名探偵コナン 黒鉄の魚影

登録日:2023/05/01 Mon 20:15:00
更新日:2024/04/28 Sun 03:05:05NEW!
所要時間:約 45 分で読めます


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死ぬな、灰原──


絶体絶命の海洋頂上決戦(オーシャンバトルロイヤル)ミステリー、

ついに開戦──

監督:立川譲
脚本:櫻井武晴
主題歌:スピッツ『美しい(ひれ)

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』とは、劇場版『名探偵コナン』シリーズの第26作目のタイトルである。
2023年4月14日公開で上映時間は109分。


※以下、ネタバレが多大に含まれます。
未鑑賞の方はブラウザバックするか、ネタバレ覚悟の上お読みください。






【概要】


本作のキーパーソン、およびメインヒロインは灰原哀。
これまで幾多もの艱難辛苦を乗り越えてきた彼女だが、本作では黒の組織に正体が露見、さらに拉致・監禁されてしまうというこれまでにない展開となっている。
どのようにして灰原がこの危機を脱するのか、コナンたちが彼女を救い出すのか、そして組織に立ち向かっていくのかが、物語の大きな主軸となっている。
また灰原が『宮野志保』としてどんな人生を歩んでいたのかが描かれた作品ともなっており、これまで言及はあっても描写されなかったその幼少期、そして「成長」した現在の彼女が何を思うのかが大きなキーポイントとなっている。

本作の敵は黒の組織。組織が登場する劇場版は『純黒の悪夢』以来6作ぶりで、今回はなんと潜水艦まで引っ提げてのお出まし。攻撃ヘリコプターといいオスプレイといい、もはや犯罪組織通り越して軍事組織でしょ。
また本作では『ピンガ』という新たなラムの側近が物語のキーパーソンとなる。
このピンガと灰原を巡って、コナンと日本警察FBI、そして黒の組織がぶつかり合い、世界規模でスペクタクルが巻き起こる
一方敵も敵で、同じ組織に身を置く同士とはいえ、それぞれ様々な思惑を隠し持つ面々ばかり。そんな彼らの活躍、あるいは暗躍ぶりもまた楽しみの一つと言える。

また『名探偵コナン』という作品では珍しく、今作ではいじめ、人種差別や世代差別といった社会問題にも踏み込んでおり、ゲストキャラクターの信念もそれに深く関連したものとなっている
加えて認証システム、ディープフェイクといった様々な最先端科学技術が登場するストーリーも見どころ。

時系列では、過去作の劇場版『漆黒の追跡者』『純黒の悪夢』において登場したアイリッシュやキュラソー(及び彼女の)に言及されていることから、前出2作の後日談であることは確定している。
また、組織の総帥たる「あの方」についてはっきりと言及された初の劇場版作品でもあり、彼の現状について辿れる重大なエピソードともなっている。
その他、回想シーンから『緋色の弾丸』、『ハロウィンの花嫁』の後日談である可能性も高い。*1

原作の時間軸については『漆黒の特急』の後日談にして、ある人物の髪型から『黒ずくめの謀略』の前と推察される。
これが10月中に発生した出来事で、かつキャラクターの服装を考えると、本作はおおよそ9月中旬から末頃までに発生した出来事と思われる*2

本作では本編から新規に登場したキャラクターは少なく、イーサン・本堂と前述のあの方のみ。
その代わりに登場頻度が低かった人物たちへスポットが当てられており、水無怜奈、宮野明美、イーサン・本堂といったキャラクターたちが、コナンらにどのような印象を与えたのか、あるいはどんな活躍をしていく(きた)のかが多く描かれている。
特に怜奈は前出の面々の中では唯一生存しており、かつ、「潜航(水)済」の視聴者から「本作のMVPの一人」と評されるほど見せ場が豊富。
また、ラム編のキーパーソンである黒田兵衛が『ゼロの執行人』以来再登場。彼も本作で大きく活躍を見せているので、こちらにも注目。
人気キャラクターである赤井秀一・安室透も引き続き登場。前者は『緋色の弾丸』以来の登板で、後者は前作『ハロウィンの花嫁』から続けて登場しているが、それぞれの活躍は他のキャラクターを食わない程度に抑えられている。

本作の主な舞台は東京都八丈島*3。島の支庁やダイビングショップなどが制作協力に名を連ねており、美しい自然や美味しそうな郷土料理が描かれている。
また、八丈島は実際にホエールウォッチングのスポットとしても知られており、雄大さを感じさせるクジラの描写は迫力満点。
なお、エンディングの実写パートも同地でロケが行われており、そこでも美しい海が多く映し出されている。海が舞台となった今までの作品と比べて、映像技術の進歩により海面や海中の表現がより精緻になっているのも特徴。
一方でドイツのフランクフルトも舞台の一つとなっており、冒頭ではそちらで事件が発生する他、中盤でも大きく取り沙汰されている。こちらの街並みもまた鮮やかに描写されている。

監督は立川譲氏で、『ゼロの執行人』以来2作目。
脚本は櫻井武晴氏で、『名探偵コナン 緋色の弾丸』以来の登用。この両名がタッグを組むのは『ゼロの執行人』以来となっている。
音楽は前作『ハロウィンの花嫁』に引き続き菅野祐悟氏が担当。同作のBGMの数曲は本作でもアレンジバージョンが使用されているというファンサービスも。

公開1日後の2023年4月15日には、プレストーリーであるアニメオリジナルエピソード『灰原を狙うカメラ』が放送。
エピローグで、今回の劇場版につながるワンシーンが描かれている。



【プロモーション及び興行収入】


本作はこれまでに無いほどプロモーションを積極的に行っており、製作陣の意気込みが窺える作品となっている。

まず前作終了後の当初の予告は、水中と思しき場で水音がしたあと「会いたかったぜ、シェリー……」というジンのセリフが流れるものだった。
期間限定のブラッシュアップ版の上映後のものは内容が一新されており、コナンと灰原のやり取りと助けを求める彼女のセリフのあと、目を閉じて沈みゆく姿が示されてから、サブタイトルの最初の一文字のみが明かされた。

本格的に特報が公開されたのは、2022年12月1日。さらに3週間後の12月27日に1分予告が公開され、大きな反響を呼んだ。
その上で公開前の2023年1月6日、本作のキーパーソンである灰原に関するエピソードをまとめた特別編集版『名探偵コナン 灰原哀物語~黒鉄のミステリートレイン~』が劇場版枠として公開されている。
劇場公開を前提とした総集編の制作は2021年の『緋色の不在証明』以来。週末動員ランキング初登場4位に食い込むなどの好成績を出しており、そのラストでは劇場版の冒頭につながる新規映像も組み込まれていた。
なお同作は現在、Amazonプライムビデオなどで視聴が可能となっている。

そして、本作公開前の3/25〜4/8の3週にわたって、ラムの正体が判明する原作エピソード『黒ずくめの謀略』がアニメ化。
さらに公式YouTube・TVerでは、灰原の軌跡を振り返る『あの薬の開発者 シェリー特集』と銘打ち、灰原がメインに携えられているエピソードが同日3/25から毎日1話ずつ、全39話にわたって公開されている。そのCMパートでは本作の宣伝が行われており、非常に印象深い。
更に4/29には、24時間限定で『名探偵コナン エピソード“ONE” 小さくなった名探偵』も配信された他、シェリー特集に続いて『もう1人の天才小学生 灰原哀特集』という形で、灰原が活躍しているエピソード全31話が4/30より毎日1話ずつ公開され始めている。
また、公開前後を通して『シークレットメモリー編』『ウォッカ編』など、本作に関する特別映像が順次公開されるようになり、その中には公開日当日に『金曜ロードショー』で放送された『漆黒の追跡者』も含まれていた。
これらの映像は現在公式Youtubeチャンネルで公開されており、非常に多く再生されている。
加えて、主題歌を担当するスピッツの公式アカウントも連携し、『コナン』の原作のコマを用いて同グループや『美しい鰭』を宣伝するセリフに差し替えた画像を投稿してもいる。

以上のような活動が実を結んだのか、本作の興行収入は凄まじく、初動週末3日間の売り上げで31億を叩き出すスマッシュヒットを叩き出した。
これはかつての歴代最高収益を飾った前作『ハロウィンの花嫁』の同期間の168%にも及び、歴代最高をいともあっさりと抜き去ってしまった形となる。
続く2週目でも100万人以上の動員があり、累計58億もの売り上げを記録。更に3周目でも80万人以上の観客動員を見せ、累計77億にまで達している。
劇場版シリーズの興収の急上昇のきっかけとなったリピーター層の多数動員に加え、作品自体に対する注目度が従来以上に高かった事が窺える。
更に言えば、他のテレビアニメの劇場版ではほぼ当たり前となっている入場者特典を設けていないにも関わらず、シリーズ最大級のロケットスタートとメガヒットを達成するに至っている。
加えて、コロナ禍では感染拡大防止のため見送られてきた発声可能な応援上映*4小並感あふれるネーミングだがぎょええ〜!発声可能応援上映」と銘打って4年ぶりに実施。合わせて世界初となる全自動制御ペンライトが発売されており、上映回によってはこれを持ち込むと場面に応じて全自動制御で色が変わるギミックも楽しめる。

そして5月8日、26作目にしてついにシリーズの悲願だった興行収入100億突破を成し遂げた事が発表された。
6月26日には動員926万人、興行収入130億円を突破し、国内の歴代興行収入ランキングでは『ジュラシック・パーク』を上回って第25位につけたと発表された。

