叶わなかった組でもあり、ヘリオス・ルビーに関してはその後「なんでもアリま記念」で「天国で結ばれて喧嘩しつつ幸せな2人」と締められている。
余談だが恋愛ネタのせいか未収録かは謎だが、本作では天皇賞(秋)が父親観戦編となった事もありヘリオスもう一つのネタ「メジロパーマーとのバカコンビ」や「バカコンビによる1992年有馬記念」話が存在しなかったりする。*13

  • 商社シリーズ
種牡馬の「リーディングサイアー」首位争いを「会社同士の業績争い」に擬えたシリーズ。
ノーザンテースト率いる「北味(きたあじ)商事」をメインとし、同社と「東商」(トウショウボーイ)や系列会社リアルシャダイとの業績争い、その間に頭角を現してきた「トニー便」(トニービン)・Bタイム社(ブライアンズタイム)の進出を、
強大な力で「日静」(サンデーサイレンス)が抑え込むというストーリーで、サンデーサイレンスの死後は性癖のストライクゾーンが狭いせいで後継と一時期待されるもぱっとしない「戦章社」(ウォーエンブレム)登場を挟みつつ、
残り少ない会社時間の中で奮闘する日静社員の様子が紡がれ(時々天国にいる今は亡き社長達によるイメージドラマに)、最終回では久々に復活しディープインパクトが引き継いだ日静グループ同士のシェア争いや「大王商事」(キングカメハメハ・ロードカナロア)の様子が描かれた。
余談だが、ブライアンズタイムは2013年他界なのに後半でなぜか姿を見せなくなった(商社編では13巻、全体で見ても18巻が最後の出番)。後半生の代表産駒フリオーソは『2009春』等で顔を見せているのだが…。

  • 任侠編
レース模様を任侠映画風に擬えた作品群。ちなみに時代設定は明治~大正。
始まりはイナリワンの様子を任侠になぞらえたもので、イナリワンの引退とオグリキャップのラストランで一端終了。
その後オグリキャップとサンデーサイレンス、双方の産駒が対決した1995年日本ダービー編でサンデーサイレンス率いる「日静会」の存在が語られ、
「日静会」の系譜に連なるキタサンヒボタンの物語が語られた(17巻・20巻)後、2016年に「日静会系黒潮組」の黒(キタサンブラック)と「日静会系深衝組」の鋼(リアルスティール)の絆を綴る新章が描かれた。
ちなみにキタサン系の馬が多いのは、馬主の北島三郎氏が任侠映画のファンである事かららしい。

  • ブロコレ倶楽部
本作最大のシリーズもの。レースで中々勝ちきれず、ブロンズ(3着)ばかりの馬達が集う親睦団体「ブロコレ倶楽部(ブロンズコレクター倶楽部」の活動・勧誘風景を描いている。

  • 秋華女学院
不定期に掲載される話で、秋華賞の様子を女子高の文化祭に擬えたもの。馬達が名前にちなんだ出し物を披露している。

  • 英雄譚
2004年に展開されたミニシリーズで、牡並みの気性難で知られた女流作家サーガノヴェルが綴る、剣士サニングデールとライバル剣士デュランダルを巡る物語。
…まあデュランダルがその後ぱっとせずサニングデールが先に引退したため未完(作中では後に普通の男の子に戻ったオチと判明)になったのだが、
後にデュランダルがふがいない息子マイネルカリバーンやフラガラッハを叱咤し、娘エリンコートが父の期待に応えオークスを征する続編が描かれた。
ちなみにサーガノヴェルの物語には彼らの乗り手だった某3冠馬に振り落とされた影の本人でもあるイケゾエ(池添謙一)も登場している。

  • 白鳥騎士と天然悪魔
かたや、JC勝利馬の父とJC出走馬の母を持つ良血ながら、クラシック期抽選に外れ続ける等苦労人で名前の由来となった同名オペラから白鳥のぬいぐるみと共に歩む「白鳥騎士」ローエングリン、
かたや、そんなローエンの好意や反感等を悉く抽選で菊花賞出走→勝利する等の幸運と天然のKYさで無下にし地雷発言を連発する「天然悪魔」ヒシミラクルの悲喜こもごもを描いたシリーズ。
なお引退後ローエングリンはヒシミラクルがトラウマになるも、何とシャダイSSから彼のいる種馬場レックススタッドに移動となるオチが付き*14、さらにその後(2013秋『再会』)お互い産駒を見に行き再会するもヒシミラクルは相変わらずだった。

  • スーちゃんとカノちゃん
2008~2009年のミニシリーズで、色々大雑把なスーちゃんことスリープレスナイトと、思い悩みやすいカノちゃんことカノヤザクラ。2頭のスプリント系牝馬のすれ違いあり青春ストーリー。
途中からカノちゃんが馬達と出会う展開にもなり、スーちゃんの引退宣言で一区切りした後、リアルでカノちゃんが急死*15。『2011秋』の「敵にスイーツを贈る」ではスーちゃんがカレンチャンに在りし日の想い出を語っていた。

  • 音楽シリーズ
2009~2010年のミニシリーズ。リーチザクラウンをメインに2009年クラシック世代の道行きを「新人ミュージシャンのライブ模様」として描いた物語。

  • 地方食べ歩き編(グルメ旅編)
厳密に言うとシリーズと言うにはやや微妙だが一応ここに記載。
地方競馬との交流重賞に参加する中央競馬の馬が各地で名産を食べ歩くというネタで、第20巻の『ふたりの道連れグルメ旅』でのノボトゥルー&ノボジャックコンビでスタート。
道中ハルウララと出会い彼女の複雑な心境を聞きつつも(21巻『私なりに』)、ノボジャックの引退で相方がシーキングザダイヤへと変わり、『2008春』でシーキングザダイヤも引退しノボトゥルーの物語が終わっても「食べ歩き」の旅に出る馬は時々登場している。



名エピソード

本作では話が多いので、特徴的な話を数話紹介する。

  • 『いつも君を見ていた』(1巻収録)・『ひと区切り』(15巻・傑作選『甦れ!名馬たち』収録)
1989年の京王杯(現:京成杯)オータムハンデキャップで勝利するも、その後負傷から力尽きた「マティリアル」に触れた挿話。
『いつも君を見ていた』では彼と共に走ったリワードタイラントがその墓前で彼の事を追想し、『ひと区切り』では彼の騎手だったオカベユキオが2000年にシンボリインディと再びオータムハンデに挑み過去を乗り越える様子が描かれている。
君にできなかった説教をしておくよ ありがとうマティリアル
…最も、その翌年シンボリインディも急逝しており(第16巻「とっちゃった」で名前こそ出ないものの死に触れられた)、しかもリアルでの死因は「岡部騎手が乗るレース直前に暴れて骨折して予後不良」という痛ましいものだった…。

  • 『新選組とうまれん!?』(2巻収録)
新選組ファンのお嬢様シズ子はかねてからの夢だった函館の史跡巡りの計画を立てる。
しかし、その行く手には「うまれん」なる謎のワードがチラついていて…。
競馬とニアミスした競馬知識ゼロの一般人を描いたエピソードで、馬も競馬関係者も登場しないどころか競馬用語すら「うまれん*16」と「まんしゅう*17」以外一切出てこないという異色中の異色回。
ちなみに途中までは作者の実話なんだとか。

  • 『新しいスタート』(3巻収録)
馬なのに乗馬クラブに来てみた種牡馬メジロアルダン。そこで知り合いのリアルバースデーと再会するが、彼の意外な現状ともう一頭の再会相手ディクターランドが語る今の心境は…。
種牡馬に一端選ばれても安心は出来ない、馬のセカンドキャリアの厳しさを記した一編。
ちなみにアルダン自身は最後まで種牡馬でいられたものの、晩年は中国へ輸出され、その翌年に心臓麻痺で亡くなった。しかし、その僅かな期間に輩出したウーディーが中国競馬で無双し、大人気種牡馬としてノーザンテースト最後の牡系を繋いでいる。アルダンのセカンドキャリア波乱万丈過ぎない?
それはあくまで新しい”スタート”に過ぎないんだぞ

  • 『天国から見守ります』(6巻収録・傑作選『甦れ!名馬たち』収録)
「上」へと生前のお見舞い品や手紙を大量に積んだリアカーを引いて昇って来た芦毛の牝馬。門番達は神様から聞いた彼女の背景とは異なる明るい様子に唖然とするが…
1992年有馬記念で重傷を負い、その2年後他界した「サンエイサンキュー」の追悼話。作中ではっきりと「上」の存在が語られた初の回でもある。

  • 『愛を見つめて』(7巻収録)
1995年の第43回NHK杯を題材に、一位の馬「マイネルブリッジ」と二位の馬「マイネルガーベ」を学園ドラマでカップリングしてやおい(BL)講座をする話
まあオチでは勝手に実在馬題材BLを作った講師マイネルノルデン(NHK杯では最下位)が2頭にどつかれたのだが、後の23巻『過剰な友情』ではこの回のBLパートを綴った本をムーヴオブサンデーが読み共感していた。
また『2017秋』の「乙女の花園」では牝馬たちがヴィクトリアマイルで百合の花を咲かせ、別な牝馬がそれにドン引きしていた。

  • 『出たぜタンホイザ』(7巻収録)
度重なる突発的不調による出走中止を経て、半年ぶりに復帰したマチカネタンホイザ。だがライバル候補が次々急遽リタイアしていくのに腹を立て…。
1995年高松宮杯を題材にした話で、マチカネタンホイザの久しぶり(そして結果的には最後)の勝利を描いている。
話の筋立て自体は普通だが、8巻の巻末漫画「あの頃描けなかった漫画」にてこの時の没案が発表されている
+ 以下8巻のネタバレに付き注意!
その内容は「いつのまにか昇天していたライスシャワーが、天国に退屈してヒシアマゾンの「牝馬重賞最多勝」記録を阻止すべく同期タンホイザの夢枕に化けて出て彼を勝利へと物理的に後押し(足蹴り)する」というもの。
流石に高松宮杯の一か月前に他界したライスシャワーをネタにするのは馬の生命に対して不謹慎なので、発表された7巻のものとなった。
なおタンホイザの体調不良に関しては8巻『それって不安夢』(1995年ジャパンカップ回)でも取り上げられ、その中でタンホイザは悍ましい悪夢を見る羽目に…。

  • 『アラブを忘れない』(8巻収録)
1995年、中央競馬で開催された最後のアングロアラブ種馬限定のレース「セイユウ記念」と、サラブレッドの脇で居場所を無くしていくアラブ種馬の現状を、最後の勝者シゲルホームランの目線から綴ったもの悲しい物語。
本話の後アラブ種限定レースとセイユウ記念は地方競馬に継承されるも、2009年に完全消滅。シゲルホームランは北海道で余生を過ごし2020年に息を引き取ったという。
なお作中で直接登場はしないが、『2012秋』収録の「いくつになっても」で高齢現役馬としてその存在が語られた「モナクカバキチ(福山競馬、216戦55勝)」もアングロアラブ種馬だったり。

  • 『出走権』・『ガンバリます!』(14巻)
レース上位3頭に与えられる菊花賞出走権をかけて、セントライト記念に挑まんとする過密労働馬マイネルバイエルン。しかし周りの様子、そして彼の行く末は…。
14巻冒頭の『ニンキ!?』(ラスカルスズカ主役の神戸新聞杯編)と合わせ、1999年菊花賞前のトライアルレースの様子を描いた作品群。
セントライト記念編『出走権』はマイネルバイエルンと周囲のドタバタを描いた賑やかな話で、バイエルンと喧嘩になったホットシークレットのある台詞は『新年、定着語大賞!』(2007春)で迷台詞として引用されたが、
京都新聞杯編『ガンバリます!』では『出走権』後の現実を受けて、メジロロンザンとバイエルンの束の間の出会い、そしてバイエルンを襲った二重の悲劇に奮起したロンザンの雄姿が切なく紡がれている。
なお、そのせいかは謎だが菊花賞本番でのナリタトップロード勝利は『ニンキ!?』の続編『ボクはボクとして…』(14巻)の冒頭1コマであっさり処理された。

  • 『Smile…』(14巻・傑作選『甦れ!名馬たち』収録)
馬達を悲痛な事故で多数亡くし悲しみに暮れる調教師。生前自分を励ましてくれた「彼女」の言葉を生かすため、ロートル馬ユーセイトップランは奇跡を起こす。
2000年に起き馬22頭が犠牲になった「山元トレーニングセンター火災」と、そのせいで所属馬を喪った音無秀孝調教師を励ますように起きた実話を記した回。最後のシーンを除き無音劇で繰り広げられる本エピソードは最終巻でも傑作回とされている。
題は火事で犠牲になった馬「エガオヲミセテ」から来ており、続編的作品として引退し乗馬になったユーセイトップランが彼女の弟オレハマッテルゼ(姉弟ともにSS産駒)を励まし、
自分のラストランとなった2001年京都大賞典で醜態をさらした某倶楽部からの誘惑をも遮り勝利への道を支える「オレモマッテルゼ!」(22巻)「ミンナマッテタゼ!」(24巻)がある。
…ちなみに、この姉弟いずれも馬主の趣味から珍名であり、エガオヲミセテメインの「珍名馬の時代」(12巻収録)・種牡馬時代のオレハマッテルゼがメインの「珍名馬の時代?」(2012春収録)なんてネタ回も存在する。

  • 『2度あることは…』(2007秋)
障害転向してから調子が良いリワードプレザン。しかしなぜか疲れ切って現れた障害競走での先輩メルシーエイタイムは、ある馬の脅威を語り始め…。
本作では貴重な障害重賞題材の回で、2005年~2007年にオーストラリアから日本に遠征し、12歳で中山グランドジャンプ3連覇&JRA史上最高齢重賞勝利を成し遂げた「カラジ」を取り上げている。
なお、エンディングでカラジは4連覇も視野に入れていたが、史実では4回目の遠征直前に故障から引退している。

