遊戯王OCGストラクチャーズ

登録日:2022/03/28 Mon 16:08:10
更新日:2024/03/12 Tue 17:31:29
所要時間:格納部を読まない場合約16分、全て読むなら約49分で読めます




構築開始(ストラクトスタート)!!

遊戯王OCGストラクチャーズとは、Vジャンプにて2019年8月号から連載中の漫画。

マンガは前作前々作から代わって漫画版5D'sを描いた佐藤雅史先生、デュエル構成を遊戯王の関連書籍の制作等を行っているウェッジホールディングス株式会社が担当している。

既刊5巻。


概要

前作のARC-Vの終わりも近づき、次はVRAINSの漫画化かと思われていたのだが、始まったのはどの漫画・アニメ作品も下地にしていない、遊戯王OCGそのもののコミカライズというべきもの。

今までの漫画作品にはなかった様々な要素が話題を呼び、初心者からある程度慣れ親しんだプレイヤーまで様々な人が楽しめる作品として親しまれている。

単行本1~5巻までは主人公・遊佐尚磨と元小学生デュエル四天王との交流などを描いた『中学生編』、6巻以降はそれから3年後、彼らが高校生になったあとの学生生活を描く『高校生編』となっている。

特徴

●OCGとの密接なリンク
既存の漫画作品とOCGの関係は『原則として漫画で描かれたカードが後からOCG化される』ものだったが、本作はOCGそのものを扱うため、『既存のあるいは新しく発売されるカードを漫画として描く』ものとなっている。登場時点で全く情報が明かされていないのは単行本に付属されるカードくらい。
そのため漫画とOCGで効果が違うといったこともなく、現実で行われているデュエルと全く変わらない展開を楽しむことができる。
劇中で描かれるカードも漫画版遊戯王特有の簡略化デザインではなく、OCGのカード画像とほぼ同じ物が使われている*1

●キャラクターが様々なカード・テーマデッキを扱う
これまでの漫画作品は多少の内容変更はあれどどのデュエルでも1人のキャラクターが1つのテーマを使い続けていたが、本作ではそういった縛りがなく、キャラクターがデュエルごとにデッキをガラッと変えたり複数テーマの混成デッキを扱ったりすることが多く、様々なカテゴリの展開が楽しめる。
それぞれ使用したデッキは一部例外を除き本編後のページでサンプルリストが公開されるため、漫画を見てそのテーマを組みたくなった読者が組むための参考にできるようになっている。

●本作オリジナルの攻撃・効果名や召喚口上
過去の漫画作品やアニメシリーズに未登場のカードをキャラクターが使用すると、それらのオリジナルの技名や召喚口上が披露される事がある。
そのためデュエル中に色々なカードの技名や口上を叫びたい黒田君のようなデュエリストにも嬉しい漫画になっている。
ちなみに技名は「漢字の造語に長いルビ」、召喚口上は「○○よ、××せよ(などの命令形)!」といった同じ作者の漫画版5D'sでも多用された形式のものが多い。
尚磨輪廻天生(ホーリー・リインカーネーション)!! 光属性レベル4天使族が場にいれば《天翔ける騎士》は何度でも復活する!!」
尚磨「星明かりの勇者よ!!光を束ね降臨せよ!!《双穹の騎士アストラム》!!」

また、召喚口上についてはワンパターンだと思ったのか、途中からモンスターを形容する「○○よ」の部分を後半に持っていくパターンも増えた。

黒田「頬を伝う涙の雫!!涔々と咲き誇れ白銀結晶氷の微少女よ!!《六花聖ティアドロップ》エクシーズ召喚!!」
十九「仇なす敵を舞い散らせ!!戦場に咲く一輪の徒花よ!!《鉄獣戦線 徒花のフェリジット》

●展開、解説の簡略化
既にカード化されているものを扱うため効果をいちいち頭から解説する必要がなく、大体の効果は『〇〇の①の効果』で進められる。
また、デュエルの中で各キャラクターがモンスターを大量展開するシーンなどは省略されて描かれることが多く*2、展開後の盤面にフィール味の強い名前が付けられる。
もちろん省略されて終わりでなく、本編後のページで詳しく解説され、実際に何が起こっていたかを知るとともにそのカテゴリの展開のしかたも学べるものとなっている。