8月下旬からは「BLACK CROWSING*5と銘打ち、終映を見据えたプロモーションへ移行。
組織のメンバーが『週刊少年サンデー』の表紙を飾ったり、「黒の日」である9月6日には舞台挨拶が行われたりした。


【ストーリー】


ドイツ・フランクフルトの夜。ユーロポールに所属する捜査員ニーナは、黒の組織の幹部・キール(怜奈)に追われていた。
逃げながら電話でジョディに助けを求めるニーナ。
そしてキールは追うフリをしつつ密かにニーナを逃そうとするものの、同じく組織の幹部、ジンによってキールの肩ごとニーナの頭を撃ち抜かれる。

もたもたしてんじゃねえ、キール

その言葉と共にその場を離れてゆく二人。射たれたニーナの体は、力なく水底に沈んでいった……。


所変わって日本・米花町。米花デパートの福引き*6の一等賞「八丈島ホエールウォッチングツアー」を引き当てるべく、気合いを入れる少年探偵団一行。
そんな中で灰原が興味を示すのはフサエ・ブランドの新作ブローチ。彼女は運良く整理券の最後の一枚を入手したが、その直後に「電車で一時間かけて来たのに」と落胆して去っていく老婦人を見て譲ろうとする。「いいのよ」と受け取らない老婦人に灰原は「値段ちゃんと見てなくて、私には高かったから」と言って再度、整理券を差し出して老婦人は受け取った。
一方、福引きに挑んだメンバーたちは全員ハズレ。ツアーへの参加は叶わなかった。
……と思いきや、灰原が整理券をあげる場面を目撃していた園子の計らいによって、一行は八丈島へホエールウォッチングに招いてもらえる事になった。

現地に到着した後、コナンはホテルの前に白鳥がいるのを見かけ不思議に思う。更に沖矢(赤井)から連絡が入り、キールからの情報でニーナがジンに殺されたことと、ユーロポール・防犯カメラ・ネットワークに侵入した人物が組織の幹部である事を知らされる。

コードネームは、『ピンガ』

ラムの寵愛を受けているとされているこの人物の話を耳にし、コナンは不穏な予感を感じ取っていた……。


その後、ホエールウォッチングを楽しもうとする一行。だが、黒田と白鳥がちょうど警視庁の警備艇で出港しようとするところに行き合い、気になったコナンは船を間違えたフリをして密かに警備艇に乗り込み後をつけ始める。
彼ら二人の目的地は『パシフィック・ブイ』。インターポールが所轄する最新のこの施設では、世界各国の監視カメラを確認する事ができる重要な拠点となっていた。
現地到着後、黒田に感づかれるも結局同行を許されたコナンは、局長である牧野洋輔とエンジニアの一人である直美・アルジェントから、施設内部や機能の説明を受ける。そしてその中には彼女が開発した、どんな年齢の人物であっても探知する非常に画期的なシステム『老若認証』についてのものもあった。

確かにすげえけど……

だが、コナンの頭には自身や灰原が探索されるリスクがよぎっていた。

そんな折、バーボン(安室)とベルモットが清掃員を装ってパシフィック・ブイに侵入。一瞬のうちに直美を拉致し、脱出を決めた。
組織が所有する潜水艦へ戻り、ウォッカ、キールと共に直美が所持していたUSBメモリを調べる。すると、そこには二人の人間を老若認証にかけた結果の画像が残されていた。

All Ages Recognition

『老若認証・一致』が表示された検証内容――それは宮野志保(シェリー)と、防犯カメラに写っていた灰原哀の画像*7を認証にかけたものだった。これが一致するという事はシェリーが幼児化したという証拠に他ならず、それが遂に組織に露見してしまったのだ!
ベルツリー急行の事件の際に爆死したと思われていたシェリーの生存が判明した事も相まって、幹部たちはみな目を見開く。
ウォッカの報告でジンもこの結果を知り、当初は信用していなかったものの、彼は子どもの姿に変わったというシェリーを直接確認するべく、彼女を拉致するように命令した
その任務を達成するため、老若認証システムを既に手にしていた彼らは、それを使用してシェリーの居場所を探知する事に決める。だが「あの方」からの命令は、システムの改ざんを利用した痕跡の削除のみ。シェリーの拉致は完全に予定に無い行動のため、ウォッカ以外のメンバーはその点や、キールは肩の負傷などを理由に作戦から降りると次々に表明した。
しかし、ウォッカは気にも留めない。彼らと手を組む気は最初から無く、ピンガにやらせようとしていたためだった。

一方パシフィック・ブイでは、白鳥の応援要請を受けた目暮と佐藤がヘリで合流し、直美の拉致事件について捜査を始めていた。唯一の侵入経路である海中ハッチの開閉ログを調べるものの確認できない。バックドアを仕掛けられ、外部からハッキングされていたためだった。
同施設のシステムが世界と繋がり始める今日を狙った犯行であるのは明らか。防犯カメラの映像から侵入者を特定していたコナンは、ピンガがこの施設の中にいると考えていた。

事件関係者の事情聴取をするも事件が収束を見せない中、コナンは一旦蘭たちの所へ戻り、灰原と阿笠に翌日の船で帰るように伝える。
そして、コナンはかつての事件*8と同じく『絶対に正体がバレない』ように、掛けていたメガネを灰原に託すとともに彼女のそれと交換した。

お守り、ねえ……

しかし、深夜。渡されたメガネを目にしていた灰原は、駐車場で車のドアが閉まる音を耳にするとともに組織の連中が付近にいるときにしてくる感覚『匂い』を感知。彼女は部屋の扉を開け、外に出ようとした。
だがそこで待ち構えていたのは、ウォッカとピンガ。彼女の居場所を完全に特定し、とうとうその身を捕らえにやってきたのだ。
二人に薬を嗅がされ、連れ去られようとする灰原の危機を察知し走り出すコナン。だが、それも間に合いそうにない。このままでは逃げられて、彼女は完全に組織の手に落ちてしまう事になる!
するとそこへ駆けつけた蘭がホテルの2階からウォッカらの車に飛び乗り、そのままピンガと激闘を繰り広げる。その戦いで、彼女はピンガの首に痣が残るほどの強烈な蹴りを叩き込んだ。
それでも奴らも抵抗し続けたのち、撤退する。蘭はその後を追おうとするものの、キャンティに射殺されそうになったが、コナンに救われ九死に一生を得たのだった。

その後もコナンは阿笠と共にウォッカたちを追い、崖まで追い詰める。だが、彼らは崖からそのまま海へ飛び込み車を放棄。後を追うべく潜水するコナンだったが、そこに現れたのは――なんと、組織の巨大な潜水艦だった!!かくして灰原は、水底で黒鉄の檻の中に囚われてしまったのだ。

灰原は、ぜってーオレが連れ戻す……!

灰原を思い、奔走するコナンたち。組織の元から脱出を試みる灰原。
そして、徐々に「浮上」してきた黒の組織の陰謀。
絶体絶命の戦いが、この八丈島の海原で幕を開けようとしていた……!



【事件関係者】


  • ピンガ
CV:???
黒の組織の幹部の一人で、ラムの側近。年齢は25歳とのこと。*9
スパイ以外のコードネーム持ちでは珍しく年齢がはっきり明かされており、これはピスコ以来の例で劇場版オリジナルキャラクターとしては初。

キュラソーの後釜としてラムの側近に成り上がった男で、バーボン曰く「ラムの言いなり」。しかし、それに飽き足らずさらに上の立場に立ちたいと考えている野心家で、特にジンに対しては強い対抗心を燃やしている。
それをなし得るためためなら独断専行、果ては予定外の殺人でさえも厭わない恐ろしい人物で、その姿勢はコナンに「人の死に慣れすぎてる」と非難されるほど。実際、ニーナについては、自分が直接手を下したわけではないにせよ「間の悪い女だよなあ」とだけ述べており、何の罪悪感も感じていないようだ。

そのためか組織の中でも疎まれがちで、作中ではウォッカ以外の面々からは「(ウォッカに)ピンガを扱えるのか?」などと怪訝な顔をされていた。もっとも、ラムの言う事であれば聞くらしく、ウォッカもそれを利用して作戦を共に実行した形だった。
とはいえキュラソーとは違って作中でラムとピンガがやり取りする場面は無いし、何よりラムはピンガのどの点が気に入って側近にしたのかは言及されないのでよく判らないが。*10
本編冒頭、ユーロポールのネットワークセンターに侵入してデータを盗み取っていたものの、ニーナに見つかってしまい逃走。その後はパシフィック・ブイで老若認証システムを奪うべく、潜入任務をこなしている。

容姿は金髪をコーンロウに結い、ピアスを左耳にしているのが特徴で、細身の体格。目立ちすぎるだろう車を愛車にしているメンバーが多い点といい、ピンガのようにインパクト抜群の髪型をしている点といい、あの組織の面々は本当に存在を隠匿する気があるのだろうか?
戦闘能力は非常に高く、蘭と互角の格闘術を身につけている他、終盤ではナイフを使っていたためそれを使用した暗殺術や戦闘にも長けている可能性が高い。また変装力も高く、パシフィック・ブイへの潜入も何者かに化けて行なっている可能性が示唆されている。
その他、自作の薬品を使って他人を昏倒させる科学技術力やIT技術力、情報収集能力や勘さえも相当に高く、作中では灰原の正体はもちろん、新一の正体も老若認証で看破した。
早い話、近接戦闘能力と情報収集に長けたアイリッシュとキュラソー、変装技術と演技力が高いベルモット、優れた頭脳と科学知識を持ったシェリーを足して4で割ったところに、目的のためなら殺人すら厭わない冷酷さを持つジンの性格まで足したとんでもない人物。
組織の諜報員・工作員としての技量は、間違いなく超一流と言っても過言ではないだろう。

一方で気性は荒く、チンピラ臭さえ漂うほど非常に短気。蘭に蹴られた事も根に持っており、「次に会った時は殺してやる」とも息巻いていた。
また能力自体は超一流クラスでも性格故か粗が目立つ部分も多々見られ、ユーロポールの潜入任務ではニーナにその姿を見られてしまっている他、パシフィック・ブイでの予定外の殺人の証拠隠滅も完璧ではなかった。そんな小さな失敗が積み重なってしまった結果、コナンによって正体を看破される事になった。
挙句終盤では、監視カメラだらけの施設の中で、日本警察・インターポールの面々に顔が割れる大失態まで犯してしまっており、例え彼らを全員殺害してパシフィック・ブイを脱出したとしても、遅かれ早かれピスコのように組織から抹殺命令が下されていた可能性が高いだろう。

この辺りの欠点もジンと似たりよったりだが、先述の通り、本人はジンの事を非常に嫌っている。そのため、コナンに「(ジンに劣る)ジンもどきのチンピラ」と貶された時は激昂し、彼を何度も蹴りつけるなどの暴行を加えた。
だが、そのジンからもある罠にかけられてしまうようで……?

