太歳星君(ダークギャザリング)

登録日:2023/11/14 Tue 20:45:00
更新日:2024/04/12 Fri 08:08:26
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万全の準備をして、全力をもって挑みに来い。

その一切を破壊せしめ、魂に至るまで全てを犯し尽くしてやろう。

足掻けよ。



太歳星君(たいさいせいくん)』とは『ダークギャザリング』に登場する神。



概要

女子高生・神代愛依の家系に憑りついている神。陰陽師のような姿をした白く輝く白髪の少年といった風貌。
その姿と霊現象の数々から、陰陽道関係の神であると推察されていたが、正体は中国の道教における太歳(木星)の神、星神(ほしがみ)太歳星君』の分霊。
具体的には4000年前の殷王朝の時代から存在する道教に伝わる神であり陰陽道に取り入れらえて日本に渡来。
  • 方位の吉凶を司る「八将神」の中心的神霊
  • 古代中国の天文暦学で設けられた木星の鏡像「冥府の惑星」の神格
  • 凶神の代表格として最も畏怖された星の化身
などとして祀られた神であり、分霊でありながらその規格外の能力故に事情を知る作中の全勢力が、
「こいつに手を出すとか正気じゃねえ(意訳)」と語り干渉することをタブー視している超弩級の凶神
である。


現在は神代家に女性が産まれ見初めると憑りつき、20歳になったら嫁として自分の元に連れて行く行為を繰り返している。
愛依の不幸体質の原因でもあり、20歳まで生かすために他の霊から保護しているのだが、
この神に弾かれた霊の攻撃が周囲の誰かに押し付けられ、それがさらに愛依に……という原理で不幸になっているようだ。
なお、彼の嫁になった後は神代家の女性がどうなるのか説明されていないが、作中の描写を見るに死ぬより酷い目にあうらしい。
なので寶月夜宵は愛依を守るために神に宣戦布告した。


性格

一人称は「僕」
傲岸不遜にして極めて尊大。おまけに残虐であり、神代家の女性の魂を嫁にしているが拷問に等しい甚振られ方をしており、嫁の存在も蒐集物扱いとかなり冷酷。おまけに代々犠牲になっているので被害者の数はかなりのもの。
だが「20歳になった神代家の女性を祟り殺し、死後も尊厳を蹂躙する」という悪辣な所業を除けば基本愛依の日常生活に過度な干渉を起こさないなど、祟り神にしては意外と理性的でもある。
しかし死後神格化された安倍晴明の神社を見た途端「あの坊主ごときが社貰うとか、ちょっかいかけるか」と、露骨に小童扱いした挙句ヤクザ紛いの絡み方をして安倍晴明の霊をガタガタ怯えさせるといった悪趣味さもあり、そういった部分は祟り神らしい。

そして何より自らを絶対強者と疑わず、自分以外の全ての存在を自分を楽しませるため存在として明確に見下すしているのが太歳星君最大の特徴。
傲慢故に非常に堂々としており、喧嘩を売られた際も興が乗れば即座に相手を殺すことはせず、相手の万全の準備が整うまで敢えて見逃しており度量は深い。
(夜宵曰く「尋常に勝負するタイプ」。)
他にも、
  • 戦闘後見込みありと見做した空亡に視肉を与えてダメージを全快させた上に念動力の扱い方の指南を行い、空亡の成長・進化を促す
  • 鬼軍曹の死にたいという願望を聞いて殺してやることを受諾してやる
  • 式神の十二神将の要求に応じて視肉の肉片を分け与えたり、足りなくなれば適宜補給してやることを告げてやる
など神らしい対応や堂々とした振る舞いも節々で見せている。本人曰く「人心に応えるのが神だ。存分に来い」とのこと。


ちなみに巨乳派らしく、「乳の小さい女などに価値など感じない」と語る。
そして20歳になった女性を呪い殺して嫁扱いし蒐集してきた経歴から、夜宵にはロリコンの神様」と痛烈に皮肉られた。


霊能力

卒業生のようなデバフ系の能力こそ無いが非常に多彩な霊現象を数多く有し、そのどれもが破格の性能を保持。
そして霊現象による遠距離攻撃のみならず、徒手空拳による白兵戦までこなしている。
京都での決戦で様々な霊現象を見せていたが、これらは全て『弑逆桔梗』の呪いを受けた上でのもの。+α土地エネルギーの枯渇までついたおまけ付き。
なので土地のエネルギーが枯渇しておらず、弱体化も一切していない場合の戦闘力は未知数。

本人の気質も相まって戦闘スタイルは、用意周到に練られた罠に嵌められてもその状況や己の弱体化を愉しみ、
その上で「舐めプ上等で相手に全身全霊を出させた上で相手を真っ向から叩き潰す」というもので、その姿はさながらRPGに出てくるようなステレオタイプの魔王の様。
興味の湧いた相手の呪いをワクワクしながら敢えて受けるなど終始舐めプの態度を取りながらも、いざ戦いが始まれば呪いの発生源を迅速に潰すことを式神に命じたりとその場における最善手をある程度打つことも忘れない。

神主の霊によれば攻略手段としては「土地の霊力を絶って外部からのエネルギー供給を断ち、太歳星君が元々保有しているエネルギーをも完全に吐き出させて枯渇させる」ことだと考察している。


十二神将(じゅうにしんしょう)