  • 『いつもと違う』(2011春収録)
よく晴れた日の朝、その馬は目を覚ました。しかし、その日はいつもと何かが違っていた。
2011年3月11日、日本を襲った未曾有の大災害が競走馬を取り巻く環境に与えた影響と、競走馬達が人間達や競馬に対して抱く思いを、いつもと違って擬人化が気持ち軽めな名も無い一頭の馬の視点で描く。
なおその後も何度かあの地震に触れた挿話は登場しており、『2013春』「花は咲く」では同名楽曲の歌詞と共に2013年フラワーカップの様子が綴られている。

  • 『誇りをもって』(2013春収録)
「ダービー馬」という名の誇りと重圧。その名に恥じない自分へと届くため、イマイチな自分を振り払い彼は勝利を捧げる。
天覧競馬となった2012年天皇賞(秋)を題材にした漫画で、エイシンフラッシュの一人称で語られる物語。
…とはいえ本話中にも例があるがダービー馬でも勝つのは難しいのが現実で、後の『”ダービー”の重み』(2018春)・『気持ち』(2018秋)ではダービー以降勝てない馬がダービー後負け数ワースト1馬にちなみ「オペックホースを偲ぶ会」を設立していた。

  • 『コーローバってなぁに?』(2013春)
牧場でゆるやかにまどろむ「功労馬」と、そんな「おじいちゃん」と出会い仲良くなった幼い牝馬。彼は彼女を立派な競走馬へと導くためスパルタコーチと化す
無念の引退後長い月日が経ち種牡馬も辞めたミホノブルボンと、彼が住む牧場で育った「ウキヨノカゼ」(ディープインパクトの全弟オンファイア産駒)の交流を描いた挿話。
続偏として「浮世の風」に揉まれ長期休養から低迷したウキヨノカゼをブルボンが叱咤する『スパルタ再び』(2015秋)がある。

  • 『勝てるなら…』(2014秋収録)
オールカマー参戦直前、自分の名前から来るイメージを色々考える「サトノノブレス」。しかしイメージが付くのもいい事ばかりではないようで…。
馬達が作者から自分に被せられた変なキャラ付けに物申す話。オチでは「それでも勝つためならキャラが欲しい!」という馬が出て来たけど。
なおこの話の逆パターンとして、タップダンスシチーとゼンノロブロイが存在感を出すためにキャラ力を欲しがる『新年の抱負?』(23巻収録)なんて話もあったり。
ちなみに主役のノブレス自身も、2018春収録の『重要なキーワード』ではサトノダイヤモンドの帯同馬を凱旋門賞で務めた縁から古風な爺やキャラが付いた。

  • 『夢の彼方へ』(2018秋)
走るのがうまくいかず、長期休養の後未知の「飛び超える」世界へと移らされ跳び方を覚えて大きな翼を得た馬。そんな彼はある時「まっ平な、これまでの財産が通じない世界」という最大の障害に挑む。
マイナーな障害競走の世界でG1級7連勝等の偉業を達成したオジュウチョウサンの軌跡と、久しぶりに挑んだ平地競走となる2018年7月7日福島競馬場での「開成山特別」を描いた作品。
なおリアルでの平地競走に挑んだ理由は「平地競走での賞金を稼いでおかないと有馬記念に出場不可能だから」で、作中でも遠い目標として「ARM」の文字が描かれていた。



主要登場キャラクター

本作ではキャラが非常に多いため、複数回登場し、かつ特徴的な面も持つ一部キャラに絞って説明する。

~1980年代までにデビューした競走馬

笠松から中央に進出し活躍し、サブカルチャー界隈にも競馬ブームを引き起こしたドラマティック話満載な大食い系アイドルホースの「芦毛の怪物」。本作単行本は彼の無茶ローテ物語からスタートした*18
だが本作ではそのせいで俺様系スター化しており、ことある度に派手な演出で登場し自己アピールを欠かさない目立ちたがり屋さん。何せ初回から牝馬限定レースをも制すため「オグリンキャッピー」と女装トライしちゃうので。
一方、マル外故にクラシックに出られないエイシンパーリンを息子そっちのけで応援したり、志半ばで早逝してしまったペイザバトラーの娘を密かに見守ったりする人情家な一面も。
ちなみに弱点はホーリックス、色々な意味で。
引退後もちょいちょい出番があり弟妹や産駒も登場したが、種牡馬としての不振で出番が減少した(それでも機会を見つけると姿を見せているが)。
2004年には落ち目の日本競馬界を引っ張る次世代のアイドルホース候補として、自分やハイセイコーと同じく地方から頭角を現したコスモバルクを挙げている。
よりにもよって一着至上主義のあいつのデビュー年なのは何の皮肉か。
また没後2010年版「なんでもアリま記念」を乗っ取り「オグリキャップによるオグリキャップのためのレース」へと変貌させた。
余談だがリアルではメンコ装備版もあるが、なぜか作中ではあるシーンとオグリぬいぐるみを除いてカット。「主人公は誰?」(2009春収録)では一回老後の白馬風姿で現れたが、ぶっちゃけ面影がなくなるので全盛期の芦毛姿に戻っていた。
また1巻で登場した「厩務員のイケエさん」(池江敏郎)は、実はステイゴールド・ディープインパクトの調教師イケエ(郎、池江泰郎)師の兄であり、イケエ(郎)師の息子でオルフェーヴル・トーセンジョーダン等の調教師イケエ(寿、池江泰寿)の伯父だったりする。

絶対的強さで無敗の4代目3冠馬となり、長らく超える者が現れなかった「芝G17冠」の偉業をも打ち立てた「皇帝」。作者の初推し馬でもある。
性格的には「皇帝」らしく気位が高く、息子のふがいなさに説教したり、住居で紅茶を嗜み寛ぎ、(馬なのに)白馬に馬車を引かせ現れる貴族としての姿をも見せる貴族趣味な気取り屋父親。
ちなみに作中では数ある交配相手の牝馬の中でも出来た仔の成績自体はさっぱりだったが初代牝馬3冠馬メジロラモーヌとの関係に特別性を見出しており、
ディープインパクトの3冠達成時祝いに来た際はその少し前他界したラモーヌを「妻」と呼び悼んでいた(そしてラモーヌも「上」から降りて来た)。
他にも同期の一頭ビゼンニシキ(ダイタクヘリオスの父)からライバル意識を持たれており、『親バカ同士』(3巻)では1992年天皇賞(秋)テレビ観戦で仔に期待するも双方共にぼろ負けで揃って石化。
『親バカの期待』(5巻)ではテイオーがオカベさんでなくタバラ(田原)騎手と1993年有馬記念に挑むことに複雑な胸中でいる時オカベさんをルドルフに取られたビゼンニシキから慰められ、『2011秋』巻末漫画では昇天して最初に会った相手も彼だった。
また後世で言う「ツンデレ」の気もあり、主戦だったオカベさんと再会した際種牡馬としての不甲斐なさからついきつくあたってしまい直後本心を独白し、
それにマジへこみしたオカベさんも引退直後「盛大にデレたルドルフ」と「いつも通りデレないルドルフ」両方を夢に見て後者の方が嬉しいと感じていた。

綺麗なブロンドの鬣を誇るも、引退後早逝した「尾花栗毛」のグッドルッキングホース。
…だが本作では、自分と似たようなブロンドヘアー馬が現れる度霊界から降臨するヘビメタの精霊と化し、ブロンド馬をマイバンドに誘うグラサンロッカー(時々晩年過ごした地由来の九州弁にもなる)として活動している。
主な勧誘メンバーは「走るベルばら」と謳われたトウショウファルコ等で*19、この影響でブロンド馬仲間サッカーボーイ(ナリタトップロード・ヒシミラクル等の父親)も伝説のドラマー扱いされていたが、
語感だけで「レディブロンド」(ディープインパクトの半姉)を探した際は、彼女が普通の鹿毛だったため意気に魅力は感じるもイメージが違うので断念した。
なお稀に素顔で登場するカットがあり、そこで判明した顔は綺麗な瞳をした金髪美形だったり。

3代目3冠馬となるも、カツラギエースとシンボリルドルフの前に屈したトウショウボーイの代表産駒(自身の産駒はトウカイテイオーに屈したシャコーグレイド等)。トレードマークはハミ受け。
作中では出番こそ少ないものの、3冠馬仲間では一番の良識派として扱われており、ルドルフにとっては貴重な「対等(実際は先輩だが)」とも言える存在でもある。

  • テスコガビー
「後ろからはな~んにも来ない!!」の名実況(?)で知られる、史上唯一桜花賞で大差勝ちを決めた名牝。
本作の時期には既に他界しているのだが、なぜか「徹子の部屋」ならぬ「テスコの部屋」の司会者をしている。

  • マックスビューティ
エリザベス女王杯時タレンティドガールに阻まれ惜しくも3冠には届かなかったが、引退後繁殖として奮闘した牝馬2冠の「究極の美女」。
初登場時はマタニティブルー*20と娘マックスジョリーの桜花賞挑戦が重なってナーバスになりノーザンテーストとの息子「マーへー」(後のマックスウィンザー)とギクシャクしていたが、姉の父リアルシャダイに電話で諭された息子から3着に終わった姉の代わりに桜花賞を獲ると誓われた。
なおマーヘー君は1995年弥生賞回に再び登場したが相変わらずマザコン気味で牡馬初の桜花賞馬になる事を目標にしており、あまりにも周囲に否定されるためブリンカーを着用するようになった。
その後いい馬との交配のため海外に行かされたり、没後エアグループの前に現れ自分達の調教師が高く評価したファインモーションの調査を依頼したりしている。

オグリキャップと共に平成3強の一角を形成した大井出身の名馬。
気は荒いが根は寂しがり屋で、タケ騎手が主戦を降板した後「怖い」とテレビでぶっちゃけた事にキレて有馬記念を制した。
彼を渡世人に例えたネタが任侠編の原型になる等、オグリキャップのライバルの中では比較的出番が多い。
連載開始時期と平成初期の未収録回の多さも相まってタマモクロスとスーパークリークの影が薄いだけとも言う。

メジロ牧場から期待のエースとして送り出されるも、オグリキャップのラストラン・メジロマックイーンの台頭等で後塵を喫し、しかしその後産駒としてメジロドーベル・メジロブライトを送り出し、牧場の最後をも見届けて逝った馬。
最初はハクタイセイ(皐月賞)・マックイーン(菊花賞)・オグリキャップ(有馬記念)と立て続けに芦毛馬に敗れた事から芦毛恐怖症だったが、基本は明るめのキャラとして描かれており、特にメジロドーベルに対しては凄まじい親バカになる。
引退から長い月日が経った後偶然函館で出会った笠松の新鋭ラブミーチャンに(彼女自身はライアンを知らなかったが)オグリキャップの逸話を話し励まし、
マックイーンの孫オルフェーヴルのダービー挑戦直前に曾孫メジロコウミョウと共に現れ、今はもう無いメジロ牧場の夢を彼に託した。

メジロのエースとして活躍し天皇賞を連覇するも故障に沈み、産駒が苦戦した事で一度は夢見た「親子4代での天皇賞制覇」は叶わなかったが、没後に晩年仲が良かったサンデーサイレンスの血を引く孫が大活躍した芦毛馬。
作中では出番の少なさからキャラがぶれていたが、最終的には「天国から孫に期待を掛ける優しいおじいちゃん」&「暴走するサンデーサイレンスと冷静な相方」といった所に落ち着いている。

  • イクノディクタス
怪我一つなく51戦を走り抜き、牝馬で初めて獲得賞金5億円越えを達成した「鉄の女」。
賞金=馬の資産である本作では資産を溜める事に長けた貯蓄の鬼になっており、その資産管理能力は他の馬達からも一目置かれている。
同じセリ市で10倍以上の値段が付けられたダイイチルビーにコンプレックスを抱いており、貯蓄の鬼になったのも賞金女王として彼女を越えるためだった。

皇帝シンボリルドルフと肝っ玉母ちゃんトウカイナチュラルの間に産まれ、故障に悩まされながらも活躍した2冠の「帝王」。
色々と面倒くさい父とは対照的に基本素直な苦労馬で、つぶらな瞳・ふさっとした前髪・おさげっぽい鬣飾りがチャーミングなグッドルッキングホース。
彼もまた引退後種牡馬としては苦戦したが*21、息子の騙馬トウカイポイントがG1馬になり「いつか騙馬もクラシックと天皇賞に!*22(意訳)」と誓った際は喜んでいた。
いい子なので他界後父とオグリキャップが「なんでもアリま記念」を「トウカイテイオー追悼記念」として乗っ取った際は困惑したが、父の言葉から結局参加している。
余談だが作中では触れられていないが、『2016春』「みなまでいうな」に登場した牝馬「オツウ」は彼の孫(トウカイポイントの姪)だったり。

  • ナイスネイチャ
有馬記念3年連続3着という珍記録を打ち立て、「ブロンズコレクター」の走りとなった馬。
作中では他に「ないないづくし」なんてネタも持ち*23、長く現役を続けるが有馬記念6回目の出走直前に無念の引退となったが、
似たネタがあった「最強の3着馬」ロイスアンドロイス・ロイスが目を付けた3着系馬ホッカイルソーと共にブロコレ倶楽部を結成。
その後は引退馬なせいが登場機会が減少するもたまに倶楽部の重鎮として顔を見せている。
ちなみに引退時(10巻『やっぱりネイチャ!』)にはネイチャとの絆で知られた厩務員ババさん(馬場秀輝)がゲスト登場し、1995年の新年会編(7巻収録)では「ナイス姉ちゃん」なんて女装ボケも披露していたり。
またリアルでの最後の勝ち鞍高松宮杯は本編では描写されなかったが、作者のコミックエッセイ『「馬ドラマ」超鑑賞術』にて作者の鑑賞様子を綴った小品が収録された。

「鉈の切れ味」とその走りを称され「神賛(讃)」「5冠馬」とも呼ばれ、引退後「シンザン記念」にその名を残しナリタブライアンの3冠達成を見届けて逝った長寿の2代目3冠馬。
本作では既に息子ミホシンザン(2冠馬)にも産駒がいるおじいちゃんで、息子や若いのに説教をし「シンザン記念」からエースが出るのを期待しながらも「最近の若いもんは」的なご隠居キャラで登場。没後もセントライトと共に登場している。
また年寄りなためか途中から「カタカナや外来語・濁音が多いと舌が回らなくなる」という属性が付き(例:シンボリルドルフ→シンモリルロルフ)、晩年目を患ったせいか老眼鏡を付けることが多い。
ちなみに殆どのシーンでは老いた姿なのだが、『2011秋』「東京のサツキ」や最終巻表紙等では全盛期の若々しい姿で登場した。