名前の由来はブラジル原産の蒸留酒『カシャッサ』の別称の一つ、『ピンガ』から。*11某ペンギンクレイアニメの妹キャラではないのは言うまでもない。
この酒はラム同様サトウキビを原料としてして作られており、まさにラムの側近としてふさわしい名前と言えるだろう。
ちなみに、ピンガの酒のラベルの番号は本来『51』だが、本作のシリーズに合わせて『26』にしている。

  • 牧野洋輔(まきの ようすけ)
CV:沢村一樹
海洋施設『パシフィック・ブイ』局長。
落ち着いた性格で、異国出身者が多い同施設でも分け隔てない目で職員を見ている。
日本警察にも毅然とした態度で接していたが、レオンハルトの暴言については流石に眉を顰めていた。

その後で直美の拉致事件が発生し、バックドアが仕掛けられた可能性を鑑みてシステムの停止を目暮たちから進言された際は、「そんな事はできない!」と声を荒らげて突っぱねている。
その後、直美の父・マリオが殺害されそうになった際は、彼の保護をユーロポールに要請。
また、終盤で組織による施設への攻撃が判明した後は、迎撃態勢を敷くように指示を出した。

演じた沢村氏は本作の芸能人キャスト枠で、牧野のキャラビジュアルも氏に似ている。
なお、沢村氏が所属する事務所・研音所属者のうち、過去に福士蒼汰氏(『異次元の狙撃手』)、榮倉奈々氏(『業火の向日葵』)、天海祐希氏(『純黒の悪夢』)、山崎育三郎氏(『紺青の拳』)の4人が劇場版にゲスト出演の経験がある。

また、沢村氏は『浅見光彦シリーズ』で主人公の浅見光彦*12を長年演じた経験があるし、公開の前年には『金田一少年の事件簿』のドラマ版剣持勇として出演するなど、推理ものに何かとゆかりの深い俳優でもある。

  • 直美・アルジェント(なおみ –)
CV:種﨑敦美
パシフィック・ブイ勤務の女性エンジニアで、『老若認証システム』の開発者。19歳。*13
イタリア人の父と日本人の母を持つハーフで、父親はEU議会議員のマリオ・アルジェント。
心優しい性格で、初対面のコナンや灰原にも優しく接する。

幼少期はアメリカのボストンで暮らしていたが、東洋人が珍しかったからか陰湿ないじめを受けていた。実はこのころ志保に出会っており、彼女がニュース番組に出ていた直美に既視感を覚えていたのもそのためだったのだ。

だが志保のおかげで救われたものの、今度はその標的が彼女に向かってしまう。いじめを止めようとする思いは直美の中にもあったが、一方でかつて自身がまた同様の目に遭うかもしれない恐怖も拭いきれず、結果、後者に屈してしまう。
そのため、志保へのいじめを止められず、それを謝る事もできないまま彼女と別れてしまっていた。

内心ではこれを深く後悔しており、老若認証システムを作ったきっかけも『人種によって差別されない世界』を作り出すため。そして、システムのテストをすべくインターポールから声がかかった際、「また会いたい、会って謝りたい」という思いから最初に使ったのが志保の写真だった。
テスト自体は成功し飛び跳ねて大喜びするものの、幼少期の志保と全く同じ見た目をした灰原の存在まで感知した事には疑問を持つが「私のせいで巻き込まれたんだと思う」と済まなそうにしていた。
老若認証が完成した際には、莫大な報酬の代わりにシステムの独占使用と改良の依頼をピンガからされていたが、彼女はこれを断っている。

本編序盤、バーボンとベルモットによって拉致され、組織の潜水艦に監禁されてしまう。
さらに自身の首にペンダントヘッドとして提げていたUSBメモリを奪われてその内容を見られ、図らずもシェリーこと灰原哀の存在に気づかれる。善意から作ったシステムが、恩人を危険に晒してしまったのだ。
さらに、彼らが仕掛けたハッキングにより、老若認証システムが完全に乗っ取られてしまう。
直美はこのシステムを開発したことを後悔し、拉致されてきた灰原に対して自責の念を溢していた。

その後、ウォッカからシステムの改良を要求されるも拒絶する。だが、その報復として逆に父の居場所を特定された上、狙撃される決定的瞬間を目撃させられ、「(志保をかばえなかった)あの時と同じように今度は父を見捨てた!このままじゃみんな私のせいで殺されてしまう」と慟哭。絶望のあまり一時は後ろ向きになってしまう。
それでも灰原のとある言葉を受け気力を取り戻し、彼女と共に潜水艦からの脱出を図り再び陽の光を拝むことができた。
そして、パシフィック・ブイ帰還後に振る舞われた飲み物を口にした際のある仕草が、コナンに真相にたどり着くためのヒントを与えることに。

担当声優の種﨑敦美氏は、『まじっく快斗1412』では桃井恵子を演じており、『コナン』に関しては2022年12月に放送されたアニメオリジナルエピソード『死が二人を分かつまで』にゲスト出演以来2度目である。

  • グレース
CV:村瀬歩
パシフィック・ブイ勤務の女性エンジニア。フランス出身で、5年前から技術職として勤めている。
背が高くスタイルが整っていて、眼鏡をかけ、首元にはストールを巻いているのが特徴。
気さくで優しい性格。同性の直美とは良き同僚の間柄。他のメンバーとも積極的にコミュニケーションをとっているため仲が良く、加えてエンジニアとしての能力も高い。
しかし意外とおっちょこちょいな一面もあるのか、休憩時間にコーヒーを淹れる事になった際、コナンがジェスチャーで「2杯」と伝えたのを「1杯」とカウントしてしまっていた場面も。
システムが停止するかどうかの瀬戸際になった際は、エンジニアのメンバーの中で唯一「停止したほうが良い」と警察の面々に進言する。
その他、レオンハルトの死後に発生したバックドアについても、エドたちと共に尽力していた。

担当声優の村瀬歩氏は『コナン』シリーズ初出演。
男性だが女声にも定評がある声域の広さは本作でも存分に生かされており、女性であるグレースを見事に演じ切っている。氏の演技力の高さが窺い知れるだろう。
余談になるが、OVA『ロンドンからのマル秘指令』ではグレースという灰原そっくりの人物が登場している。

  • レオンハルト
CV:諏訪部順一
パシフィック・ブイ勤務の男性エンジニア。ドイツ出身。
グレースとは違いこちらは誰に対しても非友好的で、刺々しい態度を取る。殊に警察に対しては嫌悪感を示しており、老若認証システムを日本警察にだけ公開した事も重なったため、局長である牧野に「ここのトップが日本人だから日本贔屓ってわけか?」と痛烈な発言をしていた。
これ程までに警察を嫌っている理由は、牧野いわく「かつて自身がヨーロッパ警察と一悶着があったため」らしいが……。

また日本人そのものを嫌っている傾向があるのか、「自分も日本人のハーフだ」と言った直美に「どうりでいけ好かない女だと思ってた」と、人種差別発言を面と向かってしているし、直美に抗議され撤回を求められても応じようとはしていない
取り調べを受けることになった際も「なんでアンタら(日本警察が)取り調べをするんだ!」と語気を荒げ、「日本警察も容疑者のはずだ」と吐き捨てるほど非協力的。システム停止についても日本警察が行っているため、当然反対している。

その後、コナンたちが灰原の行方を掴むべく施設で防犯カメラの映像を確認していた際、映像が改ざんされている可能性に気づいたため、問い詰めるべくその人物の部屋を訪ねる。が、逆にその人物によって昏倒させられてしまった。
そして「バックドアを仕掛けた犯人は自分だ」と告白するメールと共に、カフェで毒物を摂取して自殺。その映像は監視カメラに残されていた。
遺体の口元はひどくただれており、死因は強アルカリ性の毒物*14によるもの。また、そこからはシンナーのような匂いが漂っており、エーテル系統の麻酔薬を嗅がされた可能性がある。
そのため、コナンはその死が他殺だと読んでいる。