●現実に近い世界観
デュエルディスクソリッドビジョンは存在するものの世界観そのものは現実に限りなく近く、デュエルで世界を支配しようとする人物や敗者の命が奪われる闇のデュエルは行われていない。
遊戯王作品の中で最も平和と言える世界観と言える。
また、「初動」「○妨害」「ターン1」*3などの現実でデュエリストたちが多用している読んでて小っ恥ずかしくなる人も出そうな言い回しもそれなりの頻度で登場する

●環境デッキ・環境カードの応酬
キャラクターによっては《増殖するG》《灰流うらら》などの現実でも使われる環境カードや現実の大会で数々の結果を残している環境デッキを使用する者も存在し、それらをめぐる駆け引きなどより現実に近いデュエルが描かれるとともに、そういったカードがどうして環境たりうるかを知ることができる。さすがに現実と比べていくらか手心が加えられていることが多いが。

以下、ネタバレ注意

登場人物

元小学生デュエル四天王などのキャラクターは3DSで配信された遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!からの流用となっており、本作においてフルネームも設定されている他、佐藤氏らによって新たにキャラクターの掘り下げが行われている。

ただし同作に出ていた海馬などの原作キャラは登場しておらず、行われているデュエルも普通のデュエルなので本作が最強カードバトルの純粋な続編というわけではなく、現状の描写では『パラレルワールド』の可能性もある*4
だが、いちいち別の表現を用いるのも面倒なので以降は最強カードバトルを『前作』と呼称する。

主人公関係

  • ()()(しょう)()
本作主人公。地味に十代以来となる『苗字に「遊」の字が入る主人公』である。
遊戯王主人公らしい髪型に加えて、左眉毛がなんかすごいことになっている。

遊戯王OCGが大好きな中学1年生で、田舎暮らしだった彼が中学進学を機に姉についていく形でサテライト・ショップ近くまで引っ越してくるところから本作は始まる。

最大の強みは記憶力と集中力それに裏付けられたデッキ構築力で、一度見たカードの効果は完全に覚えており、彼の頭の中にはテーマごとのカード達によって作られる世界構築宇宙(ストラクト・ワールド)が広がっている。
デッキ構築の際にはその構築宇宙の中でモンスター達と対話することで各カードの長所や短所を把握し、相性の良いカードなどを共に探すことで膨大なカードプールからそのテーマの力を最大限に発揮できる構築を瞬時に生み出すことができるのだ。

引っ越すまではまともな対戦相手が姉のみ、姉の上京後は一人でデッキを2つ使ってデュエルしていた我々の中にも同じ経験をしたものもいるであろう状態で実際のデュエルの経験は少なかった。
一方で、大会などの『負けられない戦い』に対する経験は皆無で、いわゆる『ガチ勢』との溝ができたり実際に自分がそういった状態に陥ったときにプレッシャーに押しつぶされそうになったこともあった。
そんな尚磨がサテライト・ショップで出会った仲間たちとの交流や数々の戦いによってデュエリストとして成長していく過程も、本作の目玉の一つとなっている。

高校生編では県立洲斗(すと)高等学校に進学し、迷うことなくOCGデュエル部に入学。
そこで新たに出会ったデュエル仲間たちと交流を深めることとなる。

他の人に『デュエルバカ』と呼ばれるほど頭の中が遊戯王で満たされており、月子からの好意に気がつかないうえに、『海に行く』という話を『《》関係のデッキでデュエルする』ということだと勘違いするほど。


  • 遊佐アゲハ
尚磨の姉で会社員。《クロノダイバー・リダン》にソックリな会社の先輩「玄野先輩」にお熱な25歳。どことは言わないがでかい。
学生時代は尚磨の唯一の対戦相手で、上京してしばらくした後サテライト・ショップの近くに引っ越すときに尚磨を連れて行った。

