サイコ・エンド・パニッシャー

登録日:2023/03/17 Fri 12:15:44
更新日:2024/03/28 Thu 19:02:29
所要時間:約 5 分で読めます





終焉の時は今!!その罪を正し最後にして最高の罰を与えよ!!


《サイコ・エンド・パニッシャー》とは、遊戯王OCGに存在するカードの一枚である。

【効果】

シンクロ・効果モンスター
星11/光属性/サイキック族/攻3500/守3500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):自分のLP(ライフポイント)が相手のLP以下の場合、S(シンクロ)召喚したこのカードは相手が発動した効果を受けない
(2):1ターンに1度、1000LPを払い、自分フィールドのモンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
(3):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。このカードの攻撃力は、お互いのLPの差の数値分アップする。


【概要】

第11期に登場したカードだが、「サイコ」を冠したカタカナカード名、ライフや除外が強く絡んだ効果、緑色の奔流するエネルギーにまとわれたメカニックな戦士が描かれたイラストなど、旧来のサイキック族らしさ満載のフィニッシャー級シンクロモンスター。

まずそのステータスだが、攻守ともに3500とかなりの高水準。
そして素材の縛りも非常に緩く、レベル3チューナーがあれば数の多いレベル8モンスターもしくはレベル4モンスター2体で召喚できる。余った妖怪少女辺りからどさくさで出せるというケースも期待できる。

そしてその効果だが、まず(1)の効果はほぼ完全に近い耐性の獲得。
相手より劣勢であることが条件だが、その条件さえ満たせれば発動した効果を完全にシャットアウトできる。
更に言うなら相手の効果に限るため、自分で発動した効果ならしっかりと受け入れてくれる。
とはいえ《スキルドレイン》や《次元障壁》と言った発動を伴わない永続効果は受けてしまう他、壊獣や《倶利伽羅天童》のリリースは防ぐことはできない。
また「効果発動時には効果適用が行われず、別のタイミングで行う」タイプのいわゆる残存効果は受ける。例えば《氷剣竜ミラジェイド》の「効果発動は除去された場合だが、破壊はエンドフェイズに行う」テキスト相手では破壊されてしまう。
そして何よりもその高いステータスのせいで自爆特攻によるライフ差の逆転を狙いやすく、無理やりこじ開けられてしまう可能性があるため油断は禁物だ。
ちなみに勘違いされがちだが条件が「自分のライフが相手のライフ以下の時」なので、ライフポイントが互角の場合でも耐性が付く

そして(2)の効果によって盤面への干渉も可能。
LPを1000払うことでお互いのフィールドから1枚ずつを除外する。
ライフまで払って1:1交換というのは寂しいところであるが、カードの種類を問わない除外なので除去性能としては頼もしい。
スクラップ・ドラゴン》を連想させるが、除外なうえに相手側の対象は「カード」だが自分側の対象は「モンスター」限定なので、不要な永続カードを犠牲にしたり破壊時効果のトリガーにするといったことができず、ディスアドを誤魔化す使い方はだいぶ難しい。
相手のライフが僅かに上回っていたりしたの時などにはとりあえずこれでライフを調整して他の効果を準備できるのも嬉しい。最悪の場合自分を対象にして除去することも可能である。(1)は相手の効果限定なので、除外を踏み倒すことはさすがにできないので注意。
しかしライフを払う事以外はコストではないので、こちらの除外するモンスターになんらかの耐性があればうまく相手だけを除外する事ができる。

耐性、除去ときて、このカードの最大の特色と言えるのが(3)のパンプアップ。
これはバトルフェイズ突入時に相手と自分のライフ差分攻撃力が上がるというもの。こちらはライフが相手より上回っていても上がる上に、一度上がった数値はフィールドにいる限り永続である。
なのでこいつの(1)の効果で手こずっているとどんどん攻撃力が上がっていく。
ただその超攻撃力で攻撃したら一瞬にしてライフ差がひっくり返り(1)の耐性を失うことになるため、半端な数値なら敢えて直接攻撃をせず一撃死圏内を狙う「待ち」の戦術も十分効果的。

そのカードイラストもまた、強力な効果やステータスに見合った非常にかっこいいものとなっている。
摩天楼の上空に鎮座するは機械仕掛けの龍(もしくは悪魔)を思わせるようなシャープなデザインで、また初期のサイキック族のイメージカラーであった「緑」色のエネルギーを身にまとっている。
巨大な翼に迸る緑の光のお陰でインパクトのある絵面であるが、よく見ると手元にエネルギーを小さくまとめそれを見つめているという、知性も感じられるカードイラストとなっている。

総じて、圧倒的なステータスに高い耐性、そして除去といった搦め手に加え豪快な攻撃力上昇効果を持つ、ふつくしい見た目も含めまさに切り札にふさわしいモンスターと言えるだろう。