担当声優の諏訪部順一氏は、『36マスの完全犯罪』以来約2年ぶりのゲスト出演で、またその時に演じた人物は今回登場した2人の組織関係者と出会っている。

  • エド
CV:神谷浩史
パシフィック・ブイ勤務の男性エンジニア。インド出身。
楽天的かつマイペースな性格だが、彼もまた優秀なエンジニア。もともと世界的なIT企業に身を置いていたが、そこからパシフィック・ブイに移ってきたらしい。
レオンハルトとは違い彼は人種差別主義的な一面は特に見せておらず、日本警察に対しても普通に接していた。しかしシステム停止についてはエドもまた反対派。ただその理由は「すごいシステムをいじれるから」というもので、根っから仕事が好きらしくほとんど自身の席にいる。実際、事情聴取のシーンでは牧野や他のエンジニアたちはカフェで受けているのに、エドだけはメインルームで受けていたほど。
また、バックドアを仕掛けられた事について「エキサイティングな事件」と称するなど、どこか物騒な一面を覗かせる時も。

しかし良識は持ち合わせているらしく、直美とレオンハルトが言い争いをしているときにシステム稼働の定刻である事を伝えている。また、レオンハルトの死後に発生したバックドアについて、直美の父・マリオの暗殺を食い止めるために牧野やグレースと尽力していた。その際は発信元のサーバーを特定し、更に「2、3時間はかかる」としながらもバックドアを閉じようとする高い技術力を見せている。
加えて終盤での事件の際は牧野の指揮のもと迎撃態勢のサポートを出しており、要所要所でエドの活躍が描かれている。

ちなみに小五郎が眠らされた時には、ゲストキャラでは唯一「眠りの小五郎!?」と興奮気味に反応したばかりか、あれほど張り付いていたデスクから立ち上がって駆け寄っていたので、実はファンなのかもしれない。または描写が無いだけでおっちゃんは実は世界の有名人?*15

演じているのは、人気声優の神谷浩史氏。氏の『コナン』シリーズ出演は意外にも今作が初めてである。

  • ニーナ
CV:宮原永海
ユーロポール捜査官。フルネームはNina Balmer*16
ジョディとは連絡先を交換して以降、良き友人関係にあった。メタ的な都合上彼女とは日本語でやり取りしており堪能なようだ。

ネットワークセンターに侵入し、データを盗み取っていたピンガを偶然見かけてしまい、彼に肩を撃たれるもなんとか逃走。「センターに侵入した誰かに追われている」とジョディに電話をしつつマイン川のアイゼルナーシュテグまで何とかたどり着くも、キールに追いつかれる。
しかし彼女はニーナを逃がすため川へ飛び込むように指示を出し、自身もそれに従おうとしていた。
だが、後から追いついて来たジンによってこめかみを撃ち抜かれ射殺されてしまった。
日本にいるジョディに連絡するより現地警察に通報すれば良かったのでは?

演じているのは、歌手としても活動している宮原永海氏。
アニメ関係の楽曲だけでなく、『ケータイ刑事 銭形零』では主題歌、『まだまだあぶない刑事*17では挿入歌を歌うなど推理・刑事ものにゆかりあるが、同氏も『コナン』シリーズ初出演である。

  • マリオ・アルジェント
CV:なし
直美の父でEU議会議員を務めるイタリア人。セリフは無く写真や映像のみに登場。もちろん本作公開日から2週間後に公開された某大人気ゲームで同じ名前の配管工主人公とは全くの無関係である。
娘の開発したシステムを世界平和のため活用することに賛成しており、彼の尽力でユーロポールの監視カメラをパシフィック・ブイに接続することがかなったという。

しかし直美が組織との取引を拒んだため、その報復としてエッシェンハイマー塔付近のホテルにいたところをコルンに狙撃されてしまい……。



【レギュラー陣】


ご存知主人公。
八丈島に到着した後、沖矢からユーロポールの侵入事件についての連絡があり、それの犯人が組織の人間・ピンガである事を聞かされる。
その後、ホエールウォッチングに行く最中に、偶然目撃した黒田・白鳥の後を追うべく警備艇に乗り込んだ。
パシフィック・ブイ到着後に直美の拉致事件に遭遇し、捜査のサポートを行った後、一旦は八丈島にいる蘭達の元に戻る。灰原と阿笠に事を伝えた後、『正体が絶対バレない』お守りとして自分のメガネ*18を灰原に渡していた。

しかし、その夜に灰原が組織のメンバーに誘拐された事で事態が一変。駆けつけて来た蘭と共に彼女を救い出そうと奮戦するが、駐車場からの逃走を許してしまう。
阿笠と共に彼らを追い続け、逃げるルートを先読みしてスケボーで追い詰めるも、彼らが潜水艦で来ていた事まではさすがに推理し切れず逃げられてしまう。
その事を後の事情聴取で佐藤たちに伝えるものの、「怖い思いをしたから見間違えた」と信用されなかったためについ「違う!!俺は本当に潜水艦を見たんだ!!」と声を荒らげてしまっていた。
また、この時の彼は繋がるはずもない探偵団バッジに必死で呼びかけたり、万が一繋がった場合、組織に聞かれる事を考慮していなかったりと、普段からは考えられない程取り乱していた。
その直後に来た蘭からの電話はつつがなく対応していたものの、実際には相当な覚悟を決めており、最後の手段として解毒剤の服用さえ視野に入れていた。

その後、パシフィック・ブイで監視カメラの映像を確認したものの、誘拐したウォッカ・ピンガの姿はおろか、それを追いかけていた自分たちの姿さえ抹消されている事に驚愕する。
さらにレオンハルトの殺人事件まで施設内で発生し、全ての真相解明に向けて動く事になる。

ご存知哀ちゃん。総集編のナレーションでは自称「ミラクルキュートなサイエンティスト」。
本名は宮野志保といい、かつて黒の組織に所属していた科学者「シェリー」。
本作のキーパーソンにしてメインヒロイン*19原作で少し触れられていた「組織命令でアメリカ留学中、東洋系の顔立ちのせいで嫌がらせを受けていた」という過去が掘り下げられてもいる。

デパートでフサエ・ブランドの限定品を買える整理券を手に入れたものの、後からやって来た老婦人に譲ってあげ、彼女から感謝された。結果的にその行動が八丈島のホエールウォッチングに招かれる直接的な発端となっている。
ホテルに向かう車の中ではタブレットでニュースを視聴していたが、その際直美に既視感を覚えていた。

そしてその夜、存在を嗅ぎ付けていたウォッカとピンガによって誘拐され、駆けつけたコナン・蘭・阿笠の奮闘も虚しく囚われの身に。そして組織の潜水艦に監禁され、ウォッカによってジンに会合させられそうになってしまう。*20ついに組織にその存在を感知されてしまったことに、身の毛がよだつ思いを感じていた。
またそこにはかつての友人・直美も捕われており、絶望する彼女を鼓舞し勇気づけていた。

その後キールの手引きで脱出方法を知り、また同じタイミングでジンとの合流のため潜水艦が浮上し始めた。それに伴い、ついに探偵バッジの通信可能域に入ってコナンと落ち合う目処が立ち、直美に脱出を促すも、父を襲撃され絶望しきっていた彼女から「あなたみたいな子供に何ができるっていうの!?」と投げやり気味に問われる。果たして灰原は何と答えるのか……それは、是非とも潜航してお確かめあれ。
かくして直美と共に脱走、無事にコナン達と再会できた。しかし終盤でコナンの危機を察知、再度海に潜っていき……。

何より、いつもはコナンにつっけんどんに接している事が多いが、内心では彼の事をとても大切に思っている。そのため、終盤ではコナンの命を救うべく「ある事」をする。

ご存知蘭姉ちゃん。
本作のアクション担当で、実質味方サイド唯一の肉弾戦要員の為、黒の組織が活躍する劇場版作品の中では珍しく見せ場がかなり多い。

ホテルでの灰原誘拐現場に駆けつけ、彼女を救い出すために奮闘。バルコニーから飛び込み競技を思わせるフォームで直接車のボンネットに飛び降り、見事に着地を決めた後はそのままピンガと死闘を繰り広げる。
一進一退の攻防の末、彼の首筋に強烈な上段回し蹴りを浴びせてウォッカ共々撤退まで追い込むものの、灰原は拐われたまま。彼女を奪還すべく諦めずに車を追いかけようとする。
このとき知らぬ間にキャンティに射殺されそうになっていたが、すんでの所でコナンに救われた。
その後は彼の指示のもと、応援を呼びに行く……までは良かったが、小五郎が寝ぼけて起きなかったため、鳩尾に正拳を一発叩き込んでいた。
事件後は灰原の身を案じて新一に電話しており、不安な気持ちを彼に吐露している。

その後、パシフィック・ブイから戻ってこないコナンたちを心配し、阿笠と共に施設に乗り込む。灰原が保護されたときには「もう大丈夫だからね……!」と涙を流し励ましながら抱きしめており、彼女はその姿に亡き姉を重ねるのだった……。
すべての真実が明かされた際には再びピンガと交戦を果たしたあと、施設からの脱出を図っている。

今作では彼女の空手に弱点があることが示されており、それは『右の正拳を繰り出した後、体が左に流れてしまう癖がある』というもの。
作中、そのせいで命を落としそうになった場面もあり、黒田から気を付けるように言われていた。
そして、ラストにある人物から何かされるようだが……?