実は小学生時代、『蟲惑魔アゲハ』通り名女性唯一の世界大会出場者となった実力者であり、そのデュエルスキルは尚磨に引き継がれている。
デュエルで本気を出すときは前髪をかき上げて弟同様すごいことになっている左眉毛を露出し、目からハイライトが消える独特のスタイルとなる。
ちなみに現在25歳なので大会に出た時は最低でも12歳=13年前となるが、その時代に蟲惑魔は存在していなかったことはたまにネタにされている。

かつては世界大会という『負けられない戦い』へのプレッシャーに負けてしまったことが示唆されており、同じプレッシャーに苛まれながらもそれを乗り越えられた尚磨の成長を喜んでいた他、王座が世界大会の舞台に囚われていることも察していた。

OCGインストラクターの資格も所有しており、ジャンプビクトリーカーニバルでハノイの騎士としてイベントに参加して尚磨をボコボコにした他ショップイベントのスタッフを務めることもある。

高校生編では勤めていた会社を辞め、サテライト・ショップの店長に就任
実は大の面食いで、ここ3年で10人も彼氏をとっかえひっかえしていたことが発覚する。中学生編でお熱だった玄野先輩がどうなったかは推して知るべし。


元小学生デュエル四天王

  • ストロング十九(剛力(ごうりき)十九(じゅうきゅう))
元四天王の太っちょ。
尚磨が姉以外で初めてデュエルした相手でもある。

他の元四天王と比べ自分が使うカード以外の効果を把握しきれておらず、他の3人が気づいたことに一人だけ気づかないことも多い*5ため、ギャラリーは勿論他の3人からも格下扱いされている。
自身もそのことを気にしているが、チーム戦で四天王最強と名高い黒田に勝利したり大会で決勝まで進むなど四天王としての実力はしっかりと発揮している。
月子の言葉を借りるなら、『いつもは強いが大事なデュエルは大体負けてる』のが黒田なら『いつもは負けがちだが大事な試合では負けない』のが十九と言えるだろうか。

結構面倒見が良く、初めてのショップで緊張していた尚磨や王座をイベントに誘い、その後多くの仲間に出会うきっかけを作ったのも彼。
当初は参加を渋っていたイベントに参加するよう尚磨に背中を押され、大会のプレッシャーに押しつぶされそうになっていた尚磨を激励するなど尚磨との関係は4人の中で一番深く、十九自身も尚磨との出会いを大切にしている。

高校生編では都立戸津諷(とつぷう)学園に入学。部活はデュエル部に入学している。


  • ダーク黒田(黒田(くろだ)夜魅(やみ))
元四天王のシスコン&中二病。

本作ではその残念っぷりにさらに磨きがかかっており、妹のホワイトポータンぬいぐるみにGPSを仕込むわガイドさんに猛アタックするわで2人からぞんざいに扱われているのも変わらず。
尚磨と最初に絡んだのも彼が月子にフリー対戦を申し込んだのを月子をナンパしようとしたと勘違いして突っかかってきたため。

四天王最強と謳われるほどの高い実力を持つ*6が、本人は「勝利に拘るのは勿論エンターテイメントも追及する」と語っており、ダメージを受けた演出用に血糊を仕込んでいたり、デッキコンセプトに合わせたカラーコンタクトを装着してデュエルしたりする。
また、遊戯王漫画・アニメでは当たり前に行われている召喚向上を本作で初めて披露したのは彼であり、十九からは「超メンドクセー」「早くデュエル進めろ」と不評だが、尚磨は思いっきり影響を受けて口上を披露するようになり、十九も尚磨との真剣勝負で口上を解禁している。

なお、高飛車で中二病をこじらせているのは無自覚らしく、妹や十九に指摘された際には「オレってそんな感じなの?」と戸惑っていた。

高校生編では十九と同じ戸津諷学園に入学。部活も同じ。
十九と学力が同じ扱いされることに対して不満をこぼしていた。
高二になっても中二病は相変わらずの様子。良くも悪くもブレていないが逆に考えると四天王で最もメンタルが安定していると言える。