「セントライト記念」にその名を残す初代3冠馬。
世代的に最古参なので出番は「3冠祝い」が殆どだが、地方競馬から中央・世界に多数の遠征を挑んだ北海道のコスモバルク主役回では、彼がセントライト記念勝者な縁から「花の育成」風なその物語において花屋役で登場した。

  • ノーザンテースト
日本の種牡馬業界を長らく支え、大手牧場社台グループ(作中では「シャダイ」「某大手牧場」等)の礎となった名馬。
主に商社シリーズで「北味社長」として登場し、老いた身ながらライバルや系列企業に対し奮闘。
サンデーサイレンスの台頭後は彼に半ば跡目を譲るようになるも、最後までベテランとして凛とあり続け、後輩達の死を次々看取った後この世を去りSS社長と「上」で再会した。

ドラマチックな競走馬人生と狂暴性で知られ、引退後日本の種牡馬業界のトップとして活躍馬に親戚筋が増え過ぎて恋愛ネタがガチで難しくなるくらい君臨したゴッドファーザー。通称は「SS様」。
父として日本の全G1を制覇する事を目論んでおり、自らの覇道のため産駒達が少しでも不甲斐ないと即噛みつき、商社編では北味を吸収合併するもそれゆえにあせりも見せており、死後も天上から子孫を監視している。
ちなみに野望自体は、よりにもよって息子アグネスタキオンの産駒(つまり孫)であるロジックのNHKマイルカップ勝利によって阻まれてしまった*24
しかしその後も懲りずに子孫の勢力拡大を後押しし続けており、勢力を拡大し過ぎて血の閉塞に陥り没落した事で有名なセントサイモンの血を引くシンザンに説教される一幕も。

1990年代にデビューした競走馬

早くから頭角を現し阪神3歳牝馬S・桜花賞・スプリンターズステークスを征し2年連続で最優秀牝馬に選ばれ、西山牧場のエースとして活躍した天才少女。
本作では気位が高く自己アピールが激しい高飛車娘なため、叩き上げのロートル馬であるイクノディクタスとは馬が合わず、見下し毛嫌いされあう仲となっている。
また桜花賞後には皐月賞前のミホノブルボンに会いに行き彼と愛を育もうとしたが、翌年ブルボンが長期休養に入った結果、一回フラワー側の未練が語られたのみで自然消滅した(その後ヤマニンゼファーに少し気を抱いた)。
なお引退後彼女の産駒ニシノセイリュウが1999年ダービー回に登場。名牝の息子という重圧に悩むセイリュウが同年のダービー馬かつ名牝息子繋がりなアドマイヤベガと交流していた。
また『2019春』「ギリギリ?」には一コマだけ、フラワーとセイウンスカイの曾孫ニシノデイジーも顔を見せている。

スパルタ調教で限界まで鍛え上げられ、「サイボーグ」の異名を取った2冠馬。
トヤマ調教師に褒められた経験が殆ど無かった事もあり、やや自己評価が低く押しの弱い性格。
京都新聞杯では自分に「鈴」を付けた逃げ馬同期のキョウエイボーガンをも意に介さぬ走りで圧倒したが(ボーガンの出番はこれだけ)、作中未描写の菊花賞では皮肉にもボーガンの逃げでペースを狂わされることになる。
また2冠の先輩トウカイテイオーを慕っており、ジャパンカップ前に2頭で再起を誓うも、直後骨折で休養。メジロマックイーンにテイオー共々「2頭のせいで自分も含めた『三強』構想が駄目になった(意訳)」と責められる羽目に。
その後中々復帰に至らず「馬の温泉」で燻っていた際テイオーの有馬記念での復活勝利と故トヤマ調教師の本に感銘を受けて復帰を決意した…のはいいが、その回を描いた翌日に現実で引退が発表されるというオチがついた。
引退後は功労馬時代にスマイルファームでまだ幼かったウキヨノカゼと出会っており、彼女にトヤマ調教師仕込みのスパルタ特訓を施している。

ミホノブルボンの3冠挑戦・メジロマックイーンの天皇賞3連覇挑戦を相次いで阻止した「黒い刺客」にして、京都で活躍し京都で散った悲劇の菊花賞馬。
本作では初登場時から記録を記したタスキをかけ騙馬のレガシーワールド・アラシを茶化す生意気キャラであり、その後ヒール属性も付いたことから「記録阻止が生きがいのレコードブレイカー」として金棒片手に活躍(?)することに。
なぜか菊花賞本番も2度の天皇賞(春)勝利も収録されず、*25流石にラストランの宝塚記念に関しては直接触れられず茶化されもしなかったが、しばらく経った後「上」から時々記録達成が掛る度降臨する様になった。
近年だと『NEO』第76〜78Rの3週連続降臨なんて事態も。
ちなみにライスだけにお米が好きで、「上」で下界の稲作の問題も気にしていた。
また『2007秋』「第1回ジョッキー&馬スターズ」では名人騎手を巡って馬達が「自分こそ彼の愛馬」と言い争う中、マトバ(的場均)騎手を巡って争うエルコンドルパサーとグラスワンダーを威嚇し征している。
…まさか作者も令和時代に、ボクっ娘テイオー主役のアニメの応援イラストとして令嬢マックイーンと笑う短剣装備薄幸少女ライスを描くことになるとは思わなかっただろう*26

曲がった脚や斑点がある微妙な顔ながら牝馬2冠を達成、引退後アドマイヤベガ・アドマイヤドンと強豪馬の母となり、未出走の娘ヒストリックスターとディープインパクトの仔ハープスターが桜花賞馬になった名牝。
作中では「きつい女」として描かれており、主戦だったタケユタカが結婚した時は嫉妬で調子を落とし、息子アドマイヤベガはダービー直前「うちの親(SSとベガ)が怒りが怖い(意訳)」とぼやいていたが、
一方でスティルインラブの3冠達成直前2冠の先輩マックスビューティと共にコンプレックス込みの制止を駆けるも、彼女の一途な思いから3冠達成後改心し感動。
それゆえか後に(馬なり1ハロン!NEO第76R『鬼に金棒』)初の無敗牝馬3冠へと挑むデアリングタクトを阻止しようと降臨したライスシャワーを止めにかかった。
一方1993年の「なんでもアリま記念」では「『変わった顔で』賞」という捨て身ネタを繰り出したが、ダイナガリバー(ダービー・有馬記念馬)・プレクラスニー(天皇賞馬)・ビクトリーマーク(マチカネタンホイザの全弟)の変顔三銃士が対抗馬に…。

  • ホクトベガ
「ベガはベガでもホクトベガ!」とエリザベス女王杯優勝後ダートの砂で活躍し、ドバイの地に散った「砂の女王」。
同時代にベガがいたため彼女と勘違いされたり、関東の牝馬として意地を見せたり、1997年フェブラリーステークスで男達が彼女を巡って微妙なやり取りをかわしたりと各所で話題があり、
2011年にヴィクトワールピサ・トランセンドがドバイワールドカップに挑んだ際は素性を隠し彼らの元に現れ、彼らを勝利へと後押しした。
ちなみに1995年の新年会時「ナイス姉ちゃん」をどつき倒したナグルスキーは彼女の父だったり。

  • ビワハヤヒデ
菊花賞を制し皐月賞馬ナリタタイシン・ダービー馬ウイニングチケットと共に「BNW」と称されたナリタブライアンの似てない半兄。なお半弟ビワタケヒデも登場している。
本作ではオカベ騎手から愛されるため努力を重ねたオカベさん好きっ子で、デビュー当初一緒で自分を弟みたいに構ってくれたビワミサキに後年までも残る慕情を抱いていた。
なお「顔デカ」ネタもあり、1993年の「なんでもアリま記念」でスーパークリークと顔デカ同士のマッチレースをしていた*27
また引退後もたまに登場。チケット・タイシンとの友情は兄弟自慢でマウント取り合ったりしもしたけど確かなものであり、後年には全盛期とは打って変わった白化した姿をも見せていた。

兄ビワハヤヒデを超す様に5代目3冠馬となるも、その後故障に苦しみ、引退後早逝した「シャドーロールの怪物」。
作中では真面目な弟系キャラとされているが、3冠挑戦の時期には皐月賞でブービー・ダービーと菊花賞で最下位だったサムソンビッグ以外とは付き合いが薄い「友達少ない奴」ネタがあり、
その名声や故障からのプレッシャーに苦しんでいた際当時テレビで活躍していたポニー「ナリタブラリアン」と出会い、ファンの期待に応えようとする彼の姿に感銘を受けていた。
また海外遠征が叶わない事に苛立ち、自分とは逆に外国産馬のせいで天皇賞に参加出来ないヒシアマゾンと意気投合し入れ替わりを図った事も。
12巻では死のきっかけとなる腹の病気が描かれ、作中では何とか持ち直し弟ビワタケヒデの電話に元気に応えたがその後急変・他界したため、12巻カバーに追悼イラストが描かれた。
なお没後の2002年ダービー回では産駒ダイタクフラッグも登場したが、彼は結局芽が出なかったという…*28
ちなみに1995年新年会編では着流しに頬傷、口に枝を咥え侠客風な「ナリタ無頼アン」なる姿を披露したが、この時は別な作品で無頼風女子高生ブライアンが登場するとは誰も思わなかっただろう。

  • ジェニュイン
シャドーロールが特徴のSS産駒初の皐月賞馬。
早々に引退したフジキセキと同じ青鹿毛だったため、フジキセキの活躍を見込んで買った青鹿毛用のスクリーントーンを持て余していた作者にもろ手を挙げて歓迎された。
風が苦手で、扇風機が天敵。また引退後の『2007秋』「栄冠を父に」ではSS産駒初制覇が掛る2007年安田記念時亡き父の命でアドマイヤマックスと共にレース観戦に行くも、親族の応援そっちのけで馬券買いに走ったため降臨した父に噛みつかれた。

  • ダンスパートナー
SS産駒初のオークス馬であり、海外遠征や菊花賞への挑戦、古馬競走化したエリザベス女王杯初代王者等で活躍した名牝。
作中ではきつめの性格で、タケユタカ相手に独占欲を露わにしたり弱気な同父ダービー馬タヤスツヨシに渋々ながら付き合う面もあったが、
現役後期では何と「結婚出来ないから逆に気軽に楽しめる(意訳)」と同父同期のマーベラスサンデーに遊び半分で片思いしちゃい、ついでにバブルガムフェローにも熱視線を注ぐ等独りで勝手に恋愛ゲームを楽しんでいた。
まああくまで「遊び」だったので引退後は普通に繁殖入りしたが、22巻では妹ダンスインザムードとこれまた同父のダイワメジャーが楽しそうに付き合う(注:戦友関係です)のを恋と誤解してしまっていた。

  • ダンスインザダーク
トニービン産駒エアダブリンを半兄に持ち、SS産駒2世代目として全姉ダンスパートナー・全妹ダンスインザムード(桜花賞馬)と共に活躍した菊花賞馬。
また産駒ザッツザブレンディ・デルタブルース・スリーロールスも同じ菊花賞を獲り、22巻「主役は誰だ?」では母と妹に先立たれた息子ツルマルボーイ(安田記念馬)を慰めていた。
だが作中では同じ父の産駒にどう見ても似てない栗毛のイシノサンデーがいることに唖然としたり、産駒仲間のバブルガムフェローから父の怒りの避雷針役にされたりと苦労する羽目に。

  • バブルガムフェロー
朝日杯を獲ってSS産駒第2世代の先陣を切り、4歳(当時)にして古馬G1を勝って世代の壁を破壊した天皇賞(秋)馬。トレードマークは風船ガム。
要領のいい性格で、父譲りの怒筋を任意の場所に出す事で自らの気性をコントロールする「自在怒筋」なる特技を持っている。
だが1996年ジャパンカップでオカベ騎手に好かれようと、(後世で例えるなら)ツンデレ気味にボロ負けして逆にオカベさんとフジサワ調教師にあきれられて以来微妙な感じになり、
一応その後も勝ち鞍はあったのだが引退時の「テスコの部屋」では終始肩透かしムードで終了。
更にその後シンボリクリスエスが自分と同じ3歳天皇賞勝利しようとするのを邪魔しよう…としたらオグリキャップ・シンボリルドルフ等クリスエス応援に駆け付けた名馬達に押され失敗した。

  • フサイチコンコルド
デビューからわずか3戦目でダービーを征するも、菊花賞敗退後引退した「日本のラムタラ」。チャームポイントは揃えた前髪。
現役としての出番はわずかなものの、自身の産駒バランスオブゲームの勝利時には最初期待した仔が負けたのには目をつむり喜び、「内国産種牡馬」の集まりではバシリ扱いされ、
彼とダービーで対したビワハイジは後に彼の母バレークイーンと半弟アンライバルド(皐月賞馬)に遭遇。他にダートG1級7勝のブルーコンコルド(息子)や8歳で天皇賞(秋)馬となったカンパニーの父ミラクルアドマイヤ(半弟)等親族が複数登場している。

母ダイナカールと同じオークスを征し牡馬達をも薙ぎ払い天皇賞(秋)を勝ち取った、可愛い鬣のリボン編みがトレードマークの「女帝」。
牡馬人気が高く、牡牝混合戦では牡馬達からアイドル扱いされるのがお約束。
一方でジャパンカップ開始直前盛大にアレをそそり立てた馬に迫られ(周囲の馬が止める騒ぎに)、後に彼の半妹ファインモーションを調査した時再会したり、
エリモエクセルを応援するためメジロドーベルら他のオークス馬と共にチアガール「OSL」になったりとネタもあったり。
引退後はエリザベス女王杯連覇馬アドマイヤグルーヴ・クイーンエリザベス2世カップ馬で引退後ブロコレ倶楽部に加入したルーラーシップ等仔を設け*29
他界後も親族の様子を見るためアドマイヤグルーヴと共に霊として登場し(2015春『レディファースト』・2015秋『合計21光』)、孫ドゥラメンテの縁から任侠編『盃のきずな』(2016春)にて霊ながら「金亀組」の門番として母・娘と共にゲスト登場した。娘は一応日静会系のはずでは
『馬なり1ハロン!NEO』でも伊藤雄二調教師の死に際して降臨しており、現役時代の調教助手だった藤岡健一厩舎所属のジャックドールにアドバイスを送っている。