ご存知FBI捜査官、あるいは東都大学院生。そして、かつて黒の組織の幹部だった「ライ」。
序盤は沖矢として登場し、掴んだピンガの情報を電話でコナンに伝えている。
その後、終盤になってコナンから連絡を受け、その変装を解いてパシフィック・ブイまでヘリで駆けつける。その手には在日米軍から調達した「ある物」を携えており、組織の潜水艦を沈める決定打を放つ。説明書は読んだだろうか
またその前に、コナンの計らいで安室と連絡を取り合うが……。

ご存知黒の組織の探り屋「バーボン」にして、私立探偵。真の正体は、警察庁警備局公安企画課「ゼロ」に所属する公安警察官。今回は「バーボン」としての側面がほとんどで、「降谷零」としての顔は数えるほどしか見せていない。

序盤、ベルモットと共にパシフィック・ブイに潜入して直美を拉致。彼女が持っていた認証結果に目を見張っていた。しかし、シェリー拘束作戦についてはベルモット・キールと共に否定的な態度を取る。

その後、公安の仕事で潜水艦を出て、都内に停めていた愛車の車内で灰原の拉致の連絡を受け、ジンが潜水艦でメンバーたちと合流する情報をコナンに流し、ヘリコプターで合流してくるタイミングで助けに入るよう助言した。
そして終盤、大騒動が起きたパシフィック・ブイから避難するよう黒田に連絡をしてその後、施設内から避難しているかコナンに確認を入れていた。
その際、コナンによってスマホ越しに赤井と連絡を取り合うが……。観覧車の上は殴りあいをする場所ではないことを理解したようだ。

ご存知黒の組織の幹部「キール」。表向きの肩書は休業中の人気アナウンサーで、真の正体はCIAに所属する諜報員。
今作では怜奈が活躍するシーンが非常に多く、また彼女自身の過去を振り返るシーンがあり、さながら組織側のヒロインのような立ち位置も担っており、裏主人公のひとりともいえる。

ドイツでユーロポール捜査官・ニーナの抹殺任務に当たっていたが、実際は彼女を逃がそうとしており、追いついた後で川に飛び込むように指示を出す。しかしその直後、ジンによってニーナは射殺されてしまった上、自身も肩に銃弾が貫通するほどのダメージを負わされてしまう。
その後バーボンらと共に老若認証のデータを確認する事になり、その結果に驚く。だが、灰原の拉致任務については、肩を負傷していた事でから降りている。そのため、ウォッカと共に灰原・直美の監禁任務にあたり、灰原の腕と脚に縄を結びつけていた。そのとき盗聴器を仕込まれたと気が付くも、それを利用して彼女らを逃がすべく手引きする。
直美がウォッカによる脅迫を受けている時には、自身もまた過去を振り返っており、そこでは自分の父が自決するその瞬間を思い返していた。

その後、灰原たちの脱出を手助けするべく、ウォッカに潜水艦からの魚雷発射管の操作方法について確認する体で聞いていた。そしてジンらと行動を最後まで共にし、その結末を見届ける事になる。
ちなみに、を思い返しているシーンは作中で全く見受けられない*21今作では兄弟姉妹に関連するようなエピソードは特に無いので仕方無いが、ちょっと不憫である。

  • イーサン・本堂
故人。水無怜奈こと本堂瑛海の父親で、CIAの諜報員。
瑛海と共に組織に潜入していたが正体が露見しかけたため、彼女に射殺されたように見せかけるべく偽装工作をし、自身は拳銃で自決。瑛海は彼の始末が評価された事でコードネームを獲得し、組織の中枢まで潜り込むようになった。
しかしその死は彼女にとっていまだに心の傷となっているらしく、父親の殺害に抵抗する直美のその姿に自身も重ねていた。
担当声優は放送当時と同じく小山力也氏で、結果的に小五郎と兼任している*22

故人。志保の姉。コードネームは持たないが自身も組織の末端構成員だった。

妹と自身を組織から脱退させるべく『黒の組織10億円強奪事件』でタイトル通りの犯罪を敢行。ジンとウォッカに脱退の約束を守るよう詰め寄るも、彼らに約束を反故にされたばかりか射殺されてしまい、コナンはその最期を看取っている。
志保にとってはたった一人の肉親ゆえ、姉を殺害された一件は組織に反抗するようになるきっかけとなった。
登場する場面は少ないものの、志保にとって印象深い人物であることからか、ワンシーンで青山剛昌氏の原画が使用されている。
ちなみに、初めて出演した『天国へのカウントダウン』の時は留守録音声でのみの登場だったため、明美が話すシーンが描かれている劇場版は本作が初である。

ご存知迷探偵。前作前々作で見せたシリアスさとは違って本作ではコメディ要員。
着いて早々八丈島の地酒*23を飲みまくって潰れており、ホエールウォッチングに参加できなくなっていた。その後に目を覚ましたかと思えば地酒をまた楽しんでいたため、すっかり気分上々。完全に出来上がっていた。
こんな状態だったため灰原の誘拐にも気づけず、蘭から言われた際もずっと寝ぼけていた為、娘から鳩尾に強い一撃を食らうことになってしまった。*24

誘拐事件後は監視カメラの映像を確認するべく、コナン・目暮らと共にパシフィック・ブイへ。そこで発生したレオンハルトの毒殺とピンガの正体について『から紅の恋歌』以来となる『眠りの小五郎』を披露し、真相を明らかにした*25
しかしその後の事件にまで巻き込まれてしまい、施設から避難。その際も寝ぼけたままだった。

あまり活躍の場面が無かったようにも見えるが、もし彼が灰原誘拐の際ピンガやウォッカと対峙し、『ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間』で描かれたようにシェリーと思われる少女に毛利小五郎が関わっているとジンが知ってしまったら、灰原=シェリーが確定してしまうだけでなく、小五郎の周りの人間にも危害が及ぶ危険があった為、ある意味仕方なかったのかもしれない。皆勤賞要員でもあるから出さないわけにもいかないし。

ご存知天才発明家。今作でもダジャレクイズは健在。
また、30mまで潜れる上に自動操縦機能まで付いている水中スクーター、減圧症になりにくい小型エアタンク(見た目から『紺碧の棺』で使った『小型酸素ボンベ』と同じタイプかそれの改良版だと思われる)、無線付きゴーグルの海中ヘッドセットを開発するなど、今作でも凄まじい発明品を生み出している。これらの発明品は丑尾の興味も引き、ふたりが意気投合するきっかけにもなった。
灰原誘拐事件の際には、コナンと共にウォッカ達を追い、彼の指示と超人的なドライビングテクニックで組織の連中を追い詰める。「ぶつけてでも止めたるわい!」と決意と覚悟を口にするシーンはとてもかっこいい。
しかしあと一歩のところで彼らに逃げられてしまい、灰原の身を案じて涙を流した。

彼は八丈島に残っていたが蘭と共にパシフィック・ブイに駆けつけ、一連の真相を目の当たりにした。
その後は施設からの脱出を果たすも、再び海に戻ろうとする灰原を止めようとする。しかし彼女は行ってしまい、再びその身を案じる事になってしまう。

ちなみに、ティザービジュアルに登場するのは『絶海の探偵』以来10年ぶり。

ご存知少年探偵団。
デパートのホエールウォッチングツアーの福引きに挑戦するも、コナン共々全員外れてしまいがっかり。が、園子の計らいによって八丈島に行けることになったため、一転大喜びした。
現地で楽しい時間を過ごしていたものの、ホテルに宿泊した翌日、「風邪をひいた」という灰原の体調を思って見舞いに行こうとする。が、コナンや園子に止められてしまい、彼女の体調が気がかりなまま園子と共にクルーザーで本土へと帰っていった。

なお、歩美は灰原と同室だったがぐっすり眠っており、組織による誘拐騒動にも全く気がついていなかった。しかし、もし目を覚ましてピンガやウォッカの顔を見ていた場合、彼女も連れ去られていたか、最悪その場で口封じに殺害されていた可能性もあるため、巻き込まれなかったのは不幸中の幸いと言えるだろう。
余談だが、灰原は部屋を出ようとする際、歩美の布団をきちんと整えてあげている。

ご存知蘭の親友。
見知らぬ老婦人に整理券を譲ってあげるという灰原の行動を褒め、そのご褒美に鈴木財閥が所有する八丈島のリゾートへ、ホエールウォッチングに灰原はもちろん、探偵団や阿笠、蘭たちも招待した(ちなみにこのときコナンは内心「来ると思ったぜこの展開……」と言っていた)。
灰原が誘拐された後は、蘭から事情を聞かされていたのか、子供たちに「灰原は風邪をひいた」と説明。見舞いに行こうとする探偵団たちに、半ば有無を言わせず帰り支度をするよう言いつける。
その後は彼らの付き添いを阿笠に頼まれて快諾し、手配したクルーザーで本土へ帰っていった。

警視庁捜査一課の管理官。
白鳥と共にパシフィック・ブイに先行して来訪している。インターポールを待たせたくないという考えのもと、密かに船に乗り込んでいたコナンを保護者らのもとへ送り返すことより彼を伴い現地を訪問する方を優先し、施設で管理しているシステムの説明を受けていた。
直美の拉致事件が発生した際は、侵入経路確保のためバックドアが使われた可能性を示唆している。
その後、ピンガが正体を表した時には管理官として白鳥たちに指示を出していた。
その際、蹴り飛ばされた蘭をお姫様抱っこで抱き留めて救う*26。また実は空手に心得があるのか、彼女の癖に対しても海中施設ゆえ易々とは出入りできないとはいえ、犯人が逃げているのに今そこでやるのか?と言いたくなるくらい唐突すぎる正拳突きワンポイントアドバイス忠告を送っている。そのほか、序盤でもコナンの気配に気付いているらしき反応を見せていた。