  • サイキック天道(天道(てんどう)才狐(さいこ))
元四天王のメガネ。
かつての王座と同じく、自らも世界大会の舞台に立つべくデュエルの腕を磨いている。

デュエルを楽しむ尚磨や他3人とは異なり『勝利至上主義』を掲げる所謂ガチ勢。
「負けて楽しいなんて(お前には)ガッカリ」「負けたら何の意味もない」と厳しい言動も目立ち、他四天王とデュエルのこと以外で関わることもほぼ皆無だが、最後の世界大会出場を賭けた戦いで敗れ悔しさのあまり涙したところを十九と黒田に慰められた際、あとで心配かけないよう気丈にふるまったこともあるし、仲間が負けたときでもその健闘をちゃんと称えるなど四天王の絆はちゃんとある。
尚磨は彼とのデュエルを通じ、『絶対に負けられない、真剣勝負の世界』を学ぶこととなる。

中学受験のために塾に通っており、世界大会敗退後はそちらに集中するために一時デュエルの世界を離れることを宣言するも、「息抜き」と称して大会に参加、観戦することも。

しかしそこまで力を入れたものの第一志望である彩菊学園に落ちてしまい、滑り止めの「私立英理安中学」に進学した。
だがその事を本人は「負けた」と認識し、その事で恥ずかしくなりかつての仲間たちの元にも顔を出さない日々が続いていたが、ストロング十九の決死のデュエルで気分は晴れ、以降も「勝利至上主義」は揺るがないとは言え、たまに塾の帰り等にショップに立ち寄り仲間達とデュエルする日々を送ることとなった。



  • ライト月子(黒田(くろだ)月子(つきこ))
元四天王の紅一点。ロリィタファッション風の衣装を身に纏っており、普段は中々の美少女。
兄の夜魅の中二病っぷりに辟易しており、兄に対する扱いが悪いのも変わらず。*8

前作でも特徴的だった豹変ぶりと顔芸はさらに磨きがかかっており、ガイドさんとのデュエルでは従来の豹変を超える『逆鱗モード』を披露。黒田が恐怖で涙し本人が後で後悔するほどのキレっぷりを見せた。

兄や天道のちょっかいで延期になっていたデュエルデートを通じて尚磨に恋し、アプローチを繰り返すようになるが、尚磨がデュエルバカであるため意味を成してない。

高校生編では中高一貫の私立聖圧(せいあつ)女学院の中学3年生。めちゃくちゃ制圧しそうな名前の学校である。
実際この聖圧女学院、デュエルも強いらしく高等部はデュエルカーニバルという高校生の全国大会関東ブロックに名を連ねる程。
ただし尚磨にアタックするため、彼と同じ高校に進学することを決意している。
3年間尚磨に対して何のアクションも出来ていない中、他の女性陣が思わぬところで尚磨に近づいていることに怒りを募らせているが…


サテライト・ショップ関係者

  • ガイドさん(出須(です)案奈(あんな))
前作の案内役兼ラスボスで、本作ではサテライト・ショップでアルバイトをしている。そのため1話でガイドさん呼びされて「今はバイトデス!!」と注意していたが、それでもやっぱりガイドさん呼ばわりされている。
年下は恋愛の対象にはとらないらしい。
こちらもインストラクターの資格持ちで、ハノイの騎士としてイベントに参加したりティーチングイベントを主催したりすることもある。

非常に負けず嫌いでデュエルに負けると「もう1回」と自分が勝つまで再戦を要求する通称『泣きの1回』という悪癖があり*11、周りを困らせることもしばしば。
大会の賞品欲しさに職権を濫用し大会の日程を早めさせるなど、結構セコイキャラ付けがなされている。

高校生編ではOCGインストラクターの経験からまさかの教師の道を志し就職。尚磨の入学と同時に同じ高校に赴任し、そのままOCGデュエル部の顧問となった。


  • 護武店長(護武倫太郎)
ガイドさんが働いているサテライト・ショップの店長。
尖った鼻と耳、禿げ上がった頭とゴブリンが店員の服着てるような見てくれをしているがれっきとした人間で、店長としての業務もちゃんとこなし、子供たちを支えるしっかり者。