現役時代阪神3歳牝馬ステークスを征し、引退後ブエナビスタ等多数の強豪産駒を産んだ名牝。いつも「イソイソ」と登場するのがお約束。
だがいつも斜め上の早とちりをするのもお約束で、現役時代主戦のツノダ(角田)騎手とヒシアケボノがうっかりアレな体勢になったのを見たのに始まり、繁殖時代も出てくる度アレな勘違いをして絶望→逃走するのが定番となっている。
またママ仲間のスカーレットブーケ(ダイワメジャー・ダイワスカーレットの母)とは、息子の一頭アドマイヤオーラとブーケの娘ダイワスカーレットが同期同父だったため互いにライバル意識を抱いている。
だがディープインパクトとの仔(後のトーセンレーヴ)がセレクトセールで高値を記録した際は、直後前のお相手達に囲まれ「SS様が一番良かった」「彼の血を引く牡馬なら誰でもいい」等と酷い事を口走りディープの方が逃げ出した(2008秋『良妻悪女』)

初めての大舞台でやらかした旋回大好きお笑い馬から「異次元の逃亡者」へと進化し、しかし「沈黙の日曜日」に散った悲劇のSS産駒。
本作ではダービー敗戦後に意外にも穏やかだった(ように見えた)父SS相手に調子に乗って軽口を叩いて逆鱗に触れたり、エアグルーヴをナンパして玉砕するなど、全体的に軽いキャラとなっている*30
その後定着してしまったお笑い馬のイメージに苦悩していたところに謎の預言者(正体は父)から「SS産駒のお笑い馬は走る」との啓示を受け宝塚記念を制すも、リアルではその少し後に他界(作中では秋を前に逍遥馬道でエアグルーヴと会うのが生前最期の出番)。
作品的に連載休止期間だったこともあり「沈黙の日曜日」自体は扱われなかったが、後にSS産駒仲間のステイゴールドやスペシャルウィークがその最期に触れており、
本馬も自身の死後思い悩む半弟ラスカルスズカの元に易者に変装して現れ、自分以上の逃げ暴れ馬ブルーイレヴンの暴走に振り回されるタケユタカを助けるため物理的に(霊だけど)重石として降臨していた。

ずっーと2着・3着が続く事から「ゴールドの前でステイ」といじられ、しかし最後にドバイと香港で栄光を掴み、産駒から強豪馬を多数輩出した「黄金旅程」。
本作ではひょんなことからメンバーになったブロコレ倶楽部を盛り上げるため各地でメンバーを捕獲し、倶楽部の重鎮として君臨全妹レクレドールは呆れていたが
しかしブロコレ過ぎたせいで、2000年に重賞出走の優先順位が「収得賞金」優先から「重賞勝利」優先に変更された際真面目にあせっていた。まあ目黒記念勝利で何とかはなったが…。
種牡馬として活躍するようになってからは、倶楽部活動と父としての役目の狭間で倶楽部に出入りする事が減少したが、没後倶楽部に自分の産駒からグランシルクと父をも超えるシルコレ1勝馬エタリオウが加入する切っ掛けを作っている。
最終的にはブロコレ入りしそうでしなかったドリームジャーニー・オルフェーヴルの母オリエンタルアートとラブラブになり、天国に追って来た彼女が正妻となった。
なおリアルでは後年産駒達の気性難や2001年京都大賞典、関係者の証言等で「実は父SSにも比肩する狂暴性持ち」と発覚したが、本作ではただの「斜行癖」くらいに留まっている。

  • メジロブライト
メジロライアンの息子で天皇賞(春)に勝利したものの、それ以外では勝ちきれなかった惜しい馬。
菊花賞時そのイマイチさから記念すべき(?)ブロコレ倶楽部初遭遇&勧誘メンバーとなるも、あんまりな肩書から倶楽部と会う度毎度その魔の手を振り切っていたが、
次に加入した同期ステイゴールドがブロコレにしても微妙な着順だった時反射的にたしなめてしまい、結局2000年に故障した際オペラオーに会員としての責務を託し倶楽部入りを受け入れた。

  • シーキングザパール
つい斜行しちゃうくらい勝ち気な性格で、NHKマイルカップ勝利・フランスG1勝利等90年代後半の牝馬戦場に記録を残した外国産馬。
本作ではタケユタカを振り回すわがまま勝ち気娘だが、喉を患った後上からお目付け役を命じられたドージマムテキとの付き合いで彼を「ジイ」と呼びつつも少し好意を持つようになり、
現役後半ではタイキシャトルと接点が出来つつも最後は再び外国へと引退前に急遽レースが追加されつつ去っていった。
数年後、日本で競走馬となった息子シーキングザダイヤも引退していたドージマムテキ(ヤギと友達に)と邂逅したが、シルコレっぷりから来る某倶楽部の勧誘や周囲からの期待に耐え、つつがなく種牡馬に転身している。
ちなみに、12巻では(本編では未描写の)フランス遠征記念のタケユタカ・タイキシャトル&オカベ騎手とのイラストが口絵となっている。

初めて名前に「ヲ」が使われた事で知られる珍名馬。ちなみに馬主(小田切有一)は持ち馬に珍名を付けるのが大好きで*31、そのネーミングセンスを買うファンは「オダギラー」と呼ばれている。
名前の通りいつも笑顔の明るく楽観的な性格で、「笑顔を見せて」が口癖。キツイ性格な父サンデーサイレンスにも明るく対応していた。
しかし2000年の「山元トレーニングセンター火災」に巻き込まれて非業の死を遂げており、14巻『Smile…』でその事が記された。そして後に同じ馬主&水玉メンコな全弟オレハマッテルゼが活躍する事になる。

母の死・選りすぐりの血統とてんこ盛りな背景を抱え、武豊をダービージョッキーへと導いた「日本の総大将」。
だが属性過多なのをいいことにそれを自分の「売り」にするあざとい腹黒系アイドルホースと化していたが、タケユタカとの付き合いでそうした面は改善され、
ジャパンカップ回の『ボクはボクとして…』(14巻)ではブロコレ倶楽部に勧誘されたラスカルスズカを叱咤する名馬に成長した。
本作では同期の中でもクラシック戦線で競り合ったキングヘイローとの接点が多めで、ヘイロー・セイウンスカイとの新入社員編や引退後の再会回が存在している。
また13巻『春天3強だいっ!』では天皇賞(春)で一番人気になった事を受け、2番人気セイウンスカイ・3番人気メジロブライトと共に春天3強だいっ!と踊っていた。

強力なライバルたちに押されクラシック・王道路線では低迷したものの、シャドーロールにメンコも追加し短距離路線で何とかG1馬となったダンシングブレーヴ産駒。
何かと我の強い奴が多い同期の中ではやや控えめで気弱な性格で、本作では短距離路線への転向は過熱し過ぎて魔境化しつつある長距離路線と奇行に走るライバル達からの逃走として描かれている。
また引退後かつてセイウンスカイ引退時に出会った同期サンプレイスとスぺ共々再び邂逅し(23巻『友達だから…』)、さらにその後スペシャルウィーク・グラスワンダーと産駒参観した際、グラスの仔「セイウンワンダー」を呼んでいたらセイウンスカイ(日本酒瓶「青雲」装備)とも再会した(2008秋『古き良き友』)。

マル外(外国産馬)ゆえの不利を抱えながらダート・芝の両方を駆け凱旋門賞へと挑み、引退後貴重な非SS系種牡馬として短い余生ながらもSS産駒牝馬を次々嫁にし活躍馬を輩出した年度代表馬。略称は「パサー」。
本作では日本期最大の見せ場な毎日王冠とジャパンカップが連載休止期間と重なり未執筆となった事で出番は比較的少な目だが菊花賞カットのセイウンスカイと有馬記念カットで宝塚記念がステイゴールド編なグラスワンダーよりはましかも
ダートへのこだわりとマトバ騎手を巡ってのグラスワンダーへの嫉妬から、共同通信杯時にはグラスとの被りを避けるため雨(雪)乞いしてまで(ついでに雨男馬サクラホクトオーにも祈願を依頼)コースをダートに変更。
だがグラスの負傷時彼の想いに触れ、毎日王冠前には再発したが少し嫉妬の矛を収めた結局マトバ騎手は取られたが
12巻最終話(毎日王冠前)から一人称が若馬時代の「ボク」から「オレ」に代わり、没後は不甲斐ない産駒ブラックコンドルを天上からワッカで物理的に引っ張り無理やり勝たせ*32
未だ産駒がクラシック無冠と言うこともあり菊花賞を獲るため奇しくも彼の産駒最終世代となったソングオブウインドをも天から引っ張り、ディープから二年連続となる三冠を目指したメイショウサムソンを阻止する等と無茶な事を敢行*33。その後、彼が娘達を娶ってくれたことで頭が上がらないSS様も後に技を真似した。
ちなみにその後クラブ活動故に応援に行けないステイゴールドに代わって、凱旋門賞に挑む彼の産駒ナカヤマフェスタにもワッカ干渉をしてみたが、空気を読み過ぎて「ブロコレだからいいよね!(意訳)」と2着に持ち込んだためそこは1着で良かったステイから非難された。

  • ウイングアロー
2000年にフェブラリーステークスと第1回ジャパンカップダート(現「チャンピオンズカップ」)を征し史上初の「(中央ダートG1)統一王者」となった馬*34
ちなみに作中では語られないが父は6巻『89ジャパンカップ』で登場した輸入種牡馬アサティスで、かつミスターシービーの孫(母の父がシービー)でもある。
ステイゴールドがブロコレ倶楽部会員を片っ端から捕獲している時自ら志願して加入しており、かつオペラオーから少し遅れて本格化したが、こっちの方は途中で負けも入ったため扱いに関してさほど問題にもされなかった。
引退後はダートの名馬として知られており、後に2代目統一王者トランセンドは彼の見ている前で3代目統一王者を誕生させるためゴールドドリームに厳しく指導している(2018春『名調教』)
一方でジャパンカップダートがチャンピオンズカップに変更され国際招待競走でもなくなると知った際は抗議したが、後に何とか受け入れチャンピオンズカップの宣伝を手伝い、倶楽部の後輩ホッコータルマエのカップ勝利を見届けた。

高い追加料金(クラシック追加登録料)を払って皐月賞を勝ち取り、2000年の競馬界に「世紀末覇王」として君臨したG17勝馬。
皐月賞後一時低迷していた際ブロコレ倶楽部に勧誘されるも、よりにもよってその直後から本格化し、ブロコレどころかゴルコレと化した。そのため一時は脱会も考慮されていたが、最終的に名誉会員という位置づけに。
結果、トップロードも含め2001年京都大賞典のステイゴールド斜行事件が倶楽部員による内輪もめに見られるようになったのは別の話。
なお彼の死後2018年宝塚記念で主戦騎手(15巻登場)が勝利した時は、ドトウの伸びる腕で天から引きずり落されたオペラオーを「上」から連れ戻しに来たミッキーダンス(2001年宝塚記念シンガリ馬)とドトウが取り合う話が描かれた(2018秋『天国からの後押し』)

オペラオーの後塵を喫しながらも2001年宝塚記念で一矢は報い、彼のライバルとして意地を見せた外国産馬。
成績的にブロコレ倶楽部からも目を付けられていたが、レーヴドスカーからフランス版ブロコレ倶楽部「ル・サロン・ダルシャン」に勧誘され、悩んだ末サロンの方に加入。
また「自分以外がオペラオーを倒してほしくない」という思いから、稀にオペラオーへの感情が好敵手行き過ぎて愛に至っている様な描写が見られ、結果オペラオーは引っ越し先がドトウとの愛の巣に改造されるという悪夢を見た。

オペラオー・ドトウの2強に押され常に3位となり、2頭が引退しても抜けきれず天皇賞(春)3連続3位という珍記録を残した菊花賞馬。
最初その成績からブロコレ倶楽部入りを志願するも「馬券の倍率がおいしくない」と断られ、しかしその後倍率が上がったため改めて勧誘され参加。倶楽部の上位クラスとなった。
引退後惜しくも早逝したが、その後も霊として倶楽部や産駒の前に姿を現している。ステイゴールドから「雲に乗って海外に応援に行って(意訳)」と頼まれた際は他の他界仲間シックスセンス共々「反則です」と断ったが。

  • トゥザヴィクトリー
ステイゴールドと同厩で、中々勝ちに恵まれない状況でも奮闘しドバイワールドカップ2着・エリザベス女王杯勝利と実績を残したSS産駒。
作中では最初同期の産駒仲間フサイチエアデールがライバル的存在だったが、クイーンステークス時発破をかけるようにステイゴールドにブロコレ倶楽部へと勧誘され、フェブラリーステークス3着後正式加入。
エリザベス女王杯後2着のローズバドを倶楽部へと誘い、以降引退後も続く女子仲間となった。
繁殖入り後はキングカメハメハとの娘(後のディナシー)の最高額売値に驚愕したり結局未出走即繁殖入りだったけど、トゥザグローリー・トゥザワールド等息子の微妙さに同じく息子の微妙さにげんなりするローズバドと揃って頭を抱えたりと苦労している。

  • レーヴドスカー
2000年ジャパンカップのため来日したフランスのシルコレ牝馬(一応G1勝利馬でもある)。
メイショウドトウをブロコレ倶楽部っぽい「ル・サロン・ダルシャン」へと誘い(制服はマント)、彼を仲間にしたが、引退後結局ブロコレ倶楽部に合流し倶楽部の協力者的ポジションに落ち着いた。
その後は日本で繁殖牝馬となるも、2010年阪神JFで勝利した娘レーヴディソールが故障で早期引退を強いられる等不運に見舞われている。