【弱点】

とはいえどんなカードにも弱点はある。
まず、そもそも使う側のライフポイントが潤沢であれば最も厄介と言える耐性が失われる事。
更に条件も満たしていた場合でも、上記で触れた通り自爆特攻等で無理矢理耐性をこじ開けられるなんてことも多い。
他にも「発動する効果」しか防げないので永続効果は受けるし、上記のように壊獣や《閉ザサレシ世界ノ冥神》なんかのリリースには耐えられないので注意しよう。
ただし《原始生命態ニビル》は「発動する効果によるリリース」、なので防げる。うーんややこしい。
アルバスの落胤》の融合効果も同じである。
そしてその性質上、最初のターンで出してもライフがイーブンな為、何も考えずに出してもいいモンスターではない。*1
とはいえこれに関してはデッキ構築時点で《神の宣告》や《亡龍の戦慄-デストルドー》、《雷仙神》といったライフを払って効果を発動するカードを採用することである程度カバー可能である。
だがライフを削り過ぎるのも要注意、不意の除去や効果を止められた低ステータスモンスターを狙われたりバーンで一気に削られる危険性もあるからだ。
特に相手とのライフ差が微妙な場合は敢えてバンプアップを使わない選択肢もあるなど、豪快な効果に似合わず意外と繊細な技術も要求される。
《サイコ・エンド・パニッシャー》を使う場合は特にライフに気を配りたいところ。

他にも(3)のパンプアップはバトルフェイズ突入時の為、最初のターンや相手がバトルステップをスキップした場合は発動しない。
また自分で動かしている場合でもデジタルゲームなんかでも攻撃の予定がないからとつい癖でエンドフェイズまでスキップしちゃうとやっぱり発動しない。
このカードを使う場合は戦闘する気が無くともバトルフェイズに入る意識(相手にするなら必要ではないバトルフェイズをスキップする意識)を持つと良いだろう。
逆にこちらのライフが負けており《幽鬼うさぎ》等を握っている場合、敢えてバトルフェイズに入り効果を発動させてカウンターを決めてやる(もしくは手札誘発を警戒させパンプアップを封じる)という戦術も考えられる。
一見して上がり幅が大きく戦闘では無敵のように思えるが、こちらの攻撃力より確実に上から殴れる《オネスト》や攻撃力分のダメージを与える《妖竜マハーマ》と言ったカードには注意したい。
そしてオネスト効果を内蔵し対象にも取られない上に他のモンスターを守る《双穹の騎士アストラム》は(2)の除去効果も(3)の戦闘力も通じない天敵中の天敵
この天敵の姿は割と見かける事も多いのでこいつの対策はしっかりとしたいところ。
ダイガスタ・スフィアード》や御巫などの「戦闘ダメージは相手が受ける」効果を持つカードも厄介と言える。

そして何よりも一番なのがその出しにくさ。
素材の縛りは確かに緩いが、それでもレベル11というレベルはさすがに高く、カード消費を抑えて出す手段は限られる。
同じレベル11の汎用シンクロが現状では若干力不足の《星態龍》、2体素材で動きを共有しづらい面がある《氷結界の還零龍 トリシューラ》、効果に指定が多い《Uk-P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》《骸の魔妖-餓者髑髏》…と頼りないため、「レベル11狙いの動き」を重視しづらいのも拍車をかける。
逆に言えば、この点がレベル11シンクロの筆頭として採用されやすい状況を生んでもいるのだが。

…そういう意味では、やはり自分でライフを削って戦う【サイキック族
とりわけレベル3チューナーと出しやすいレベル8がお誂え向きにある【P.U.N.K.】向けのカードといえる。これなら上記の《Uk-P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》も共有できる。
汎用カードとしても利用できるが、その本質を発揮するにはサイキック族が一番というのは、まさしく「切り札」「サイキック族のエース」…いや、「終焉(エンド)をもたらす懲罰者(パニッシャー)」と呼べるにふさわしいカードと言えよう。





【余談】

OCGカードなのでアニメ等には出ていないが、遊戯王OCGストラクチャーズにてライト月子(【ナチュル】)が本仮屋栞莉(【戦華】)と戦う際の切り札として使用。
こいつを出す寸前まで《戦華の暴-董穎》によりライフをかなり削られていたが、まず(1)の効果で栞莉の効果を封殺。
そして(2)の効果…という名目の月子のパンチで《戦華の暴-董穎》を除外。
その後は(3)の効果で削られたライフを加算した攻撃力8850となりフィニッシャーとなった。
という出てきてから全ての効果を効率的に使い一瞬にして相手を追い詰めるという大立ち回りを見せた。
記事冒頭の口上はその際に月子が述べたもの。名前の終焉(エンド)(パニッシャー)をもじった兄譲りのかっこいいものとなっている。「サイコ」は「最高」とダジャレにされたが。
攻撃名は「停滞の終焉(スタグレイション・エンド)」。膠着した試合展開をひっくり返すパワーを持つ《サイコ・エンド・パニッシャー》にとても似合いの技名と言えよう。

なおこの直前の話で遊佐尚磨が【P.U.N.K.】を使っておりサンプルデッキにも入っているが、そちらは【セリオンズ】との混合デッキだった事もあり出番はなかった。

2022年12月に発売された「SECRET UTILITY BOX」、いわゆる年末箱にもピックアップされた。

ちなみにレベル11シンクロは《サイコ・エンド・パニッシャー》と上に挙げた4体《星態龍》、《氷結界の還零龍 トリシューラ》《Uk-P.U.N.K.アメイジング・ドラゴン》《骸の魔妖-餓者髑髏》、そして《HSR/CWライダー》と《シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン》の計7体しかいなかったりする。





追記修正は攻撃力10000を超えてからお願いします。


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最終更新:2024年03月28日 19:02

*1 ただしライフが同じ場合は完全耐性は得られる