アゲハとは中学時代の同級生の間柄で、OCGを始めたきっかけもあこがれのアゲハに近づこうとしたため。
アゲハが劇中イベントに参加しようと店にやってきたことで思いがけず再会し、デュエルすることに。
…なのだがいざデュエルとなると重り入りのサポーターを外しシャツを破きながら日夜鍛えたデュエルマッスルを解放
特に意味のない筋肉を晒しいちいちポーズをとりながらデュエルをするという変な癖を晒し他の2名をドン引きさせた。

高校生編では3年前の『世界チャンピオンに挑戦』イベントにおける失態(後述)が響き副店長に降格。
しかしその結果憧れのアゲハと同じ職場で働けることになったため内心大喜びしている。


県立洲斗高等学校OCGデュエル部

  • 附並(つきなみ)英二(えいじ)
高校生編から登場した、OCGデュエル部の部長。
真面目な好青年で、先輩たちが卒業し1人になっても、マスターデュエルで腕を磨いていた。
という風に一見堅実に見えるが、その正体は女性モンスターが大好きな俺たち
自分に関係のないデュエルでもいちいち女性モンスターの言動に興奮し続けている。
ちなみに実際の女性には奥手である。
またもともとは特徴のないモブくらいのつもりでここまで特徴が付くことはなかったという。だから「つきなみ」という名字である。
デュエルの腕前、知識はかなりあるものの思考はどちらかというとガチ寄りで、女性モンスター達を勝たせる為に強力カードの力を借りることも躊躇しなかったが…。


  • 本仮屋(もとかりや)栞莉(しおり)
尚磨と同じクラスにいる、読書好きな物静かな女子生徒。
実は結構なお屋敷に住んでいる。
新編の実質的な主人公であり彼女のデュエルシーンはかなり多い。

どちらかというとOCGの世界観を好むタイプで余り他人と触れ合うのが得意ではないらしいのだが、三重スリーブの上からローダーに収めて栞にしていた《星遺物の導く先》のカードが目に留まったことをきっかけに、デュエル馬鹿の尚磨に誘われる形でデュエル部に入部することとなった。

一応デュエルはするが初心者であり、なおかつデッキにはストーリー性を重視する為、基本的に純構築。EXデッキも15枚埋まってる方が稀である。
だがデュエリストとしての腕前はかなりのものであり、そのEXデッキをとあるカードで埋めていれば尚磨に勝利していた程
というかストーリー性重視しすぎてエルロンみたいなカードを入れたり、相手がバロネス出したりしてるのに善戦している時点で色々おかしい。
…と同時に「カードのイラストまでは知っているけど効果までは把握していない」とマストカウンターに悩んだり、相手の墓地まで面倒見きれないと不機嫌になったりと初心者デュエリストあるあるなモノローグをすることも多い。
また彼女も尚磨の構築宇宙(ストラクト・ワールド)にアクセス可能で、その時の経験を基に自分なりの構築宇宙である『構築図書館』を創り上げた。
しかしそのポリシーと初心者ということでイマイチ勝ち切れていない部分はある。果たして初勝利はいつになるのだろうか。


  • 百面(ひゃくめん)相太(そうた)
洲斗高に通う2年4組の男子生徒。演劇部に所属している。
性別は恐らく男子…というのも彼はなりきりデュエリストを名乗り、デッキだけでなくその格好もアニメキャラに完全になりきることが可能な為性別すら不透明である。
名前や今まで男性キャラしか演じてないため多分男子も思われるが…。
対峙した黒田曰く「声も一緒」との事で、ある意味正体不明のキャラクターである。Z-ONEかな?
顔も仮面をかぶることで完全再現している。その事から素顔も不明で、デュエル部の面々も彼の本当の顔は見たことないとか。

そのコスプレっぷりは徹底しており炎天下でジャックのコスプレをして倒れたり、デュエルに関係ない祝賀会のときでもするほどであるが、そこを除けばTPOは弁えており先生や先輩には敬語で話す。
だが高校に潜入し自らを負かせた黒田夜魅のことはかなりライバル視しており、彼の事を思い浮かべると演技を忘れて邪悪な笑いを浮かべてしまう。
ちなみにその邪悪な笑顔をよりにもよって遊星のコスプレをしたときにしたので「不動遊星のキャラにあわないのでやめてほしい」とツッコまれた。「最高に高めたオレのフィールで最強の力を手に入れてやるぜ!!」?知らない話ですね。
またコスプレで使用デッキがバレる為、そういう状況がまずい場合はグールズの格好をしている結局コスプレかい。