  • スティンガー
阪神3歳牝馬ステークスを征したフジサワ(藤沢)厩舎の看板(?)牝馬で、自他共に認めるしたたかな強気な悪女系女子。
だが一方で厩舎の仲間シンボリインディの他界後ひっそり弔い酒や自分の勝ち杯を捧げ、同僚の騙馬マグナーテンとも交配不可能な現実を双方理解しつつもちょっとイイ感じになり、引退後アメリカで初妊娠中の際彼の引退を知り電話を交わしていた。
その後弟アーバニティが姉の重圧等に苦しんだり(2009秋『急がば回れ?』)、産駒サトノギャラントがまったく似てない半弟キングズオブザサンと遭遇したショックで詰問電話をかけてきても女の格で受け流している(2014秋『本当の兄弟?』)。

  • ウォーエンブレム
サンデー系牝馬との交配役として社台グループに鳴り物入りで輸入されるも特殊性癖による種付け数不振で盛大に失敗し、一応治療で多少選り好み癖は改善したものの結局社台に大打撃を与えたまま帰って行ったサンデーサイレンスに瓜二つのアメリカ2冠馬。
本作でも商社シリーズで日静の後継者として期待を寄せられていた他、娘エアパスカル(母:黒鹿毛)とブラックエンブレム(母:青毛)の物語では北味財閥を継いだ華族の「おもうさま」となっているが、本人は基本的にマイペースでやる気が無く周囲を困らせている。
一方で性癖の方は変な方向に過剰表現される事なく、「小柄な栗毛の馬が好き」程度に抑えられている(?)。つまりミニコン
ちなみに作者は彼の「性癖の幅がやたら狭いが、産駒の成績はいい」という性質から、「愛あるケッコンで生まれた馬は走る」説を唱えていた。


2000年代にデビューした競走馬

てへべろっぽく舌を出したり派手にいなないたりと子供っぽい所が目立つトニービン産駒。
だがダービー参加前戦友達が次々故障に沈んでいき、彼らやスタッフが同じフジキセキの思いを背負い、外国産馬クラシック参戦が部分解禁された2001年に外国産のクロフネを置き去りにしてダービーを勝利。予後不良で逝った友タガノテイオーに捧げる様に高くいなないた。
またその勢いでクロフネに続く様に新世代の代表としてジャパンカップに勝利したが、打ち負かしたナリタトップロード(3着)・ステイゴールド(4着)らブロコレ倶楽部の様子には呆れていたり。
そして引退後、かつての自分の様に子供っぽいブレイクランアウトにトーセンジョーダンら自分の産駒達そっちのけで指導をしている(2009春『重なる影』)。

外国産馬のダービー参戦が解禁された2001年、「ペリーの黒船」の如くなるため投入された芦毛のNHKマイルカップ馬。
結果的には挑戦は出来てもクラシック突破は叶わず、おまけに前年から枠数限定で解禁された外国産馬の天皇賞(秋)参戦の夢も(メイショウドトウの他)突如参戦決定したアグネスデジタルが掻っ攫うも、
それを埋め合わせる様に参加した武蔵野ステークスとジャパンカップダートの勝利で「才能の幅(芝だけでなくダートもいける)」を見せ、翌年故障により早期引退を余儀なくされるも、
別れの餞別の様に8歳牝馬として初の重賞勝利をあげた同じ厩舎の牝馬ブロードアピールの姿に礼を思い、その後種牡馬として活躍した。
ちなみに毛並みの都合上黒なのに灰色っぽく、没後『馬なり1ハロン!NEO』第103Rで同じ外国産馬シュネルマイスターの前に現れた際は晩年の姿のため娘ユキチャンやソダシに似た白馬と化していた。

シンボリ牧場久々のエースであり、有馬記念・天皇賞(秋)2連覇を果たした外国産馬。
日本ダービーで自分に勝ったタニノギムレットに対しては「馬車馬か?(意訳)」と揶揄したり、彼が引退した際はお涙頂戴はゴメンと感じつつも感傷を抱いたが、引退後はシンボリの先輩シンボリルドルフへの尊敬から自ら彼の馬車馬になる忠誠心を披露している。
ルドルフの方はクリスエスがシンボリ牧場よりシャダイSSを選んだ事にがっかりしていたが。

  • メイショウカイドウ
小倉競馬場ではめっぽう強く、調教師を「小倉でならナリタブライアンにも勝てる」と言わしめ、引退後も誘導馬・乗馬として長らく小倉のため働き続けた小倉愛の塊な名物馬。タケユタカ騎乗馬でもある。
暇な時は小倉に捧げる様に祭太鼓を叩くのが日課で、後輩達へも太鼓を指導。引退後小倉記念で一番人気の馬を太鼓で応援…するのはいいが、騒音公害のせいでなぜか推し馬は悉く敗れてしまい、
2018秋『後は任せた』で小倉から去る際ようやく後輩からの指摘で気づいたが、最後に自ら太鼓セッションを依頼してきたトリオンフが無事勝ったのを見届けて太鼓を置き土産に去って行った。

  • ブリッシュラック(牛精福星)
マイルを得意とし、日本馬と度々対戦し2006年安田記念をも制した香港馬(騙馬)。
最初は香港のスプリント最強馬サイレントウィットネス(騙馬)の同僚として現れ、普通に気さくで安田記念時日本馬達と再会を祝していたのだが、タマがないせいで2007年・2008年の安田記念時オネエ化した。2018年新年会編の2006年G1馬集合絵では普通姿に戻ったが。

  • エリモハリアー
函館ではめっぽう強く、騙馬として初めて天皇賞(秋)にも参戦。引退後も函館競馬場の乗馬・誘導馬として活躍した函館巧者。
しかしデビュー前にタマを取られた騙馬なせいで、本作ではそれ以上に苦境に陥ると何故か調子が良くなる謎の特性を持つドM苦境マニアとして描かれている。

  • オリエンタルアート
ステイゴールド産駒初のG1馬ドリームジャーニーの母親にして、あのディープインパクトを3回袖にし*35、3冠馬オルフェーヴルを一発でもうけた事で知られるステイゴールドの「正妻」。
そもそも注目されるようになったのがオルフェーヴルの活躍後と非常に遅かった事もあって出番自体はかなり少ないものの、ステイゴールドとはラブラブのバカップルで、彼が亡くなった際は連れ戻すために天国に向かったものの失敗し、その後自らも天国に残る道を選んだ(2015春巻末漫画)。
またステイゴールドが死ぬ直前に付けた相手であるエレインには対抗心を抱かれていたが、最後の仔(後のハルノナゴリ)を育てた彼女を応援する正妻の貫禄を見せつけた(2016秋『最後の仔』)。
ちなみに本作のカップルとしてはわりと珍しい引退後のエピソードが元ネタになった組み合わせだったりする。

  • サーガノヴェル
牡並みの気性難で知られたお転婆娘。
現役中は専ら周囲に失言を振り撒く超ハイテンションKYキャラで売っていたが、
現役末期に名前ネタで作家キャラに転向、以後は英雄譚シリーズの作者として度々名前が登場するようになる。

  • スティルインラブ
SS産駒末期の仔で、エアグルーヴの娘アドマイヤグルーヴを下して史上2頭目の牝馬3冠を達成するも、それで運を使い切ったように(一説にはグルーヴから移った一番人気のプレッシャーのせいで)勝てなくなった不運な馬。
奇しくも3冠達成前にマックスビューティ・ベガ(共に牝馬2冠馬)から「3冠達成なんてしたら女の運を使い切るよ?2つで止めておけば繁殖として大成出来るよ?(意訳)」と悪魔の囁きを受けていたが、
皮肉にもリアルではその言葉が的中し第1子出産後に他界。本作でも21巻「したたかに」で低迷を乗り越えようと特訓していた時アドマイヤグルーヴに励まされるも、23巻の宝塚記念編後出番が無くなり、
その後は歴代牝馬3冠勢ぞろい時にとりあえずいるだけと気の毒な事になってしまった…。

エガオヲミセテの全弟で、姉と同じメンコで活躍した珍名馬。
怪電話を切っ掛けに姉の先輩ユーセイトップランやブロコレ倶楽部と遭遇し、イマイチさから倶楽部に勧誘されながらもトップランに守られ、
2006年高松宮記念挑戦時死んだ姉をダシに使うなと釘を刺されつつトップランと(彼自身はステイヤーなため)彼が紹介した引退スプリント馬達に応援されG1馬に。
引退後は娘ハナズゴールの勝利に歓び、直後珍名なネコパンチやカレンチャンの元を訪れ「珍名馬の時代」を夢見ていた。

NHKマイルカップと日本ダービーの変則2冠を達成し、その無茶で早期引退した後も非SS系種牡馬筆頭として活躍した名馬。
作中では先輩タニノギムレットとクロフネが「実は替え玉してました(意訳)」とか騎手に対してボケるのにツッコミを入れていたが、本馬もその後ダノンシャンティの際変則2冠の後輩ディープスカイと似たようなボケをかましていた。
父親としては娘アパパネに同名の鳥を託す等親バカの気があり、任侠編では彼の血族は「金亀組」・最終回の商社編では「大王商事」と呼ばれていた。
またディープインパクトは種牡馬としてのライバルに当たるが、同時に馬主が同じなため『2016春』「オーナーのために」ではオーナーの持ち馬が「八大競争」で唯一未達成だった天皇賞(秋)制覇を産駒の一頭ラブリーデイに共に託していた。

出遅れが頻発し、ゲート入りや調教を拒む程の気性難を抱えたリアルじゃじゃ馬女子。
かなり気が強くわがままだが、現役末期に引退直前の先輩ファストタテヤマに諭され、引退レース時には少し心を入れ替えた。
また2005年宝塚記念時(23巻『隠れた才能』)はレースの様子が「演劇オーディション」に擬えられた世界で、「スイープ(箒)」だけに箒使いが巧みな掃除婦として勝利を掻っ攫い、以降持ちキャラとなった。

競走馬としては遅咲きだったものの日本競馬史上唯一頭「ディープインパクトを倒した馬」として歴史に名を刻み、引退後も種牡馬としてジャイアントキリング系馬を多く輩出するSS産駒。
作中では最初ディープを倒した事で受ける圧力に悩んでいたが、同じ様に3冠馬2頭を倒したカツラギエースの霊から励まされ、以降はむしろ空気が読めない事を売りにするようになった。
また、歴代三冠馬のライバルを集めたなんでもアリ馬記念2012では同世代及び対戦回数優先だったためディープのライバルに換算されておらず*36、結局レース中に自分から名乗りを上げて参戦する形になった。
なお作中での共演こそ無かったが、8巻『なんでも来い!』に登場したアイリッシュダンスは彼の母馬だったり。

史上2頭目の無敗3冠を達成した6代目3冠馬にして、種牡馬として第2のSSじみた存在と化した「英雄」。
現役時代は「真面目な優等生」くらいの属性であまりキャラが立たなかったが、引退後の活躍により父サンデーサイレンスの後継筆頭の自任と誇りを抱く親バカ父親というポジションに落ち着いた。
その自負が過ぎるため2017年の『なんでもアリま記念』では有馬記念に自身の仔が一頭しかいない不甲斐なさに怒り*37、「ディープインパクト産駒だけアリま記念」という名の説教大会を開催。
最終回でもメインとなり、数か月後その命を奪うきっかけとなる首の痛みを抱えながら、他の日静グループ会社やキングカメハメハ系と対しリーディングサイアー首位維持のため奮闘していた。
そして力尽きた後『馬なりde SHOW』第11回公演でやり切った感を抱き昇天したが、待っていたのは(天国に)来るのが早すぎた事に怒るルドルフら3冠先輩一同というオチが付いた。
作中数少ない人間レベルまで擬人化した姿が描かれた馬だが、その小柄な馬体と性格・強さから「スポーツ万能なショタっ子」を妄想されながら、牝馬に人気が無い事から「ガリ勉おチビ」という二つのイメージが描かれた。
また彼のデビュー前に上映された同名映画の影響から、その威風のシンボルとして小惑星が多用されており、『名前を書いて』(2017春)では自分の名前の漢字として「小惑星地球に激突」としたためた。

アニメ由来の個性的な名前を持ちつつ、G1・阪神JFなど重賞でも活躍した牝馬。
本作ではその名前からコスプレイヤーとして活躍し、親から引退を進められ一回オペラオーとお見合いした際も「正直な自分」としてコスプレを披露して彼から「待っててあげる!(意訳)」とコス未練を肯定された事で出戻り、
海外のオタク女子等ともコスをするに至るが、現役末期には現プリキュアコスの難易度や後輩達の微妙なコスからコス卒業と引退を決めた。

  • メイショウサムソン
クラシック2冠を達成したG14勝馬。愛称は「サム君」。
2冠前たまたま「パス君」ことドリームパスポートと対戦し「パスポート」を貰っていたことから、彼と(微妙に打算こみで)友情を築くと共に彼との対戦(パスポート)にこだわる様になったが、
成長していくにつれ自分で自信をつけていき、それに頼らない強さを手に入れた。
だがそのせいで現役後半ではパス君と縁遠くなり、パス君が寂しそうにしていた。

  • アドマイヤムーン
ドバイデューティーフリー等で勝利し、現役末期にドバイの馬産ダーレージャパンに40億で買い取られそのままダーレーで種牡馬入りしたエリート馬。
本作では同期サクラメガワンダー・等との学生・社会人編に登場し、ラストランのジャパンカップでは周囲からの「40億」という暗い声に囲まれながら勝利。
一方でドバイとジャパンカップの間の宝塚記念ではドバイの月を思い出しながら、メイショウサムソンやウオッカが仲良くしている様子に「ダービーに負けた」コンプレックスをも刺激され彼らを倒した。
だが長らく種牡馬としての代表産駒が回転大好きお笑い馬ハクサンムーンだったため、期待の息子セイウンコウセイへとG1とドバイの夢を託している(2017春『いつかドバイへ』)。