太歳星君の使役する12体の人型の式神達。キッチリ個別の自我もある。
1体1体が卒業生の半分程度の力を有し、独立して行動可能。しかし式神故に太歳星君が弱体化すると影響を受けてしまう。
元々は神主の霊に仕えていた式神だったらしいが、太歳星君の力に屈して契約を無視して勝手に鞍替えした模様。
そのこともあって神主の霊は完全にブチ切れており、「詐欺師以下の塵共」と彼等を罵倒した上で前鬼・後鬼の完全開放を決定した。
劇中での夜宵との対決では、『弑逆桔梗』の呪いを解くため各地に散らばり、呪いの発生源となる卒業生達の抹殺のため行動している。

ちなみに十二神将という名前であるが、式神の名前などから厳密には陰陽道に登場する「十二天将」が元ネタと推察される。



視肉(しにく)

「来い」という言霊に応じて地面から湧き出すように召喚される夥しい無数の眼球がくっついた赤い肉塊。
正体は霊的エネルギーに陰陽の2つに分け、分けられた陽のエネルギーが陽の気の塊になったもの。ちなみに陰の気は祟りのエネルギーとして用いられている。

能力は「千切った肉を霊が取り込むと霊的エネルギーが回復する」というシンプルな物。
千切った目玉を1つ与えるだけで重傷を負った空亡を完全回復させるほどの効果を有する。バフ効果もあるらしく、視肉の目を3つ得た十二神将は普段の2倍ほどの力を得たと豪語している。

自分にも適用が可能で、この場合はさながら鎧の如く太歳星君の肉体と融合・補修する。
『弑逆桔梗』の呪いによる弱体化を受けても問題なく戦闘可能とし、鬼軍曹の零式の弱体化程度なら瞬時に全快する程の回復を齎すため、半ば不死に等しい状態と化す。
一応限界も存在し、視肉にある目玉の個数が再生可能回数であることがうかがえ、視肉の再生力ですら追いつかない規模の弱体効果は回復できずその身に受けてしまう。
だがそもそもこれほどの格の霊に独自の回復役がいる時点で厄介極まりなく、夜宵にとっては「真っ先に潰すべき対象」として最も攻略を優先すべき標的と看做されている。


元ネタは『山海経』など古代中国の古文書や中国神話に登場する謎の生物。太歳星君と同一視されることもある。
食べられるためだけにある生きている精肉で、美味且つ食べてもすぐに復活するため減らず、無限に食べられる肉だと伝えられている。
不老長寿を齎す仙薬の原料としての伝説も残っており、中国神話の皇帝達もこの視肉を食べ続けて寿命を延ばしたとされる。


消滅(しょうめつ)凶星(きょうせい)


ズタズタ、塵芥、遺伝子崩壊。
好きな死に方を選べ。

人の怨念から生まれる呪いとは根本的に次元の異なる天災規模の霊現象『神の祟り』の顕現。
霊的な力の流れの精密操作によって直径数十mはありそうな超特大サイズの強大無比な霊的エネルギーの塊を嵐のように渦巻かせて、それを指先大*1にまで超圧縮。
霊的エネルギーの乱気流とエネルギーの超高圧縮に巻き込まれた空気の摩擦がプラズマ化を引き起こし、光り輝く光球が完成する。
『消滅の凶星』とはこの光球の名称である。

また「凶星のエネルギー圧縮率に応じて与える傷が変動する」という変わった性質も持ち、どれもが必殺に等しい。
圧縮率とは書いたが、見た目では飛んでくる凶星の圧縮率を判断することは不可能としか思えないレベルで違いが分からない。
また現実の大気を巻き込んで構築する関係上物理ダメージを伴う霊的攻撃と化しているため、夜宵の身代わり人形による防御の対象外となる。
一応鬼軍曹の祈りの刃を使えば圧縮率を下げダメージを抑えることは可能。

光球は無数に生み出して自在に高速で動かすことが可能で、さながらファンネルのように高速で操り攻撃に用いていた。
遠距離攻撃以外にも掌に凶星を配置して掌打と一緒に凶星もぶつけて格闘戦にも対応できる便利な技。


技(?)

  • 六壬神課(りくじんしんか)
……――――災いに気を付けろ。
お前の居場所が凶方だ。

十二神将を周囲に召喚、陣を展開して実行する霊現象。
効果は「災いの標的の強制」。一種の反射能力と考えられるが、空亡クラスの強大な念動力であれば防御を突破することは可能。
それでも太歳星君本体にダメージが行く事はなく、十二神将1体を討ち取るだけに終わっている。
名前の元ネタは2000年前の中国で成立した時刻を元に天文と干支術を組み合わせた占術。

  • 流星群(りゅうせいぐん)
数十発の消滅の凶星を形成して一気に相手にぶつける技。
シンプルながら弾道のコントロールと併せて、鬼軍曹の再生が追いつかないほどのダメージを与えられる。

  • 棒旋星系(ぼうせんせいけい)
曰く「消滅の凶星超高分裂凝集態」
自身の周囲に莫大な量の凶星を生み出し集めて銀河系を模した形とし、それを叩きつける事で標的を吹き飛ばす大技。


余談

ロリコン扱いのインパクトが強すぎたせいか、真の名前が分かるまでの読者からの渾名は「ロリコン神」と中々に不名誉なもの。
元ネタの太歳星君は伝承によると「首に多くの髑髏を下げ、金鐘を手にした三面六臂の姿で語られることが多い」という。なので今作のショタっぽいビジュアルは本作の独自解釈になる。
また中国には「太歳頭上動土(意味:身の程知らずの行為をすること)」という彼にまつわる諺もあるらしい。



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最終更新:2024年04月12日 08:08

*1 見た目はパチンコ玉或いはピンポン玉程度の大きさ