戸津諷学園デュエル部


  • 壺獅寺(つぼしじ)玲央(れお)
戸津諷学園デュエル部部長。
最初はショップ大会に登場した「レオン」と名乗る謎の男だったのだが、その後名前と立場が判明した。
デュエルカーニバル9連覇を果たした戸津諷学園で部長をしている事だけでなく、部史上で唯一一年生からレギュラーになった「帝王」。
その事から分かる通りかなりの実力者であり、更にデュエルでの勝利だけでなく表現やエンターテイメントも楽しむ一面もある。
栞莉とはいとこ同士であり、彼女にはデュエルや「デッキ構築に正解はないんだ」という事を教えた。

とここまで書けば完璧超人のように思えるが、実は彼は極度の壺フェチ
「運否天賦にかけるドローこそがデュエルの醍醐味」とまで言い張りデッキに様々な壺カードを入れるだけでなく、家ではその壺を陶芸で自作ししょっちゅう磨いている。
勿論デッキにも壺カードを多数投入し、尚磨と戦ったときは明らかに相性の悪い【R-ACE】にも強欲で貪欲な壺を投入している。
その辺は漫画的都合でカバー…とはならず、それどころかキーカードをドロー出来たと思ったらデメリットの10枚除外でR-ACEの魔法罠カード全部吹っ飛ぶという負け筋となってしまった。*13
結果的に尚磨に敗北したものの、その後「近い未来大舞台でデュエルするからだ」と告げて去っていき、彼の言う通りデュエルカーニバル大会で再会することとなった。


  • 垣副(かきぞえ)準矢(じゅんや)
戸津諷学園デュエル部副部長。
糸目が特徴的な少年でデュエル知識も豊富だが、真面目な性格らしくフリーダムな部長には手を焼いているようだ。
名前からして二番手が確定しているのは気のせいだろうか。
彼もデュエル部のレギュラーに2年からなっている実力者だが、2024年現在その実力は未知数であろう。


  • (おそれ)竜司(りゅうじ)
戸津諷学園デュエル部3年生。
逆立てた髪にギザ歯というワイルドな出で立ちで、名前の通り恐竜族デッキを使う。
…のだが黒田と白米の戦いの裏で十九にワンキルされるという噛ませも良い負け方をしてしまった。そんな所まで元祖恐竜族使いに似なくても…。
とはいえ実力で負けた為に恨みっこ無しということで、大会では大きな旗を振って仲間達を応援している。
性格も気持ちがいい程豪快なものであり、大学に行ってもデュエルを続けると豪語している。


  • 白米(はくまい)射里(しゃり)
戸津諷学園デュエル部3年生。
名前から分かる通り【軍貫】使い。多分ラッシュデュエルだと【寿司天使】使い
また実家も江戸時代から続く老舗寿司屋であり、彼は高校卒業後、その家業を継ぐことが決定している。
その為このデュエルカーニバルが正真正銘最後の大会の為、【ヌーベルズ】を使う黒田に「にわか料理人」と挑発する。
…が、ノリがいいのもまた事実であり、ライフポイントをサイフポイントと表記したり、所々寿司屋っぽいところを隠せなかったりしている。
あくまで「料理人気取り」をされることだけを嫌っている為に本人は割りと爽やかな性格であり、負けもしっかりと受け入れていた。


その他

  • 赤星(あかぼし)王座(おうざ)
最強カードバトルでの主人公にあたるキャラクター。いわゆる前作主人公ポジションである。

デュエル歴わずか1年で世界大会国内最終予選で優勝。そのまま世界大会で優勝するという異例の快挙を成し遂げ、その名前から完璧王者(パーフェクト・チャンピオン)の異名を得る。所持している漆黒のデュエルディスクはその時の賞品。