ご存知御曹司警部。
序盤、一行がホテルに到着した際に姿を見せており、コナンから疑問を持たれていた。
その後は黒田と共にパシフィック・ブイに行き、勝手について来たコナンも加えた3人でシステムの説明を受けていた。そしてそこで出会わした直美の拉致について、捜査を進める。
その後、応援要請をした目暮・佐藤と事件の捜査を進めると共に、ピンガの後を追う事にもなった。

ご存知警視庁捜査一課のメンバー。
白鳥からの応援要請を受けてパシフィック・ブイで合流、直美の拉致についての捜査を行う。また灰原の誘拐事件についてもコナンたちから相談を受けたが、潜水艦がいたことまでは流石に信じられず、「怖い思いをしたから勘違いした」と困惑してしまう。
最終的にはコナンらに協力し、監視カメラの映像を辿るべく再びパシフィック・ブイへ乗り込む。その後に発生した騒動を受け、ピンガの後を追う事になった。
なお、高木千葉は階級が下の方の為か今作には出演しておらず、また一言も言及すらされていない*27

警視庁公安部所属の警部補で、降谷(安室)の右腕。彼も前作『ハロウィンの花嫁』から続けての登場となるが出番はごくわずか。
車の外で電話をしている降谷にある容疑者がもうじき来る事を呼びかけていた。
出番は少なかった一方で危害を加えられるシーン(風見女難の相)もなく、そういう意味で安心したファンもいるかもしれない。

FBI捜査官。出番は少なめ。
ジョディは連絡先を交換して以降ニーナと友人関係にあり、彼女が組織に追われていた最中もずっと電話越しで相談を受けていたため、その今際の声を聞く事になってしまった。
その後、フランクフルトでのマリオ狙撃を食い止めようと3人でコルン達を追いかける。だが、コルンから妨害を受けて身動きが取れない中、マリオは狙撃されてしまう……!

なおジョディはメインビジュアルでは拳銃を構えているが、作中では使うシーンが一度も無かった。

ご存知黒の組織の幹部で、工藤新一を幼児化させた張本人。
本編冒頭から味方であるはずのキールの肩もろとも撃ち抜いてニーナを射殺しており、これまでに無いほど冷酷ぶりを見せ付けている。

灰原の正体が判明した後、ウォッカから「シェリーが子どもの姿になって生き延びていた」という連絡を受ける。彼女はベルツリー急行の事件で爆死したとベルモットから報告を受けていたため、当初は信用していなかったものの、直接その姿を拝もうと決断し、彼女を拉致するようメンバーたちに命じる。自身はフランクフルトから遠路はるばる八丈島の潜水艦までシートベルトをしてヘリコプターで潜水艦へ向かうことになった。
なお、シェリーと思われる少女を捕らえたというウォッカから「一旦写真画像を送りましょうか?」と提案された際にはそれを拒否して、まず自分自身の眼で確かめようとするという独特のこだわりを見せた。

しかし仲間たちと合流した直後、隙をついて灰原と直美が逃走。海中へと逃れた彼女らを殺害しようと魚雷発射管のボタンに手をかけていたが、キールに阻止される。
終盤、ベルモットから老若認証システムの致命的な欠点が見つかったと知らされた際には、いつも冷静かつ詩的なセリフ回しの多い彼にしては珍しく、クダを巻く酔っ払いのごときテンションで激昂して声を荒らげた。
その後、ある行動に出て……。

ご存知ジンの弟分。
プロモーションの一環のインタビューで、灰原役の林原氏をして「(今作は)ウォッカが嫌いになる映画」と言わしめただけあって、今作では非常に狡猾かつ残忍な一面を見せており、かわいいと扱われがちな彼もやはり犯罪組織の幹部であることを強く印象付ける言動を見せる。
裏を返せば、今までの劇場版作品ではジンのオマケ程度の存在感しかなかったウォッカが、今作では非常に出番に恵まれていて印象に残るシーンが多い事を意味するし、本作ではジンの登場までは間違いなく組織内の主役のひとりである。

老若認証システムによって灰原ことシェリーが生きている事を知り、ピンガと共に彼女の拉致作戦を実行し成功。開発者の直美と共に監禁し、ジンに会わせようと画策した。
一方で直美にはシステムの改良を要求したが、彼女に突っぱねられるやいなや態度を一変。システムを使用して彼女の父の居場所を炙り出し、「お楽しみタイム」と称して彼が狙撃される場面を見せながら脅迫する残酷な一面を見せた。この時にアダルトな展開を見せるのかと思ったファンもいたとか。

ちなみに、本作はウォッカが同格と接する際の様子が少し垣間見える作品とも言える。
パンフレットのキャラ説明によれば「ジン以外のメンバーについてはあまり信用していない」らしく、実際に本作序盤でのバーボン、ベルモット、キールとのやり取りからはその一端が窺える。また、シェリーについては「あいつは昔から馴染んでなかった」、ピンガについては「人を蹴落としてでも成り上がりたい野郎」と評している。ちなみに上記のやり取りはテレビ初放送時にウォッカ以外が全員敵だらけ*28という点についてXで視聴者から突っ込まれていた。
反面、潜水艦の仕様がわからないふりをするキールに対し、ボタンの色から動作の仕組み、さらには操作方法などをチュートリアルのごとく懇切丁寧に教える場面もあったし、彼女とジンが一触即発しかけた際には仲裁に入るなど、組織の中でも中間管理職のような立場であることが窺える。

黒の組織の幹部にして、「千の顔を持つ魔女」と呼ばれる変装の達人。
バーボンと共にパシフィック・ブイに潜入し、開発者である直美を拉致。老若認証の結果について、ウォッカらと共に目を見開く。
その後、あの方に件のシステムの危険性についての意見をしたためたメールを送信。八丈島からフィリピンに向かった後、世界各地である行動を取る。
そして日本に戻って来たが現地には赴かず、離れた場所でその動向を伺うと同時に、遠隔操作でパシフィック・ブイのデコイ発射口を閉じるなどしてピンガのサポートを行っていた。
なおアバンでは、何やらフサエ・ブランドの広告に目を留めていたが……?

その他、本作ではレンタルしたボルゾイ犬が登場し、彼女にすり寄っている。

  • キャンティ
黒の組織の女性スナイパー。
シェリー拘束作戦にウォッカ・ピンガと共に実働。彼女は妨害する人間を射殺する任務に就いており、車を追いかけて来た蘭を射殺しようとする。
しかしコナンに妨害され、撤退に追い込まれた。
中盤では一度だけ音声のみ登場し、コルンに「そっちは任せたよ」と連絡を入れていた。

  • コルン
黒の組織の男性スナイパー。
序盤はジンの車の助手席に座っており、老若認証の結果を食い入るように見ていた。
その後、中盤で発生したマリオ殺害時に暗躍し、フランクフルトのシティホテルに滞在していた彼に向けて弾丸を打ち込んでいる。
また狙撃される直前、マリオは自身が狙われているとの連絡を受けたのか物陰に身を潜めていた。しかしそこでコルンは、近くを走っていたトラックのタイヤを正確に狙撃してパンクによる横転を引き起こさせ、その音でマリオを物陰から釣り出したその一瞬で狙撃するという機転と狙撃技術の高さを見せた。

  • アイリッシュ
  • キュラソー
  • テキーラ
  • ピスコ
かつて黒の組織にいた幹部たち。
アイリッシュは『漆黒の追跡者』に登場した男性幹部、キュラソーは『純黒の悪夢』で登場した女性幹部、テキーラとピスコは本編中に登場した男性幹部で、4人全員が既に死亡している。
キュラソーはラムの側近で、彼女の死後、そのポジションにピンガが収まった形だった。

なお、アバンでは男性幹部のコードネームと顔が挙げられるシーンがあるが、対象はあくまでコナンが組織の幹部だと知っている面々(かつ、バーボンやライのようにNOCは除く)だけ。
そのため、コナンが存在を知らない「カルバドス」、NOCである「スタウト」「アクアビット」、及び同様にNOCでもあり、またかつて「スコッチ」として組織に潜入していた公安警察官「諸伏景光」も、『ハロウィンの花嫁』でコナンは顔と本名を知ったが「景光=スコッチ」とまでは教えてもらっていなかったので登場していない。

黒の組織のNO2にして、あの方の側近。
登場自体は既に『純黒の悪夢』で果たしているがこのときは音声(声を変えている)のみだったため、正体が判明してから顔出しで登場するのは初めて。
終盤でバーボンに連絡を入れており、「最終手段を使う時になった」と伝えている。
老若認証システムは彼も気になっていたようだが、それが使えないものだとわかると息を吐いていた。
どうやら、あの方の居所を辿っているらしい。
なお、今回はこっちの顔では登場していない為、素顔での登場である。


老若認証……突き止めるのに使えると思ったんだがな……。
最近、姿を見せない『あの方』の所在を……。

黒の組織のボス。イメージシーンのみに登場。
老若認証システムを改ざんし、過去の防犯カメラの映像からその痕跡を消すよう幹部たちに命令を下している。
しかし最近姿を見せていないばかりかその所在さえも判っていないらしく、ラムは老若認証システムでその居場所を突き止められるのではないかと考えていた。
一方でベルモットだけは直接メールをやり取りしているが、その事は周りには明かしていない。何やら「……をつぶせ*29と彼女に命じたようだが……?



【その他の人物】


  • お婆さん
CV:沢田敏子
着物を着た高齢の女性。そのネイルの色は、どこかで見たような……?