牝馬として3頭目にして父タニノギムレットと同じダービー馬となり、G17勝をも達成した「女傑」。
作中ではダービーは名前にちなんで「バーテンダーコンテスト」として、天皇賞ではあの馬と完全に二人の世界が描かれ、7勝達成時には7勝の先輩シンボリルドルフが乗りクリスエスが曳く馬車でエスコートされている。
またダイワスカーレット(桜花賞・秋華賞)・ピンクカメオ(NHKマイルカップ)・ウオッカの相次ぐ偉業に並ぶためスプリンターズステークスを勝った同期アストンマーチャン、
ウオッカに一目会いたいがあまりヴィクトリアマイルで勝っちゃったエイジアンウインズ等周りへ様々な影響を与える存在でもあった。
なおその横で彼女に勝つためその姿を意識し続けたスーパーホーネットが、彼女に勝つもそれから牝馬に壊滅的に弱くなってしまったのは別の話。
引退前同厩舎の後輩に別れを告げて日本を去り、遠征先のドバイからそのまま繁殖先のアイルランドへと旅立ち以降殆ど出番がなくなるが、最終巻の「ジンクス回避」にて娘タニノミッションが登場している。

  • ディープスカイ
アグネスタキオン産駒で父の毛色を受け継ぎながら、ディープインパクトと名前が似てるせいか「人呼んでディープの後継者」を自称するチャラ男そのノリはオグリキャップの後継者じゃねーのとも
ノリは軽めだが勝負には真剣で、キングカメハメハ以来2例目の変則2冠達成のためライバル候補の同僚の鬱憤を利用し、先人からの貴重な情報も得る事でダービー制覇。ついでに「蹄で顔面アタック」なんて技も覚えた。
だが天皇賞(秋)では歴戦の猛者達の中ウオッカVSダイワスカーレットの一騎打ちの勢いに呑まれ3着で終了し、その後は負けが嵩むように。
一端はブロコレ倶楽部へ誘われたものの「俺を会長にするなら」「昨今いい子ばかりなG1馬で今時希少なお笑い馬として単身頑張ってきた」とか生意気言っている内に、故障と他界した父の後継要請双方によって引退した。

  • オウケンブルースリ
ディープスカイが天皇賞挑戦のため回避した菊花賞を征した、顔の流星以外はディープスカイそっくりなジャングルポケット産駒。
リアルでの名前の由来が「ブルース・リー」のためリーコスとヌンチャクがトレードマークの拳法馬となっており、菊花賞では観戦に来たアントニオ●木と勝利の雄叫びを上げた。
菊花賞前の神戸新聞杯で自分に勝ったディープスカイとの決着を望むも、自身の長期休養と相手の引退により叶わなかった。
ちなみに、後年自身の産駒オウケンムーンがブルースリの厩舎での後輩にして格闘属性継承者アクションスターと邂逅した。(2018春『Don't thknk Feel』)

  • ブエナビスタ
スペシャルウィークとビワハイジの仔で、母子2代の阪神JF制覇や牝馬2冠にジャパンカップ制覇と活躍した強豪馬。
本作では母の早とちりにすぐ訂正を入れフォローし、早期引退を決めたディープスカイを問いただしにいく出来た女の子だが、2010年の低迷で一時はブロコレ倶楽部入りを考えるほど思いつめる様に。
だが自分の同期でブエナビスタの存在から倶楽部入りしたレッドディザイアからそれとなく足止めされ、2011年ジャパンカップでの勝利で倶楽部入りを取りやめている。
ちなみに本作では2010年ジャパンカップでの進路妨害による降着は、レースと同日久しぶりに気合を入れて観客の前に登場したシンボリルドルフの雄姿を探していたせいなんて理由付けがされている。

  • スクリーンヒーロー
どこか父に似たグラスワンダー産駒。
作中では祖母ダイナアクトレスから勝ちを期待されるもどうやって「ヒーロー」になれるのかと困惑した際、久しぶりにお目見えしたオグリキャップとの遭遇でやる気を貰い初重賞勝利し、
直後2008年ジャパンカップ時主役になる自信がないからと脚本を考えるも、オカベさんから「君がやれよ」と言われ見事勝利を飾った。
その後『2016秋』でモーリス・ゴールドアクターと次世代を担うスターの親たる有名ベテラン俳優というキャラを確立させ『NEO』にも引き継がれるが、そのせいで地方の川崎競馬場出身の息子トラストと邂逅した際、「隠し子発覚?」と動揺する羽目に。

  • アパパネ
ハワイに住む「赤い鳥」から名付けられ、オークスでサンテミリオンとのG1史上初の同着勝利を経て3代目牝馬3冠となったキングカメハメハの愛娘。トレードマークはシャドーロール。
父の元から飛んできた同名の鳥に世話されており、後にジェンティルドンナが3冠に挑む際彼女のもとへアパパネ(鳥)を派遣している。
引退後は馬主が同じなディープインパクトと結ばれモクレレ・ジナンボー・ラインベック・アカイトリノムスメを授かり、『馬なり1ハロン!NEO』第126Rでは娘の秋華賞前に放牧中の息子達を招集していた。
がそのせいで、父がアパパネ(鳥)を通じて娘への祝として産駒に激を飛ばして実現させたキンカメ産駒全国での勝利により、ディープ産駒が勝てなかったのにむつけていた。(2015春『父の快挙』)
ちなみに『父の快挙』では他界した全弟ウラレナへの父娘の想いも綴られ、『2018秋』「偉大な父」ではフリーズしたオルフェーヴルの仔エポカドーロを助けた誘導馬として半弟シュガーヒルも登場している。

  • カレンチャン
スプリントではめっぽう強く、牝馬では3例目の中央スプリントG1(スプリンターズステークス・高松宮記念)制覇を成し遂げたクロフネ産駒。
強気な言動が目立つが、亡き半兄スプリングソングと縁があったパドトロワからは「一緒にパドドゥを踊りたい」と思われ、スプリント繋がりでスリープレスナイト、「珍名」っぽい響き繋がりでオレハマッテルゼ、遠征に来たオネエ系香港馬達、と色々な馬と邂逅している。
また引退前同じ厩舎のロードカナロアと香港スプリントで対した後、カナロアとワンナイトラブしたっぽい描写があり(2013春『キャラが変わってる』)、
最初の仔作り相手こそカナロアではなかったものの、リアルでは後に彼との仔「カレンモエ」を出産している。


2010年代にデビューした競走馬

2011年に解散したメジロ牧場の血・祖父SSや父ステイゴールドの血・自身のダービー後に引退した兄ドリームジャーニーの想い・そして祖父2頭の友情の誓いを仔に託した母の想いと数多の絆を背負い*38、7代目3冠馬となったちょいと軽めだが出来る栗毛馬。
…が、リアルで「金色の暴君」と言われ騎手を2度も振り落とす程やんちゃなせいで、(父も似たようなもんなので庇ってはくれたが)盛大にやらかすおっぺけ系扱いされるようになり、その陰でウインバリアシオンはどんよりしていたが。
凱旋門賞・ジャパンカップの敗戦回では、レディファーストがあぷれぶー?とか変な方向に行ったせいで牝馬に負け「女に頭が上がらない」というのも抱え、カッコよさを増していく同期ロードカナロアとわが身を比べ「変わりたい」とまで感じてしまうことに…。
引退時の『2014春』では新年会を自分主催の「感謝の会」に変更して自分に勝った馬達をもてなし、同巻「エース宣言」では同厩のオーシャンブルーに元僚馬アルジェンタム(母母ヒシアマゾン)から有馬前に届いた最期の手紙を明かし、彼に次代の厩舎代表を託した。
引退後は自分の扱いについては開き直ったらしく、息子のエポカドーロが地下馬道で硬直して誘導馬に付き添われながらパドック入りする騒動を起こした際は「おっぺけ系の片鱗を見せてもらった」と喜んでいた。
また『馬なり1ハロン!NEO』第46RではJRA史上最も小さい競走馬な娘メロディーレーンと会話し、作中では触れられないが『NEO』でブロコレ倶楽部入りしたエリザベス女王杯馬ラッキーライラックも彼の産駒である。

  • ウインバリアシオン
GⅠ2着4回、うちオルフェーヴルに負けたのが3回とオルフェーヴルに煮え湯を飲まされ続けたシルバーコレクター。
やっぱりというか「目の上のたんこぶ」であるオルフェーヴルに対して複雑な感情を抱いており、あまりに希望が見えない状況に一周回って無気力になる一方で、オルフェーヴルがスランプに陥った時には「負け続けた自分の立場がない」という理由でオルフェーヴルを激励した。

キングカメハメハの代表産駒にして、日本・香港でスプリントレースを蹂躙した「龍王」。
新米時代はちょっと押しが弱かったが、遠征香港馬からの後押しや先輩カレンチャンとの香港でのひと時(意味深)で一皮むけ成長。ぐるぐる回るハクサンムーン等と競り合っていった。
しかし引退後周囲から色々と交配候補をあげられ喜ぶも、肝心のカレンチャンは既にこの年の交配相手がいたためマジへこみした。

母父メジロマックイーンの「芦毛」を継承し、皐月賞を皮切りにG16賞を達成したステイゴールド産駒の「不沈艦」。
同じ厩舎のジャスタウェイと仲が良いが、彼を「銀魂」から脱却させるためにアレな行動をとっており、彼がドバイ遠征後世界レーティング1位になった際はその出世様子から微妙な感じに。
だがリアルで妙に賢くて奇行癖が激しい事が周知されたせいで、芦毛の特性として白っぽくなりメンコも装備するようになった現役ラスト1年はレース前バカ踊りし周りに恐れられる珍獣化。引退式でも目立ちまくった。
また2015秋『目指すは一族制覇』では妹「ポイントフラッグの2014」(後のフラワーシップ)・母ポイントフラッグ(その前の16巻『素直に』で名前のみ登場)・弟(後のゴールドフラッグ)が登場している。

姉ドナウブルーに後押しされ、アパパネの所から飛んできた有能なお手つだいさんの協力も得て4代目牝馬3冠となったディープ産駒最強の牝馬。
一方でジャスタウェイに吹っ飛ばされる(2013年天皇賞(秋))、ユーチューバー系馬スピルバーグからイスラポニータとのペア動画を演出されてたらスピルバーグに先着される(2014年天皇賞(秋))など変なトラブルや茶々入れにあうこともあったり。

  • ヴィルシーナ
尻尾のない母馬ハルーワスウィートから生まれ、母を気に入った馬主「大魔神」(ササキ様こと佐々木主浩)にその後の弟妹共々買われたディープ産駒。
だが同期のジェンティルドンナを前に悉く2着となり、オークスの頃はまだ勝負と私生活を分けて彼女と友情を保てたものの、「銀なんて聞きたくない」と鬱憤は積み重なっていき、
似たような立場だったメイショウドトウに誘われブロコレ倶楽部入りするが、ジェンティルドンナに勝てないつらさからついに「ジェンティルドンナに勝つまで笑えない」と大魔神の如き厳めしい顔をするように
流石に笑えなくなった事は後で後悔し、ある時見た妙な夢と起きた後ドンナが見せた変な姿には少し笑え、ヴィクトリアマイル連覇を達成したものの、
やっと彼女の順位を上回った2014年宝塚記念(勝者ゴールドシップ)では自分が優勝したかった上ジェンティルドンナの様子があまりに不甲斐なく(9着)逆に怒りが増し、結局完全に笑顔を取り戻すことは叶わなかった。
なお引退後自分そっくりのメンコを付けた妹ヴィブロスがライバルを作ろうとして失敗した様子に、「ライバルは『作る』もんじゃない」と自身の経験から諭し、
息子ブラヴァスがデビューし好スタートを切った頃には無事笑顔を取り戻している。
また直接の絡みはないが、作中には他に2017年ジャパンカップを制した母そっくりの半弟シュヴァルグランも登場している。

名前からネタを背負ってしまったハーツクライ期待の産駒。
妙に2着が多かったが、ある時(2013春『続・競馬ってチョロイ?』)同じレースにいた(競馬をなめたキャラ属性持ちの)カレンブラックヒルの手で円筒を着せられ爆弾として投擲され
その後天皇賞(秋)時ゴールドシップによって再び円筒(パワードスーツ)を着せられジェンティルドンナを撃破し、ドバイ遠征時もゴールドシップの手でドバイまで飛ばされるが、
そこでジェンティルドンナから強烈な叱咤を受け完全覚醒しドバイデューティーフリーを制覇。以降は「銀魂(ぎんだましい)」を脱却し「金魂(キンダマ)」をゴールドシップに誓った。

  • ホッコータルマエ
ダートを主戦場として各地を駆け巡り、G1・Jpn1総計で10勝を達成したキングカメハメハ産駒。
最初は勝ちきれず一歳上のアドマイヤラクティと同時期にブロコレ倶楽部へと勧誘され、それを機に重賞勝利した事で揃って加入。ダートとブロコレ両方の先輩ワンダーアキュートと行動する事が多い。
作中ではペルシャザールやコパノリッキー等強敵に押され2着が強調されがちなものの、ドバイでジャスタウェイの爆発に巻き込まれたりしながらこつこつ頑張り、9勝後足踏みするも何とか新記録を達成。
そして引退が怪我で予定より前倒しになった時、現役馬の倶楽部会員が殆どいなくなっていた事から新規会員を複数勧誘した。

風水に長けた「Dr.コパ」(小林祥晃)の持ち馬にして(他の持ち馬はラブミーチャン等)、ホッコータルマエを超えるG1・Jpn1総計11勝を成し遂げたダートの猛者。
オーナーと同じく風水の達人で、常に風水を重視して周囲をコーディネートすることで運気を上昇させている。

曾祖母ダイナカールから4代続く由緒正しいG1ホース。
当初は皐月賞で初めて1番人気から滑り落ちた事で腐っていたが、スイープトウショウにワッカを飛ばされたのいい事にドゥラメンテそっちのけで下界観光楽しんでた母(アドマイヤグルーヴ)と祖母(エアグルーヴ)を引き連れたダイナカールに、
これまでの人気は「曾祖母と祖母と母の合計21光」に過ぎない事を突き付けられて覚醒する。
その後牝系の威光に頼らず自らの力で光り輝く道を模索するうちに「次走のダービーでやれるだけの事を全部やっちゃう」という結論に至り、「20年間勝ち馬が出ていない7枠14番から圧倒的1番人気でレースレコードを更新して勝ち、歴代の未年の皐月賞馬と同じく2冠を達成しつつこれまで牝系ばかり話題になって影が薄かった父キングカメハメハ産駒初のダービー馬になる」という途轍もない偉業を成し遂げた。
だがその直後故障で長期休養を強いられ菊花賞を断念、不安を抱きながらの復帰を戦友達の存在で励まされ再起するも、任侠編(宝塚記念)で「襟座のお鞠」ことマリアライトに敗れた後再び故障で蹄が利かなくなり、黒(キタサンブラック)に別れを告げ引退。
そしてリアルでの他界後に描かれた『馬なり1ハロン!NEO』第122R・第127Rでは、彼の遺児「録」(タイトルホルダー)が黒およびお鞠に師事する話が描かれた。
ちなみに過去の「未年の皐月賞馬」トウカイテイオーとネオユニヴァースも2冠で終了してしまっており(テイオーはドゥラメンテと同じレース後の故障・ネオは菊花賞敗退)、嫌なジンクスも引き継いでしまったのかも知れない…。