2年前、ひょんなことから四天王にデュエルを教えてもらうようになり、元々センスが良かったのかめきめきと上達。
小学校生活最後の思い出にと十九の提案のもと同い年3人で出場した大会で優勝し、四天王に送り出され世界に挑んだ。

しかし世界最強のデュエルキングとなった王座はデュエルの際マフラーで口元を覆い感情を殺した『覚醒デュエルモード』という独特のスタイルをとることで相手に一切の情報を与えないようになり、「周りには観客というオレを監視する眼がある」「その監視する眼がある限りオレは敗北を許されない」と周りの眼を極端に意識する、冷徹なデュエルをするようになってしまう。
その変貌ぶりに元四天王の面々ははっきりと「変わってしまった」と評しており、特に黒田は「自分が王座に負けたせいで変わってしまう原因を作ってしまった」と自分を責めたほど。
そしてその理由を明かすことなく、父親の単身赴任についていく形で海外に旅立ってしまった。

それから1年、王座が日本に、そしてサテライト・ショップに帰ってきたことで、物語は大きく動き始める…





作中で行われたイベント・大会

  • デッキ構築(ストラクト)の日
尚磨が初めてサテライト・ショップに赴いた日にやっていたイベント。
1~2話で行われたものは『ライジング・ランペイジ』の発売にあわせて行われたものだが、34話での十九の話から新弾発売の度に行われている模様。

参加条件は新弾の一定価格以上の購入。20分1デュエルの3本勝負。参加者はトークンがもらえるなど、現実で行われているイベント『遊戯王の日』と共通点が多く、こちらがモチーフとなっていると思われる。

遊戯王の日との違いとして
●参加資格は新弾1箱の購入(遊戯王の日は1000円以上)
●使用デッキには新弾のカードを20枚以上採用しなければならない(遊戯王の日の場合、デッキは自由)
●対戦前にデッキ構築の時間30分が与えられる
といったものがある。
これにより、財布に対するダメージが大きくなるとともに『どんなデッキが組めるか』『望んだカードが当たらなかった場合どんなカードならカバーできるか』という、デュエリストのカード知識と柔軟性を問われるイベントとなっている。

  • 世界大会(小学生の部)
毎年行われている大会のようで、アゲハが13年前に参加した他、1年前は王座・十九・夜魅が、本編中に天道が参加している。*15
特に1年前のものは『OCGと出会った主人公が四天王と競い合いながら優勝を目指す』というシチュエーションから前作の『レジェンド・チャレンジ』に相当する大会と思われるが、大会中四天王全員とガイドさんすべてを相手取っていないという違いがある。

アゲハは国内予選を制し女性初の日本代表となるも予選敗退、十九は国内最終予選ベスト8、夜魅と天道は最終予選準優勝と凄まじい実力の持ち主であっても世界の壁はとても高かったことがうかがい知れる。
そんな中当時デュエル歴1年の王座が日本代表の切符を手にし、そのまま優勝する形でその壁をいとも簡単に飛び越えていった。

  • 大人のデュエル会
現実でも行われている、25歳以上の大人限定のフリー対戦会。
もちろん子供は参加できないため、付け髭+背伸びでごまかそうとした尚磨は門前払いを食らった。
当初アゲハはこのイベントに参加する予定だったのだが、終業時間ギリギリに上司が仕事を回してきたせいでイベントの時間に間に合わなかった。

  • 新マスタールールレクチャーイベント(仮称)
2020年のマスタールールアップデートに伴い、ルール変更によって何が変わったかをインストラクチャー(今回はガイドさん)がティーチングするイベント。
「実際にデュエルするのが一番」と、参加者から立候補者した者がガイドさんとデュエルすることになり、尚磨が立候補したのと尚磨の実力を直接見てみたいというガイドさんの思惑が重なり尚磨vsガイドさんの対戦となった。断られた形となった黒田は血糊を吐いた。

  • 未成年限定チーム大会
未成年限定の、3人チームによるトーナメント戦。
1人ずつデュエルし、先に2勝したチームが勝利となる。
優勝チームには現実では幻となってしまったステンレス製《暗黒騎士ガイア》が1人1枚ずつ贈呈される。