フサエブランドの限定ブローチを手にすべく、電車で1時間も掛けて米花デパートまで来ていたものの、ラストの整理券を先に灰原に取られてしまったため、落胆しながら立ち去ろうとする。
だが彼女から整理券を譲ってもらい、ありがたく受け取ってお礼を言う。
エピローグでも登場するが、その正体は……!

  • 丑尾寛治 (うしお かんじ)
CV:沢木郁也
八丈島の観光船船長。ホエールウォッチングのツアーガイドも務めており、コナン達とはそこで接した。
阿笠がパシフィック・ブイに潜入したコナンからの伝達で出た警察の言葉に反応したのがきっかけで、阿笠に「警察の方ですか?」の会話から始まり、そして阿笠の発明品を見て感心し意気投合。彼の依頼を受けて、パシフィック・ブイへ蘭たちを運ぶ事になる。

担当声優の沢木氏は過去に『路面電車急停止事件』や『絶海の探偵』に出演しており、また今回で劇場版への出演は10年ぶりとなる。

  • ハンス
CV:土田大
ファミリーネームは不明。
ユーロポールの男性捜査官で、ネットワークセンターの管理者。
中盤で来独してきたFBIの面々を迎え、案内役を務める。


【用語】


  • パシフィック・ブイ
インターポールの海洋施設。八丈島近海に位置しているが、一般の地図上に情報は出ていない。
大容量のサーバーを冷却するため施設の大半は海中にあり、それゆえ付近に棲息するクジラの鳴き声も聞こえる。黒潮が強い海域なので、電力は周辺にあるリングを波力で動かして賄っているとのこと。
ロゴマークは図形を組み合わせて施設の外観を模したようなもので、スクリーンに投影されたり、コーヒーのカップにあしらわれたりしている。
また施設内には居住スペースやカフェなども併設されており、多国籍の多数の職員がこの場所で働いている他、敵部隊からの迎撃態勢としてデコイ*30なども積んでおり、まさに海洋の情報要塞とでも言うべき施設。

特徴は、世界中の警察の監視カメラにアクセスでき、下記の老若認証システムと併せて強力な情報網と捜査力を有していること。
当初の組織の目的はここをハッキングし、監視カメラに捕捉された姿を消すことだけのはずだったが……?
ちなみに、ジンとウォッカがどう見ても総武線の代々木駅か水道橋駅か中野駅のどれかにいるようなコマがある。ポルシェは車検に出していた?

  • 老若認証システム
パシフィック・ブイが所有するシステムの一つで、開発者は直美・アルジェント。
追跡対象者の写真で骨格から老化・若返りをAIで計算し、その顔をCGで作り出した上で、監視カメラに映る映像を元に顔認証で探し出すというもの。
長期の逃亡者や誘拐被害者を世界各国まで追跡を可能とする、非常に画期的なシステムとなっている。

だが『老化や若返りを計算』とあるように、データさえ取り込めば幼児化した人間にまで探知が及んでしまうため、コナンはこのリスクを案じていた。
そしてその懸念は的中。拉致された直美が持っていたUSBに格納されていた認証データが組織に流れ、灰原=志保である事が露見してしまったのだ。
ベルモットはこのシステムを『開けてはならない玉手箱』と称している。

本システム最大の欠点は、対象データとよく似た人間の顔まで『認証一致』の結果を出してしまう事。
あくまで『顔認証』なので、骨格や顔のパーツのみを参照し、他の身体的特徴*31やDNAなどでの認証を行なっていない。
そのため、顔が非常にそっくりな人物については探知精度が大幅に下がってしまい、この兄弟のような双子や、この人物によく似たに対しては誤った結果を出してしまう可能性が高くなる。*32
変装した人間についても同様で、対象とそっくりな人物であれば次々と『認証一致』の結果を出してしまう。
作中ではある人物がそれを利用したため、各地で志保とそっくりな人物を次々と認証一致と出してしまい、システムの信憑性ががた落ち。結果、それが灰原を危機から救う事につながった。
そしてその欠点が明らかになった際、ジンは「とんだクソシステム」だと激昂。完全に用済みとなったシステムを抹消すべく、彼はある決断を下し……。

ちなみに『天国へのカウントダウン』では、10年後の顔写真を予測して作成するシミュレータという似たようなシステムが登場しているが、こちらではコナンと灰原の時だけエラーが出て顔写真が作られなかったので露見せずに済んだ。

  • バックドア
端的に述べると、ハッキングのための『裏口』。
もう少し詳細に解説すると、悪意ある第三者がシステム内部の侵入に成功した後、そのシステムにいつでもまた侵入できるよう、システム内部から攻撃対象のサーバーに対して外部通信をするために設置するプログラム。
バックドアの恐ろしさは一度作られると、それを閉じない限り世界中のどこからでも対象のシステムやサーバーを操作できてしまう事。
作中ではパシフィック・ブイにバックドアが仕掛けられた事で外部からハッキングされ、海中ハッチの開け閉めや老若認証システムの操作を組織が行えるようになってしまっていた。
狙いは老若認証システムであり、組織の内通者がパシフィック・ブイにいる事が推察されている。

  • 潜水艦
読んで字のごとく、組織が所有する潜水艦。船名は不明。ジンによれば「組織の秘密が詰まっている」とのこと。
クルーが何名もいるほど巨大な船体を誇るもので、また艦橋だけではなく潜航中でも魚雷発射管からの出入りができる。
更に緊急脱出用の小型潜水艇も甲板に備え付けられている。



【余談】


  • ご存じの通り、『コナン』では基本的に殺人を犯した人物は逮捕されているが、本作は犯人に逃げられたばかりか生死不明となってしまうという作中全体でも非常に珍しい結末を迎えている*33
    なお、9/30に行なわれたブラックボックス舞台挨拶で、青山氏から「(ピンガは)亡くなりました!」と明かされた。

  • 本作のオープニングはいつもの映像とは異なり、工藤新一のパートの前半が潜水艦のモニターパネルに映像が表示され、映像の大半と江戸川コナン、灰原哀、宮野志保の名前表示が潜水艦内のバルブなどに影などのシルエットで紹介される仕様になっているほか、場面転換でハッチが閉まる、ベルトコンベアで何粒ものAPTX4869が流されていくなど、スチームパンクというかメカメカしい雰囲気である。シルエットでもやはり蘭はツノが目立っていた。

  • 新一と蘭は『紺青の拳』以降の作品では既に恋仲になっている時間軸だが、それでもオープニングのナレーションの「同級生で幼馴染の毛利蘭と……」という彼女との間柄に触れる部分は「恋人の毛利蘭と……」に変わっておらず、その点は本作でも踏襲された。

  • 本作を鑑賞する事を、潜水艦になぞらえて「潜航」と言われており、園子役の松井菜桜子氏も公開日当日にTwitter上で言及していた*34

  • 今作のタイトルロゴには、ソナーのような波紋があしらわれている。また同時に表示されるタイトルマークは、沈みゆく灰原、彼女を助け出そうとするかのように手を伸ばすコナンというものとなっている。

  • 2023年3月18日にデジタルリマスター版で放送された『灰原哀監禁事件』*35で表示されたNext Conan’s Hintの暗号文は以下のように表記されており、本作の宣伝メッセージとなっている。

Kurogane no
Submarine
2023.04.14
Daikoukai

  • タイトルの「サブマリン」には、実は同名のカクテルが存在する。その為、幹部のコードネームを酒の名前から取る黒の組織関連の名称とも言えなくはない。

  • 酸素を口移しで分け合うシーンに『14番目の標的』、拉致した対象をカートに隠して連れ去る点に『緋色の弾丸』など、過去作のオマージュ要素が含まれている。探してみるのも一興かもしれない。


  • タイトルに「黒」と付くのは『純黒の悪夢』以来6作ぶりで通算3作目。また、色の名前が含まれる作品は『緋色の弾丸』以来2作ぶりで通算8作目。
    更に、『コナン』の劇場版タイトルでお馴染みの当て字も『紺青の拳』以来3作ぶりに復活しており、2020年代公開の作品としては初めて。

  • ピンガの誕生経緯については、脚本執筆時に「ラムを出してほしい」という要望があったため、ラムの側近だったキュラソーがいた立ち位置にいる人物を出そうとしたのがきっかけ。そのため、ラムと同じ原料を使った蒸留酒であるピンガが選定された。
    先述の通り、この酒はカシャッサという名称で知られているが、語感と潜水艦の「ピンガー音(反響音)」にもかけてこの名前になっている。
    またピンガのビジュアルは、原作者である青山氏と立川監督によって作られたところが大きい。*36

  • ダジャレクイズのネタとなった『目くじらを立てる』という言葉は、実は鯨とは何の関係も無い
    『目くじら』というのは『目くじり』という言葉が訛ったものとされており、『くじり』とは物の隅や端などを示す古語である。

  • ウォッカとピンガが逃走時に使った車のナンバーは『た 429』。ウォッカの担当声優である立木文彦氏の誕生日にちなんだものである*37

  • 前作の『ハロウィンの花嫁』に続いて2作連続で犯人がフランス出身者に変装していた。また、衆人環視のもとで正体を暴かれて本性を表す点も似ている。

  • 本作は、蘭が実質味方サイド唯一の肉弾戦要員だが、その理由は他に戦闘に出られそうな赤井と安室がほとんど別の場所で活動しており、しかも本作の赤井は沖矢、安室に至ってはバーボンとして行動している事も大きい。
    また、戦闘が得意な京極真メアリー・世良世良真純といった面々も登場せず、警視庁メンバーたちが終盤までピンガと交戦しないのもこれに拍車をかけていると言える*38