北島三郎(正式には北島の個人事務所)の持ち馬であり、最終的にルドルフ・オペラオー・ディープ・ウオッカ・ドンナに並ぶG17勝を達成した菊花賞馬。ちなみに父ブラックタイド(ディープインパクトの兄)も20巻で1回だけ主役回があったり。
作中では主に任侠編で「黒潮組」の「黒」として活躍しており、「鋼」との義兄弟関係や金亀組の「荒」との競り合い、彼の引退を超えながらの有馬での締めの舞台までの軌跡が描かれた。
また引退後現役時代縁が無かった馬主ゆかりの地函館とそこで開催される「キタサンブラック展」を訪問したが(2018秋『函館の牝馬』)、そこでちょっとした下ネタオチ要員になっていた。

  • リアルスティール
キタサンブラックと同期でかつ従兄弟でもあるディープ産駒。
任侠編では「黒」の盟友たる「深衝組」の「鋼」として黒と関わるも、リアルでキタサンブラックとすれ違う事が増えたためが緊張感溢れる部分もあり、最終的に彼の最後の勝負を見届けた。
一方微妙にイマイチな面もあるため、シリーズを跨いで参上した樽前(ホッコータルマエ)から「武路是組」に誘われお断りした事もあった。樽前は任侠編的には金亀組なのだが。
…しかし『馬なり1ハロン!NEO』第3Rでは、自分のシャトル種牡馬としての価値を上げるため妹ラヴズオンリーユーを応援するというかなり計算高い面を見せた。

  • リスグラシュー
勝ちきれない日々を乗り越え、ラスト一年で覚醒し有馬記念で有終の美を飾ったハーツクライ産駒。
作中ではブロコレ倶楽部に入りそうで入らないクインズミラーグロの誘いで倶楽部入りし、先輩ヴィルシーナの叱咤でエリザベス女王杯を制覇。
『馬なり』では金鯱杯2着でブロコレ倶楽部らしい終了となったが、『NEO』「わたしらしく」では有馬へのアーモンドアイ参戦にシルコレ魂を刺激されつつも後輩のブロコレ魂を見たせいか無事『馬なりde SHOW』でアーモンドアイの不甲斐なさにキレて大喧嘩オチとなるも勝利した。

  • ブラストワンピース
史上2頭目の種牡馬・繁殖牝馬になれなかった有馬記念勝ち馬*39となってしまった悲運の馬。
ワンピースだけにゴムゴムの実の能力者であり、おせち用やツッコミ用・ブースト用に実の実物も携帯。特技は鼻を伸ばしてゴールに突っ込む「ゴムゴムの鼻」。
特に第55回札幌記念回である『NEO』第16R「夢は終わらねェ!」は、登場するコマの大部分が某海賊漫画パロディとなっている。
そして引退直後の『NEO』第138R『キング・オブ…』ではかつて自身も制したAJCC直前に現れ、負けが嵩み負けに慣れ覇気を無くしたキングオブコージを叱咤している。

余談だがリアル競走馬の中には母「エアワンピース」の「エアロロノア」なんてより直球な名前のもいるが、そっちの方は重賞未勝利なせいか、今の所『NEO』第167R冒頭に一コマのみ特にネタもなく顔を見せるに留まっている。

  • アーモンドアイ
ロードカナロアとSS産駒のカワカミプリンセスの斜行降着によるエリザベス女王杯馬フサイチパンドラの間に産まれた5代目牝馬3冠馬。黒メンコにシャドーロール、鼻上の幽かな流星がチャームポイント。
母の最期のメッセージ「シンザン記念を勝った馬は名牝になる」(シーキングザパール等)を受け取り覇道を歩みだし、関西のラッキーライラック等同期を下し世代最強となり
憧れから望んだ凱旋門賞の最強牝馬エネイブルとの対戦こそ陣営の判断から叶わなかったが、『NEO』では香港遠征の熱発による断念・2019年有馬記念での惨敗・新型コロナによるドバイ戦の中止等数々の壁を乗り越え、ついにルドルフ越えのG18勝を達成
そして後輩の無敗3冠馬コントレイル・デアリングタクトを下したラストランG19勝を記録し引退。その後デアリングタクトの父エピファネイアとの間に仔を授かった。

  • グランアレグリア
桜花賞から始まりマイル・短距離G1計6勝、史上初の中央マイル古馬G1完全制覇を成し遂げたフジサワ厩舎最後期のエース牝馬。
『馬なり1ハロン劇場』は彼女が父ディープインパクトに桜花賞獲りを報告する場面で幕を閉じ、その後NHKマイルカップに参戦する場面から『馬なり1ハロン!NEO』は始まる事になる。
そんなマイルカップでは勝者アドマイヤマーズに刹那想いを寄せるも彼が戦友(牡)との熱い絆(愛)に燃える姿にドン引きし、続く古馬戦線では新型コロナによる無観客・入場規制により「大歓声(グランアレグリア)」が響かない現状に度々いら立つも、
2020年安田記念でアーモンドアイを撃破し*40アイ引退後『馬なりde SHOW』で最強女王宣言したらグランプリ女王クロノジェネシスに批難されたがラテンな短距離女王としてターフを駈けた。

  • カフェファラオ
『馬なり1ハロン!NEO』からの新キャラで、アメリカ3冠馬の父から高い資質と名前のスペルミスを受け継いでしまったフェブラリーステークス連覇馬。
ファラオだけにツタンカーメンのコスプレをしているエジプトキャラ。マスコットはメジェド様。
父親の名前の読み方がスペルミス(American Pharoah)のせいでなかなか安定しないのを気にしており、統一見解を出させるためにダート王として名を上げようとし、ダートの先輩ワイドファラオ(注:親族にファラオと付く馬は存在しません)も意識していた。
また戦績の殆どが東京ダートのマイルと中距離に特化しており(一応中距離までなら中京のシリウスSと盛岡のマイルチャンピオンシップ南部杯も勝利してはいる)、『馬なり de SHOW』の2022年フェブラリーステークス回では東京砂漠(ダート)での栄光に涙を流していた。
その前になぜかシリウスSと距離同じとは言え芝の函館記念に出走させられ、その後書かれてない部分で距離と馬場だけはフェブラリーSと同じな安田記念も走らされどっちも撃沈していたのは別の話。



競馬関係者・実在人物

本作では人間サイドのキャラは作者を除いてカタカナ表記とされている*41デムーロやルメール等海外出身組はそんな変わらないのはご愛敬

  • タケユタカ(武豊)
元ダービージョッキーな調教師の父を持ち、父の名声を超える様にスーパークリークとの相思相愛関係から栄光への道を歩みだし、数々の記録を樹立した関西出身の競馬業界のレジェンド(現日本騎手クラブ会長)。作中では弟(武幸四郎)も登場している。
本作ではスペシャルウィークとのダービー制覇、ディープインパクトとの覇道、低迷からのサダムパテック・キズナとの復活と、折りにふれ彼の軌跡が描かれ、最終巻直前の『2018秋』表紙では4000勝記念で歴代騎乗馬*42に囲まれていた。
また1巻「ユタカの記録」では自分が様々な記録を樹立するのを夢想していたが、リアルではその中の大半を叶えることになる(年間・トータル最多勝等)。
作者は実はデビュー前彼の同人誌を執筆しており、ある意味ではとても縁があると言える。
作中では何事もそつなくこなし人あたりがいいが、裏返すと「要領が良くあちこちを節操なくふらついている」とも言え、フリー騎手なので要請があれば色々な馬に乗るため、牝馬間ではユタカを巡って争いが起こるケースもあったり。
またオグリキャップとはスーパークリークの乗り手だったことから相性が悪く、一応最後には彼のラストランを飾ったものの、その後も微妙な関係である。
ちなみにリアルの武氏も本作の存在を知っており、連載1000回記念時お祝いのコメントを寄せている。

  • オカベユキオ(岡部幸雄)
60年代後半から現役を始め、シンボリルドルフとの覇道やオグリキャップの88年有馬記念、トウカイテイオー(1992年のみ)やビワハヤヒデ、タイキシャトル等数々の名馬に乗り、2005年に引退した関東の名騎手。
馬達に慕われているが、そのせいで3巻『オカベ症候群』では乗る馬(お手馬)が複数いる際選ばれなかった馬が今でいう「オカベロス」で不調になっていた。
本作は元々岡部騎手の名前を冠してスタートしたため、1巻での「(競争馬を指導する)オカベ先生」編等色々と厳しくも微笑ましい面が描かれ、引退時(22巻)には2回記念エピソードが発表された。

  • フトシさん(小島太)
サクラバクシンオー等サカイ(境)調教師の管理する「サクラ軍団」の主戦騎手として名を馳せ、引退後もマンハッタンカフェ等の調教師として活躍した名騎手。
本作ではサクラ軍団から慕われる気のいいおっさんとして描かれているが、引退直前サクラスピードオーが(フトシさん引退を思いとどまらせるため)気ままな走り方で勝った際は惜しむ通り越して流石に微妙な顔になっていた。
本作開始前サクラ軍団の馬主と喧嘩してサクラスターオーから降ろされていた事や、オレ流な騎乗スタイルでファンからも賛否両論だった事は気にしないでおこう。

  • マツナガミキオ(松永幹夫)
「ミッキー」の愛称で知られ、桜花賞での落鉄惜敗を超えオークスを勝った「裸足のシンデレラ」イソノルーブル等牝馬と相性がとても良い童顔騎手。
作中では牝達にモテモテで「王子様」的に見られているが、魅力だけではなく腕も確か。第一回秋華賞では腎臓を半切除する程の重傷からの復帰でファビラスラフインと勝ち、2005年天皇賞(秋)では中央競馬史上初の天覧競馬にてヘヴンリーロマンスと勝利を飾った。
だがその翌年ブルーショットガンで阪神カップを征し有終の美を飾り引退。調教師に転身し、かつて自分が乗った牡馬ダンスアジョイで初重賞勝利・期待の牝馬レッドディザイアで初G1勝利をマイ厩舎に掲げたその後ディザイアはブエナビスタに押されて某倶楽部入りしたけど

  • カワチヒロシ(河内洋)
メジロラモーヌや名マイル馬達の主戦騎手担当、1988年度のオグリキャップへの騎乗、アグネスレディー・アグネスフローラ・アグネスフライト&タキオン兄弟のアグネス一族親子3代クラシック制覇等で知られる関西の名騎手(現在は調教師)。
作中では典型的関西人顔&関西弁キャラだが、牝馬搭乗率が高めなことから15巻「バレエコンクール」では「バレエの指導者」役で登場している。

  • ヨコヤマノリヒロ(横山典弘)
メジロライアンの主戦騎手等を務め、タケユタカや柴田善臣騎手(作中では1巻等に登場)共々連載開始時から2021年現在まで現役を続けている数少ない存在でもある関東の有名騎手。愛称は「ノリさん」。
作中ではいつも笑ってるような顔で描かれており、困惑している時や説教する時もあまり表情が変わらなかったり。またゴールドシップの引退式(2016春「じゃない方競走馬」)時も主戦の一人として登場していた。

大事故で道半ばで引退した父の後を追うように競馬界に入り、エイシンチャンプとネオユニヴァースを図りにかけてチャンプを取るもダービーに敗れる等苦労の日々を乗り越え、コントレイルでクラシック競走完全制覇&三冠ジョッキーになったイケメン騎手。
作中では主に若手時代の彼が描かれ、知らぬ間にターフデビルに祟られたり逍遥馬道に愛馬と共に入るため馬コスをしたりしていた。

  • ツノダコウイチ(角田晃一)
牝馬を得意とし、「牝馬の角田」の異名を取った名騎手。
作中でも牝馬との絡みが多く、1巻「熟馬の魅力」ではサマンサトウショウとマロングラッセの熟馬コンビに振り回され、3巻「若者の恋」ではヌエボトウショウのボーイフレンド役を演じ、8巻「罪なオトコ」では牝馬達にプレイボーイ疑惑をかけられている。
また、体のデカさに定評のあるヒシアケボノの体重問題で度々頭を悩ませており、先述の「罪なオトコ」ではヒシアケボノの食べ過ぎを止めるために押し倒した光景をビワハイジに見られてしまい、記念すべき初勘違いの対象になってしまう一幕も。

  • オリビエ・ペリエ
1990年代後半~2000年代に度々日本で短期免許を取得し中央競馬に参戦、ウイングアローやシンボリクリスエス・ゼンノロブロイでG1をも勝ち取ったフランスの名騎手。
作中ではG1を取る前の12巻「永遠のエトランゼ」で日本との(ひと時の)別れの様子が描かれ、2001年版「なんでもアリま記念」では競馬業界を覆う暗雲*43を祓う助っ人として参戦した。
なお本作では語られなかったが、オルフェーヴルを最初に凱旋門賞で倒した牝馬ソレミアの乗り手は彼だったり。

  • アンカツさん(安藤勝己)
笠松時代のオグリキャップの相方であり、2000年代に中央へと移籍しキングカメハメハやダイワスカーレット等の主戦として活躍した名騎手。
作中ではクロフネ&タニノギムレット(キングカメハメハの日本ダービー時)・キングカメハメハ&ディープスカイ(ダノンシャンティのNHKマイルカップ後)と2回も「影武者ボケ」を披露されるという変な目にあっており、
引退時には記念回(2013春『想いを聞いて』)で主役となった。