尚磨はこのイベントに十九を誘い、もう1人のメンバーとして立候補したガイドさんと共にチーム『ストラクチャーズ』を結成。決勝戦にて夜魅・月子・天道によるチーム『光と闇は表裏一体』*16を相手取ることとなる。



  • 世界チャンピオンに挑戦
サテライト・ショップ3周年を記念して行われた、中学生32名によるトーナメント制大会。
優勝者は大会後のスペシャルマッチで『完璧王座』赤星王座と対戦する権利を得る。

さらにこの大会限定のルールとして、『1試合ごとに異なるデッキを使用しなければならない』というものが存在し、優勝までに最大6つのデッキを使用することとなる。
そのため複数デッキを組めるだけの財力と複数のデッキを使いこなせるだけのプレイングスキルを要求される、レベルの高い大会となっている。

十九と夜魅は王座と戦い打ち負かすことでかつてのデュエルを楽しんでいたころの王座に戻すため、尚磨は前のフリー対戦で感じた違和感と、勝利したにもかかわらずあまりにも悲しい顔をしていた理由を確かめるため。
両者の譲れないもののために挑んだイベントは、元四天王vs尚磨のぶつかり合いと化していく。

…なお、トーナメントの抽選にはバトルシティ編で使われた《青眼の究極竜》型ビンゴマシーン(OCGだと《ビンゴマシーンGO!GO!》に描かれているそれ)をレンタルして使用。
さらにこのイベントのために王座を旅費・宿泊費全額店持ちで呼び寄せたことも併せて結局は大赤字に終わったという。


追記・修正開始(ライト&エディットスタート)!!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 漫画
  • Vジャンプ
  • 佐藤雅史
  • ウェッジホールディングス
  • 遊戯王OCG
  • 遊佐尚磨
  • 遊戯王
  • 勝負はガチガチ
  • 集英社
  • 遊戯王OCGストラクチャーズ

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月12日 17:31

*1 特集ページなどと同じくコピーライトや偽造防止ホログラムが無い画像が使用されている。

*2 と言うか、現在のOCGにおける1ターンの長さを考えれば「省略なしでOCGのデュエルを描く」のは現実的に困難。実際に描かれた場合、展開だけで1話が終わるか、ページの大半が台詞になってしまうだろう。この展開の長さはアニメの方でもVRAINSで大きな問題となっており、その次作SEVENSがラッシュデュエルになった原因ではと言う意見もある。

*3 「1ターン目」ではなく「『1ターンに1度』の略称」の方。

*4 ただし、原作キャラが存在しないとも明言されていない。

*5 これは「カード知識の乏しい読者目線のキャラも必要」という佐藤先生によるキャラ付け。

*6 妹からは「イメージ先行」と言われているが。

*7 《トロイメア・ユニコーン》が採用されているのは確認できるが、それ以外は分からない

*8 ただし兄がある理由で気落ちしていた時は「らしくない」とキレていた。

*9 一見何でも止められるように思える崇光だが、魔法・罠の墓地効果など『カードの発動を伴わない効果の発動』は止められないという弱点があり、虚光でそれをケアする形となる。

*10 当然のことだが尚磨はチームメイトであるガイドさんを応援しているだけで、悪気は一切ない。

*11 ちなみにこの癖、OCGを始めたばかりのころの佐藤先生がそうだったことから付いた設定とのこと

*12 堕天使モンスターの効果はあくまで『モンスター効果による魔法・罠の効果の適用』であり制限されている『魔法・罠カードの発動』ではないから

*13 なお実際は効果の空打ちで反則負けになるが、カジュアルな大会かつ相手の尚磨からの了承を得られたのでデュエル自体は続けられた

*14 墓地融合札の《召喚魔術》と《白の落胤》。それらをサーチできるアレイスター、キット、アルベル、アレイスターをサーチできる《暴走魔法陣》とそれをサーチできる《テラ・フォーミング》、さらにアルバスを蘇生できる《烙印の絆》

*15 「世界に興味がない」とのことで月子はそもそも不参加

*16 他2人がチーム名に無頓着だったため、名前を決めたのは夜魅の独断