  • グレース役とピンガ役はどちらも村瀬氏がこなしており、同一人物とはいえ性別も性格も完全に違うこの二役を見事に演じ分けていた。グレース時は女性の声にも思えるような高音なのに対し、ピンガ時は普段の声の面影を殆ど感じさせない程の非常に低い声で演じている。
    『コナン』では劇場版にゲスト出演するプロ声優が事前公表されないため、グレースを女性声優が担当していると思い込んでしまったり、キャストクレジットで出演を知って驚いた観客も少なくないのではないだろうか*39

  • 劇場版『コナン』で外国人キャラが登場した場合は、犯人役を除けば基本的に外国人声優を起用する事が多かったが、本作では外国人声優はひとりも起用されていない*40

  • 序盤に書いてある通り、研音所属のゲスト声優は沢村氏で5人目だが、キュラソー役の天海氏を除き、今回初めて研音所属のゲスト声優が犯人役ではなかった。

  • 立川・櫻井コンビの前作である『ゼロの執行人』のゲスト声優は上戸彩氏だが、同氏と本作のゲスト声優である沢村氏はフジテレビ系のドラマ『絶対零度』で上戸氏はseason1と2、沢村氏はseason3と4で主演を務めており、結果として『絶対零度』の主演2人が立川・櫻井コンビの劇場版『コナン』にゲスト出演した事になった*41

  • 黒の組織が今作で使用した潜水艦だが、映画で把握できる艦のシルエットで一番近い現実の潜水艦は海上自衛隊が配備しているそうりゅう型潜水艦とたいげい型潜水艦である。*42だが、2つの艦型とも終盤脱出に利用した特殊潜航艇を搭載する機能、またはしていた事実はない。そのため全く同じというわけではない。

  • 八丈島(八丈町)には昔は映画館があったが既に閉館しており、鑑賞するには本土に渡らなくてはならないため、現地における本作の認知度は舞台に抜擢されたにもかかわらず今一つといったところだったようだが、その後8月中旬には島民の皆さん向けの上映会も催され盛況だったとのこと。

  • 金曜ロードショーで放送された時の字幕の色はアニメ本編とは異なり、コナン(新一)が黄色、灰原(志保)が水色、赤井(沖矢)が緑色で表記されている。

  • 初登場からジョディ・スターリングの声を担当していた一城みゆ希氏が2023年10月24日に逝去した為、本作が一城氏の最後の出演となった。

  • 先述の通り、特別映像ではウォッカがナレーションをしているものもある。しかし、そこでの彼の言葉は明らかに主人公のものを意識しており、視聴者たちを抱腹絶倒させた。

どんなカラクリかは知らねえが、絶対に真実を突き止めてやる!
真実はいつも一つ、ってなあ!!

  • 翌年に名探偵コナン 100万ドルの五稜星公開記念に地上波放送がされたのだが、その番宣はサブタイトルの魚影に掛けた「さらなるぎょえええ体験」というもので、キッド、平次、コナンが「ぎょえええ」と驚き、灰原にいい加減にしなさいと突っ込まれる、こちらも抱腹絶倒な番宣がされた。








#969#6261




追記・修正は、バイバイだね……なんて言わずに、あの方の居場所を突き止めた方にお願いします。





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最終更新:2024年04月28日 03:05

*1 名古屋国際空港駅に来るシーン(『緋色の弾丸』)、小五郎を迎えに蘭と少年探偵団と警視庁を訪れるシーン(『ハロウィンの花嫁』)が、回想場面のパソコンの防犯カメラの画像で一瞬映し出されている。

*2 ただし八丈島近海におけるホエールウォッチングのシーズンは概ね11〜翌4月とされており、もし作中が9月前後だとしたら少しズレがある。

*3 八丈島(八丈町)は行政区分上東京都に属しているため離島とはいえ警視庁の管轄なので、ここに所属するキャラクターが登場するのは不自然なことではない。また実際に警視庁八丈署も存在する。

*4 応援上映自体は、コロナ禍でも発声NGの条件のもと2022年のハロウィンに開催されたことがある。

*5 「クロージング(closing)」と、黒の組織の象徴であるカラス(crow)を掛けたもの。

*6 プレストーリー『灰原を狙うカメラ』より。ノベライズ版では米花百貨店。

*7 後者の画像については、キールが「子供時代のシェリーかしら」と言っていたが、同じ画像の後方に写っている通行人の持つスマホの機種が最新のものだったことからウォッカは最近の画像だと判断した。

*8 『黒の組織との再会』参照。

*9 劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』[魚影の書]より。

*10 『純黒の悪夢』では、ラムはキュラソーに「その(瞬間記憶の)能力を私のために使いなさい」と話しかけていたので、それを見込んだらしいことは窺える。しかし、ラムが本作でピンガに言及する場面や彼を側近とするに至ったきっかけは描かれていない。ピンガについてのバーボンやウォッカの評は、良く言い換えれば(ラムへの)忠実ぶりやハングリー精神旺盛とも解釈できるので、そうしたところを気に入られたのだろうか。

*11 この別称はサンパウロで用いられているもので、他にもカニーニャなどが挙げられる。また、地域によってはカシャッサのブランド力を高めるため、あえてピンガと呼ばない場所もある。

*12 余談だが、本作の円谷光彦の名前の由来はここからと思われていたが、『青いペン軸』によれば探偵団の3人は一般公募でつけられた名前で、浅見光彦が由来ではないとの事。

*13 劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』[魚影の書]より。

*14 作中では司法解剖の結果洗剤だと推察されている。

*15 シンガポールが舞台の『紺青の拳』でも、小五郎の事を知っている現地人のゲストキャラたちが何人か登場している。

*16 エンディングで登場した彼女の墓の墓碑銘より。

*17 『まだまだあぶない刑事』の脚本は、アニメオリジナルエピソードでの脚本経験がある柏原寛司氏と大川俊道氏が担当している。

*18 このメガネは阿笠が作ったものの一号機。

*19 その為、エンディングでのキャスト順は2番手に位置している。

*20 キールは生きたままラムに会わせるよう進言しているが、ウォッカが「ジンの兄貴に会わせるのが先だ」とそれを却下している。

*21 アニメ版で弟が最後に登場したのは本作公開の約15年前である。

*22 イーサンと小山力也氏が演じる小五郎が同じ作品(エピソード)に登場したのは本作が初である。

*23 序盤で飲んでいる銘柄は全て八丈島に実在する地酒の名前の捩りで「恩情の島」→「情け島」、「島渡し」→「島流し」となっている。

*24 翌日パシフィック・ブイ行きの車に乗る時も一撃を食らった時の痛みがまだ治まっていなかった。

*25 「眠りの小五郎」で最終的な真相を解き明かしたのは『絶海の探偵』以来となる。

*26 コナンはこのとき何やら歯がゆそうな表情を浮かべている。

*27 仮に高木がいた場合は潜水艦の話を信じる可能性が高い為、本作に登場しなかったといえるだろう。

*28 ベルモットはコナンに肩入れしており、後の2人も公安警察とCIAから潜入しているスパイ。

*29 「……」の箇所はベルモットの指で隠れていて読み取れない。

*30 護衛艦などに設置される武器の一つで、敵の魚雷を音響や電磁波などで誘導・誤認させる装備。

*31 静脈や虹彩、背格好。

*32 この問題は現実世界の顔認証システムでも言え、前者に関しては同様の事例が多数発生している。

*33 『ピアノソナタ「月光」殺人事件』『森川御殿の陰謀』などの一部のエピソードでは、コナンの推理後に犯人が亡くなった事はあるが、彼が関わった事件において犯人が生死不明となるのは史上初。ただし、本作は劇場版オリジナルの組織の人間が犯人である為、こうした展開が扱えたといえる。

*34 また「潜水」と呼ぶファンもおり、どちらを使っても問題ないらしい。

*35 なお、こちらのエピソードは本作とは正反対に、コナンは組織の仕業の可能性を1ミリも考えていない。

*36 https://futaman.futabanet.jp/articles/-/123927?page=1記載記事より。

*37 それ以外の劇場版やアニメ版でも、主要キャラが運転している車やバイクのナンバーは該当キャラを担当している声優の誕生日にする事が多い。

*38 なお、ピンガと前作に登場した犯人の強さを比較すると、前作の場合は安室(バーボン)、景光(スコッチ)、松田、伊達といった何らかの能力に特化したメンバーが相手だった事もあり、結果的に劇場版史上最凶の犯人になったといえる。その為、交戦する相手が蘭しかいなかったピンガは弱い印象になったといえるが、逆に京極たちまで登場したらピンガも強化されていたと思われる。

*39 ただし、鑑賞前にパンフレットを見た結果、グレースの正体がピンガだと分かってしまった観客もいた様子。

*40 メタ的に言えば、全員を犯人候補にしたと考えられる。ただし、グレース/ピンガ役の村瀬氏は帰国子女である他、被害者も含めればニーナ役の宮原氏も留学経験を持つトライリンガルである。

*41 また、沢村氏が主演のseason3の第8話では前作の『ハロウィンの花嫁』にゲスト出演した白石麻衣氏もゲスト出演しており、偶然にも花嫁役だった。

*42 艦体は葉巻型。艦橋(潜水艦の上部にある塔のような部分)に潜舵翼が付いている事。艦尾がX舵。艦首に逆探ソナー(潜水艦の前部にあるコブのような部分)浮上時シュノーケルを出していたため通常動力型だと推察でき、このような特徴の潜水艦はそうりゅう型、たいげい型潜水艦にのみ見られる特徴であるため