  • フジサワ調教師(藤沢和雄)
タイキシャトル・シンボリクリスエス等数々の名馬を手掛けてきた関東の名調教師。
作中では所属馬達との絡みで複数登場しており、直接登場はしていないが『黄金の王』(2017秋)では自厩舎初のダービー馬レイデオロへと至る道筋がかつてダービーに敗れたロンドンボーイの霊主役で語られた。

  • よしだみほ
本作の作者で、鹿賀丈史と滝田栄ファンな演劇オタクにしてシンボリルドルフ・トウカイテイオー父子好きの競馬オタクな眼鏡女性。
腐女子の気があり、サンデーサイレンス×イージーゴアなんてライバルカップリングを妄想したこともあった。
基本巻末のおまけ漫画のみの登場だが、『ジェニュインは代用品』(第6巻収録)と2012年版の新年会(2012春収録)では本編に登場している。


本作オリジナルのキャラ

  • 誘導馬仮面
競馬や馬に関するマナーを守るため、不作法なファンの前に現れる白馬の仮面戦士。
他にも馬や競馬業界を襲う様々な困難についても怒りを露わにし、日夜馬の自由と幸福のために戦っている。
素顔は謎だが、ターフデビルは色が同じなせいか白毛馬のユキチャン(2008年秋『女誘導馬仮面参上!』)やハヤヤッコ・白くなった芦毛のスノードラゴン(2019年春『次世代への継承』)を彼と勘違いしていた。

  • ターフデビル
馬に「禍」を為し、勝ちそうな馬に不運を招く事を生きがいとする不可視の馬顔悪魔。
誘導馬仮面とはライバル関係だが、付き合いが長いせいか微妙に友情っぽいものも芽生えており、祟るにしろ競馬がないと仕事がないため競馬を守る面では少し共闘している。
また白鳥くんの前に「黒鳥」と名を偽り現れ彼を惑わしてもいる。

  • 佐々張ケンタ
作品初期に登場したスポーツ紙の若手競馬記者。トウカイテイオーの母トウカイナチュラル等に取材をしている。
ちなみに本作では名前がないのだが、後に作者の別作品『馬んざいコンビでGO!』(単行本『「馬ドラマ」超鑑賞術』収録)主役のその後と設定され(フルネームもそこから)、
2016年なんでもアリま記念が収録された『2017春』の解説で「雑誌記者ケンタ」として名前が逆輸入された。
なお『馬んざいコンビでGO!』では名字の読みが「ササバリ」だったせいで、馬の前で名字を言うと馬への痛い治療技術「笹針」を連想され逃げられていた。

  • 北味秘書
商社編で「北味」社長(ノーザンテースト)の側近を務める眼鏡背広馬。
「北味」が「日静」に吸収合併された後は北味社長の意向もあり「日静」秘書に転向するも、北味社長への敬愛も変わらぬためSS社長からはきつい目を向けられていたが、最終回でディープインパクトの秘書も務めていた。

  • なんでもアリま記念実況アナ
「なんでもアリま記念」を各回ごとに異なるゲスト解説者と共にお送りする眼鏡背広のアナウンサー。
色々とアレな状況でもノリノリで解説し、2008年版(2009春収録)では「牝馬限定戦」だからと女装も披露しているが、2011・2013年版ではオグリキャップに衣装を取られたりと痛い目にも合っている。

  • 新年会司会者
新年会編で司会を務める和装の馬。一応実況アナとは別人…多分(同一キャラ扱いされている時もある)。
ただ連載終盤では新年会後の風景がメインだったりして出番が減少している。

  • 鹿
逍遥馬道周辺に生息する野生の鹿。
何故かトウカイテイオーとミホノブルボンが追い付けないほど脚が速く、彼らの奇蹄目としてのプライドをズタズタにした。

  • 白鳥くん(白鳥さん)
ローエングリンが心の支えとして大切にしている白鳥のぬいぐるみ…だが、なぜか一時ヒシミラクルの所に預けられている途中から生きて動くように
ご主馬様が大好きで(ゆえに一時はあえて距離置いた方がいいのかもとも感じた時期も)、ローエングリン引退後アパパネ(鳥)の様子から奮起し彼にそっくりな産駒ゴットフリートを支援したその時勝ったのは似てない産駒ロゴタイプだったけど。(2013春『お役に立たねば』)

  • アパパネ(鳥)
馬のアパパネの名の由来になり、彼女を助けるためハワイからキングカメハメハに呼ばれ寒い季節を乗り越え彼女のお守役となった赤い鳥(オス)。
かいがいしく馬のアパパネに仕え、引退後一時ジェンティルドンナの元に派遣されてもよく尽くしたが、時々忠義が過ぎて暴走することもあったり。
最終巻『2019春』の「期待に応える!」では馬のアパパネの次男ジナンボーの世話をしていたが、「親が良くても所詮兄共々普通」とやる気が無いジナンボーに喝を入れるため3冠達成直前のアーモンドアイを見せ彼を奮起させた。

ゲーム版

1994年12月にPC-9801、1997年12月にセガサターンからゲーム版が発売(発売元:マイクロビジョン)。
カテゴリーはシミュレーションゲームで、様々な馬と騎手を組み合わせ日本各地のレースを征していく内容だったという。

余談

作中では「馬の外見年齢描写」の表し方が馬によって異なり、ルドルフ・テイオー親子やオグリキャップがテイオーが2011秋『若さのヒケツ』で作者の都合と言うくらい孫もいる歳になっても若々しく描かれる一方、
実際に長寿だったシンザンやセントライト、10代半ばまで現役だったミスタートウジン(12巻等に登場)やトウカイトリック(2014春・秋登場)、トリックに憧れたサイモントルナーレ(2015秋・2018春登場)等は長い馬生を強調するためか老け顔で描かれている。
が、なぜかダービー直後に3歳で夭折したトキノミノル(13巻『伝説の馬』)・空襲で行方不明となり死没年不明な1944年ダービー馬カイソウ(NEO第43R登場)も「上」から降臨した際老け顔だった。なぜだ。

作者公認のファンサイトとして『馬なり1ハロン牧場』があり、各種データベースを設置しているため本項目制作時も参考にしている。




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最終更新:2024年04月23日 18:23

*1 基本はG1優先だが、2013年には5月5日に開催された新潟大賞典がネタになったため、同日開催のマイネルホウオウが勝利したNHKマイルカップがスルーされるなんて珍しい事になった。

*2 ジャスタウェイ号の名前の由来は本当に銀魂のあれなのでちゃんとリアルの事情に沿っている。なんなら馬主の大和屋氏はアニメ銀魂のシリーズ構成担当者なのでガチの公式関係者だし。

*3 但しページ数が『劇場』の4ページから2ページに減少している。

*4 3巻掲載の「おまけのオグリ任侠編」(1990年有馬記念。オグリキャップ編での題は「オグリ任侠編」で、時系列的には1巻掲載話と同時期)もその一部と言える。

*5 2004年導入。2008年より全レースに拡大

*6 2位以内入着。

*7 作中では「一緒に成長する仲間が出来た事がプラスに働く」「肩の力が抜けて実力を発揮できるようになる」と解釈されている。最たる例がクラシック期に入会→古馬になったら1年間1回も負けず、作中でも「あまりに早まりすぎた」とネタにされたテイエムオペラオー号

*8 ウイニングチケット、メイショウドトウ、タイキシャトルなど。逆に体調を考慮するなどで去勢しなかった例もタニノギムレットほかが存在する

*9 『2009春』「壁」では芝・ダートJpn1問わずG1扱いされていたが、『2010春』で「G1砂の会」が結成された頃から少し分岐しだし、『馬なりミニハロン劇場』収録「VIP Party 2020」では歴代3冠・牝馬3冠、芝G17勝のオペラオー・ウオッカ・キタサンブラックが勢ぞろいする中ダートG1馬は登場しなかった。

*10 これでも昭和時代よりは有情となっており、かつてオグリキャップがクラシック未登録のせいで3冠に挑めなかったこと、さらに前走でオグリキャップにはっきりと劣るタイムを出したヤエノムテキが皐月賞を勝ったことによる「これでGⅠレースの価値があるのか」という点が世間で批判されたため現行の追加料金制となった。

*11 そのため連載後半になるまで12月のG1レース及びジャパンカップダート題材の回も少なく、2017年から12月最後のG1レースとなったホープフルステークス題材回に至っては2022年時点でも存在しない。また、扱われる場合は大抵年が明けてからになるため、新年会の後に前年のレース回が描かれる事になる

*12 この影響からか、1991年有馬記念馬ダイユウサクは7巻口絵のみの登場となっている。他の有馬記念馬は別な出走・勝ち鞍回でちゃんと出番があるのだが…。

*13 メジロパーマー編自体は4巻「主役は誰だ」(1993年阪神大賞典)と5巻「燃えつき症候群」(1994年日経新春杯)が存在するが、前者は「主役マックイーンと対を為す『代役(アンダースタディ)』パーマー」、後者は「マックイーンの引退で目標を見失ったパーマー」と、どちらもマックイーンのライバルとしての登場でヘリオスには触れられなかった。

*14 ちなみに種牡馬成績では(作中でもヒシミラクル本馬自身が述懐する程人気が無かった)ヒシミラクルに勝っており、ロゴタイプがかつて自分が抽選に外れた皐月賞や自分が敗れた安田記念に勝利している。

*15 『2010秋』「まっすぐ人生」で題材となった2010年アイビスサマーダッシュにて、本作では触れられなかったがカノヤザクラは3連覇を駆けて挑むも10着に沈み、その後負傷が判明し予後不良となった。

*16 「馬連(馬券の一種)」の事。

*17 万馬券の別名。競艇版の万馬券「万舟券」に由来する。

*18 ちなみに『オグリキャップ編』には同話の次にその直前(無茶ローテ途中の1989年ジャパンカップの予想)を描いた未収録作『ガンバレ日本馬』が掲載されている。

*19 但し一般的に尾花栗毛とされるタイキシャトルは、作中で普通の栗毛として書かれたためかこのネタに関わることは無かった。

*20 ちなみに作中では触れられていないが、この時妊娠していた弟が後に『あなたのお名前なんて~の』(7巻27R)で登場したサンマンことチョウカイライジンである。

*21 『2008秋』「スタッドイン」ではシャダイSSに来たばかりのローエングリンが本馬がいるとは知らず発した地雷発言(彼としては共感の言葉だったが)を聞き、差し入れしようとしていた所を無言で去りSSの新入りダイワメジャーが代わりに謝っていた。

*22 なお天皇賞に関しては2008年に解禁されており、本作に登場した騙馬だと2008年にエリモハリアー、2015・16・18年にカレンミロティックが天皇賞出場を果たしている。

*23 長い事名前に触れられていなかったが、2017春年の巻末のデータでナイスネイチャ本人である事が明言された

*24 なお、作中では触れられていないが、最終的にはジャパンカップダートも取りこぼしている。

*25 但し2回目の天皇賞勝利は、死後の8巻「ないないづくし」にて一コマだけ触れられている。

*26 2021年に放送されたアニメ版『ウマ娘 プリティーダービー』2期8話(1993年天皇賞(春))回にての公式Twitter掲載応援イラストにて。またその後アプリ版一周年記念にウオッカ・ダイワスカーレット、二周年記念にダイタクヘリオス・ダイイチルビーのウマ娘版イラストも依頼で提供している。

*27 一方で史実でのもう一つの特徴「顔だけ先に白化が進む」は1992年天皇賞(秋)勝利馬プレクラスニー(顔だけ真っ白で鬣は黒)との被りを避けるためか描写されず、作中では「メンコ付き」・「素顔の芦毛顔」・「後年のほぼ全身白馬化」の3パターンに留まっている。

*28 なお作中で言及はされないが、『2016春』・『2018春』に登場したマイネルハニー(父マツリダゴッホ)はブライアンの娘の仔にあたる

*29 なお他に作中で登場した産駒はサムライハート・「エアグルーヴの04」(後のザサンデーフサイチ)・ポルトフィーノ・フォゲッタブル。

*30 『ぼ-ん・とぅ・び-競馬ファン』掲載の4コマでは悲劇の馬扱いよりお笑い馬扱いされている方が居心地がいいとまで言っている。

*31 本作中で登場したのだと彼女と弟の他ノアノハコブネ(オークス馬。8巻口絵のみの登場)・アサキチ・ヒコーキグモ・ワナ・ドモナラズが持ち馬。

*32 ちなみにこの時共同通信杯のコース変更をあたかも苦労話であるかの様に語っていたが、オチで実際にはウハウハだった事がバレている

*33 当馬はその無理がたたったのか、この後香港で一戦したことはカットされて故障引退

*34 ちなみに年をまたいでの2レース制覇を入れるとカネヒキリ・ヴァーミリアン·エスポワールシチーもJCダート・フェブラリーS両方を征しているが、ホッコータルマエはフェブラリーS・コパノリッキーはチャンピオンズカップを落としている。

*35 ちなみに現実ではその後1頭だけ仔をもうけたが、鳴かず飛ばずで終わっている。

*36 ちなみにこの時ディープのライバルとして最初に上がったのは、同期同父のビワハイジ産駒アドマイヤジャパンと3回対戦した2003年クラシック世代のSS産駒リンカーン。

*37 その際、言動が父親そっくりになった。

*38 また皐月賞時の『東京のサツキ』ではヤエノムテキやシンザン等自身と同じ東京競馬場で皐月賞を経験した馬達による応援様子が描かれた。

*39 しかも1頭目は現役中に死亡したテンポイントなので、無事引退したうえで種牡馬入りのオファーが無かったのは文字通り史上初

*40 『NEO』ではアイとの対戦に憧れすぎて勢い余って、『馬なりde SHOW』では主戦のルメール騎手が馬被りからアイを選んだ事にキレて。

*41 『馬なりde SHOW』では実名表記となっている。

*42 ダービーで勝ったスペシャルウィーク・アドマイヤベガ・タニノギムレット・ディープインパクト・キズナと4000勝目の騎乗馬「メイショウカズヒメ」。

*43 なおその暗雲内にある「調教師逮捕」は、実は本作にも登場した田原成貴氏の銃刀法違反・薬物使用による逮捕を指している。